『Fate/Desire of Thunderbolt』 作:山嵐のハイオーク
「ねえダーリン。ウチがイギリス(時計塔)で貯めてきたお金だって、流石に無限じゃないじゃん?」
長机で家族一同が揃って賑やかに朝食を囲むなか、Kカップの超乳をエプロンにのせたジュリアが、お箸を持ったまま真面目な顔で切り出した。
「ウチら総出で働いてるし、マッサージ店『とろけ』もおかげさまで大盛況なのはいいんだけどさ。……もうすでに子供が5人もいるわけじゃん? 流石にこれ以上、際限なく増え続けると、経済的にガチでやばいんじゃないかと思うわけ」
「確かに……なのだよ。主殿の種の生命力は、我らの想像を遥かに絶しているからな」
至高の銀髪を揺らした宗茂が深く頷き、隣でハリのあるコニカル美乳を揺らしたアイアスや、褐色肌のヌール(ハサン)たちもうなるように同意した。彼女たちの本音を言えば、現世に完全受肉を果たし、男(オス)として逞しく成長した最愛の主人・轟刹那(とどろき せつな)の超肉棒(杭)で、毎日でも孕むまで突かれたいし、もっともっと子作りがしたい。しかし、この現代社会において子供を養うお金は決して無限ではないのだ。
「あはは……。それは、俺も本当に耳が痛いよ」
愛する妊婦たちに全方位から見つめられ、刹那はご飯茶碗を片手に苦笑いするしかなかった。普通の人間であれば、市販の避妊具(コンドーム)を使えば子供の数をコントロールしつつ、いくらでも夜の欲求を発散できる。しかし、この轟刹那という規格外の男には、そんな世間の常識が一切通用しなかった。何せ、市販の最大サイズのコンドームすら、その馬の如きデカさの超肉棒にはキツすぎて物理的に絶対に入らないのである。しかもそれだけではない。ジュリアの高精度な魔術的見立てによれば、神代の英霊の肉体を持った彼女たちには、現世の経口避妊薬(ピル)すらも魔力抵抗によって効果が著しく薄いというバグが判明していた。そのため、大学生の頃の夜這いまぐわいでは、絶頂の瞬間にメスたちの強靭な太ももで腰をがっちりとホールド(ロック)されていても、必死の思いで外に出すように(外出しするよう)凄まじく難儀していたのだった。
「──でもね! そこで諦めるウチらじゃないわけ!☆」
ジュリアは不敵にニヤリと笑うと、懐からペラりとした薄い魔術シールを取り出して掲げた。
「お隣のチンイ(玄奘三蔵)や、ウチの知り合いの蒼崎橙子さんの協力を得てさ! ダーリンに子宮の最奥へドクドク注ぎ込まれた濃厚な精液(子種)を、着床する前にその場で100%ピュアな『魔力バフ』へと完全変換する特殊な【避妊魔術シール】を開発しましたぁ〜! ひゅーひゅー!★」
「な……っ! なんという画期的な魔術なのだ……っ!!」
ジュリアのその大発表に、宗茂、アイアス、ヌールたちの女性陣は
「これで経済的な限界を気にせず、毎日ダーリンのデカちんぽでガバガバになるまで中出しされ放題ですわ!!」
と、立ち上がって拍手喝采の大歓声を上げた。それを見た5人の可愛い子供たちも、意味こそ分かっていないものの、親たちの楽しげな真似をして、小さな両手でパチパチと無邪気に拍手していたのだった。
「……はは、凄い道具を作ってくれたね」
こうして、マッサージ店『とろけ』を営む轟ファミリーの肉食ケモノ(メス)たちは、【経済的なリスクを完全にゼロにした状態で、合法かつ合理的に、毎日ドロドロの中出しセックスに狂ったようにいそしむ最高無敵の口実】を手に入れてしまったのである。そんな愛欲の朝の作戦会議(?)を終え、開店の準備が完了した頃──。『Wave salon とろけ』の記念すべき営業日の扉が、今まさにガラガラと押し開かれようとしていた。
「ま、ウチらは全員すでにお腹にダーリンの赤ちゃんがあるからさ☆ 当面はそのシール使う必要ないんだけどねーっ!★」
朝食を笑顔で終えたジュリアは、そう言い残すと手際よく皿洗いのためにキッチンへと向かった。その頼もしい背中を見送ったのち、轟刹那(せつな)は長机の端で無邪気にスプーンを握っている愛娘の頭を優しく撫でた。
「それじゃ、今日もお仕事行ってくるね、ひまり」
「あーい! ぱぱ、がんばってじぇ!」
3歳になるひまりが愛らしく手を振り返す。刹那が営業開始前の仕事場の整理に向かうと、銀髪を揺らした宗茂や、安産型の超巨尻をきしませたアイアスたちも
「主殿、我らも手伝うぞ」
「受付の準備、完璧にしておくであります!」
と当然のようにその後ろへと続いた。後に残されたリビングでは、轟家の一員としてすっかり手慣れた様子のヴラド三世が、ひまりを器用にあやしながらユーチューブの配信ネタを思案し始めている。家事、育児、および聖杯の因果。すべてが調和した轟ファミリーの、これが日常の風景であった。
◇カランコロン──。午前10時、サロンの開店を告げるベルの音が爽やかに響いた。
「いらっしゃいませ! ──って、あれ? 橙子(とうこ)さんじゃないですか! 今日は一体どういった用向きですか?」
フロントでタオルの補充をしていた刹那が顔を上げると、そこに立っていたのは黒髪のロングヘアに知的な眼鏡をかけ、相変わらず50代とは思えぬ30代前半の圧倒的な美貌を保った魔術師・蒼崎橙子であった。
「やあ、種馬クン。繁盛しているようで何よりだ。今日はね、私も純粋に客としてマッサージを受けに来たというわけさ。──このメニューにある、【全力:これなしじゃもう生きていけない!コース】を頼むよ」
「えっ、全力コースですか!? 大大丈夫ですか、それ……」
刹那は思わず苦笑いを浮かべた。
「これは妻たちが完全におふざけ半分でメニューに書き加えた最高強度の特殊コースなんですよ。他のお客さんたちにお出ししている【はげしめ:痛い、だけど、キモチイイコース】ですら、皆さん途中で完全に満足して腰を抜かして帰られるくらいなんです」
「フン、何を言うか。そもそもジュリアの思想鍵紋やシールの研究に付き合ってあげたよしみで、私はいつもより死ぬほど安く仕事を請け負ってやったんだぞ? 本来なら生涯無料で施術してくれたっていいくらいだ」
「それはもちろん、感謝しています。俺の勧めた通りの順番でコースを使って、身体を段階的に魔術適応させていただけましたし。以前お渡しした無料優待券もまだ残っているはずですから、喜んでやらせていただきますよ」
全力コース。それは、覚醒した刹那がこれまでの死闘と調教のなかで学んだすべてを指先へと集約させた、至高の極上もてなし施術であった。開店早々、知る人ぞ知る裏メニューとして考案されたばかりの代物であり、つい先日、実証実験とばかりに身内(妻たちやヴラド三世)に試したところ、妻たちが蕩けきったのは言うまでもなく、あの厳格なはずのヴラド三世までもがお肌ツルツルのヒャッハー状態となり、
「おぬしの指先の前には、我ら英霊とて最早逆らえぬな……!」
と言わしめたほどの禁断の破壊力を秘めていた。
「では、一番奥の極上個室へご案内します」
「ああ、期待させてもらうよ」
実のところ、これまですでに「はげしめコース」のパチパチとした電気刺激の快感にすっかり病みつきになっていた橙子は、ずっと気になって仕方がなかったのだ。魔術的に調整されたあの極上のさらに上が存在するのか、と。個室に入った橙子は、指定のカゴに上質な服を脱ぎ去り、施術台の上にその真っ白で滑らかな全裸の肢体を横たえてうつ伏せになった。
「それじゃ、お願いしますね、店長」
「はい。それじゃあ、始めます」
まずは肩甲骨から腰にかけて、厳選されたアロマオイルが贅沢にぬったくられる。そこへ、刹那の温かい手のひらが密着した瞬間、パチパチ、ジジッと、衣服3層分を貫通していたジュリアのピアスの呪いすら一瞬で破壊した、あの精密な微弱電流が橙子の皮膚の最奥へと直接流し込まれた。
「──っ、くあ……っ!?」
念入りに揉みほぐされるたびに、脳髄の神経がダイレクトにハッキングされていく。続いてふくらはぎから爆乳を支える太ももの付け根、二の腕、そして神経が集中する指先までが、一切の抜かりなく完璧な圧で愛撫(施術)されていく。
「不思議ね……。男に揉まれているはずなのに、全く不快な気がしないどころか……」
橙子はシーツに顔を埋めたまま、自らの意思に反して熱く疼きだした股ぐらを、我慢できずにきゅっと擦り合わせてしまう。
「お疲れ様です! うつ伏せはここまでですので、仰向けになっていただけますか? 次は美顔とデコルテにいきましょう」
「あ、ああ……」
すでにこの時点で、橙子の【琥珀色(こはくいろ)の瞳】は熱い微熱でとろりと潤んでいた。仰向けになった彼女の胸元へと刹那の手が優しく滑り込む。かいた汗を優しく洗い流されながら、リンパの流れに沿って正確無比に揉まれていく。時折、細胞の奥でパチパチと心地よいスパーク音が鳴り響く。最高級の保湿パックや高級クリームが施され、次に頭と首の付け根のツボへと、刹那の金雷の指先がグッと深く突き刺さった。いかな橙子といえど、ここへきて、ついにそのプライドのすべてが快感でハッキングされ、悲鳴のような嬌声が個室の防音壁を激しく震わせた。
「あああぁぁーーーッッッ!!! 待って、刹那クン、おかしくなるっ……!!! だめ、だめ、だめえぇぇぇーーーーッッッ!!!♡♡♡」
「はい、頭部は終了です。お疲れ様でした。──それじゃあ、1分ほど軽い休憩をとっていただいてから、次は【お腹のあたり】をガッツリやっていきますね」
「な……な、なんだってッ!? ま、まだ終わりじゃないのかい……っ!?」
「はい。全力コースですからね」
「ひゃあッ!? ──ふひッ、あんっ!!! ああああぁぁぁーーーーッッッ!!!!♡♡♡」
下腹部の最も淫らな魔力中枢へと、刹那の絶倫の指先が限界突破の雷撃を流し込み、橙子の50代の肉体(30代の人形体)は、これまでにないほどの激しい潮吹き絶頂の痙攣を伴って、施術台の上でカエルのようにひっくり返って完全に分からせられたのだった。
◇
「──ふぅ、施術完了です。お疲れ様でした」
時計を見ると、ちょうどお昼の12時を回ったところであった。
「つかれたぁ。この時間だと、ちょうどお店も一区切りで昼休憩ですね。橙子さん、どうしますか? よければお昼、轟家のみんなと一緒に食べていきますか? この個室のベッドは、ヌール(ハサン)にすぐ掃除させとくので大丈夫ですよ」
タオルで手を拭きながら、男らしく溌剌とした笑顔で尋ねる刹那。対する蒼崎橙子はといえば──髪を乱し、全身を自ら噴き出した愛液でドロドロに濡らし、自慢の【琥珀色の目】を限界までとろとろに潤わせたまま、ガタガバと生まれたての小鹿のように震えながら、必死の形相で服を着替えていた。
「い、いや……え、遠慮しとくよっ……!!★ こ、これ以上ここにいたら、この私がプライドも何もかも全部忘れて、君にどんなことを要求してしまうか、分かったもんじゃないんでね……っ!!」
橙子はそれだけ一気に捲し立てると、いつもの冷静な眼鏡を歪ませたまま、逃げ出すようにして早々に店を飛び出して行ってしまった。
「あ、またのご利用お待ちしております……?」
刹那が見送ったあと、残された個室の施術台のシーツには、驚くほど大量の、橙子が絶頂の果てに飛び散らせた愛液の液が、文字通り水溜まりのようになって生々しく、どろどろに飛び散っていたのだった。それからのち──。完全に轟刹那の「 pale blue の指先(全力コース)」の虜となってしまった蒼崎橙子は、なんと「これからの時代は極東の地方都市に限るね」などと適当な供述をしてこの町へと直々に引っ越してきてしまい、毎日欠かさずマッサージ店『とろけ』へと通い詰めてくれるようになるのだった。