怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
「とばっちりかもしれないけど……勝負しましょう……私達が負けたら『創造主』はこの件から退くわ……」
「えっ!? あなたや壮太と戦わないといけないんですか?」
「勿論、お遊びじゃないわよ……負ければ死を意味するわ」
ネフィアは微笑むと美貌に恐ろしさが加わって更なる魅力が磨きかかっていた。
退魔師である結衣やイザベラにとっては僕との縁によって巻き添えを喰らってしまったようだ。
「望むところよ! 私達も普通の人間じゃない、退魔師なんだから!」
「そうヨ……人に危害を加える悪しき物は放っておけナイ、観念しなサイ!」
反対に結衣とイザベラは果敢にも気丈に振舞う。彼女達は退魔師であり、戦う術を心得ている。
しかし、戦う相手はネフィアと壮太という事になるのか……?
僕がそう思っていると彼女は不敵に微笑み言ってくる。
「私が戦うのは貴方のドール達……壮太と戦うのは貴方や彼女達……それでいい?」
「あなたがラティアとモルガと戦うって?」
「私達が何故、壮太君と戦うの!?」
「ワタシ達が戦う相手はオマエじゃないノ!?」
僕と結衣、イザベラは彼女の提案に困惑する。ドールはドールと人間は人間と戦うということだろうか?
自分の考えを読んだかのようにネフィアは微笑を浮かべつつ口を開く。
「私がドール達と戦って決着をつける……壮太が戦う理由は……個人的な恨みよ」
「恨みだって!?」
「貴方と壮太は友達でありフィギュア仲間でもあり童貞でもあった……ドール達と仲良くなった貴方が先に脱童貞した……その僻み妬みがどれ程のものだったか分かる?」
「ネフィア……喋り過ぎだ……」
その言葉に反応して壮太はネフィアを睨み僕に憎悪のこもった視線を送ってくる。
彼はラティアやモルガを目にしてから好奇心と僻みでドールを購入してしまったようだ。
それに伴いネフィアと接してから彼女への執着は更に強くなり精神的に支配されてしまった。
彼の心中にあるのは羨望か嫉妬か……あるいはその両方であるのかもしれない。
「君が壮太の心を支配したんだな?」
「もちろん……私の肉体を使って壮太を服従させたわ……」
ネフィアは堂々と言い放つ。彼女は自身の体を使って壮太を堕落させたと誇示していた。
壮太の精神状態は、もう既に末期症状を呈している。普通では彼の情緒を治すことは出来ないだろう。
「決着がつくまで、壮太はこの状態よ……異論ないわね?」
「同意しなければ壮太は衰弱して、このまま死んでしまうんだろう……分かった」
僕が肯定すると、イザベラも同意する。そして、結衣が尋ねてくる。
「ちなみに……その決闘の日はいつにするの?」
「今日の20時……場所は貴方のアパートの近くの公園で決闘しましょうか……」
「今日!? しかも夜の公園だって人が入り込んでくるじゃ……」
「大丈夫……私が結界を張って誰も入られないようにするから」
結衣の問いにネフィアは淡々と答える。戦う場所は僕の住むアパート近くの公園ということで一安心する。
但し、この決闘で何か卑怯な手を使ってくる可能性もある。だが、他に手段がない以上は決闘を受け入れるしかなかった。
「分かった……受けて立つよ……ラティアとモルガにも伝えておくから」
「承諾してくれて良かったわ……」
「しかし……勝負に負けたらワタシ達はどうなるノ?」
イザベラは心配そうに尋ねる。ネフィアは邪悪に満ちた笑みを浮かべる。
「『創造主』による呪いが降り掛かるわ……だから全員死あるのみ……」
「そんなことって……」
「人間がどうこうできる存在じゃないの……分かった?」
ネフィアは微笑むと壮太と一緒に中に戻って行く。そして、部屋の中に入ってしまった。
僕の脳裏にはネフィアの冷酷で残忍な顔が焼き付くと同時に死に対する恐怖で不安になってくる。
「どうしよう……結衣、イザベラ……負ければ皆死んでしまう……」
「歯痒いけど……アイツの思惑通りになってる……」
「悔しいケド……退魔師協会に助けを頼んでも、どうにもならないかもネ……」
結衣とイザベラは困惑した顔になる。ネフィアの圧倒的な威圧感と残酷さに2人は圧倒されていた。
そして、壮太との決闘に関してどう向き合えばいいのか途方に暮れていた。
しかも、僕との縁を通して謎の老人と『創造主』の対立に巻き込まれてしまった。
僕は彼女達を巻き込んでしまった事に申し訳なく思い謝罪するのである。
「ごめんなさい……君達を巻き込んでしまって……」
「でも……私達だって退魔師としてドール達と関わった責任もあるし……」
「ソウね、どうせ戦うなら皆で一致団結して乗り越えるしかないヨ!」
結衣とイザベラは自分等が巻き添えを喰らったにもかかわらず健気に励ましてくる。
僕は彼女達の想いに胸が熱くなり涙が出そうになった。
「ありがとう……みんな」
「じゃあ、私達は家に戻って退魔師としての準備をしてくるから!」
「ハルトは急いでアパートに帰らないト! ドール達にもこの件について知らせなきゃネ!」
そして、僕等3人は壮太の部屋を後にしそれぞれの自宅に戻り準備するであった……。
僕はアパートに戻るなり2人のドールに事情を話す。今夜20時に公園でネフィア達と僕達が死闘を演じることになったと……。
「今夜20時に決闘……ですか?」
「え……新たなドールと戦うんだ……あたし達」
「そう……勝たなければ全員死ぬんだ……『創造主』によって……」
ラティアとモルガは僕の話を聞きショックを受けていた。だが、ラティアは意外にも平静を装っていた。
「私達が……ネフィアというドールと決闘するのは分かりましたが……勝てば私達は『創造主』の束縛から解き放たれるのではないでしょうか?」
「そうかもしれないけど……でも……」
ラティアの問いに僕は答えに困る。仮に勝てたらドール達は自由になれる筈だ。
けれど、負けてしまえば僕と結衣、イザベラ、壮太には死の呪いが降り掛かる。
そうなれば、彼女達を存在させる必要がなくなる。『創造主』によって消されてしまうかもしれない……。
そう考えれば負ける訳にはいかない。今となって戦いは避けて通れない道となったのである。
「だったら、勝ちましょう。悠人さん」
「あたしも同意見……悠人を死なせたくないから……だから絶対勝つよ!」
ラティアは覚悟を決めた様子だった。モルガも腹を決め皆を奮い立たせる。
僕は覚悟を決めた2人の決意を尊重する為に僕も戦う覚悟を決めた。
「うん……死ぬ気で頑張ろう!」
僕達3人は意気投合した。そして、公園での決闘に備えてそれぞれ準備を行い夜を待つのみとなるのであった……。