※この作品はR-18です。

『Fate/Desire of Thunderbolt』   作:山嵐のハイオーク

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第26話:『微酔の饗宴、淫靡なる愛欲の泡影』

第一の重要拠点の完全制圧を果たしたその直後の夜、アパートの六畳一間は、いつになく華やかで賑やかな宴の熱気に包まれていた。昼間、刹那(せつな)が買い出しへと赴いた際、馴染みの商店街で新鮮な『刺身の盛り合わせ』と、見事なサシの入った『国産牛肉』がタイムセールで格安になっていたのだ。何の記念日というわけでもなかったが、過酷な連戦を乗り越えた5人は、現世の缶ビールを片手に威勢よく乾杯の音頭を上げた。

 

「……美味いッ! 現世の肉というものは、これほどまでに芳醇で柔らかいのか……ッ!」

 

ジュリアが持ち寄ったホットプレートの上でジューシーに焼ける肉をハフハフと頬張りながら、白金髪の長身の麗人──宗茂(むねしげ)が、その深緑の瞳をこれ以上ないほどキラキラと輝かせて地味に大喜びしていた。生前の戦国時代には決して口にすることのできなかった至高の文明の味。そのあまりの感動ぶりに、隣に座るアイアスやジュリアも思わず笑みをこぼす。和気あいあいとした温かな空気のなか、ちゃぶ台を囲んで今日の勝利を互いに賛美し合い、日頃の戦いへの感謝を真っ直ぐに伝え合う5人。だが、夜が更けて缶ビールの空き缶が畳の上に転がるにつれ、静かに部屋の空気感が淫らな微熱を帯びて変貌していった。ふと、3人のメインヒロインたちの視線の温度が、獲物を狙う野生のメスのそれへと生々しく切り替わったのを、誰よりも早く察知したのがヴラド三世(ランサー)であった。

 

「……ふむ。余は少々、夜風に当たってくるとしよう」

 

孤高の王は非常に粋な気配りを利かせ、そそくさと残りの缶ビールを数本掴むと、

 

「夜の編み物の時間だ」

 

と言い残して、壁一枚隔てたジュリアの部屋へと早々に退散していった。それを見送るや否や──サーヴァントの強靭な霊基が、現世のアルコールごときでまともに酔うはずもないのだが、宗茂とアイアスはここぞとばかりに「酔ったふり」をして顔を林檎のように上気させ、ジュリアと共に刹那の華奢な身体へと一斉にのしかかるようにして誘惑を開始した。

 

「主殿ぉ……、わしはもう、限界のようじゃ……♡」

 

「マスター、お酒のせいで……身体が、中から熱くて、おかしくなってしまいそうであります……っ♡」

 

濃厚なビールの香りと、衣服の隙間から溢れ出るメスたちの極上のフェロモンに気圧され、刹那のパジャマは瞬く間に剥ぎ取られ、彼の股間では並の成人男性を遥かに領駕(凌駕)する最凶の『超肉棒(杭)』が、眠れるオスの野生を呼び覚まされるように猛烈に反り上がった。はじめのうちは、いつも通りに濃厚な愛液とローションを絡め合いながら、4人で貪るように深くまぐわい合っていた。しかし、冷えたビールジョッキを片手にしたジュリアが、ふと、そのクリアな青い瞳を最高に淫らに蕩けさせてへんてこな提案を口にした。

 

「ねえ、ダーリン……っ♡ このジョッキにさ、君のドロドロの濃厚なザーメン、いっぱいに注いでほしいな~……ヒック♡」

 

「なっ……ジュリアさん、何を──」

 

「──フフ、それは最高に素晴らしい風流(アイデア)ですな、ジュリア殿! 主殿の極上の生命力の雫、わしもうち震えるほどに所所望(所望)したいぞ!」

 

「あはぁ……っ♡ マスター、あたしもぉ、マスターの搾りたての生ビール、ごきゅごきゅ飲みたいでありますぅっ……!!♡」

 

3人の限界突破した情欲のおねだりに、刹那のショタとしての理性が一瞬で消し飛んだ。感情の昂りに呼応して、彼の超肉棒の根元から pale blue の青白い雷撃粒子の火花がパチチ(パチパチ)と激しく暴れ狂う。

 

「……そこまで言うなら、お前たちの手で、僕のコレから根こそぎ絞り出してよッ!!」

 

刹那は、女性の腕ほどもあるおかしな長さの「肉のサーバー」を、飢えたメスたちの顔面へと堂々と突き付けた。ジュリア、宗茂、アイアスの3人は、争うようにしてその凶悪な竿に滑らかな手付きで群がり、3対の淫らな手扱きによって強烈にオスの本能を搾り上げた。

 

ビュクッッッ!!! ビュルルルルルルッッッ!!!!

 

少年の弩級の射精が炸裂し、ジョッキの底へと、ドロドロとした濃厚な精液が勢いよく迸った。それは彼女たちが先ほどまで愛飲していた本物のビールの泡立ちと見紛うほどに激しく泡立ち、交ざり合い、色合いまでもが完璧に「特製生ビール」のそれへと変貌していた。

 

「おーいしー☆ ダーリンの搾りたて、マジで最高だし最高のコクっ!♡」

 

「ぷはぁっ……! 身体の芯まで、主殿の熱い種で満たされてゆく……っ♡」

 

蠱惑的な表情で、小さく可愛らしくゲップを漏らしながら、ジョッキの濁白を交互にごきゅごきゅと一滴残らず飲み干していく女たち。

 

「──よし、次はわしらの番じゃな。主殿、よく見ておれ」

 

今度は宗茂が不敵に微笑むと、衣服を完全に脱ぎ去り、部屋に残っていた冷たいビールを、自らの衣服を内側から爆撃するあの豊かな美巨乳(G〜Hカップ)の谷間へと、ドボドボと直接注ぎ込んだ。

 

「それ、ウチもやるーっ! ダーリン、どっちの生ビールが美味しいか、ちゃんと飲み比べてよね☆」

 

ギャルとしてのノリを爆発させたジュリアも、負けじとその自慢のKカップ超乳の圧倒的な胸囲の隙間へとビールを惜しげもなく注ぎ入れる。

 

「ん、んん……っ、んぐ……っ」

 

刹那は狂ったように興奮しながら、二人の極上の乳房を両手で同時に揉みしだき、舐め回すようにして、その豊満な谷間から溢れ出る温かいビールの雫をゴクゴクと貪り飲んだ。一方、その凄まじい乳房の饗宴の横で、大アイアスは──名探偵としての清楚なプライドなど完全に消し飛ばし、真っ白な卵肌の大きな太ももをピタッと隙間なく閉じ合わせると、その3人の中で最大の質量を誇る安産型の超巨尻の付け根へ向かって、自らビールをドボドボと注ぎ込んだ。

 

「ま、マスター……っ、私のここにも、たくさん注ぎました……っ。お口で、綺麗に、お掃除してくださいぃっ……!!♡」

 

黒のボディスーツを脱ぎ去り、真っ白な卵肌の肉厚な太ももの隙間に溜まった、冷たいビールの泡。それを見た刹那は、もはや理性の手綱を完全に引きちぎり、アイアスの閉じられた太も目の(太ももの)間へと顔を埋め、ビールをゴクゴクと飲み干しながら、彼女の最も敏感な割れ目の最奥(秘部)を、その荒々しい舌でベロベロと狂ったように舐めまくり、吸い尽くすのだった。

 

「あはぁぁーーーッッッ!!! そこ、そこはダメであります、マスターぁぁぁっ!!! 脳みそが、ビールの泡みたいに、とろとろに溶けちゃうぅぅぅーーーーッッッ!!!♡♡♡」

 

アパートの六畳一間に響き渡る、安産型ヒロインの狂おしい絶頂の啼き声。勝利の祝杯は、いつしか男の理性をドロドロに溶かす、至高の乱交饗宴の泥沼へと完全に雪崩れ込んでいくのだった。

 

◆前夜の、ビールの泡とドロドロの白濁にまみれた過去最高濃度の乱交饗宴。その激烈な結合による魔術回路のオーバードライブが引き金となったのだろう。刹那(せつな)は、これで何度目かという、けれど過去のどれよりも鮮烈で脳髄を直接灼くような『奇妙な夢』を視ていた。──夢の中の視界は、酷く白く、そして冷たかった。それは、病によってもはや己のいうことを聞かず、鉛のように重くなった身体を必死に引きずって、何度も、幾度も神社へと足を運び、ただ一つの願いを祈願し続ける一人の女性の主観の記憶。

 

「ごほっ……、ごふっ……!」

 

喉の奥からせり上がる、焼けるような激痛とともに白い雪の上に真っ赤な鮮血を吐き散らしながらも、女性は気をしっかりと言い聞せるように、震える両手を強くすり合わせた。真夏の夜の六畳一間に眠る少年の意識の裏側で、夢の中の彼女の鼻の頭は寒さと衰弱で赤く染まり、その大きな瞳からは大粒の涙がとめどなく溢れ落ちていく。

 

(神よ……っ。どうか、どうか、宗茂(むねしげ)の再起を、立花の再起を叶えてくださいまし……っ)

 

ただ一途に。それだけを求めて、彼女は血の滲むような祈りを捧げ続ける。

 

(どうか……世間知らずの、あの、大バカ者を……救ってください……っ!)

 

どんなにすれ違い、最後の会話が激しい口論の決別になってしまったとしても。離れた地から彼女が願うのは、己の命のことなどでは断じてなく、最愛の人の無事であり、いつか必ず成し遂げられるはずの武将としての復権の二つの願いだけであった。そうして──場面は薄暗い寝所へと移り変わる。内臓を雑に抉られるような激痛にただ一人あえぎながら、女性は死の寸前の薄れゆく意識のなかで、遠く離れたところにいるはずの最愛の人の姿を確かにその目に捉えていた。

 

「──あ……、宗、茂……」

 

天井に向かって、届くはずのない細い手を虚しく伸ばす。指先が虚空を掻いた、まさにその刹那──視界は永遠の闇へと真っ暗に暗転した。

 

「──っ、は、あぁぁーーーーーっっっ!!!???」

 

弾かれるようにして、刹那は真夏の深夜のアパートで目を覚ました。背中は冷たい脂汗でぐっしょりと濡れそぼり、雷雲のような黒髪のショートボブが額にべったりと張り付いている。

 

「……あれ、何で……?」

 

パジャマの袖で頬を拭うと、自らの日食の瞳からは、夢の中の女性の絶望と愛おしさがそのまま肉体を侵食したかのように、涙がボロボロと溢れて止らなくなっていた。隣を見れば、昨夜に谷間のビールを吸い尽くされ、肉のサーバーから極限まで種を搾り取った白金髪の長身の麗人──宗茂が,穏やかな寝息を立てて刹那のすぐ横ですやすやと無防備に眠っている。刹那はその愛らしい寝顔を見つめると、抑えきれない情動に突き動かされるようにして、思わずその細い両腕で彼女の身体へと抱き着いた。

 

(──ああ、離れたくない。この人を、もう二度と、絶対に手放したくない──)

 

前夜のビールまみれの乱交の残り香が微かに漂う闇のなかで,刹那は宗茂の温もりをその肌に抱き締め、言葉にできない宿命の微熱に唇を噛み締めながら、ほぼ確信めいたひとつの大きな疑問を脳髄の裏側にさらに深く刻みつけるのだった。

 

◆翌朝、昨夜の淫靡な饗宴と愛欲の泡影の残り香を振り払うようにして、刹那たちは気持ちを切り替え、次なる第二の拠点へと出向くことを決めた。しかし、出発の準備を整える最中、宗茂(むねしげ)、アイアス、ジュリア、そしてヴラド三世の四人は、刹那の纏う雰囲気が明らかに昨日までとは様変わりしていることに気が付いていた。実は、これまでの激しい戦いや、まぐわい(回路結合)の果てに前世の夢を見るたび、刹那の性格面はだんだんと、けれど確実に変化してきていたのだ。ただ、今回のあまりにも烈しすぎた夜と鮮烈な夢のシンクロを経て,そのグラデーションの歩みは、誰もが看過できないほどの「明確な違和感」となって、今朝ついにその立ち振る舞いへと露わになっていた。それまではどこか頼りなげな優男であり、夜這いに赤面するチェリーボーイであり、ヒロインたちの情欲に圧されがちな草食系の少年だったはずの彼が──。今朝の刹那は、だんだんと溌剌とした生気が全身からあふれ、どことなく傲慢さすら見せる強気な男子のそれへと変貌を遂げていたのである。

 

「よし、第二拠点の制圧にかかろう。もたもたしている暇はないからね。一気に向こうの拠点を叩いて、ライダーに流れ込む魔力を減らしちゃおう」

 

荷物を手際よくまとめる刹那の口から自然と漏れ出た一人称は、これまでの「僕」ではなく、けれど彼の根の優しさを残したトーンのまま、力強く響く「俺」へと変わっていた。その日食の瞳に宿る不敵で前向きな光に、ジュリアがたまらずといった様子で声を上げる。

 

「ねえダーリン♡ やっぱ最近さ、セックスと言い、雷撃の出力と言い、なんか勢いがめちゃくちゃ強くなってきてるよね。ウチ、ちょっとビックリなんだけど☆」

 

ギャルならではのストレートな問いかけに対し、刹那はフッと柔らかく、けれど不敵な笑みを浮かべて堂々と答えた。

 

「でしょ? これもジュリアがいつも俺を信じて、力を注いでくれるおかげだよ。もう守られるだけのガキのつもりはないからね。これからは俺自身もしっかり前線に出て戦うから、みんな、俺にちゃんと付いてきてよ」

 

その毅然とした、あまりにも男らしい言葉の弾道。ジュリアやアイアスがその強気なオスの色香に頬を赤らめるなか、ただ一人、宗茂だけが激しい戦慄とともにその場に立ち尽くしていた。

 

(──な、んだ、この感覚は……っ)

 

性別も違えば、年齢も違う。ショタとしての可憐な風貌も、鈴を転がすような声のトーンも、生前のあの人とは何一つとして重なる部分などないはずだった。だが、その傲慢なまでの絶対の自信、仲間を率いる溌剌とした強気な視線、そして何より魂の最奥から放たれる苛烈なまでの情熱──。宗茂の深緑の瞳には、目の前に佇む轟刹那の姿の向こう側に、かつて朝鮮の役から命からがら帰還した自分を涙で出迎え、関ヶ原の前夜に激しく言い争い、そして孤独な病床で自分の復権を祈り続けて散っていった、最愛の妻『立花誾千代』の面影が、あまりにも鮮烈に、狂おしいほどの幻視となって重なり合っていた。

 

「主殿、お前は一体──」

 

言葉になりきらない切ない呟きを夜風のなかに消しながら、宗茂は自らの胸を締め付ける宿命の絆の熱量に、ただ静かに震えるのだった。だが、そんな覚醒を始めた刹那たちが第二の重要拠点へと突入したその瞬間、霊脈の闇の奥では──前戦で刹那の超肉棒の前にあまりにも惨憺たる敗北を喫した暗殺者、耽惑のハサンが、シッダールタの手によって男の理性をドロドロに溶かす傀儡たる『マーラ(愛欲・誘惑者)』の最凶の側面をその肉体へと不気味に植え付けられながら,その「俺」へと変貌した本物のオスの到来を、ただ虎視眈々と、狂おしい飢餓感を滾らせて待ち望んでいるのだった── 。

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