怪しいサイトで天使と悪魔のラブドールを購入したら実体化した 〜ハーレムの代償で命が削られている僕の元に、なぜか女子大生退魔師達までも押し掛けてくる〜 作:nene2012
この時、公園の遥か上空で黒いコートを着た老人と人型の闇が勝負の行方を見守っていた……。
「わははは! やったぞ……儂が力を与えし若者が勝ったのじゃ!」
「むむむ……我が造りしドールが性交勝負で負けようとは……」
人型の闇は悠人がネフィアをセックス勝負で破ったのを見て悔しがり俯いた。
老人の方は賭けに勝って笑いを堪え切れない様子である。この暗黒から生成されたような者こそも超越的存在である。
また、ラティア、モルガ、ネフィアを造った『創造主』張本人である。また、老人も人の形を成しているが同じく超越的存在であった。
両者とも人ではなく、それどころか異界の存在でもない。幾多の世界を行き来できる神の如き存在と言えばいいだろうか……。
「さて、賭けに勝ったからには、あの人間達に執着するのは止めて貰うぞ」
「口惜しや……貴様が掛けに勝ったのだから……仕方があるまい」
人型の闇は渋々と言った感じで黒コートの老人に返答をする。
ネフィアと悠人のセックス勝負は超越的存在同士が暇つぶしの為の賭けで行われていたのであった。
そして、賭けに負けた『創造主』が老人との約束通り悠人達に危害を加えないよう取り決めるのであった。
「……賭けに負けたから仕方ない。貴様の要求通りに諦めよう」
「まあ、儂もドール達にちと細工を施してしもうたがな」
「続けて我が企みを邪魔立てするでないぞ……」
「わかっておる……今回は魔が差しただけじゃ……」
闇で形成された者が渋い顔で講義すると黒コートの老人は苦笑いして誤魔化していた。
勝負の結果が付き2人の超越的存在は何も痕跡を残さず消失するように去っていった。
そして、後には何事もなく勝負が終わった悠人と彼のドール達と退魔師達、壮太や第3のドールが公園に残されたのである……。
全裸のドール達に抱き着かれニヤケ顔の僕を結衣とイザベラが咎める様な目付きで見詰めていた。
そんな視線を気にも留めずドール達は僕を挟んで両サイドを陣取っている。
「ちょっと!……私達もいるんだから……気に掛けてよね」
「ユイの言う通りヨ……本当はワタシ達もハルトに抱き着きたいんダカラ!」
僕が恍惚な表情で乳圧に酔い痴れていると2人は不満げな声を上げてくる。
しかし、ラティアとモルガは競い合うように抱き着くのを止めなかった。
「ふふっ、普段から裸の付き合いですから」
「そうだよ! あたしは裸で抱き着いても恥ずかしくないよー!」
ドール達の主張に結衣とイザベラは呆れてしまう。しばらくの間、僕は甘い芳香と柔らかい胸に包まれて至福の時間に浸っていた。
退魔師達の方はというと2人を羨望と妬みで殺気立って見ている。結衣とイザベラの目つきに危険を感じたのか渋々、ラティアとモルガは僕から離れていった。
僕もまだ全裸であったので彼女達から殺気立った目で見られ急いで服を着る。
そして、服を身にまとうとドール達は退魔師達に勝ち誇ったかのように言う。
「えへへ、悠人さんのぬくもりを感じられて満足です」
「へへーん! 悠人はあたし達のモノだからね!」
2人の言葉に結衣とイザベラはますます苛立ったようだ。
「くっ……!」
「コイツら調子に乗ってるネ!」
「ごめんね……2人とも君達に嫉妬してるだけだから……」
退魔師コンビは憮然とした様子で口をへの字に曲げてドール達からそっぽを向いてしまった。
僕は気を悪くした2人に謝る。だが、僕を見ようとしないまま会話をしてくれる様子もない。
しかし、ドール達にとっては僕を巡ってライバルが増えてしまった形であり、心中複雑だったのかもしれない。
「結衣、イザベラ……彼女達の代わりに僕が謝るよ」
「ハルトが謝るくらいナラ、ドール達に謝らせてヨ!」
「そうよ! 悠人が悪いんじゃないんだから!」
このまま、修羅場になるかと思われたがベッドで放心状態であったネフィアが起き上がってきた。
彼女は勝負前とは違い邪悪な表情が抜け落ちていたのである。
もしかしたら、僕が膣内で射精した影響かもしれない。そうであれば、あの老人の力の影響は計り知れない。
そして、僕等と目を合わせるなり表情を曇らせ謝罪してくる。
「ごめんなさい……どうやら『創造主』の支配を離れて自由になれたみたい……」
ネフィアは真面目な表情で真摯に謝ってきた。そんな様子を見せられ誰も文句が言えなかった。
僕達の前で申し訳ない顔をし気絶している壮太をじっと眺めている。僕は意を決して彼女に声を掛ける。
「君はこれからどうするんだ……?」
「……これから、私はどうすれば?」
「とりあえず、壮太と一緒に暮らしたら……」
「うん……ひとまず、そうしようかしら」
僕の問いにネフィアは一考し彼と同じ屋根の下で生活するのを了承する。
まだ、全裸であったので脱ぎ捨てた服を急いで着る。
この時になってドール達が全裸であり一緒に帰るにはどうしたものかと考えていた。
イザベラが僕の困惑した表情を見て察し話しかけてくる。
「ワタシの司祭服を貸してあげるカラ、後で返してネ」
「ありがとう、イザベラ……後で洗濯して大学で返すよ」
「大学でなく直接ワタシの部屋にきてイイケド?」
彼女はねっとりとした視線を僕に向け部屋に来るように誘惑してきた。
この誘いに対して結衣が反応しイザベラに向かって口を挟んでくる。
「イザベラ、 何抜け駆けしてんのよ!」
「別に構わないデショ! イチャついた仲なんだカラ!」
「もう……2人とも……」
僕の取り合いをして喧嘩になりそうな雰囲気が漂い退魔師達は睨み合う。
そんな、やりとりを見て僕はどうしようもなく困ってしまい苦笑いを浮かべるのであった。
その時、突如として場の空気が変わった感じがして周りを見渡すと皆ピクリとも動かないでいた。
まるで、時間が止まったかのように自分だけが動け他は時間が停止したのかのように一切、動かない。
「あれ? 皆どうしたの?」
「……久しぶりじゃな」
目の前に前触れもなく黒いコートを着たあの老人が現れたのであった。
僕は驚愕で声も出せず硬直してしまう。老人は腕を組んだまま穏やかな笑顔を浮かべ語りかけてきた。
「お主が勝負に勝ったので忠告をしに来たんじゃ」
「忠告?」
「それはのぉ~……ドール達についてなのだが……」
「ドール達が?……」
息を詰めて老人が語る忠告の内容を注意深く聞くのであった……。