怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
「うっ!? 掴まれた、離しなサイ!」
「イザベラ、逃げて!」
壮太はイザベラの右脚を両手で掴んで押し倒そうとする。しかし、彼女は倒されまいと必死に耐える。
だが、全身に力を入れ足を掴んだまま力任せに彼女を振り回そうとする。
遠心力を使い怪力で回すように回転していく。次第にイザベラは平衡感覚を失っていった。
そして、数秒くらい回転した後、結衣に狙いを定めてイザベラの体を向けて飛ばす。
「きゃあ!」
「キャ―――!!」
「イザベラ! 結衣!」
彼女は結衣に向かって飛んでいくと結衣はかろうじて躱す。
しかし、イザベラはそのまま吹き飛び地面に体を打ちつけてしまう。
地面を転がりバウンドして仰向けになる。彼女は背中と腰を強く打ちつけたのか手で腰の辺りをさすっている。
これがコンクリートやアスファルトの上だったら重症だったかもしれない。土の上だったので大怪我は免れたようだ。
「大丈夫!? イザベラ!?」
「うっ……ううっ……背中と腰を強く打ったヨ……」
結衣は痛みに苦しむイザベラを心配し近付き声を掛けた。
背中を打ったことで呼吸困難になり、喘ぐように口をぱくつかせる。どうやらすぐには動けないようだ。
「ぐへへ……よくも俺の頭を蹴ったな……」
壮太はイザベラを見下ろし嘲笑うかのように言うと、僕の方に視線を向ける。
その顔は狂気そのものだった。目は血走り顔をくしゃくしゃにして笑っていた
僕は恐怖のあまり全身が竦み上がってしまう。
そして、徐々に近付いてくると不気味に笑いながら襲い掛かって来る。
「次はお前の番だ……悠人ぉ!!」
「壮太……何故、僕を憎む?」
「俺はお前がドールと一緒にイチャイチャしているのを見て羨ましく悔しかった……その恨みを思い知れぇええ!」
彼の絶叫が耳に突き刺さる。壮太は眼前まで来ると腕を伸ばし絞めつけるようにして首を掴む。
凄まじい力で首を締める壮太の両手を掴み抵抗するも力及ばず絞めつけられ息ができない。
「ぐ……あっ……や……やめ……」
「悠人! 今、外すから!」
結衣が僕に駆け寄り必死に呼びかける。掴んでいる彼の腕を必死で外そうとするがビクともしない。
彼女の腕力では力及ばないようだ。そして、酸欠になりかけ意識が薄れそうになる。
このままでは窒息して死んでしまう。絶体絶命かと思った瞬間、首を絞める手が外れた。
背後にはイザベラが見える。どうやら背後から彼女が壮太を蹴ったようだが……?
壮太の顔を見ると両手で股間を押さえ悶絶しているのであった。
そして、地面に跪きながら後ろを向いてイザベラを睨む。
「ぐっ……ううっ……よくもタマを蹴ったな……このクソ女!」
「ハルトを殺させナイ!……この、でくの坊ガ!」
壮太は怒りに燃えイザベラを睨みつける。しかし、彼女は臆せず彼を罵倒する。
そんな様子を見て僕は息を吹き返して大きく咳き込んだ。
「げほっ……げほっ……助かった……ありがとう」
「大丈夫? 悠人」
結衣が心配そうに声を掛けてくる。彼女達のお陰で一命を取り留めたのである。
しかし、油断大敵だ。気を抜けば彼の重い一撃を喰らえば死んでしまう。彼の力は常人とは比較にならない程強い。
「どうすれば……壮太を正気に戻せる?」
「困ったわね……操られている今の壮太君は手が付けられない……」
「そうダ!……こうすれば、いいカモ!」
イザベラはアイデアが閃くと跪いている壮太の背後から腕を首に回しバックチョークを極めようとする。
しかも、彼の抵抗を少なくするために自身の背を地面に着け回した腕で頸動脈を絞めていく。
更に両足を壮太の両足に引っ掛け、ジタバタ暴れないようにガッチリとロックするのであった。
「うぐっ……な……何を……うぐぐ……」
「バックチョークよ! 頸動脈を絞めて気絶させてヤル! ユイも手伝っテ!」
「分かったわ! あなたには悪いけど、正気を取り戻す為にも大人しくさせないと!」
壮太はバックチョークを外そうと両手でイザベラの両腕を掴むが力が入らないのか上手く動かない。
結衣が助力し壮太の抵抗する片手を掴んで拘束する。僕も手伝い2人で両手を押さえ込むのであった。
「壮太! お願いだから正気に戻って!」
「イザベラ! 思いっきり絞めて!」
僕等が手伝いイザベラは両腕に力を入れグイッと絞めつけて頸動脈を塞いでいく。
「うっ……ううっ……」
壮太はバタバタとジタバタしていたが、やがて呻き声を上げ静かになる。そして、壮太は白目を剥き失神したのであった。
僕等3人が壮太を相手に勝利すると結衣が安堵の溜息を洩らした。
「ふぅ……イザベラの裸締めが極まって良かった……」
「だけど……これで正気にさせた訳じゃないヨ……」
「まだ、ネフィアというドールを何とかしないと……」
結衣とイザベラは緊張感を崩さない。確かに壮太の動きを封じたに過ぎない。
本当の意味で解決する為にはネフィアを倒さなければならない。
だが、ラティアとモルガはどうなっただろうか……。 ネフィアとの戦いで苦戦してないだろうか?
気になってネフィアとドール達の対峙している方向を見るのであった……。
悠人と結衣、イザベラが壮太と戦っていた頃、ネフィアは異界より魔物を召喚する為に呪文を唱えていた。
「異界に住まう淫らで凶暴な化け物よ! 我が命により出でよ! 醜悪な淫獣よ、あの女達を陵辱しろ!」
「な、何か邪悪な呪文を唱えています……」
「アイツ……一体何を召喚する気なの……」
ラティアは彼女の呪文を耳にした途端に恐怖で怯えモルガは苛立ち見詰めている。
ネフィアが呪文を詠唱し終えると同時に空間が裂ける。裂けた中は闇で覆われていたが何かが這い寄ってくる。
それは黒と濃い紫色でヌメヌメとした肌をしており下半身は太く長いナメクジ型で表面はぬるりとした粘液で覆われていた。
顔と思える部分には目玉が突出し口が縦に割れると、おびただしい量の牙が見え粘液を糸引きながら開閉している。
体中から無数の触手がうねうねと生生えていた。ナメクジ型の下半身をくねらせて前へ進んでくる。
移動するたびに地面には粘液を垂らしながら接近してくる。辺りには腐った果実のような匂いを周囲にまき散らしていた。
「ギィイイィィ―――!!」
化け物は甲高い雄叫びを上げる。耳が痛くなる程の奇声を発すると姿を露わにする。
そして、ラティアとモルガを確認すると口から粘液状の涎を垂らし彼女達に向かって触手がヒクヒクと動いているのであった……。