※この作品はR-18です。

【本編完結】前線基地あまあま娼館ライフ   作:ヒマリすきすきクラブ

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勢いとノリで書いたら長くなったので分割しました。
途中で長ったらしい説明がありますが、最悪太字部分だけでも押さえれば大丈夫です。

※追記
本編は完結しました。
甘々な展開が好きならこのまま1話から、ドットアビスっぽい甘々寝取り的な展開が好きなら多分後日談のほうが合うと思います。


本編
君は地の底に射す光(ヒマリ)- 前編


トレスリア地方の三大国。

ミレスガルド王国、ペルディオン皇国、エルドラーナ共和国。

戦火の絶えぬその三大国の国境に穿たれた半径15kmの巨大垂直空洞、通称『大穴』。

そこからは未知の資源という希望と、人類を蹂躙する未知の怪物『厄災』と呼ばれる絶望が溢れ出していた。

終わらぬ戦争を続けていた三大国は『厄災』によって滅びの淵へ立たされ、ようやく争いを止めるに至る。

背後に短剣を隠したまま、三大国はそれぞれの思惑の下に手を結んだ。

 

前線基地。

一攫千金を夢見た者共の、希望と絶望への最前線。

ある者は宝を手にし、ある者は永遠に戻らない。

野心と欲望と死が渦巻くその地へ、僻地から呼び寄せたかつてこの三国の争いを止めた英雄の孫を押し込めてしばらくが経った。

 

そして、この大穴には時空の歪みが存在し、時折異世界から何かが流れ着くという……。

 

*****

 

薄汚れた男達が、時折背後を気にしながら目的地も決められずに駆けていく。

 

赤く輝く溶岩が流れ、時折激しい地殻変動で火口から噴煙を上げるここはトレスリア地方の大穴第三階層。

探索者が『火山の階層』と呼ぶこの未調査エリアには、一攫千金の盗掘や高値で売れる貴重資源を狙って彼らのような盗賊団が大規模拠点を作っていた。

──過去形だ。

 

この階層には見つめれば精神感応を引き起こして催眠現象を引き起こす催眠石の鉱脈があったが、最早盗賊たちはそんな物に目もくれない。

 

「くそ!後ろは、後ろからは何も追ってきてないか!?」

「んなもんわかるかよ!」

「向こうの連中から発光信号が返ってこない……まさか……!」

 

盗賊団の彼らにケチが付き始めたのはつい最近の話だ。

力とカリスマによる悪の絆で盗賊団を纏めていたお頭が、皆が見る前で突然胸部から血を噴き、そのまま崖から底の見えない奈落へ落ちてしまった。

いくらあのお頭でも恐らく生きてはいないだろう。

 

お頭を失った盗賊団では誰がどうやってお頭を殺したのか急速に疑心暗鬼が広がり、悪の絆で結ばれていた配下は盗賊団内の別集団を信じられなくなった。

元々お頭ありきの結束だったのだから無理もない。

 

急な地殻変動があったのか、盗賊団がねぐらにしていた拠点がお宝と物資ごと突然溶岩に沈んだとき、彼らに再起の芽はなくなった。

 

決定的だったのが、お頭の覚えめでたき実質副首領だった男が率いた集団が、同じ盗賊団の別集団をお頭の仇討ちだと叫んで襲撃したことだ。

こうして実質副首領だった男も仲間だった者たちに討たれた。

 

もちろんこの火山の階層にいるのは彼らのような盗賊団や盗掘者だけではない。

高温とマグマが噴き出す危険な地形を活かして襲ってくるモンスターも脅威だった。

統率をなくした大規模盗賊団は小規模集団に分裂し、気が付けば彼らは烏合の衆として狩られる側に成り下がった。

 

雪風吹きすさぶ第二階層に逃げる者もいた。

さらなる未開拓領域、第四階層に逃げた者もいた。

そして、ついにはこの第三階層に残った小規模な盗賊の群れが次々と消え始めていた。

 

「来るんじゃなかった……!こんな地獄……!」

 

地面が揺れ、炎が噴き出す。

溶岩の滝壺で何かがボコリと弾ける音がする。

そんな彼らが進んでいた道のど真ん中に突如、まだ正式名称もない燃える岩石の身体の魔物が高所から落ちてきた。

盗賊たちには見えなかったが、燃える岩石の魔物は手足の付け根と首を拡散した光の束に撃ち貫かれて、そして引きずり落とされたのだ。

 

「なんだ!?」

 

死して鎮火した岩石の魔物が、彼らから10mそこらの眼前で砕け散る。

そんな魔物の死体に気を取られた直後、彼らの中心にいたこの盗賊集団のリーダー、その胸部から突然光り輝く刃が生えた。

背後から刺された勢いのまま、リーダーだった男の身体が空中に浮き上がる。

実体を持ち、血に塗れたエネルギーの刃は明らかに心臓を貫いていた。

お頭の時と同じ。

どう見ても即死だ。

 

ああ、いるかもわからぬこの地の神よ!

悪党にはこんな末路が相応しいというのか!?

 

「あ……?」

 

先頭を走っていた彼は、誰かの断末魔と共に振り向いて気付いた。

 

──仲間が1人多い。

 

いや……理屈は全く分からないが、そう見せかけられていたことに、今気が付いたのだ。

リーダーの背後から凶刃を振るったのは、気付かない方がどうかしていると言わんばかりの黒、白、灰の直線的な模様が描かれた、全身鎧のような『何か』。

そう、確か、お頭が落ちた時にもこんな奴が、いたような……?

 

何故彼が今更気付いたのか。

もう、すぐに関係なくなる(死神が来た)から、最後に思い出させてもらえたのだ。

 

吹き飛ぶ勢いのまま、『何か』から離れて盗賊たちの頭上まで浮き上がったリーダーにはまだ輝く刃が刺さっていて。

無慈悲にもその輝く刃が体内から爆裂し、文字通りの血煙へと変えた。

ビチャビチャと血が、内臓が、盗賊たちに頭上から飛び散っていく。

その血煙の中で、その『何か』は一滴の血も浴びていなかった。

次いで、そのすぐ隣にいた盗賊へその『何か』が身体を滑り込ませ、顎下から強烈なアッパーカットを見舞った。

 

「ぐぇ……」

 

綺麗に放物線を描いた盗賊が、不意に垂直落下して頭から溶岩の池に落ちた。

 

「あ゛あ゛あ゛ぁ……っ!?」

 

肉が焦げるような音。

ほんの一瞬脚が暴れた後、押し込まれたように溶岩溜まりへ沈んでいく。

 

「ナイスシュート!」

 

そんな惨劇を引き起こした謎の『何か』の姿が、この状況で快哉を叫ぶと同時。

不意に何の前触れも気配もなく消えた。

それがテレポートだと分かるのは盗賊たちの側にはいない。

 

「前だ!」

 

仲間の声が聞こえた頃には、一瞬で消えた全身鎧のような『何か』が前方で先程砕け散った岩石魔物残骸に立っている。

『何か』の腰、サイドアーマーから4つの円筒が切り離されて浮かび上がり、そこから輝く白い光の刃が伸びていく。

全身鎧のような『何か』は両眼を赤く光らせてこちらを睥睨した。

 

それで終わりだった(死がこちらを向いた)

 

「殺せ!殺せ!」

「こいつがお頭の仇か!」

「知ってるぞ!ここの時空の歪みからやってきた変な連中!お前が大穴にいる『ルクスノヴァ』か!?」

 

先頭にいた盗賊の彼は、迷わず身体を翻してすぐ近くにいた同志の盗賊を斬りつけた。

 

「よくもお頭を!」

 

盗賊の1人が持つ魔法の杖から火の玉が飛び、同じように味方の盗賊を焼いていく。

すぐに彼も味方のはずの盗賊に殺された。

 

明らかに誤射、フレンドリーファイア。

だがあの一瞬で赤い輝きに呑まれた盗賊たちは精神を掴まれ、催眠魔法をかけられたことに最期まで気付かなかった。

 

当然、『何か』も大乱戦に加わる。

テレポートを繰り返してはまるで意識の隙間がわかるかのように盗賊の命を絶っていき、光る刃を放つ円筒も自在に宙を舞って脅威を斬り伏せていく。

 

「やった!やったぞ!お頭の仇は俺が討った!これでおれが、つぎの、お、がぁ……っ」

 

最後に残った盗賊へ全身鎧のような『何か』が右手を突き出し、上へと掲げる。

念動力(サイコキネシス)という、この盗賊が知らない力で、距離があるというのに盗賊の身体が空中へと持ち上がる。

盗賊はまるで首を掴まれ絞められているかのように苦しんでいた。

いくらその足が宙を掻いても、もう彼を助ける仲間はいない。

 

おお、そうだとも悪党よ!

これが貴様に似合いの末路だ!

誰にも知られず逝くがいい!

 

──こうしてまた第三階層に巣食っていた盗賊の群れが、1つ消えた。

 

*****

 

ノストラダムスの大予言。

かつて、20世紀末の地球に恐怖の大王が現れる……とされていたものだ。

しかし恐怖の大王とやらは現れることなく、代わりに現れたのは地球への異世界からの侵攻軍だった。

 

この20世紀末の異世界との戦争、いわゆる異世界戦争においておよそ中世ヨーロッパ風程度の技術しか持たない異世界軍は20世紀末の地球による国連軍にあっけなく壊滅させられ、国連軍は当然の如く異世界側から開かれた空間の裂け目へ逆侵攻を行った。

 

しかし、異世界側から散発的に現れる魔法使いのゲリラ戦により地球側も多大な被害を被った。

超重力魔法でとある半島が丸々海に沈んだ。

アラビア半島は10年間地の底から大地を焼き尽くされ続け、中東に埋蔵されていた化石燃料が完全に枯渇した。

隕石招来魔法で隕石が地球に複数発堕ち、複数の都市がただのクレーターに変わった。

 

これらによる地球環境の大変動もあり、当時の地球側の正確な死傷者は現在でも不明なままだ。

 

加えて、逆侵攻した国連軍も異世界で魔法使い相手には非常に苦戦した。

姿は地球人や一般異世界人同様にただの人類でありながら、奴らは当たり前に生身で空を飛び、超常現象を引き起こし、国連軍を蹴散らした。

 

『大予言の日』と呼ばれた地球が異世界に襲われた日からおよそ3年間続いた戦争は、最終的にたまたま『大予言の日』に生まれ、地球で初めて魔法の素質を持っていた地球人の子供が、偶然惑星破壊級の隕石召喚の大魔法を反射。

異世界側の惑星に超超巨大隕石をぶつけて星そのものを粉砕したことで異世界と繋がった裂け目が消え、多大な犠牲を払いながら異世界戦争は終結した。

 

しかし異世界側の惑星破壊と同時に地球側に大量の『魔素』もしくは『魔力』と呼ばれる物質が流れ込み、以後生まれた子供は魔法の素質を得ることとなったのであった。

それが、およそ200年前の話。

 

そんな世界からやってきた地球連邦火星軍(マーズコスモス)生体工場生まれの青年レイ・ヒカリは今、異世界の大穴、溶岩煮えたぎる高温階層の中で盗賊と対峙していた。

 

「ち、畜生!これだけいて、崖でぶち殺されたお頭の仇も取れねえのかよ……!?」

「まぁそこは残念でしたってことで。ちょっとこっちの都合で、この先には行かせられなくてね」

 

口調はともかく、その行動には容赦がない。

現にこの盗賊はレイの1m先で念動力によって空中に磔にされたまま首を絞め上げられており、彼の隣には背後から胸を光の刃で貫かれて絶命した仲間やよく分からない光に貫かれて壊滅した盗賊団の死体が散乱していた。

 

生き残りの盗賊が銃から発砲し、または必死の詠唱で光線魔法を放つ。

だが銃弾は念動力(サイコキネシス)の力場に阻まれて垂直に落ち、魔法の光線は捻じ曲げられて術者を襲った。

 

念動力(サイコキネシス)は彼がいた23世紀の地球圏において比較的地味な種類の魔法だ。

超重力のような極めて高い殲滅力も持たなければ、時間加速や雷のようなド派手さもない。

しかし、人を殺すのには十分だ。

 

レイの指先から光線が飛ぶ。

捻じれ回転する光線はすぐに拡散して雨のように降り注ぐ。

光の雨に全身を穿たれ、無様なダンスを踊った。

だが今夜はパーティナイトではないし、踊ったのは死の舞踏。

また盗賊が息絶えた。

生きている盗賊はあと2人だけ。

 

「うぅん……読心魔法でももう大した情報はないか。ま、ここで死んでもらうよ」

 

レイは23世紀製パワードスーツの右手を振った。

瞬間、空中に浮かされた盗賊の視界から真っ赤に燃える溶岩を背後にしていた都市迷彩パワードスーツの男、レイの姿が左へと消えていく。

 

「や、やめ!助け」

 

おお、悪よ、貴様の末路を見るがいい!

盗賊の頭がひとりでに右へと回転する!

半回転!

一回転!

二回転!

三回転!

 

表現し難い破砕音が盗賊の首から響き渡り、身体が痙攣するとだらりと首が伸びきった。

 

「お前、同じことを言われても助けなかったみたいだね。……もう聞こえてないか」

 

レイは呆れたように言いながら、物体を空中に固定していた念動力を解除。

力の抜けた死体を地面に落下させた。

 

「ほら、お前もこっちを見なよ」

「ひ、ひぃっ!助けてくれ!俺は道案内と荷物持ちしかやってない下っ端なんだ!」

 

最後に残っていた、蹲って震えるだけの痩せた盗賊を念動力で立たせ、こちらを向かせた。

 

「だから、さ」

 

別に視線を合わせる必要はないが、このほうが都合がいい時もある。

 

「あ、あれ……?()()()()()()()()()!?」

「まぁな。先に上の階層に逃げた連中とは話をつけてある。合流して、一旦地上で身を隠せ。前線基地とやらには近寄るなよ」

「へ、へいっ!お頭!」

 

盗賊は目の前にいる存在がお頭だと『()()()()()』。

解放された盗賊が一目散に逃げていく。

盗賊たちの拠点を荒らして得た情報と盗賊たちの記憶から把握した闇商売のルートを乗っ取るにせよ潰すにせよ、使い道はある。

ただ殺すのはもったいない。

 

見送ったレイは異空間収納の魔法から大きな四角いユニットを取り出し、そこに念動力で集めて浮かせた盗賊たちの死体を放り込んでいく。

この四角いユニットは『リサイクラー』と呼ばれるモジュールユニットだ。

わかりやすく説明するなら、流血や欠損のない成人男性の死体を放り込めば、原子分解で水35ℓ、炭素20kg、アンモニア4ℓ、石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、その他諸々へと再構成されて、素材として取り出せるのだ。

もっと細かくして気体の酸素や水素を取り出すこともできるし『アセンブラー(組み立て)』ユニットに繋ぐこともできた。

 

宇宙服を兼ねた都市迷彩柄のパワードスーツでしばらく歩けば、微妙にレイのいた世界にかつて存在した日本語とは字が違う、防災備蓄倉庫と書かれた建物へと辿り着いた。

そこにはこの階層の先住民、レイとはまた別の異世界からやってきたセーラー服の黒髪巨乳な美少女。

未知の世界にやってきた不安を必死に押し殺そうと、レイのトレンチコートを抱き締めて待っていた少女、ヒマリがいた。

 

「あっ、お兄さん……」

「ヒマリちゃん。悪い人たちはいなくなったよ」

「よ、よかった……」

 

このヒマリという少女は、どうやらレイより数日早くこの異世界へと防災備蓄倉庫と一緒にやってきたらしい。

この倉庫に立て籠もる前は一つ下の階層に単独で向かったらしく、そこから逃げ帰って拡声器で助けを呼んだところでレイと出会ったのだ。

 

この数日間、レイとヒマリはたくさんおしゃべりした。

ヒマリが令和という元号を迎えた日本の東京にあるサンクチュエール女学園に通っていた生徒だったこと。

行方不明になったシエナという仲の良い友達がいたこと。

 

レイはヒマリがいた世界とは別の23世紀の火星で軍の人工子宮から産まれた存在で、念動力を主に扱う兵士(サイキッカー)だったこと。

レイがいた世界の21世紀には既に魔法を使える存在が当たり前になっていて、地球人類はワープ技術を発明してつい最近に異世界戦争でボロボロになった地球からアルファ・ケンタウリへの移民が始まったことなど。

 

腐った地球から植民地扱いされていたが故に地球に対して勢力で劣る火星軍と木星軍は、だからこそ魔法を使いこなせる戦力をデザイナーベイビーで大量生産していることなんて、向こうでは地球連邦政府のお偉いさん以外周知の事実だった。

長期間性能を維持できるように肉体が全盛期を迎えると以後不老となる処置も、地球では倫理がどうとか議論になったらしいが当事者のレイには何が悪いのか分からなかった。

 

それが、異世界にやってきたことで火星軍によるマインドコントロールが失われた。

残ったのは存在意義をなくした男だけ。

しかもまだまだマインドコントロールの影響が抜けきっておらず、今だって精神不安定だ。

そこに出会ったのが彼女、ヒマリだった。

 

ヒマリにとっては、機械から産まれたレイが両親どころか家族という概念を全く知らないというのは彼女の常識では考えられなかったらしい。

それからヒマリは地球基準で19歳のレイを「お兄さん」と呼ぶようになり、時折妹のように甘えてくるようになった。

だから、彼女がレイにとっての光となった。

 

男女2人っきりである。

向こうでの仕事だった潜入工作員の心得もあって、多少精神魔法で不安や恐怖を和らげ、安心感や親近感を与えるように悪意のない催眠(おまじない)をかけたりしてはいるのだが、それにしてもここまですぐ仲良くなったのはレイとしては想定外のことだった。

いくら潜入工作員として地球軍に違和感なく溶け込み、いろいろとやっていたレイでもこの娘は警戒心がないのかな、とは少し思ってはいた。

 

レイはパワードスーツを異空間収納の魔法で脱ぎ、潜入先だった地球連邦宇宙軍の軍服も脱いで汎用魔法から『清浄(クリーン)』の魔法をかける。

宇宙服を兼ねた都市迷彩柄のパワードスーツのおかげで暑さはあまり感じないとはいえ、この階層には溶岩が流れているのだ。

見ているだけで気分が暑くなってくる。

 

(うう……! お兄さん、すっごい鍛えてるから何回見ても視線に困っちゃうよ……)

 

上半身裸になったレイはパッと見細身だが、筋肉がついていて腹筋もしっかり割れている。

サイコパワーで筋肉も増強されていた。

19歳、銀髪に青い瞳、整った顔な半裸のイケメンで身長は180cm程。

女の子しかいないサンクチュエール女学園に通っていたヒマリには非常に刺激の強い光景だった。

 

優しげな瞳と一緒に右手の人差し指がヒマリに向けられると、そこから放たれた蒼き清浄なる光はまるでお風呂に入ったかのようにヒマリの汚れや汗を綺麗にしていった。

 

「はふぅ……♡ やっぱりお兄さんの魔法ってすごいなぁ」

 

ヒマリの驚いたような声にレイは小さく笑った。

 

「まあね。こっちの23世紀は科学と魔法が融合した時代だからね。効率的に魔法を使うための理論化やシステム化が進んでたんだ」

「すごいなぁ、魔法を使えるなんて……。ヒマリたちの世界では、架空の存在だったから……」

 

ヒマリは感慨深げに自分の小さな手を見つめる。

ヒマリがどうやったところで自分の手からホーミングレーザーも実体を持った光の刃も出せない。

FPSゲームはやってたけど、それは元の平和な世界の話だ。

 

レイも異空間収納魔法に地球連邦宇宙軍制式の粒子ビームライフルは持っていたけど、試しにヒマリに一発撃たせてみたら反動で転びそうになり。

後ろから支えていたレイの腕の中に抱き締められて、耳まで赤くなりながら終わったのだ。

ちなみにこの粒子ビームライフルの的にされたのは眠っていたドラゴン。

大きく外れた弾丸で片足の小指を抉られ、いきなりの痛打にびっくりして飛び起きた直後、レイがドラゴンの背中へテレポート。

死角から実体化した念波の刃で首を落とされたことでそのまま絶命した。

 

「さて、これからどうする?この倉庫でしばらく過ごすのも限界があるし……」

 

盗賊団の死体からサイコメトリーで引き出した情報によれば、地上にはこの大穴に備える最前線として前線基地なるものがあるらしい。

つまり、近くにこの異世界の人間が集まる村とか町とか街とかありそうなわけだ。

まずはそこに向かい、情報収集がベストだろう。

そう、伝えた。

 

「あ、あの……もしよかったら、一緒に行動しない……?一人じゃ、怖いけど……お兄さんと一緒なら、なんとかなりそうだから……」

 

ヒマリの真剣な眼差しに、レイは思わず微笑む。

彼女が『妹』になっても家族の愛情はまだよく分からなっていないが、自分が好かれていることはわかる。

それに、こんな状況では一人ぼっちにしていくのは誰にとっても辛いだろう。

レイは、ヒマリに近づくと腰を落として片膝をつき、彼女に目線を合わせた。

 

「わかった。それじゃあ上に着いても俺と行動しよう。ただし、絶対に俺から離れちゃダメだからね(どうか、いなくならないで)

「うん……!ありがとう、お兄さん」

「明日にでも準備しようか」

 

レイはそのまま座り込んだ。

 

「今日はもう遅い。休もう」

 

その後しばらく二人は何をするわけでもなく無言の時間を過ごしたが──不意にヒマリの方から口を開いた。

 

「あの……その……」

「ん……?どうしたの?」

 

さっきからずっと、ヒマリの目にはどうしても目に入るモノがあった。

それは、レイのズボンを非常に男らしく盛り上げる股間だった。

 

そこから漂ってくるオスの匂いはヒマリの本能に訴えかけ、彼女の内側から疼くような熱が生じていく。

ヒマリはそれを誤魔化そうとしたものの、どうしても意識してしまう。

ヒマリの視線が股間にいく度に、レイは苦笑しながら見守っていた。

 

「えっと、その……お、大きいね……」

 

ぽつりと言ったヒマリの顔は真っ赤だった。

 

「ああ。向こうの世界で魔法を使える人々は新人類って呼ばれてるんだけど、旧人類にはない臓器が2つあるんだ。1つは、心臓と同じ場所にある魔臓。こっちは皆同じサイズだね。もう1つは、男性なら精巣と、女性なら卵巣と同じ場所に重なっている魔巣。でもどれも身体を切り開いても見えないから、次元か空間がズレた場所で人体に繋がってる……って言われてる」

「へえ……」

「まあ要するに、新人類の男性は金玉のサイズと魔巣のサイズが同一だから、金玉がデカいほど魔法力が強くて使える量も多くなるんだ。特に俺は遺伝子操作で魔力多めに改造されてるから、かなりデカいと思うよ」

 

レイは特に羞恥心もなく自分の股間を指差した。

さらりと、自己の機能説明のように。

ヒマリは恥ずかしさと好奇心が混ざった様な表情をしている。

 

「そ、そうなんだ……」

 

ヒマリはちらちらとレイの下半身を見てしまう。

 

「気になる?」

「そ、そういうわけじゃ……!」

 

慌てて否定するヒマリを見て、レイはくすくすと笑いながら続けた。

 

「いいよ。気になるなら見せようか」

「え……っ!?」

「減るもんでもないし、ね」

 

驚くヒマリを尻目に、レイは立ち上がりベルトに手をかける。

さっきまでヒマリに警戒心がないとか思っていた分際で、当の本人には羞恥心というものがまるでなかった。

カチャカチャと音を立てて外れ、ズボンが下着ごと落ちると、ぶるんっ!とヘソにぶつかる勢いで若さと健康でパンパンな巨大な逸物が姿を現した。

 

「ひゃっ……!?」

「ふぅ……あ、今勃起してるからデカいけど、別にヒマリちゃんを襲うつもりはないから安心して」

 

ヒマリが思わず思わず叫んでしまうほど大きかった。

目の前に現れた無毛のズル剥けペニスは太く長くとても立派で、亀頭はカリ高でエラも張っていて、竿の表面には血管が浮き出て脈打ちながら天を突いている。

更にその根元には金玉が鎮座しており、片方だけでも握りこぶし程もある大きさだった。

そんな玉袋がパンパンに膨れ上がっており、中身がギッシリ詰まっているのが分かるほどだ。

先端からは透明な雫がドバドバと溢れており、雄臭いフェロモンを撒き散らしながらヒマリの鼻腔をくすぐってくる。

 

魔法使いと言えば杖だ。

新人類の男性は魔法を使うのに杖を持たないんだとヒマリは思っていたが、その理由がこれだ。

 

金玉が魔力タンクならチンポが杖なのだ。

そして魔力を使えば使うほど性欲とザーメンが溜まる。

 

誰だって杖を褒められれば悪い気はしないし、自分の武器は説明したくなる。

ちなみに女性はおっぱいが杖にあたるので2つの杖を持っているし魔力を使うと子宮が疼く。

どちらも杖にあたる部位が大きいほど魔力を精密にコントロールできるので、元の世界で火星軍や木星軍の女性はみんな胸が大きい。

杖が存在すればいいので魔法は普通に指先とかから出せた。

 

レイが本人も無自覚なままに魔巣から溢れさせていた魔力が、雄臭いフェロモンとして無意識なままに『発情』と『催淫』の精神魔法デバフを撒き散らしていた。

しかも無意識だから本人は我慢汁から精神魔法を撒いているなんて一切思ってすらいなかった。

おかげでヒマリは自分に何が起こっているのかわからないまま、レイのデカマラから目が離せなくなっている。

ヒマリの瞳にはハートマークが浮かび上がっているようにさえ見えた。

 

(これが男の人の……大きい……すごい……♡)

 

ヒマリは目が釘付けになってしまった。

静かに『発情』と『催淫』のデバフが蓄積していく。

 

「これは仕方ないことなんだ。魔力を使うと魔巣が刺激される。魔巣と同じ場所にある金玉も刺激されて、中でグツグツ精子が作られちゃうんだよね。魔法を使えば使うほど射精欲求が高まってくるんだ」

「そ、そうなの……?」

 

ヒマリはもう話半分に聞いていた。

と言うよりもなかなか頭に入ってこなかったという方が正しいかもしれない。

それくらい魅力的な光景だった。

とりあえずレイが魔法を使えば使うほど性欲が溜まって射精したくなると理解しただけ偉いとすら言える。

 

「そう。だから、定期的に抜かないといけないんだよ。元の世界なら毎晩慰安担当の人とかに抜いてもらえたんだけど……」

 

レイはちょっと困った様子を見せているが、実は相当溜まっている。

前の世界では特に火星軍はそうだったが、地球連邦軍でも魔法を酷使して性欲の昂ぶった男女がお互いに慰安活動として肉体関係を持つのは日常的だったし、魔巣が昂ぶったままでは効率が落ちるとして軍専門の娼婦や男娼を雇うのが一般的な時代だったからだ。

軍以外の民間でも、セックスを楽しめる人は性欲が抑えきれなくなると頻繁に慰安施設を利用するのが普通だ。

レイもその環境に違和感など感じていなかったからよく同僚の女性をイチモツで悦ばせてあげたり、ベテランの娼婦のお姉さんに奉仕してもらったりと慰安の時間は充実していた。

なので、当然のことながら性行為に対する忌避感は殆ど無いに等しい。

なんなら子作りだって受精したら受精卵を軍の人工子宮に移してあとはお任せなので、危険日中出しすら単に最高の快楽のスパイスだった。

それで報酬金も出たし。

 

早い話が、彼にとってセックスとはお互いを高め合って気持ちよくなった結果、たまに賞金が出るスポーツのような扱いだった。

少なくとも彼の元の世界の常識ではそうだった。

一般的には恋人の概念も結婚もなかったのだから。

 

そんなレイが異世界に飛ばされてからは、一度も抜いていないのだ。

当たり前だが、慰安活動は双方の合意が前提だ。

使えるものは使うべきだと思っているレイとて友好的な相手に催眠魔法はかけないだとか、読心魔法は平常時は控えるだとか、そのくらいの良識はある。

 

セーラー服を大きく押し上げる豊かなデカパイ。

しっかり肉のついたハリがある大きなお尻。

むっちりした太ももを覆う魅惑の黒タイツ。

毎日『清浄』の魔法を浴びているおかげで白い肌から漂う甘い香り。

サラサラで艷やかな黒髪。

いかにも気弱そうで自信なさげな表情。

だけど瞳は澄んでいて純粋で、真っ直ぐで、どこか小動物のように可愛らしい顔立ち。

これでこちらに好意的なのだから、興奮するなというほうが無理な相談だ。

 

そしてヒマリも、レイが事あるごとに『清浄』や他にも便利な魔法を使ってくれたのは知っているし、多分盗賊団を追い払うときにもたくさん魔法を使ってもらったはずなのだ。

防災備蓄倉庫にエアコンはなく、あったとしても電力がない。

だから彼は室温を調整する魔法をかけてくれた。

水だってたくさんくれて、じっとしていても汗ばむ暑さでだいぶ減っていた防災備蓄のペットボトルもまだたくさん残っている。

 

この水の出処は聞かなかった。

贅沢なんか言えないし、なんだか飲めなくなる気がした。

 

その間にもヒマリの身体へ静かに『発情』と『催淫』デバフが蓄積していく。

 

「あっ……!」

 

その時ヒマリがふと思いついたことがあった。

思いついてしまったとも言える。

もしもここで自分が手伝えば喜んでくれるのではないかという思いつきが頭の中に浮かんできたのである。

 

そしてレイも、通常の精神状態ならヒマリにお願いしようとは考えなかっただろう。

でも今の精神不安定なレイは、ヒマリならお願いしても受け入れてくれるのではないかと思ってしまったのだ。

 

ああ、だから。

 

──いけないのに。

 

レイは縋るような目で、ヒマリに問いかけてしまった。

 

「……手伝ってくれないかな?」

「じゃ、じゃあ……ヒマリでよければ、あの……!」

 

レイとヒマリが意を決して口を開いたのはほぼ同時だった。

ヒマリの顔は熟れた林檎のように真っ赤になっている。

しかしその瞳はどこか輝いていて、どこか覚悟を決めたような雰囲気があった。

自分でも大胆すぎると思ったが、ここまで来て恥ずかしがってばかりでは何も解決しない。

それにレイのことは信頼できる相手だと思っていた。

彼は優しい人なのだ、と。

 

「ヒマリで……お兄さんを助けてあげられる、かも」

「ほんとうに?」

 

レイは驚いたように聞き返す。

ビキビキ、とヘソに当たるほど反り返っていた絶倫巨根が、ピクンッと跳ねた。

 

『発情』と『催淫』デバフが効果を発揮してヒマリの瞳は蕩けたように潤んでいる。

ヒマリの理性を侵食して思考力を低下させているのだ。

しかし本人たちはそのことに気づいていない。

 

「うん……だってお兄さんは危ないところを助けてくれたから(目を離したら、消えちゃいそうだから)……。わたしにできることがあるなら、少しでも恩返しがしたいなって」

 

レイは一瞬躊躇したがすぐに決断したようで、「ありがとう」と言って微笑んだ。

 

「じゃあ……お願いしてもいいかな?」

「うん……!」

 

ヒマリは勇気を振り絞りながら答え、セーラー服と下着を脱いでいった。

 

「で、できれば……そ、その……やさしくしてね……♡」

 

続けてヒマリは蚊の鳴くような小さな声で言った。

その頬は真っ赤に染まり、潤んだ瞳は上目遣いでレイを見つめている。

震える唇からは熱い吐息が漏れ出ており、微かに開いた口の中には小さな舌がチロリと覗いている。

 

「……ヒマリちゃん、まずは口でしてもらってもいいかな?」

「は、はい……あっ♡」

 

気がつけば、ヒマリは自分から跪いてレイの足元に顔を寄せていた。

レイの言葉に従って踵を上げ、脚を開き、立ち上がった彼の太ももを掴む。

それからゆっくりと目の前の逞しい男根に顔を寄せる。

初めて見る本物の男性器に緊張しつつも興味津々といった様子でジッと眺め始めた。

彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「わ、わぁ……すごいにおい……♡」

「ごめんね。我慢してくれ」

「だ、大丈夫……♡」

 

ヒマリは少し頬を染めながら言うと、意を決して小さな舌を伸ばして竿を舐め始めた。

しょっぱくて苦くて、でもどこか美味しく感じてしまう味に夢中になっていく。

お互いにぼんやりしていて気付かなかったが、ヒマリのファーストキスがレイの男性器になった瞬間だった。

 

竿の裏筋に沿って何度も往復させながら唾液を絡ませて舐めたり、ずっしり重たい金玉袋を舌で舐めていくうちに、ヌルッとした液体がどんどん溢れてきていた。

 

「はぁ……はぁ……♡」

 

荒い息遣いと共に鼻から抜ける独特な香りが脳髄まで届くような感覚に陥る。

ヒマリの鼻の穴が大きくなり、鼻翼が広がって深呼吸してはレイの我慢汁とチンポ臭を嗅いでいく。

我慢汁とチンポの臭いを吸い込むごとにヒマリはなんだか気持ちよくなってくる。

既にピンク色の秘所は湿っており、物欲しそうにヒクついていた。

そしてその奥には膣道があり、柔らかく温かい粘膜が蠢いていることだろう。

ヒマリは、そこへ目の前のぶっといおちんちんが挿入されることを想像してしまった。

処女膜を貫いて、一気に子宮口までを押し潰されるイメージを膨らませてしまう。

 

(ああ……♡ きっと、気持ち良いんだぁ……♡)

 

そう考えただけで全身に鳥肌が立つような心地良さを感じてしまい、太ももをもじもじと擦り合わせようとした。

脚を大きく開いていたから、できなかったけど。

 

クリトリスがムクムクと肥大化して包皮から顔を覗かせた。

乳首もぷっくりと膨らんでいるのがバレバレだ。

そして自分の腹部を撫でてみる。

ここに子種を注がれたら、どんな感覚になるんだろうか?

 

ヒマリ自身は自分の表情に気が付いていないが、目を細め、口元を緩め、頬を紅潮させている様子はまさに発情した雌そのものである。

レイはそんなヒマリを見てますます興奮してきたようで、更に強く勃起させていく。

 

ヒマリはヌルヌルになった亀頭へ舌を伸ばし、恐る恐るといった感じで舐めた。

その瞬間電流のような衝撃を感じた。

口の中に広がる濃厚な風味と鼻腔をくすぐる雄臭さ。

匂いだけでもスタックしていた『発情』と『催淫』デバフが直接積み上がる。

ぷしっ♡と処女マンコから愛液が噴き出して、防災備蓄倉庫の床にポタポタ落ちるのにも気づかない。

ヒマリは夢中になってむしゃぶりついた。

 

「んぶっ♡ ちゅぱっ……♡ れりょっ♡ んっ……♡ お兄さんの、すっごい太い……♡ アゴが疲れちゃう……♡」

 

ヒマリの柔らかな舌が肉棒全体を這い回るように動き回り、まるで別の生き物のように蠢き続ける。

裏スジを重点的に責められるとゾクゾクするような快感に襲われ、レイの腰がわずかに震えた。

 

「ヒマリちゃん、気持ちいいよ……。そのまま続けて……」

「ふぁい♡ んむっ……♡ ちゅぱちゅぱ♡ んぷっ♡ んっ……♡ ぢゅぶ♡ れろっ♡ ぺちゃ♡ ぴちゃ♡」

 

ヒマリは言われるままに奉仕を続ける。

見た目以上に硬くて熱くて大きくて重たいものが口の中で暴れているという感覚に戸惑いながらも、懸命にしゃぶり続けるしかないと思った。

 

「ヒマリちゃん上手だよ。すごく気持ちいい……」

「本当?嬉しい……♪」

 

褒められたことで嬉しくなったのか、さらに積極的に責め立てる。

最初はぎこちなかった動きも徐々にスムーズになり、今ではだいぶ慣れた様子で懸命にしゃぶり続けている。

拙い動きだったが一生懸命さが伝わってきて愛おしい。

処女で、おちんちんを見るのも初めてなのに必死に気持ち良くしてあげようとしてくれている。

それが健気で可愛くて堪らない。

もっともっと愛でてあげたくなる。

レイは腰に力を込めて射精の準備を始める。

 

ヒマリは自ら喉奥まで使って一生懸命奉仕していた。

歯が当たらないよう口を窄めて、吸い上げたり吸引したり舌を動かして鈴口から漏れる先走り汁を飲み干しながら丹念に舐め上げていく。

喉の奥に亀頭が当たると嘔吐感を覚えるが、それでも懸命に耐えてみせる。

今のヒマリは、初めて味わう雄の味に夢中になっていた。

 

(ヒマリのオクチで……こんなにビクビクしてるんだ……♡)

 

今まで経験したことのない感覚に戸惑いつつもどこか満足そうな表情を浮かべている。

ヒマリの様子を見たレイは、できるだけ優しく声をかけた。

 

「ヒマリちゃん、そろそろ射精るよ……っ! 口に入りきらないと思ったら、出していいからね!」

「んっ♡ んんっ♡♡」

 

ヒマリはコクコクと何度も首肯した。

ヒマリの口の中いっぱいに広がる雄臭さに酔いしれるようにうっとりとした目をしていた。

レイの陰茎が震えるのを感じ取り、最後のひと押しとして思いっきり強く吸い込んだ。

レイの大きな金玉袋が上がってきたのを感じ取った瞬間、凄まじい勢いで大量の精液が解き放たれる。

 

「くっ……!」

「んぶっ!? ぶぐぅっ♡ んっ!? んんっ♡」

 

レイの背中が仰け反り、腰を突き出すようにして射精を開始した。

ヒマリの小さな口には到底収まり切れないほどの量と勢いのザーメンが次々と放出されていく。

口いっぱいに広がる青臭さと濃厚な雄の匂い。

溜まっていたからだろう、粘度の高いこってりとした特濃な精液はまるで練乳のようにドロッドロで、喉に絡みついて窒息しそうなくらいだ。

飲み込もうとしてもなかなか嚥下できないため、仕方なく一度離して咳き込みながら吐き出してしまった。

 

「げほっ……げほっ……げほっ! ごほっ……ごほっ!」

 

気管に入り込んだせいで激しく咽てしまう。

しかしヒマリはすぐに再び口をつけ、今度はゆっくりと味わうように啜っていく。

やはりこってり濃厚ザーメンだが、少しずつなら嚥下することができた。

 

「んぅーっ♡ んっ、んぐっ♡♡ んく、ごく……♡♡♡」

(これがお兄さんの精子……♡ ヒマリで出してくれたんだ……♡)

 

勢いは落としつつも、まだ射精が続いていたおかげでビュクビュクと吐き出されるたびに頬が大きく膨らむ。

頬がパンパンになっていくほどヒマリの身体は悦び、乳首とクリトリスをピンと尖らせながら潮を吹いた。

『発情』と『催淫』のデバフは蓄積しきってもういっぱいだ。

ヒマリはうっとりとした目で見上げてくる。

その瞳にはハートマークが浮かび上がっていた。

 

「んっ♡ んっ……♡ ぷはぁ……♡」

 

時間をかけてようやく尿道に残った精液を吸い終えた後も、ヒマリは余韻に浸るようにじっくりと舐めとっていった。

ヒマリはまだ萎えない剛直を愛おしそうに撫で回す。

口の端から零れた白濁液を拭い、またチロチロと彼女の舌が舐めた。

 

「すごい……全然小さくならない……」

「……そうだよ?」

 

レイから普通の人は違うのかな、なんて雰囲気を出されてもヒマリに分かるはずもない。

もちろんレイの睾丸が大きいのもあるが、そもそも新人類の男が精力絶倫だからである。

魔力を使えば使うほどザーメンが溜まるのだからそれはそうだ。

 

ヒマリは手の中で未だ硬度を保ち続けているペニスの先端部にキスをしてから一緒に立ち上がった。

ドロドロに汚れたマリの顔を『清浄』の蒼い光で綺麗にして、ヒマリとレイはどちらからともなく向き合い、そして唇を重ねた。

 

「んむっ……♡ んんっ♡ ちゅっ♡ ぷはぁ……♡」

 

互いの唾液を交換しながら深く貪り合うような口づけ。

ヒマリは夢中になって舌を絡め、自ら積極的に求め始めた。

 

「ぷはっ……♡ はぁ……はぁ……♡」

 

唇を離すと、名残惜しげに糸を引いていた。

ヒマリの身体は火照り切っていて汗ばんでおり、頬は上気して桜色に染まっている。

瞳は潤み、焦点があっていない。

明らかに発情していた。

 

(うぅ……もうダメ……我慢できない……♡)

 

ヒマリは屈みながらもすっかり力が抜けかけている両脚で腰を浮かせて、自らの手で大陰唇を開いて見せる。

肉色の小さな穴は大洪水となっており、愛液が止め処なく溢れ出ていた。

クリトリスは包皮から完全に剥き出しになり、ピクンピクンッと小刻みに痙攣している。

 

「お兄さん……ヒマリ……もう……♡」

「ヒマリちゃん。本当は丁寧に前戯してあげたいけど……ごめん、俺も無理だ」

「いいの……♡ わたしのこと、オトナにして……♡」

 

そう言うとヒマリはもう待てないとばかりに対面座位でレイの巨根に跨り、グチョグチョでまるで沼地のように泥濘んだ処女穴へ挿入しようとする。

レイも受精卵を預ける人工子宮がない時のマナーとして『避妊』魔法をかけると、ヒマリの細い腰と大きなお尻を掴み、ゆっくり挿入できるよう支えてあげた。

 

「んぅっ!? ふぁっ……ああぁぁぁんっ♡♡♡」

 

亀頭が膣口に触れた瞬間、彼女はビクンと大きく跳ね上がった。

そのまま体重をかけて腰を落としていく。

腟内は狭く、ギチギチとレイのデカマラを締め付ける。

ヒマリは唇を噛み締め、ほんの少し苦しそうな声を上げた。

しかし何度か潮を噴いたおまんこはすっかり出来上がっていて、高々と張り出した肉傘が簡単にニュルニュルの肉壁を押し退けていってしまう。

 

「んぅっ♡ すご……っ♡ ひ、広がってるぅっ♡ ヒマリのお腹の中……♡ 全部入れられちゃうぅっ♡」

「んっ、もうちょっとで奥まで届くよ……」

「ふぁいっ……♡」

 

メリメリと膣内を押し広げられ、未通の肉壺へと侵入する感触がしっかりと伝わってきた。

ヒマリのお尻を持ち上げるようにして少しずつ腰を落としていく。

 

そしてとうとう亀頭が子宮口に到達した。

肉傘が無垢な花弁を押し広げ最奥まで到達し、子宮口にキスをした瞬間、彼女は歓喜の喘ぎ声を上げる。

ヒマリは処女喪失のショックなど忘れて感じ入っているようだった。

膜を突き破った痛みを一瞬だけ感じたが、それ以上の快感で塗り潰された。

ヒマリは全身を駆け巡る甘い痺れに酔い痴れていた。

 

「んんんっ♡ ふぅ……っ♡ ふぅ〜…っ♡」

 

処女を喪失したばかりだというのに感じているのか、ヒマリは荒い息を吐いていた。

レイはヒマリの大きな尻とむっちり太ももを撫で回しながら尋ねる。

 

「初めてなのに痛くない?大丈夫?」

「ふぁい♡ ぜんぜん、いたくないよ♡ それより、気持ち良すぎて、ヒマリおかしくなっちゃいそう……っ♡」

 

ヒマリは幸せそうに微笑みながら答えた。

そんな可愛らしいヒマリをレイは優しく抱き締める。

 

「よかった。じゃあ、根元まで挿れるね……!」

「え……っ? ふぐぅ……っ♡♡ お、おっきいっ……♡♡ んひぃっ♡♡」

 

最奥まで到達していた亀頭が、更に子宮口を押し上げて子宮ごと持ち上げられる感覚に陥る。

ヒマリの背筋が大きく仰け反り、目を白黒させながら激しく身悶えする。

あまりの質量に息苦しさを感じるが、それ以上に脳髄を焼くような快楽に支配されているようだ。

ヒマリは呼吸を忘れ、陸に打ち上げられた魚のようにパクパクと口を開閉することしかできない。

しかしレイは止まらず、さらに膣道を押し拡げるようにグリグリと押し当ててきた。

 

「あぐっ……♡♡ だめぇっ♡ 子宮潰れちゃうぅっ♡」

「ごめんね」

 

謝罪と一緒に初体験のヒマリがせめて苦しくないようにと『発情』と『感度増幅』の魔法がヒマリにかかる。

『発情』が知らぬ間に最大まで蓄積していてレイが不思議がる間にも、ヒマリは内臓を押し上げられる苦しみすらも快感へと変えられ、たまらず絶頂を迎えた。

 

「おっ♡ お゛ぉ~っ♡♡♡」

 

全身がガクンガクンと大きく痙攣してアクメし、結合部から潮を吹き出した。

ヒマリの意識は真っ白に染まり、絶頂から降りてこられない。

 

「うそ……っ♡♡♡ これしゅごいっ♡♡♡ こんなの知ったら戻れなくなっちゃうぅっ♡♡♡」

 

ついに根本まで入りきったところで動きを止めると、レイは大きく息を吐いた。

ヒマリはといえば、もう完全に蕩けきってしまっていて、焦点の合わない瞳で宙を見つめている。

膣壁の襞という襞が一枚一枚丹念に絡みつきながら、絞るように収縮してくるのがたまらない。

 

ヒマリが落ち着くまでしばらく待ってあげようと、レイはヒマリの黒髪を撫でつつ待つことにした。

すると少しするとヒマリが我に返ってきた。

トロンとした表情のまま、ヒマリもレイの首筋に腕を回して抱きついてくる。

お互いの体温を感じ合いながら強く抱擁し、唇を重ねる。

最初は啄むような軽いキスだったが段々と深いものへ変わっていった。

唾液が混ざり合い、飲み込みきれなかった分が口の端から流れ落ちる。

豊満なおっぱいが密着して潰れる感触も心地良い。

 

ヒマリは涙を流していた。

嬉し涙なのか、それとも悲しみの涙なのか、自分でもよくわからなかった。

ただ一つ確かなことは、こんなに幸せな気持ちになったのは初めてということだけだった。

 

(ああ……わたし、お兄さんと繋がってるんだ……♡)

 

幸福感に包まれながらも、ヒマリは無意識のうちに自分からも積極的に舌を絡めていった。

お互いに相手を求め合っているのだと実感できて、さらに興奮が高まっていく。

息が苦しくなってきたところでようやく口を離すと、二人の間に銀色の橋がかかった。

ヒマリはぼんやりとした目でそれを見つめていたが、やがて蕩けた表情になると甘えた声で囁く。

 

「お兄さん、待っててくれたんだ……♡ ねぇ……もう動いていいよ……♡」

 

甘い吐息が漏れると共に、すっかり出来上がっていてもレイのサイズではなおキツいくらいだった狭い腟内の締め付けも、徐々に心地よい感触に変わっていく。

 

ヒマリはレイにしがみつきながら、ゆっくりと上下運動を始めた。

それに合わせてレイも下から突き上げるようにしてピストン運動を行う。

結合部からは愛液と先走り汁が混ざり合い、泡立って飛び散った。

 

「んっ♡ あっ……あぁんっ♡ すごっ、これぇ……っ♡♡ んおっ♡ お゛ぉっ♡ 奥ぅ……当たって、るぅ……♡」

 

子宮口をノックされるたびにヒマリの口から快感に濡れた嬌声が上がる。

その度に膣内がキュッと締まって肉槍を刺激してきてたまらない。

二人の間で擦れている乳首もピンっと固く勃起していて、少し触れただけでも敏感に反応してしまうほどだ。

 

「やぁ……♡ 恥ずかしいのに、声出ちゃう……♡」

「大丈夫だよ。ヒマリちゃんの可愛い声、もっと聞きたいからね」

「うぅ……♡ お兄さんのエッチ……♡ でも、声出すと気持ちいいの止まらなくなって……♡」

 

羞恥に悶えるヒマリ。

対面座位での動きはヒマリが初体験なのもあってゆっくり目だが、ヒマリの膣壁全体を擦られ、性感帯を刺激されるとそれだけでイってしまうほどの快楽に襲われる。

ヒマリはすぐに達してしまいそうになったが、なんとか耐えて抽送を続ける。

だがしれっと読心魔法と『弱点看破』の魔法を併用し始めたレイに気持ちいい場所を探られると、耐えることもできなくなってくる。

クリトリスの裏側にあるGスポット。

子宮口周辺のポルチオ性感帯。

確定会心攻撃でGスポットとポルチオを交互に狙い打たれ、子宮口が亀頭に吸い付き、精液を求めていた。

 

「やぁ……♡ 奥、ゴリゴリされると……♡ すぐイっちゃうの……♡ 身体が勝手に跳ね(ノックバックし)てぇ……♡ んぉぉっ♡♡」

 

レイはヒマリの反応を確認しながら腰を動かす速度を速めていった。

ヒマリの豊満な乳房が揺れるたびに、弾力のある乳肉が形を変えて淫靡な光景を作り出している。

 

「んっ♡ はぁ……♡ んんっ……♡ んぅ……♡ ああっ♡ だめっ♡ またなんかきちゃう♡ イクッ♡ イっちゃうぅうう♡♡♡」

 

ビクンッと一際大きく身体を跳ねさせると同時に膣内が激しく収縮した。

しかしヒマリは止まらなかった。

 

ヒマリは無意識に腰をグラインドさせるように動かしていた。

より深く、より強く、より密接に繋がろうと本能が求めているのだ。

ヒマリの脳裏には、この人と番になろうと気が早すぎる本能が囁いてくる。

 

恋人とか結婚とか、そんな制度はレイがいた世界にはもう地球の特権階級の間にしか残っていなかったのでよく分からないが、読心魔法で見る限り少なくとも嫌われていないようだし、むしろ好感度が高いことがわかった。

レイはそんなヒマリの様子を見てクスリと笑うと、彼女の耳元に顔を近づけた。

 

「ねぇ、ヒマリちゃん。ヒマリちゃんは俺のこと好き?」

「すきっ♡ だいすきぃ♡」

 

ヒマリは即答した。

迷いなんてものは一切なかった。

むしろ好きじゃないなんて選択肢が存在しなかった。

だって、この人は命の恩人なのだから。

そして、こんなにも優しくしてくれる相手を嫌いになれるはずがなかった。

腟内の収縮も急激に強まり、ぶっとい肉槍を搾り上げるように締め付ける。

ぷしっ♡とレイの下腹部に生暖かい潮が飛び散った。

 

「俺もヒマリちゃんのこと好きだよ」

「ほんとっ!?」

 

ヒマリは嬉しそうな声で問い返す。

レイは微笑みながら頷くと、ヒマリを強く抱き寄せた。

お互いの鼓動が伝わってくるようだ。

とても心地良いリズムだと、ヒマリは思った。

 

そしてレイはヒマリに口づけをする。

ヒマリも負けじとキスを返してくる。

ちゅっ、と可愛らしい音を立てて軽く触れるだけの優しいキスだ。

そのままお互いの舌が絡み合うと、唾液が混ざり合う音が響く。

二人の唇の間から透明な糸が引かれていた。

 

再びヒマリの腰が動き出し、それに応えるレイのピストン運動が始まる。

膣肉がうねり、ヒマリの身体を悦楽の渦へと導いていく。

 

「んちゅっ……♡ んっ♡ はぁ……♡ んんっ……♡ んむぅっ♡ んんん~~っ♡♡♡」

 

ヒマリが絶頂に達するたび、膣肉の締めつけが強まっていった。

レイもヒマリに射精しようと、最大級の快楽のためにピストン運動を早めていく。

それに比例するようにヒマリの声も大きくなっていった。

二人はもう限界寸前だった。

 

「くっ……!出るぞ……!」

「きてぇ♡ 中にぃ……♡ わたしの中に出してぇ♡ お兄さんの、中に欲しい……っ♡」

 

ヒマリが一際強く膣内を締め上げた瞬間、熱い奔流が解き放たれる。

勢いよく飛び出した大量の子種たちがヒマリの子宮を満たしていった。

 

「ああっ♡ あ〜っ♡ あぁぁ〜〜っ♡♡♡」

 

それと同時にヒマリも本気アクメを迎え、身体を大きく仰け反らせながら盛大に達してしまった。

勢いよく潮を吹き出しながら、巨乳を揺らしてガクンガクンと大きく痙攣する。

そんなヒマリの身体を抱き寄せ、迸る嬌声をキスで塞ぐ。

レイが唇を解放してあげると、ヒマリはグッタリと脱力してしまっていた。

だが膣内だけは激しく痙攣しており、断続的にヒマリの身体が跳ね上がるたびにレイの巨根を強く締め付けた。

子宮口も降りてきていて、亀頭部分に何度も何度もちゅっちゅとキスをしてくるかのようだった。

 

「ああ……♡ これぇ……しゅごい……♡ こんなの……しらない……♡」

 

恍惚とした表情を浮かべるヒマリ。

レイの剛直もまだ硬く大きいままだというのに、ヒマリはゆっくりと腰を動かし始めていた。

無意識に発動していた『催淫』がうっかり最大まで蓄積していた影響だった。

 

「もう少しだけ……♡ もうちょっとだけ……♡ もっともっと欲しいの……♡ いっぱいちょうだい……♡♡♡」

「もちろんだよ」

 

ゆったりとしたグラインドで、押し上げられた膣奥に亀頭を押し付けるような動きをする。

ヒマリの身体は覚えてしまった快楽を貪欲に追い求めていた。

 

「まだ全然足りない……♡ もっとお兄さんと一つになりたいの……♡ だから……もっとしよ……?♡」

 

レイもまた動き出す。

二人はしばらくの間、獣のようにひたすら互いを求め続けた。

騎乗位で、正常位で、また対面座位で。

お互いの顔を見ながら。

ぱちゅぱちゅと湿った音を奏でる結合部から流れ落ちる白濁液が止まることはなく、『消音』と『消臭』の魔法がかかった防災備蓄倉庫の中では粘膜や肉体がぶつかり合う音と、ヒマリの嬌声が絶え間なく響き続けていた。

 

それから時間が過ぎて夜になり、いつの間にか寝てしまっていたヒマリにキスをして、『清浄』の魔法で後処理をしてあげるまでずっとそうしていた。

 

──彼女を喪わせはしない。

 

それが、今の存在意義で。

彼にとっての光だった。

 

*****

 

「ヒマリ、行こうか」

「うん、おにーちゃん」

 

翌日、昨日とっても『仲良く』なったレイとヒマリは昨夜の痕跡を綺麗にした防災備蓄倉庫を丸ごと異空間収納魔法に仕舞い込むと、離れないようしっかり指を絡めて手を繋いだ。

ヒマリのおかげで、レイの精神不調はだいぶ改善していた。

 

そしてレイのテレポートで大穴第三階層から一気に地上へと跳躍した。

 

「……えっ?きゃぁっ!?」

「おっと」

 

離さないようにお姫様抱っこで彼女を抱き締めた。

遥か下方に、まるで最近洪水にでもあったような軍事施設らしきものが見える。

 

「大丈夫だからね」

 

ゆっくり(自由落下で)降りながら、上空から見たその地を頭に叩き込んでいく。

少なくともサイレンの音や対空兵器の類は確認できない。

 

「発展途上なのか、復興中なのかわからないな……」

 

少々空中へ通り過ぎてしまい、ヒマリをお姫様抱っこしながら門から少し離れた場所へと着地したレイとヒマリ。

彼らを出迎えたのは、多数の防衛兵器に巨大な門。

そして、門に詰めていた兵士から見慣れない姿の恐らく転移者だと聞いて基地の中から急いでやってきた、光輝く翼を持つ白髪の少女。

 

「……えっ、ヒマリ……!?」

「あっ、シエナ……!?」

 

この時点では知る由もないが、異世界転移者集団『ルクスノヴァ』リーダーにして、ヒマリの親友。

それが彼女、シエナだ。

 

「シエナ!」

 

あっ、とレイが言う間もなく、ヒマリがレイの腕から離れていく。

 

ヒマリの助けを呼ぶ声が最初の1回で終わったことで、お互いに存在を知らなかったヒマリとシエナは異世界で無事に再会を果たし、涙ながらの抱擁を交わした。

 

その間にもヒマリとその親友を温かく見守る風でいながら、潜入工作員だった頃の癖でレイはパワードスーツの内側から素早く瞳だけを動かして周辺警戒も欠かさない。

何か攻撃を受けたのか、見える限りでは復興作業が進められていた。

 

果たして一天地六はどちらに転んだのか。

 

やがてこちらに対し警戒はあっても敵意や害意がないことを見抜いたレイは、無用な争いの種は蒔かぬように警戒を解いてパワードスーツを異空間収納魔法に収めた。

 

ヒマリがシエナの手を引いて紹介に来る。

こちらへのシエナの反応は、想像していたよりもずっと良いものだった。

 

「……ありがとうございます。ヒマリを助けてくれて。ヒマリから話は聞きました。私は大穴の時空の歪みから流れ着いた異世界転移者組織『ルクスノヴァ』のリーダー、シエナです。無事にここまで来れたのは幸いでした」

 

レイは、ヒマリの時と同じようにシエナに近づくと腰を落として片膝をつき、彼女に目線を合わせた。

 

「23世紀の地球連邦火星軍(マーズコスモス)……に所属していた、レイ・ヒカリだ。脱走兵みたいなものだし階級はもうないかな。レイでいいよ。よろしくね」

「はい、よろしくお願いします。レイさん」

「うん、よろしく」

「……ね?優しいおにーちゃんでしょ、シエナ?」

 

二人は握手を交わし、和やかな雰囲気で名乗り合う。

ヒマリもまた、レイの腕に抱きついて笑顔だ。

シエナはおにーちゃん呼びに何か言いたげだったが、結局は口ごもった。

『彼』が来たからだ。

 

「司令官!ほら、早く!」

「待て待て引っ張るなアリシア」

 

そこへ、開いたままの門から1人の男が少女に手を引かれながら歩いてくる。

飄々としつつも油断のない、こちらを見定める眼光。

レイも友好的な笑みを浮かべたまま、瞳の奥で静かに相手の挙動を観察する。

 

──氷河の厄災撃滅から1週間。

──前線基地で、2組の男と少女が出会った。




後編は10分後に投稿予定です。
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