怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
彼女達を尊敬の眼差しで凝視していると2人は僕にジッと見られていると気付き顔を赤くした。
「な、なによ……ジロジロ見詰めちゃって」
「ソ、ソウヨ……何か恥ずかしいじゃナイ!」
「だって……その年齢で怪異や魔と戦うなんて素晴らしいなと思って」
2人は恥ずかしさを紛らわすかのように反論するが僕の答えに言葉を失う。
それからモジモジしたように僕を見詰めてくる。それと同時に頬も増々紅潮してきた。
「まあ、あのドール達は我々の手に負えないと分かってるけど……でも、一緒に生活しているから心配でしょ?」
「そうネ! ハルトがいつか死んでしまうかもと思うと心配ヨ!」
「心配してくれて嬉しいけど……今はこの通り健康だから」
「ホント? 信じていいの?」
「ドール達から変な事されてナイ?」
僕の返答に対し彼女達は疑惑の目線を向け質問を重ねてきた。
実際に今のところ問題は起きていなくて、むしろ精力に溢れて充実しているのだ。
もしかして、2人はドール達にヤキモチを妬いているのだろうか?
退魔師達の目からは嫉妬にも似た感情の色が見て取れた。
何故か知らないが彼女達は僕に興味を持ちだしたようだ……。
だが、そんなことを言えるわけでもないので平静を装い食事を続けた。
「じゃあ……食べ終わったから、これで……」
食事を終え席を立ちあがると2人と別れる。午後の講義が始まるので教室に向かった。
席に着くと壮太のメッセージを確認するが相変わらず既読は無い。
僕も一応心配になって再びメッセージを送る事にしたのであった……。
悠人と別れて結衣とイザベラは顔が火照っていた。何故だか無性に彼の事が気になっているのである。
それは異性に対する恋慕の情である。2人とも悠人を激しく恋慕ってしまったようだ。
「はあ……悠人の事が頭から離れない……」
「ワタシもハルトの顔が目に焼きついて離れないヨ……」
彼女達は溜息を吐きつつも頬が緩んでいた。悠人の笑顔や話し方がどうしても頭から離れないでいたのだ。
その時、結衣とイザベラは思い立ったかのようにお互い顔を見合わせる。
「イザベラ……もしかして……私達魅了されてる?」
「ソウネ……。ワタシ達の心を奪っている力は……一体ナニ?」
2人は自分達が恋に落ちてしまった事に気付きショックを受けた。
しかも、それが原因で彼の姿が頭から離れないのだ。
「もしや……悠人君が言っていた老人が原因かしら?」
「謎のお爺さんが原因ナノ……?」
老人と言えば悠人が食事中、話していた人物である。
彼女達は老人に対して全く分からないでいた。ただ、彼が悠人の衰弱していく生命力を是正したとしか聞いていない。
本当にドール達の魔性の力を彼から救っているのなら人智を超えた存在としか言いようがない……。
実際、彼女達には知りようがないが彼の力によって悠人との縁によりどうしようもなく好きで堪らなくなっていたのだ。
「はぁ……悠人君にはドール達と暮らしている……彼女達が羨ましい」
「そうネ……ドール達が許してくれるナラ、彼と付き合いたいネ」
結衣とイザベラは、この日を境に悠人への思いが膨らみ彼に対する恋心が芽生えてくる。
そして、授業が終わるまで彼に対する思いは募っていくのであった……。
夕方になりキャンパスは茜色の陽光に包まれていた。講義を終えて僕は鞄を肩に下げながら校門へと歩いている。
今日、何度か送ったチャットのメッセージにも壮太からの返信は無く既読も付かないままだった。
体調でも崩しているのだろうかと心配になったが安易に電話を掛けるのも遠慮してしまい帰路につく。
校門前でスマホを操作していると背後から聞き慣れた声が響いてきた。
「悠人君……?」
振り返るとそこに立っていたのは結衣だった。そして、彼女は何とも複雑な表情を浮かべていた。
近くにはイザベラは居ない。どうやら1人で僕を待っていたようだ。
「どうしたの?」
「あの……よかったら一緒に帰らない?」
「いいけど……急にどうしたの?」
彼女は唐突に一緒に帰ろうと誘ってくる。どうも意図がわからないので聞き返すと暫く考え込む。
そして、改めて僕に向き直ると若干照れ臭そうに答えた。
「その……私の家にある護符を悠人君に渡そうと思って、もし良かったらついて来る?」
「えっ? いいけど……祓川さんはどの辺に住んでいるの?」
僕は意外だったので目をパチクリさせてしまう。いきなりすぎでビックリしたが断る理由も無いので承諾する。
結衣の住居場所は自分が住んでいるアパートとは反対方向だったので少し面倒臭く思ったが好奇心の方が勝ってしまった。
「私の家は、ここから歩いて10分くらい掛かるとこよ」
「分かった……じゃあ行こうか」
結衣は僕の答えを聞いて笑顔を浮かべる。やはり微笑むと本当に愛らしいなと再認識してしまった。
そして、彼女と共に大学を後にすることにした。何故だか知らないが結衣は僕の隣で頬を赤らめ恥ずかしそうにしている。
このまま歩いて行くと、いつもとは違う通り道を歩いていた。普段とは見慣れない景色に少し新鮮味を感じる。
結衣と一緒に歩いている間に会話をしていた。どうやら彼女が住んでいるマンションは退魔師協会が用意したものであるという話だ。
暫く並んで歩いているとマンションに到着した。築何年くらい建っているのだろうか? 建物は少々古びた印象を受ける。
「ここが私の住んでいるとこ……」
「へ~……これが君が住んでいるマンションなんだね……」
「実は退魔師協会に所属したら学生で1人暮らしだから、ここを紹介されたの。なのでタダで住んでいるんだ」
結衣は少し申し訳なさそうな顔をしながら教えてくれた。
エレベーターに乗ると上階に向かうボタンを押す。エレベーターは静かに動き始めると徐々に上がっていく。
彼女が暮らしている階の数字が表示される。扉が開き廊下に出るとその奥に玄関扉が見えた。
結衣が玄関を開けると、ほのかに石鹸のような香りが漂ってきた。
「ちょっとだけ外で待ってて……」
そう言って結衣は玄関に入って行くと扉を閉めた。その間、僕は廊下で待機することにした。
暫くすると玄関が開いて結衣が出て来る。その表情は何だか恥ずかしそうだった。
「入って……いいわよ……」
「うん……邪魔するね」
部屋に上がると床はフローリングで清潔感がある感じだ。家具も整理整頓されていて生活感があった。
中央にはテーブルがあり、その上にはコップが置いてある。結衣は椅子を引いて座るよう勧めてくる。
「どうぞ……座って」
「ありがと……」
勧められた椅子に座ると、結衣は棚から何かを取り出し始めていたのであった……。