※この作品はR-18です。

怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜   作:nene2012

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アパートに届いた2体のラブドール

 翌朝、目覚ましで僕はベッドから起き上がり背伸びをする。

 この時には深夜のドール購入の件は頭から綺麗さっぱり消えていた。

 

 僕は顔を洗い朝食を食べ身支度を整えて、玄関に向かう。そして、徒歩で大学に向かうのである。

 アパートから徒歩15分の距離にあるので、家から通う学生に比べれば問題ない。

 

 そして、講義室に着くと席に着いている1人の学生に目が留まる。

 それは同じフィギュアオタク友達である鈴木(すずき)壮太(そうた)だった。

 

「おはよう、壮太」

「おっす。悠人」

 

 壮太とは大学に入ってすぐに仲良くなった。同じアニメや漫画が好きで意気投合し、一緒にフィギュアを買いに行ったりする。

 実は繁華街にあるショップでフィギュアを買った帰り不良達に絡まれている所を彼が偶々通りかかって助けてくれたのだ。

 

 壮太は筋肉質でガタイが良く身長は180cmある。しかも筋トレマニアでもある。

 彼から睨まれれば、普通の男は縮み上がってしまうだろう。

 

 助けられた後、僕の荷物から覗くフィギュアを見た時、彼は僕を同好の士と認めてくれたのだろう。

 それ以来、一緒にフィギュアを買いに行ったり、お互いの家でフィギュアを鑑賞したりしている仲だ。

 そして、講義が始まるまでお互いに雑談をするのである……。

 

「昨日の深夜……実はネットで変なサイトにアクセスしたんだけど」

「変なサイト? もしかしてオカルトサイト? それともグロ系かアダルト系?」

「いや、そういうんじゃないんだけど。ラブドールを販売するサイトでさ」

「へぇー、そんなサイトがあるのか。それで?」

 

 彼は興味深そうに僕の話を聞いている。僕は昨日の出来事を彼に話した。

 すると……彼は少し考え込んだ後に口を開く。

 

「話を聞く限りじゃ、ぜってぇ詐欺サイトだな」

「やっぱり、そう思う?」

「そりゃそうだ。ドールがタダって書いておきながら、代償という意味不明なものが必要なんて……普通のサイトじゃありえんな」

 

 壮太の一言でその疑問は吹き飛んだ。そして、深夜のことを思い出す。

 サイトでは購入したことになっているが、自分の住所を書いた覚えはない。

 

「間違って購入をクリックしてしまったけど住所を書いてないから大丈夫だよな?」

「当たり前じゃないか……これからも変なサイトで不用意にクリックするなよ」

「そっ……そうだよな」

 

 やはり、詐欺サイトの可能性が高いのだろう。僕は素直に反省するのであった。

 そんな会話を交わした後、講義が始まるると、その話も頭から離れいつも通り講義に集中していく。

 

 ――そして、この日の講義が終わり僕は帰途についた。

 帰りに壮太と別れてアパートに帰ると、玄関の前に大きな段ボールが2つ置いてあった。

 

 自分の部屋は2階なので、ここまで運ぶには手間が掛かっただろう。

 そして、昨日の怪しいサイトのこともあり僕は警戒しながら、段ボールの伝票を見る。

 そこには送り主が『(株)パンドラ・トレード』となっていた。

 

「なんだ? この会社……見た事がない」

 

 宛名を見ると、僕の名前である結城悠人と住所の記載がある。

 だが、購入画面で住所どころか名前も記入していないのに……。

 とりあえず部屋に入れる為に、段ボールを持ってみる。ズシリと重く50kgぐらいの重さがありそうであった。

 

「2つも送りやがって……壮太がいればな」

 

 とてもじゃないが持ち運ぶのは無理で、半ば引きずるように部屋まで運ぶしかなかったのである。

 そして……ドアを閉めた後、部屋にドカッと2つの段ボールを置いたのであった。

 

「……中に何が入っているんだ?」

 

 大人がすっぽり入るほどの段ボールの1つをカッターを使いテープを切って中を確認をする。

 すると、そこにはドールが入っていた。

 

 そこには見紛うことなく昨日、サイトに載っていたラブドールであった。

 彼女は天使の異名を持つラブドール……ラティアである。

 

  腰まで伸びる長い金髪に、青い瞳の美貌のドールだ。サイトの画像で見るより造形が更に細かい。

 切れ長の目に長いまつ毛で高すぎず筋の通った鼻立ち。形の良い唇がキュッと結ばれていた。

 恐る恐る手を伸ばして触ってみる。指先から伝わる感触はシリコンのそれではなかった。

 

「なんなんだ、この肌は……っ! まるで人間の肌のような感触じゃないか!」

 

 ラティアの肌は恐ろしいほど白く、触れれば吸いつくような感触としっとりとした質感が伝わってくる。

 指で頬の感触を味わうように押し込むと本物の人間の肌の様にムニュッとした弾力が返ってくる。

 

「ええっ!? 柔らかっ!……本当に人の肌を触っているのかのようだ」

 

 シリコンで出来たラブドールだとは、とても思えなかった。

 僕はもう1つの段ボールもカッターでテープを切り、中を確認する。

 

 そこにはラティアと瓜二つな顔のドールが眠っていた。

 しかし、こっちのラブドールは漆黒の髪と日焼けした小麦色の肌であった。

 

「確か、こっちはモルガという名前だったな……」

 

 ラティアとは違い健康的で挑発的に思える。そして、こちらも人間としか思えないほど精巧に作られている。

 どちらも二十歳ぐらいの年齢に見える。

 

 

「こっちも凄い……まるで生きているみたいだ」

 

 ラティアと違って瞳が赤色である。その部分が人ならざる者としての象徴であるかのようだ。

 おまけに尻から尻尾が生えている。先端はハート形であった。

 

 そういえばアニメや漫画に出てくるサキュバスの尻尾みたいな形状だ。

 僕はモルガの頬に触れ、肌の感触を確かめる。こちらも弾力があり、しっとりとした質感がある。

 

「凄ぇ……まるで本物の女の子みたいだ」

 

 2体とも皮膚のうっすらとした凹凸や、光を柔らかく乱反射する絶妙な透け感までもが完全に再現されていた。

 まるで、生きている本物の美少女を、一瞬でドール化させたかのような造形美。

 両者の髪の毛を見てとっても一本一本に至るまで、人の手で植えられたとは思えないほど自然に頭皮から流れ落ちるように配置されている。

 

「この髪も、まるで本物の髪の毛みたいだ……」

 

 僕はラティアの髪を一房手に取ってみた。すると、金色の髪はサラサラと指の間をすり抜ける。

 そして、シャンプーの良い香りが鼻腔をくすぐった。それは人工的な香りではなく、本当に良い匂いだった。

 

「本当に……ラブドールなのか?」

 

 頭に思い描いたのは死んだ人間の内臓や骨を取り防腐措置を施してラブドールとして販売しているという事件だ。

 しかし……それはあり得ないと頭を振り、考えを振り払う。

 

 もし、死体なら犯罪だし防腐処理を施しても、いずれは腐り始め腐臭が漂ってくる。

 ドール達に犯罪の匂いはしないと頭から決めつける事にした。

 

 この日は彼女達に興奮し心が躍り、夕食も軽く済ませて、風呂にも入らず触ったり眺めていた。

 深夜になっても中々寝付けなかったが、いつの間にかベッドで眠りこけてしまっていたのであった……。

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