『Fate/Desire of Thunderbolt』 作:山嵐のハイオーク
第二の重要拠点としてジュリアの解析魔術に弾き出されたその場所は、かつて高級ホテルとして使われていたという、古びた佇まいの広大な洋館であった。外から見上げたときにはさほど大きな建物には見えなかった。それ故に、通路の狭い閉鎖空間での白兵戦を予期していた刹那(せつな)たちは、遠隔攻撃が使えない不条理に代わる作戦を事前に組み立てていた。長身の麗人──宗茂(むねしげ)と、黒のボディスーツに包まれたアイアスの二騎をメインの突撃前線とし、ヴラド三世(ランサー)はマスターである刹那の守護に全身全霊を捧げるという、鉄壁の防衛布陣。
「よし、行くよ!油断がないようにね!」
「俺」として溌剌たる強気な男子へと変貌を遂げつつも、いつもの仲間への確かな気遣いを宿した柔らかい声音で刹那が号令を発し、5人は正面の重厚な扉を開け、洋館の内部へと足を踏み入れた。──しかし、ことはそう順調にはいかないものだ。一歩、エントランスの赤絨毯を踏みしめたまさにその瞬間、洋館全体の魔術回路が不気味に明滅し、空間そのものがグニャリと反転するような強烈な位相ズレが巻き起こった。まさにこうして刹那は、空間の隔離魔術によって同行していたはずの頼もしい仲間たちから完全に分断され、薄暗く“長い”廊下を魔術で警戒しながら、ただ一人で行動することを余儀なくされてしまったのだ。
「向こうはどうなっているだろう……っ」
残された4人の身を案じた刹那は、自らの内に宿る前世の情熱の回路を昂らせながら、宗茂を令呪による強制転移でこちらに呼び寄せようと、手のひらを虚空へと強くかざした。
「──来い、セイバーッ!!」
赤い刻印に魔力を込める。しかし、どれほど待っても白金髪の長身の麗人が目の前に現れる気配はなかった。この洋館全体の霊脈に張り巡らされた遮断結界のノイズのせいか、令呪のパスすらも強引に歪められている。静寂のなかで虚しく響いたのは、上の階──2階のどこかで、誰かが思い切り頭をぶつけたような、鈍い『ゴンッ!』という不自然な物音が一つ聞こえただけだった。
「くっ! まずい、このままでは仲間と合流する前に、敵のサーヴァントや手下と遭遇して殺されてしまう……っ! 今は強引に進むより、一度どこかに隠れるべきだ」
そう冷静に状況を判断した刹那は、周囲の物音や魔力の気配を慎重に確認しながら、手近な場所にあった一室の客室のドアへと手をかけた。扉の奥に潜む魔術的な罠を恐れた刹那は、ドアの陰に身を隠して室内の様子を窺いつつ、自身の簡単な使い魔である、 pale blue の青白い光を放つ『電光虫』を数匹、部屋の暗闇へと放った。だが、不気味なほどに罠が発動する気配は一切なかった。──代わりに、刹那の鼻腔を容赦なく突き刺したのは、部屋の奥から溢れ出る、甘く本能を激しく刺激する、何か覚えのある濃密な匂いだった。それは電光虫の魔術的な探知ログなどではなく、刹那自身の肉体、自身の本能が直接感じるほどに、あまりにも濃く、空間に充満している。
(な、んの匂いだ……? なんだろう、この匂い……)
いつかあの電波塔でバーサーカーを撃破した夜、アパートの自室で深く快眠したあの日(翌朝)のような、心地よくてどこか懐かしい空気をなんとなく感じる程度。その不思議な既視感に疑問に思いかけた、まさにその瞬間だった。
「──ねえ……そんなところでえ、なにをお、していらっしゃるのです……?」
背後の闇のなかから、お嬢様口調の気品をドロドロに蕩けさせた、あの聞き覚えのある妖艶な声が耳元へと直接滑り込んできた。
「──っ!?」
とっさに振り返ろうとする刹那だったが、身体が反転するよりも前に、暗闇から伸びてきた強靭な細い指先によってガシッと力任せに衣服の胸ぐらを掴まれた。抗う間すら与えられず、刹那はそのまま強引に、薄暗い部屋の奥へと引きずり込まれた。
ドササッッッ!!!
どかりと、部屋の中央に鎮座するキングサイズの巨大なベッドの上へと乱暴に投げ出される。ベッドのマットレスに身体を沈ませ、暗い部屋の中で刹那が敵の正体を見定めようと必死に日食の瞳を見開いた、その時だった。部屋に差し込む光は、窓の隙間から漏れる真夏の『月光』のみ。それだというのに、目の前に佇むその妖艶な女性の姿態は、なぜかその細部にいたるまで、脳髄へダイレクトにすべてが把握できてしまっていた。そこにいたのは、前戦のアパートで夢遊状態の刹那の前に惨憺たる敗北を喫したあの暗殺者──『アサシン(耽惑のハサン)』の真の姿であった。刹那にとって、しっかりと意識がある状態で彼女のその全貌を真っ向から目撃するのは、今この瞬間が、人生で初めてのことであった。衣服を完全に失い、もろ肌を晒した全裸の有様。その美しい褐色肌の全面を、シッダールタによって植え付けられた魔王マーラの概念そのものである、赤黒い不気味な『紋様』がドロドロと発光しながら覆い尽くしていた。見た者の全性欲を強制的に狂わせ、無差別に乳首やクリトリスをもいきり立たせる呪わしい紋様の毒牙。だが、意識の明晰な刹那の瞳が、初めて視るその肉体のなかで特筆すべき特徴として捉えたのは──衣服のナーフを完全に排したことで露わになった、手で触れれば吸い付くように深く沈み込む、あのとてつもなく柔らかい、やや垂れ気味の大きな胸。その最尖端にある乳首が、肉の質量の中に深く埋もれるようにして生々しく『陥没』していたこと。そして、そのぷっくりとした肉厚な唇に浮かぶ不気味なメスの笑みと、彼女の安産型な超巨尻のまたぐらから、ドクドクと溢れ出ている、酷く白く、とても粘性の高い愛液の濁白であった。
(アサシン……っ! これが、あいつの本当の姿なのか──っ)
初めて視る敵の淫らな威容に、パニックを起こす頭で必死にそんな不条理な光景を分析していた刹那は、自身の身体に起きている『最大の異常』に、この瞬間まで全く気づいていなかった。ベッドに投げ出された自身の身体──シャツも, ショートパンツも、パジャマも、いつの間にか一物の衣服も身に纏っていない、完全な『全裸』にされていたのだ。剥き出しになった少年の股間では、マーラの紋様が放つ最凶の誘惑能力に本能を限界突破まで煽り立てられた最凶の超肉棒(杭)が、 pale blue の青白い雷撃粒子の火花をバチバチと激しく撒き散らしながら、今や初めて正面から対峙するハサンの陥没乳首と粘つく秘部へと向かって、獰猛なオスの野生のままにメリメリと天を突いていたのだった。
◆
「うふふ……っ。もうそんなに猛々しく昂っていらっしゃるのですね。話が早くて本当に助かりますわ」
月光に照らされたキングサイズのベッドの上、全裸のハサンは、自らの艶やかな褐色肌に蠢く赤黒いマーラの紋様を淫らに脈動させながら、ぷっくりとした肉厚な唇を歪めて妖艶に微笑んだ。
「本当に……なんてかわいらしいお顔をして、股間にはこれほど凶悪なものを隠し持っていらっしゃるのでしょう。わたくし、生前の寝所で男に不覚を取ったことなどただの一度もありませんでしたのに……。あの夜、わたくしの身体をこんなにメスとして無残に変えちまって……。許さない、許さない、許さない、許さない……ッ! 意識がハッキリとある今こそ、あなたを快感の絶頂で腹上死させて差し上げますわッ!!」
お嬢様口調の気品を情欲でドロドロに融かしたハサンは、次の瞬間、ベッドの上を音もなく這い寄り、刹那(せつな)の股間でメリメリと反り上がる最凶の超肉棒(杭)へと、その長い割れ舌を這わせて生々しく愛撫し始めた。
「お”──っ!? ん、ぐ、ふぅぅーーーっ!?」
これまでに経験したことのない、全神経を脳髄ごと脳天まで焼き飛ばすような魔王の愛欲の快感。刹那の口から獣のような野太い声が漏れた瞬間、弩級の超肉棒の尖端から、天井へと届くほどの凄まじい大噴射(前愛液)が激しく解き放たれた。あまりの不条理な事態の連続に、頭での情報整理はもはや完全に限界を迎えていた。だが、それゆえに刹那のショタとしての生真面目な理性の手綱は完全に引きちぎれ、内側から「俺」としての溌剌たるオスの野生が1200%完璧に吹っ切れた。
「──お前が、あの夜に俺の部屋に夜這いをかけて、畳から何からぐちょぐちょの潮と愛液で汚しやがった犯人だなッ!? ──今ここで成敗してやるよ、この変態黒豚暗殺者がッ!!」
「ふふッ、あなたもその気になりましたか。受けて立ちますわ!」
ハサンは強い力でベッドから起き上がろうとした刹那の華奢な上半身を、マーラの概念によって格段に向上したその強靭な両腕の筋力で強引にベッドへと抑え込んだ。そのまま圧倒的な超巨尻を揺らして跨り、自らのべとべととした粘性の高い液体が溢れ出る股ぐらを、刹那の超肉棒の竿へと生々しく擦り付ける。
「ふーっ、ふーっ……! 今度こそ、あなたは快感に狂うがいいわ。わたくしの奴隷としてひれ伏すがいいわッ!」
ずぽォォォッッッ!!! ぐぽ、ぐぽぐぽぐぽっっっ!!!!
ハサンは自らの膣内に最凶の杭を根元まで一気に呑み込み、狂ったような腰使いで激しい騎乗位を動かし始めた。マーラの紋様の毒牙に耐え、多少の我慢を強いられている様子ではあったが、上から見下ろすハサンの顔には勝利を確信したような不気味な笑みが浮かんでいる。だが──今の刹那は、もう昨日までの草食系の少年では断じてなかった。
「──何、浅いところで、イキってるんだ、よッッッ!!!!」
「なにをする、にょ──っ!?♡」
刹那は、自らの腰を浮かせていたハサンの安産型な腰回りをその細い両腕で強引に引き寄せると、ベッドのマットが軋むほどの凄まじいパワーで、真下から超肉棒を最奥の子宮口へと向かって一気に突き上げた。
ドクンッ!!
バリバリバリィィィィンッッッ!!!
「ふにいっ!? へ、へおッ♡ ──ま、まだ! まだなにょでえ、しゅえんぎぃぃぃーーーーっっっ!!!♡♡♡」
結合したハサンの膣内を、刹那の指先から溢れ出た pale blue の淡い雷撃粒子の暴力が再び内側からビリビリと激しく襲い、蹂躙した。ハサンは白目を剥きかけ、言葉にならない嬌声を上げながらも、向上した体力(基礎筋力)を総動員して、必死の形相でその破壊的な感電絶頂に耐えてみせる。あまりの激烈な射精による絶頂の衝撃に、密室の空気(雲行き)が怪しく歪む。
「俺の部屋をあんなめちゃくちゃにしておいて、何もせずに勝手に帰ったのが……こんな程度で許されるわけないでしょッ!!」
「あ、は、あぁぁ……っ、おの、れ……っ!」
ハサンは片目をピクピクと痙攣させ、あまりの分からせの衝撃に一度体勢を立て直そうと、マーラの概念によって得た超常的な筋力を以てベッドの奥へと退こうとした。だが、この時の覚醒した刹那の肉体は、彼女の暗殺者としての反射神経を遥かに凌駕する、驚くべき神速の速さでその艶やかな褐色肌の足をガシッと掴み取り、一気に自らの股間へと引き寄せることができた。
「ふ、ふふ……っ。あははははっ……!」
引き戻されたハサンは、もはや絶望のなかで歪んだ笑声を漏らすことしかできなかった。色欲を己が業とし、世界を解脱したシッダールタによって「最も相性のいい魔王の神性(マーラ)」をその霊基に埋め込まれながらも、目の前にいるこの少年──「俺」としての激烈なオスの野生には、天地がひっくり返っても敵わないのだから。しかし、刹那は彼女が笑うことすら許さなかった。今度は刹那が艶やかな褐色肌の全裸の上へと完全に覆いかぶさり、その女性の腕ほどもある巨大な超肉棒(杭)で、ハサンの陥没乳首の隙間を、そして粘つく膣内を、力任せに真っ向から貫いた。
ドスッッッ!!! グズゥゥゥッッッ!!!
「あ、ひぃ、あぁぁーーーーっっっ!!!♡♡♡」
激しく突くごとに、壊されたメスとしての無残な喘ぎ声を上げる目の前のハサンの様は、刹那の内に眠る前世の激烈な情熱と性欲を、さらに上の段階へと一気に押し上げた。貪るようにその口を強引に奪えば、肉欲をこれでもかとそそる蕩けたメスの味がし、垂れ気味の大きな胸を力任せに手で触れば、肉の質量の中に隠れていた陥没乳首が、感度の熱でピンと硬質に勃起していきり立つ。そして触った刹那の指先は、彼女のとてつもない柔らかさの中に深く沈み込んで離れない。
「ん、うおぉぉぉーーーっ!!」
刹那が体勢をやや後ろへと反らし、限界突破して反り上がった肉棒のテンションだけで、ハサンの安産型な身体をベッドの上から少しだけ宙へと浮かせた。そのまま彼女の大きな胸をしっかりと両手で鷲掴みにし、強烈な突き上げを開始した。ピストンを成立させているのは、もはや重力と、肉と肉が激しくぶつかる瞬間の強烈な衝撃のみ。このころには、ハサンはもはやお嬢様口調のプライドなど跡形もなく消し飛び、ふにゃふにゃの締まりのない嬌声を上げるのみとなっていたが、シッダールタに植え付けられたマーラの呪縛(権能)のせいで、意識だけは気絶することを許されず、強制的にその快楽の地獄のすべてを脳髄に刻まれ続けていた。ハサンは胸の下をガシッと刹那の両腕で抱えられ、股間には太いマラが根元まで突き刺さったままの無残な結合の有様で、月光の差し込む部屋の大きな鏡の前へと強引に連れてこられた。相手が頑丈なサーヴァントであることを完全に知っていた刹那は、乱暴に抱えていた手を下ろすと、ハサンの艶やかな褐色肌の両足を力任せに自身の脇に抱え込んだ。現世の四十八手のひとつ、完全な『押し車』の体位のまま、鏡に映るハサンの姿に向けて、冷徹で強気な言葉攻めを容赦なく叩き込む。
「──見えるか? お前のその顔。ちょうど真夏の月光の光で、その下品で淫らなメスの顔を、敵の前に全うに晒してるんだよ。……自分の立場、ちゃんと分かってる?」
「あ……、あぁ、わたくし、の……かお……ッ!♡」
大きな鏡に映し出された、自らの陥没乳首をピンといきり立たせ、白目を剥きかけてだらしなく涎と粘液をブチ撒けている己の醜態を見た瞬間──ハサンの心は、完膚なきまでに木端微塵にブチ折れた。大聖杯への忠誠も、アサシンとしての誇りも、すべてが崩壊し、屈服した。自分が何者なのか、目の前にいるこの『俺』という絶対の主人によって、細胞の最奥まで完全に分からせられてしまったのだ。これは敗北などではない。魂が求めていた、運命の出会いだとさえ、脳髄の裏側で激しく確信していた。
「なあ。目の前に映ってるお前は、一体何なんだ? ──言ってみろよ、メスブタ」
「ああん♡♡♡ ──は、はいぃぃっっっ!!! 哀れな……ッ、哀れなメスブタですわぁぁぁっ!!! 下等な分際で、偉大なるご主人様のご主人様の子種を、狂ったようにせがむ……愚かなメスブタですぅぅぅぅーーーーッッッ!!!♡♡♡」
「──よし、だったら俺の種、全部奥まで呑み込めッ!!!」
「おッ、おほおおおおおおおーーーーっっっ!!!♡♡♡」
ドクククククッッッ!!! ビュルルルルルルルルルッッッ!!!!!
その日何度目か分からない究極の絶頂の末、刹那の超肉棒から放たれた pale blue の激烈な雷撃粒子の中出しの奔流が、ハサンの子宮の最奥へと一気に炸裂した。凄まじい電撃の閃光は、彼女の艶やかな褐色肌を侵食していた魔王マーラの概念(赤黒い紋様)を内側から完膚なきまでに全て吹き飛ばして浄化し,代わりに──『永劫の隷属の証』という絶対のオスの刻印を、彼女の脳髄へ、そして彼女の霊基の深奥へと、ドロドロに深く焼き付けるのだった。
◆ハサンの心とプライドが完膚なきまでにブチ折れて屈服してから、数時間。そこからは、その艶やかな褐色肌の女体が、覚醒した刹那の狂おしい気が完全に沈むまで、オスの征服欲を満たすための器としてただひたすらに使われ続けた。もはや、その部屋に存在するのは理性を捨て去った二頭のケダモノのみ。 pale blue の青白い雷撃粒子の火花を散らしながら、盛んに腰を振るオスと、その無尽蔵に注ぎ込まれる熱い精液をこれでもかと胎内の最奥に受け止め、もはや本当に孕んだが如くお腹をぽっこりと膨らませるメス。彼女陣営に限ったことではないが、もしハサンがサーヴァントではなく生身の人間であったなら、確実に一発で孕まされているほどの規格外の質量であった。しかも、馬鹿みたいというか、文字通り馬のそれのような常軌を逸したデカさの超肉棒(杭)で何度も何度も最奥まで狂ったように掘られ続けたために、ハサンの強靭な膣は、いまこの瞬間に出産を迎えても一切の痛みを感じぬほどにガバガバに拡張され、オスの形に作り変えられていた。客室の床やベッドの周囲は、あの夜にハサンがアパートの自室を汚したあの比ではないほど、溢れ出た白濁とぐちょぐちょの愛液、そして潮の池で海のように溢れ返っていたのだった。
◇ジュリアたちが、ようやく隔離空間をブチ破って刹那たちのいるこの客室を見つけたのは、最初の分断から実に半日が経ち、真夏の夜が明けて次の日の太陽が上りかけた頃のことであった。これほどの時間がかかってしまったのには、明確な魔術的理由があった。この古いホテル洋館に仕掛けられていた、刹那とジュリアたちを分断したあの隔離魔術は、時計塔などの一般的な『西洋の魔術体系』とは根本から異なる、東洋の深奥に眠る【『思想鍵紋(しそうけんもん)』】の術式が組み込まれていたからである。それゆえに、異端の天才であるジュリアの脳髄を以てしても、その複雑怪奇な数式の解析に大幅な時間を取られてしまったのだ。だが、一度ロジックを解読してしまえば、ギャルの逆襲は一瞬だった。ジュリアは即座に第二拠点の霊脈のパスを完全に奪取すると、洋館全体を一気に『構造化』して内部をハッキングし、愛しのダーリンの居場所を突き止めてドアを蹴破るに至る。
「ダーリンッ! 無事なわけっ!? ──って、ええええええええええーーーーッッッ!!!???」
突入したジュリア、および身構えていた宗茂(むねしげ)やアイアスたち4人は、目の前に広がったあまりにも唖然とする光景に、言葉を失ってその場に硬直した。とんでもない濃厚な熱気と、白濁の異臭に塗れた部屋のなか。そこには、苛烈極まる調教戦の痕跡として、 pale blue の電流で焦げ付いた寝具やタンス、破裂した電球のガラス片がそこら中に散乱していた。そして肝心の二人はといえば、あれほどぐちょぐちょに荒れ果てたベッドのなかで、まるで何事もなかったかのように、互いの全裸を寄せ合ってスヤスヤと気持ちよさそうに爆睡していたのである。
「主殿……っ。何という、何という凄まじやまぐわいの跡なのだ……っ!」
白金髪の長身の麗人たる宗茂は、あまりの光景に顔を真っ赤に染め上げながらも、すぐに気持ちを切り替えて全裸の刹那の可憐な身体へと大判のタオルを優しくかけた。そして、かつて前世でもそうしたかもしれないという懐かしい愛おしさをその腕に感じながら、眠ったままの刹那の身体を、自らの175cmの背中へとそっとおんぶして抱え上げた。一方、その足元で、お腹を白濁でパンパンに膨らませてダラしなく眠っているアサシンに対し、ジュリアは容赦がなかった。
「ウチらのダーリンをここまで搾り取ってくれちゃってさぁ★ ──これでお仕置き完了だし!」
ジュリアは自らの部屋から持ち寄っていた魔術触媒の特製の特殊な縄(ジュリアお手製の綱)を使い、全裸のハサンの豊かな褐色肌と陥没乳首、およびガバガバになった秘部のラインを締め上げるようにして、生々しい【『亀甲縛り』】の形へと容赦なくガチガチに拘束した。
「……不甲斐ないアサシンめ。今度こそ、我がマスターの害にならぬよう、この私が監視するであります!」
黒のボディスーツを纏ったアイアスが、その真っ白な卵肌の爆太ももと超巨尻の膂力を以て、亀甲縛りにされて文字通り『肉の盾(荷物)』と化したハサンの全裸を、自らの背中へと無造作に背負い上げた。こうして、第二拠点の霊脈を100%完全に制圧・掌握した一行は、それぞれに重い戦果を背負いながら、アパートへの家路へと向かって洋館を後にするのだった。だが──忘れてはならない。今が大聖杯を奪い合う、血を血で洗う過酷な聖杯戦争のただ中であるということを。洋館の防衛線が瓦解し、日常へと離れていく彼らの後ろ姿を、朝焼けの眩い陽光に照らされた洋館の『屋根の上』から、静かに見下ろす不気味な一つの怪しい人影があった。
「……ふふふ。あの子が、わが王の言う、稀有な運命を宿す人間ね♪」
それは、まだ見ぬライダー陣営の残る臣下か、あるいは──。人影は、自らの衣服の下の肉体を淫らに震わせ、どこか狂おしい笑みをその唇に浮かべて、朝の光の中へと消え去るように呟いた。
「──あぁ、もうダメ。今から戦うのが楽しみすぎて、私……中から、うずいてきちゃう……っ♡」
第二拠点の奪還によって、聖杯戦争のパワーバランスは確実に刹那たちの元へと傾き始めていた。だが同時に、大聖杯の深淵で待つ、ライダー(ゴータマ・シッダールタ)のさらなる刺客が、より淫らで、より不条理な殺意を孕んで、確実に刹那たちの首を撥ねんと駆動し始めているのだった。