細い道に入り 公園沿いの道を通って曲がったすぐに
待ち合わせ場所となる歩道脇のベンチが見えた
そのベンチの横で
グレーのスーツを着た男性と
黄色いワンピースの女性が立っていて
俺達に気付くと 軽く会釈してくれた
男「こんばんは セイさんとサヤカさんですか?」
丁寧な男の問いに 俺は頷いた
セイ「今回は お世話になります」
どう言ったら正解なのかわからず とりあえず言った言葉だった
サヤカは俺の隣で 二人に小さく会釈した
女「早速で悪いんですが いろいろと確認しておかないといけない事があるから移動しますね」
二人とも 俺達より一回りくらい年上に見える
女性が先に歩き始め マンションの駐車場に歩いて行く
男性に手で進むように促され 俺とサヤカは並んで歩き出した
何台も車が停まってる中で 一台のワンボックスカーがゆっくりと俺達に近づき
すぐ近くに停車した
女「セイ君だったかな 先に三列目に座ってね」
俺は言われるままに乗り込んでシートに座ると
女性が俺の隣りに座ってきた
男「サヤカさん は 僕の隣りに来て下さい」
男性は先に2列目のシートに座る
サヤカは少し躊躇するように止まって 俺を見ていた
運転手「ご安心下さい うちの二人が悪いことしたら このまま警察に向かってあげますんで」
男「え!悪い事なんてしないって!ひどいなぁ」
女性がクスッと笑い 運転手も小さく笑った
数秒後にサヤカが2列目のシートに座ると
スライドドアが自動でゆっくり閉まっていく
男「不安がらないでね わたくしは『木霊』といいます 当活動の助手的なポジションです」
女「わたしは『ルイ』 同じく助手的にお手伝いしてます」
二人の名前の紹介が終わった後 車がゆっくりと走り始めた
さっきまでは 車に乗ったら もう引き返せないと思っていたが
木霊さんとルイさんの雰囲気から なんとなく 断ることも出来そうだと思えた
シートに二人で座っているが 人ひとり分くらい間があいていて
木霊さんとサヤカの距離にも不安は感じない
車は大通りにでて 俺達には見慣れてない風景を進んでいく
木霊「では あなたたちと わたくしたち お互いの安全のために 今から質問の時間としましょう」
木霊さんとルイさんは 小さなレコーダーを取り出し 起動させた
ルイ「今からお互いの会話は録音しますね」
木霊「お二人も 不安でしたらスマホなどで録音してもらって良いですよ こちらがお二人に不利益や犯罪絡むような事をした場合は それを証拠に訴えてもらってかまいません」
ルイ「といいますか 出来たら録音しておいてください その方がお互いに安心でしょ」
サヤカ「逆に言えば お互いに枷をはめるようにも思えますね」
そう言ってサヤカはスマホのアプリを起動させた
俺も起動させ ルイさんとの間に置いた
木霊「まぁ 最初からお互いに信用しすぎてると 逆に怪しいですよね」
サヤカ「最初から信用してくる人って いるんですか?」
車は大きな交差点の赤信号で停まった
この車のガラスは 全く中を隠すようには出来ていなくて
隣りに停まったバンの運転席の様子がしっかり見えるくらいだった
でも すでに今どこにいるのかわからなかった
木霊「信用してくるというか 慣れ慣れしすぎたり もうエッチしたくてしょうが無いオーラ出してる方とか来ますよ」
サヤカ「え・・・・・そうなんですか?」
木霊「いろんな人がいますからね。我々を乱交風俗店と勘違いしてるんでしょうね」
前のシートの二人の会話を聞いていた俺とルイさん
会話に対しての俺の反応を見ていたらしく
ルイ「木霊さん、彼氏君が不安そうな顔しちゃったよ」
と小さく笑って話した
木霊「サヤカさんも不安そうな顔してるから この二人は大丈夫だね」
何が大丈夫の基準なのかわからないで 聞こうと思ったとき
木霊「では 今から二人の面接をしますね あ、そんなに真面目な面接じゃ無いから気楽に受けて下さいね ただ、ここからはわたくしはサヤカさんと、ルイさんがセイ君と、小声で行っていきますので・・・ご協力お願いしますね」
何か話しかけようと思っていたが 車は高速道路に入ったみたいで 速度が上がり
同時に車の音も大きくなってしまった・・・・
1分もしないうちに
前のシートの木霊さんが
サヤカに顔を近づけ 耳元で 何かを囁いているようだった・・・・
俺の横のルイさんも 少し俺に近づき
そっと耳元に囁き始めてくる・・・・・
微かに 香水?の 匂いがする・・・・・
ルイ「いまから いくつか 質問していきますね・・・・出来るだけ 正確に話してね」
俺は 小さく頷いてみた
ルイ「まず 大事な話から・・・・・目の前で 彼女さんが他の方に愛されても 彼女さんが拒んでいないなら・・・・機嫌を悪くしちゃだめ・・・・という決まりを 守れる?」