沼確バイン!!~エグいかわいいボーイッシュJKをメッチャやさしく攻略してみる~ 作:XI_01
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夕方からバイト、家でエッセイを書いてる。
オレからすればもはややっつけ仕事みたいになってるんやけど、それでも需要があるさかいな。
オレは一気に書き上げる。
よくよく頭を捻りながら書くのもありなんやろうけど、オレは勢いを重視するほうがええとおもてる。
ま、賛否両論、あるんやろうけどな。
そのうち、どなたかが訪ねてきた。
特に断ることもなく部屋に入ってくるのはアキラっちしかおらへん。
「おーい、晩飯、持ってきてやったぞ」
「メニューは?」
「ホルモン弁当だ。くせがある部類だと思うんだけど、最近、良く売れるんだ」
「ちょい待ってくれ。もうちょいで仕上げてしまえるさかい」
「冷めるぞ」
「仕事かて大事」
「そのへんの割り切り方は尊敬できるけどな」
けっこう一生懸命に取り組んで、せやから三十分ほどで作業は終わった。
アキラっちはリビングのまぁるいちゃぶ台の前にぺちゃんって座って、スマホいじってやる。
「スマホ中毒はようないぞ。きっと心が貧しくなってまうんや」
「あたしはヤフーニュースを眺めてるだけだ」
「ほなまあ、許容範囲やな」
「晩飯にしようぜ」
「助かります。いっつも差し入れしてくれて」
「ば、馬鹿野郎。こここっ、恋人同士なんだから、やってやれることはやってやるって」
オレは冷蔵庫から麦茶を持ってきた。
それぞれのグラスにそそいで、いよいよ弁当に手ぇつける。
「おぉ、おおぉぉぉ、このホルモン、メッチャうまいやんか」
「そりゃそうだ。じいちゃんがじきじきに仕入れてるんだからな」
アキラっちもホルモンをつまんで、白米にがっついてやる。
「オレ、やっぱ弁当屋になったるわ。物書きなんちゅうのは虚業や。ろくに金にならへんらしいしな。阿保がやることや」
「そうでもないと思うぞ? 先生って呼ばれるくらいの職業なんだから」
「呼ばれるだけや」
「おまえは敵を作るのが得意だなぁ」
で、どうする?
今日は泊まってくか?
オレはそないなふうに訊いた。
「い、いや、それをやってももはや許される立場なんだけど」
ん?
「なんや、問題でもあるんか?」
そったらアキラっちはいきなり頬を赤く染めて。
言いにくそうにしてるんやけど、なんや言いたそうで。
「最近、某アニメ映画を観たんだ。さっちんとみゆきちと観に行ったんだ」
「某アニメ映画?」
「詳しいことはいいんだ。ただ、印象に残ったシーンがあったんだ」
「それは」
「ガッコの、夜のプールに忍び込んだんだ」
「どちらさんが?」
「言ってみれば、主人公カップルが、だ」
アキラっちはミーハーで、気に入ったことに流されやすい傾向があるのは知ってる。
ともあれ――。
「要するに、アキラっちも夜のガッコのプールに赴きたいっちゅうことか?」
「い、いけないか?」
「いや。アキラっちが望むことなら、なるたけつきおうたろうと思う」
「ややっ、優しすぎるぞ、おまえは。その上、非常識だっ」
「行こうや、プール。そろそろシーズン終わってまうし、そうなったら水も抜かれまうやろ」
ひょっとしたら見咎められて、停学とかになっちゃうかもだぞ?
「そんときゃ二人でそうなんやろ。おまえと一緒ならどんな状況も悪くないわ」
「じゃ、じゃあ行こうぜ。ドキドキする悪いことをやってやろうぜ」
水着は?
「もう下に着てる。準備は万端だ」
「わこた。オレも下に穿いてったろ」
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ガッコ。
なんやどんくさいアキラっちのことも手伝ってやって、二人して勝手口を乗り越えて。
ガッコ自体が真っ暗や。
どうやら特に見回りのニンゲンもおらんらしい。
アキラっちが不安そうな感じで、オレの左手を握ってきた。
「ば、馬鹿だよな、あたしは。ガッコのプールに内緒で入りたいとか、意味不明だもんな」
「その意味不明な行動に誘ってくれたことについて、オレは喜んでるぞ」
「ほんとうか?」
「ホンマやよ」
プールに至った。
そう高くない緑色のフェンスを上って、いざ、プールサイドに下り立った。
「ひゃーっ、ほんとうに来ちゃったよ」
「今日もビキニかぁ?」
アキラっちは照れたようなところを見せたんやけど、すぐに悪戯っぽくわろて。
アキラっちはTシャツ脱いで、ショートパンツも脱ぎ払った。
黒いビキニやった。
商品のサイズに限界があるんやろう。
今にもバインバインがこぼれてまいそうで、ああ、ホンマ、目の毒やなぁ。
プールサイドの端のほうにまで下がったアキラっちは、「とぉっ」とかの掛け声とともに、勢い良くプールに飛び込んだ。
楽しげに、大きな声で笑いやる。
「来いよ、イクミ! 泳ごうぜ!!」
オレも服脱いで、海パン姿になった。
オレも一気に水の中まで跳ねた。
一通り、お互いに水かけあってから、アキラっちは静かに近づいてきた。
近づいてきて、求めるようにして、両腕を広げてみせた。
期待に応える格好で、オレはアキラっちのことを乱暴に抱き寄せて、乱暴に抱き締めた。
アキラっちはなおもわろて、「ああ、気持ちいい。サイコーだ」とか言うて、オレをぎゅって抱き返してきやった。
「あたしは、恋をするのが怖かったんだろうな。でも、恋はしたかったんだ」
「そんなんなんべんも聞かされたぞ」
「男なんて、大嫌いだったんだ」
「それも聞いた」
「ホント、用事なんてなかったんだ」
「それも聞いた」
こ、ここでセックス、してもいいぞ……?
プールサイドの硬い地面を下にして、メチャクチャされたって、いいんだ。
「変態的な発想や」
「か、かもだけど」
「水に浸かったまま抱き合うと、こないな感じなんやな」
「えっ」
「身体が溶けてまいそうなんや」
それは、わかるなぁ……。
「それにしても、ヤだ、ヤだヤだヤだ」
「なんの話や?」
「ほほっ、ほら、愛しちゃってるから」
なんとも喜ばしく、嬉しいお言葉やな。
「夜の、無防備なガッコに忍び込むとか、思い切ったこと、しちゃったな」
アキラっちはくすくすわろた。
「いつまで抱き合ってりゃええ?」
「一生、こうしてたい。どうやらあたしはおまえと出会って、おかしくなっちゃったみたいだ」
「愛してるぞぉ、アキラっち、メッチャ、この上なく」オレはアキラっちの背に回した両腕に力を込めた。
「やめろぉっ、かかっ、かっ」
「感じまうってか?」
「くそぅ、ちくしょぅ……」
プールの水は、冷たくは感じられへんかった。
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どうやらバレへんかったらしい。
そのへん、オレらは運がいいと言える。
学校はおろか、担任教師に呼び出されることもなく、事なきを得た。
昼休み。
机を寄せ合ってのメシの時間。
「なんかさ、イクミくんとアキラっちの距離が近付いたように見えるのだけれど?」とはさっちんの言葉。
「ついにセックスしたのぉ?」とはみゆきちのセリフ。
「しし、してないぞっ」今日も著しくどもりやるアキラっち。「でで、でも、距離が近付いたっていうのは……」
「嘘ではないと?」
「さっちん、おまえは勘ぐりすぎだぞ」
「突っ込んだところを早速訊くとするならだ、昨日、きみたちは何かあったわけ? セックス云々は抜きにして」
「あぁっ、あったよ。でも、そんなにはしたないことじゃないぞ」
「あっはっは。はしたないとか」
「ほんとうに、さっちんは意地悪だっ」
で、だ、イクミくんよぃ。
「なんやろう、さっちん」
「ほんとうに、アキラと心中できるの?」
一転、真剣な物言いやった。
「えっと、心外やな」
「心外?」
「だってそないなことほざきやるってことは、オレんこと、舐めてるってことやろ?」
「将来の仕事は? どうするの? 物書きなんて職業じゃないよ?」
「物書きは副業。オレは弁当屋を継ぐんや」
「本気? パッとしない仕事に違いないんだよ?」
あんまり舐めたこと抜かすな、怒るぞ?
きっと一生懸命に頑張らなあかん弁当屋のどこが悪いねん。
「確かに失言でした」さっちん殿は潔く謝ってくれやった。「ごめんな、お二方」
オレは弁当屋やるぞ。
もう心に決めたんや。
「でもさ、正直? あるいはくどい? ようだけど、イクミくんは物書きの才能、あるじゃない」
「アキラと一緒に、安定して暮らせるなら、そないな才能、オレは簡単に捨てたる」
そこまで、決定的に言うたからやろう。
アキラっちは困ったように目を白黒させやって――。
「そ、そういうことならあたしが家を出てやるぞ? せっかくのテクニックだ。伸ばしたほうがいいんだぞ?」
「いや、どう考えたかて弁当屋のほうが魅力的や」
「な、なんでそうなるんだよ」
「オレは感覚を重視する」
「弁当屋なんて、じつは誰だってできるだろうし……」
「そんなことあってたまるか。自分とこの家業を軽んじなや」
それはめちゃくちゃ嬉しいセリフなんだけど……。
「そう思うなら黙ってろ。オレはオレで好きなように生きる」
「おまえ、イクミ、最近、言い分が乱暴だぞ」
「気に食わんかぁ?」
「う、ううん。メチャクチャ頼もしい」
「愛してる」
「ばっ、馬鹿野郎、そんなのあらためて言われなくてもわかってるっての!」