怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
2人から愛されているという現状は男として嬉しいが彼女達を、この先満足させる自信はない。
それはドール達と性的な行為をすれば生命を削られる代償が伴う為だ……。
「あ~っ! さっぱりした! 悠人も浴びてきなよ!」
そんな事を考えている内にモルガが浴室から出てきて僕の隣に座り込む。
そして、僕の後ろに回り抱き着く。耳元に向かって囁いてきた。
「悠人、入ってきな……そのままじゃ汚いよ」
「は……入るよ!」
彼女に促され、そそくさと浴室へ駆け込むのであった……。
シャワーを浴びながら、僕は彼女達とどう接していけばいいか考える。
2人の愛は嬉しいけど、このままだと僕は衰弱し死んでしまうかもしれない。
今日みたいに心臓にも支障が出てくれば、そのうち死んでしまうだろう。
でも、2人と距離をおいても彼女達の誘惑に抗い続けていくのも現実的でない。
ふと、浴室の鏡に映った自分の姿に目が行く。今までより痩せこけているように見えた。
「……この先、生き残れるだろうか?」と心配してしまうのだった。
シャワーを止めて浴室から出ると部屋着が用意されていた。
誰が用意してきたのか不思議に思っているとモルガが用意したようだ。
「あっ! もう出たんだ!」
「うん……」
「今日は夕食食べなくていいの?」
「あ……疲れて食欲ないんだ」
僕はモルガにそう答えると彼女は僕の体を気に掛けて触ってくる。
「ちゃんと食べないと体力が無くなってしまうよ?」
「いや……いいんだ、今日は食事が入らないんだよ」
「そ……そう? あたしは食べなくても大丈夫だからいいけど……」
君達のせいで命が削られてるんだよ!と心の中で叫んでしまう。
しかし、モルガの心配そうな顔を見ると何も言えなくなる。
そして、ラティアの方を見ると相変わらず動かず無表情でベッドに座っている。
そんな姿を見て彼女達は人間でない超常的な存在から送られ、じわりじわり僕の生命を吸い取って殺していくラブドール……。
そう思うと彼女達が恐ろしく見えてきた。一緒に暮らしていくのは難しい。
「ねぇ……今日はもう寝るよ」
「えっ? もう寝ちゃうの?」
「うん……。疲れたし、寝るよ」
「え~っ!? つまんなーい!」
モルガはガッカリして言うが僕は無視してベッドの中に入り横になる。そして、毛布を掛けるのであった。
彼女も諦めたのか、横になった僕の傍にくっ付いてきて一緒に横になる。
「オッケーまた明日ね」
彼女も割り切って僕の寝顔を見ながら深い溜息を吐いて目を瞑るのであった。
翌日、目覚ましのアラームで目を覚ますとモルガは僕の横にいた。
朝なので活動を停止している。反対にラティアは動き出してキッチンで朝食を作っている音がする。
起き上がると、目玉焼きの良い匂いがしてくる。普段なら食べれるが今日も食欲が湧かない……。
ベッドから降りてキッチンに向かう。料理しているラティアの後姿が見えた。
「おはよう、ラティア」
「おはようございます……朝食が出来ていますよ」
ラティアは僕を見ると笑顔で挨拶を返してくれる。その笑顔はニコニコ顔で可愛い。
「あ、あの……ラティア……」
「はい?」
「すまないけど、今日は食欲がないんで朝食はいらないよ」
「え……あっ、そうなんですか……」
ラティアは僕の言葉を聞くと悲しげな表情をする。しかし、すぐに笑顔になる。
僕は彼女が作った朝食を見て罪悪感を感じてしまう。
そして、顔を洗い口をゆすいで着替えるのである。
今日は金曜日なので講義はあるが、明日は休みである。
「今日は、大学があるけど明日は休みなんだ……ラティアはどうする?」
「悠人さんと一緒にお出掛けしたいです」
「そっか……考えておくよ」
僕はそう言うと玄関に向かう。そして、靴を履いて出ようとしたら後ろから抱き着かれた。
振り向くとラティアが僕に抱き着いてきていた。その表情は赤面している。
甘えてくるラティアに僕は思わずドキッとして、その頭を撫でてしまう。
「あ……あの、悠人さん」
「……な、何?」
「今日は遅くなります?……」
「そ、そんな事はないよ! ただ、今日は帰るのがいつもより少し遅くなるけど……」
「そうですか……。分かりました」
ラティアはそう言うと僕から離れる。そして、寂しげな表情のまま見送ってくれる。
僕はそんなラティアに後ろ髪を引かれる思いで玄関を出るのであった……。
「ふぅ……」
思わず溜息が出てしまう。彼女達と暮らして4日経つが未だに慣れないでいる。
最初はハーレム状態だと喜んでいたが蓋を開ければ2人とエッチすれば僕は衰弱していく。
今日からは彼女達と淫らな行為は避けようと思うが誘惑してきたらと思うと……。
ラティアは話せばわかると思うがモルガはどうだろうか?
僕はヨロヨロとした足取りでいつもより時間をかけて大学に到着する。
先の見通しに不安を感じつつも席に着くと教授の話を上の空で聞くのであった……。
講義が終わり離れた席に座っていた壮太に呼び止められていた。
「よう、悠人!」
「あ……壮太」
「おい、更に元気が無くなっているじゃねぇか? 大丈夫か?」
彼はそう言うと心配そうに顔を覗き込んでくる。そんな彼に対し僕は適当に嘘をつくのであった……。
「あ……ああ、大丈夫だよ……」
「嘘つけ……お前の顔は昨日より酷いぞ……」
「え? そう見える?」
「ああ、増々顔がやつれて痩せこけているように見えるぞ……」
そう言われると少しショックだった。昨日、2人とのセックスで僕の体に大きなダメージを負わせていたみたいだ。
とりあえず、疲れているので机にうつ伏せになろうとすると壮太が呼びかける。
「なぁ、悠人! 昼飯に行こうぜ」
「悪いけど今日は食欲がないんだ……」
「はっ? けど、食べないと筋肉が萎んでいくぞ……何か胃腸にいいモノでも食べたらどうだ?」
「う~ん……うどんかな……」
流石に今日は朝から何も食べていないので食べねばと思い同意するのである。
そして、壮太と一緒に学食まで歩いていくが彼が心配しているのが伝わる。
「なぁ、何か悩みがあるのか、それとも病気か何かか? 言ってみろよ」
「う……うん……」
「ぶっちゃけ、俺に話してみろよ! いくらでも聞くぞ! 友達じゃないか!」
壮太は親身になってくれて嬉しかった。しかし、彼に2人の事や事情を話すべきか迷う。
正直言って、秘密を打ち明けた方がスッキリするかもしれない。
でも、信じてもらえるかどうかわからないし人間じゃない彼女達を紹介するのも……。
とりあえず、壮太にはいつか話さないとな……けど、今じゃない。
「何でもないよ……」
「おい、はぐらかしてないか……」
「まぁいいよ。いつか話すから……」
「……」
彼は納得していないがひとまず保留にしてくれたので学食に入るのであった。
昼食時は混んでるなと思いつつ列に並んで、僕はうどんを頼む。
食欲は相変わらず湧かない。そんな僕に対して、壮太は自分の定食をパクパク食べていた。
そうしている間に自分達に近付いて来る女性達が目に入るのであった……。