沼確バイン!!~エグいかわいいボーイッシュJKをメッチャやさしく攻略してみる~ 作:XI_01
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日々、アキラっちは筋肉イジメることに余念がない。
日曜日の今朝もオレんちで汗ぇ垂らして腕立て伏せに励んでやる。
その様子をオレはベッドの上から眺めてるわけやけど、いちいち床に胸が接触するんがなんとも痛々しい。
アキラっちはひぃひぃ息しながら、「これでもキツめの矯正下着なんだぞ」――それこそ、胸の話やろう。
「アキラっちが古いタイプのニンゲンやとは知ってるつもりやけど、腕立て以外にも方法があるやろう?」
「おまえが言ったとおりだ」
「んあ?」
「だから、あたしは古いタイプのニンゲンなんだ。心の師はブルース・リーなんだ」
なんやいきなり出てきたな、ブルース・リー。
「腹筋するにしたって、邪魔やわなぁ」
「胸がデカいのは母性の象徴だ」
「おぉ、かつてない前向きな解釈や」
「おまえと出会って、あたしは変わったんだ」
なんとも嬉しいセリフ。
やがてアキラっちは床にべちゃんとひれ伏して、それからごろりと仰向けになった。
「百回やったぞ。百回だ」
「ちょっとしたバケモノやん」
オレはベッドから下りて、それからアキラっちに右手を差し出した。
アキラっちはその手をぐっと右手で握って身体起こして立ち上がった。
「銭湯行こうぜ。蒲田名物の黒湯だ」
「それ、好きやなぁ、ホンマ」
ちゅうわけで、着替えとタオル持って、近所にあるそこに向かうことにした。
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当然、男湯と女湯で別れてたわけやけどサウナが気持ち良かったんはおんなじらしく、おたがいに整ったコンディションで落ち合った。
黒くてちっこいタンクトップにだぼっとしたデニムパンツ姿のアキラっちは店舗の雰囲気に似つかわしい古びたマッサージチェアに座ると、「暑い暑い」言うて右手で自分のことを扇ぎやる、深い谷間を形作る爆の付くπは、相変わらず品がない。
「さあ昼飯だ。今日はチートデイだぃ」
「昨日もそない言うて、米、食べまくってたぞぉ」
「うるさいやい。あたしがいいって言ったらいいんだい」
「何食べる?」
「ピザがいいんだぞ。前から狙ってた店があるんだ」
っちゅうわけで、京急乗って横浜まで出ることになった。
オレもピザは嫌いやない――っちゅうか、大好きな部類やけど、にしたってわざわざ県跨ぐかぁ?
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前衛的な建物の二階、こじゃれた店、着いた頃にはとっくに昼で、ちょうど混み合う時間やったみたいで、少々待たされた。
こじゃれた言うたけど、シンプルでもあって、横浜やっていう立地のわりにはそこまでの高級さは漂ってへん、比較的、庶民的や。
四人席に二人、向かい合って座って――。
アキラっちはメニューを見ることはせず――。
「下調べはばっちりなんだ。基本、二種類しかないんだ。食材についてはナポリから直接取り寄せてるらしいぞ」
おやまぁ、なんと本格的。
高校生のガキが来てええ店やないなとすら思う。
「あたしはその二種類を二つとも食べるぞ。マルゲリータとマリナーラだ」
「似たような名前やけど、どう違うん?」
「ニンニクがあるのかないのか、それくらいじゃないのか。あたしも詳しいことは知らん」
「一つの大きさは?」
「35センチだ」
アホの足し算で70センチ。
そりゃけっこうなボリュームやないか。
「二つも食えんのん?」
「任せろ。チートデイだからな」ふははははと魔王みたいにわろたアキラっち。
ま、オレの稼ぎも含めて、散財すべきはこういうときなんやろう。
オレはそれなりに、アキラっちは大いにうきうきしてたところに、目当ての品がやってきた。
四枚並ぶと壮観や、テーブルがいっぱいになってしもた。
「おぉーっ」アキラっちは目をきらきらさせる。「見るからにもちもち感がすげー。デカいコルニチョーネはカリカリでふっくらだ」
「コルニチョーネ?」
「耳のことだ。残すイタリア人もいるらしいんだ」
「残す? そりゃまたなんでや?」
「すぐにおなかいっぱいになっちゃうからだ。種類を食べたいんだろうな、現地のヒトは」
そりゃあかんな、あからさまなフードロスやないか。
そない意見したんやけど、アキラっちはもはや素知らぬ顔、綺麗に切り分けられたマルゲリータをがぶりと噛んで口いっぱいに頬張りやった。
途端、目をまんまるにしやったわけや。
もぐもぐ咀嚼してごくん、一口水を飲んで、「うっま!!」と一言。
「やっべ。今まで食べたピザの中で一番だ! っていうか、今まで食べてきたピザはなんだったんだっ?!」
オレも大口開けてばくり。
おぉぉぉぉ、たしかにこれは――。
「ナポリや。今、たしかにオレはナポリにおんぞ」
「そういや近所のおばちゃんが言ってたよ。イタリア旅行に言って以来、ニッポンのパスタが食べられなくなったって」
「つくづく素晴らしきかな、イタリア」
「そうだよ。まったくそのとおりだ」
二人して、黙々と頬張る時間が続く。
気がついたらほぼ時を同じくして、お互いに二枚とも食べ尽くしてた。
「味変要らずやな」オレは感心してた。「伝統っちゅうんは、偉くて尊いんやな」
「同感だ。こりゃ混むわけだよ。コルニチョーネが良かった、コルニチョーネが」
アキラっち、自分、もはやコルニチョーネ言いたいだけやろ?
「あたしの給料はほとんど食費に消えてる気がするぞ」
「実際、そうやろ。あとはジム代と衣装代」
「健全だよな」
「ホンマに」
一人あたり五千円取られたけど、金はこういうときのために使うんやろういうくらい、有意義な昼食やった。
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二人してオレんちに帰ってくると、二人でベッドの上でうつ伏せになって頬寄せ合って、一つのスマホで動画見てた、ショート動画。
なんや小太りの彼はイタリア人らしく、そのおっちゃんは威勢良くピザ、作りやる。
「ピザ作りの動画ばっか観てたらピザ作りのショートばっか入るようになったんだ」
そいつぁ、自業自得。
自分、どんだけピザ好きやねんな。
「この動画のおっちゃんは世界チャンピオンらしいぞ」
いわく、っちゅうことやった。
出来上がるもんに興味はあってもその過程にはあんまり関心がないさかい、オレは「ふぅん」ってテキトーに返した。
アキラっちはというと、「うふふふふ」ってなんや楽しそうに眺めてやる。
「いいよなぁ。あたしもピザ職人になろうかなぁ」
まったく、影響されやすいんがアキラっちのええとこでわるいとこ。
せやけど、まあ。
「あの味を再現できるっちゅうんなら、特別や、イタリア留学、認めたんぞ」
「おっ、ほんとうか?」
「オレもついていくけどなぁ」
「だったらいっそ、一緒にピザ職人になろうぜ」
「アキラっちはホンマに感化されやすいんなぁ」
アキラっちが仰向けになりやった。
オレはその上に覆いかぶさる。
アキラっちはオレの首に両腕を巻きつけるようにして、オレんこと、抱き寄せやった。
抱き心地がええとはアキラっちんこと、ここは楽園、もしくはカタコンベか?
「いっぺんヤってからは崖から転げ落ちるみたいにしてヤってばっかだ。罪悪感がハンパないんだ」
言うて、アキラっちは愉快そうに笑いやった。
「罪悪感?」
「ああ。そんな感じだ」
「ようわからへんな」
「まあいいよ。またヤろうぜ、ヤれよ、メッチャ、ハメろよ、おもいきり」
「そない言われたらメッチャ焦らしたろう思う」
「やめろぉ、それはやめろぉぉぉ」
ぐぃって押し当てただけで、なおいっそう、しがみついてきやった。
ゆぅっくり押し込んだると、「やぁん、やだぁぁ……」っちゅうた。
これから一晩中、気持ちええ時間が続くことやろう。
明日の登校時は、二人とも、腰痛持ちなんやろうな。