※この作品はR-18です。

『Fate/Desire of Thunderbolt』   作:山嵐のハイオーク

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第3話:『理性蒸発、あるいは魔術科学のメスによる完全なる変貌』

かつて大聖杯を巡る激甚なる聖杯大戦を駆け抜け、その勝者としての奇跡により現世への「受肉」を果たしたライダー──アストルフォ。彼は人間の肉体を手に入れて以来、持ち前のフットワークの軽さで世界各地を好奇心の赴くままに渡り歩いていた。生前の彼はもしかしたらかなりのヤリチンだったかもしれないが、そんな気ままな男の旅の果てに、彼は出会ってしまったのだ。己の存在の根底を、性別の壁ごと容易く覆してしまう不条理な怪物に。それは、彼が日本のある地方都市を訪れた際のことだった。

 

「ふふ〜ん♪ 日本のコンビニの肉まん、相変わらず超おいしいな〜!」

 

ピンク色の髪を三つ編みにした美少女(?)アストルフォは、お馴染みのミニスカートのような衣装のまま、ホカホカの肉まんを頬張って浮かれていた。すると、コンビニのレジカウンターの奥から、妙に大人びた色気を醸し出す女性店員が、彼の姿をじっと見つめた後にすうっと近づき、流暢なフランス語で声をかけてきた。

 

「あの〜……。今、こういう宿泊施設が近くにありまして。宜しければ、如何ですか?」

 

「あ、ボク、日本語も全然いけますよ! ──わあ、コレは……?」

 

手渡されたのは、どこか古風な民宿のチラシだった。

 

「そこそこのお値段ですけれど、設備は整っていますよ。どうですか?」

 

紫色の瞳をした妙にスタイルの良い店員は、落ち着いた様子で、けれど値判(値踏み)するような笑みを微かに浮かべて言った。

 

「へえ、ありがとう! 民宿なら日本の伝統的な雰囲気もたっぷり味わえそうだし、いいね! もしかして、お姉さんが経営してるの?」

 

「ええ。私のコンビニのシフトが15時までなので、それまで近くで待っていただけたら、私が直々に現地までご案内できますよ」

 

「そっか! じゃあ、お言葉に甘えさせてもらっちゃおうかな!」

 

アパート陣営のすぐ隣に居座っているとも知らず、持ち前の「理性蒸発(固有スキル)」を発動させて完全に警戒心をゼロにしたアストルフォは、それからの数時間、近くの和喫茶でパフェを食べながら暢気に時間を潰した。正式に約束の15時、私服に着替えた彼女と合流し、町外れにある民宿(空き家)へと案内してもらう。道すがら話をすると、彼女の名前はチンイというらしい。意外にも中国系の名前のようだ。

 

「実は私、ちっちゃい子供が3人ほどおりましてね。いつも騒がしいんですよ」

 

「へえ! 3人兄弟かあ! お姉さん若そうな見た目なのにすごいね。何だか賑やかで楽しそうな滞在になりそうだねっ!」

 

アストルフォは、それがかつてシッダールタ帝に仕えていた孫悟空たちの成れの果てだとは露知らず、無邪気に目を輝かせた。民宿に到着した後は、チンイの手による美味しい夕飯を馳走になり、五右衛門風呂のようなお風呂にも入れてもらい、旅の疲れもあって最高に快適な時間を過ごさせてもらった。夜には、チンイの言う「3人の子供たち」と一緒になって部屋で大はしゃぎで遊び、すっかり満足して深い眠りについたのだが──。◇時計の針が深夜の丑三つ時を指した頃。

 

「……ん、んん……? なんだか、妙に寝苦しいぞ……?」

 

アストルフォは、体中の妙な冷たさと違和感に、とろとろとした意識のまま目を覚ました。しかし、視界がハッキリとした瞬間、彼は己の状況に息を呑んだ。

 

「──え? ちょ、ちょっと待って、どういうこと……!?」

 

布団の上ではない。冷たい手術台のようなベッドの上で、彼は素っ裸にされた上で、四肢を頑丈な拘束具でガチガチに固定されていたのだ。

 

「あれ、あれれ!? チンイさん!? 冗談だよね、これ!?」

 

パニックを起こして顔を跳ね上げ、薄暗い部屋の奥を見つめる。そこには、昼間のコンビニの優しい店員カットが嘘のように、まるでドラマで見た猟奇的な外科医かマッドサイエンティストのような白衣とマスクを身に纏い、メスを手に持ってニッコリと微笑んでいるチンイ(玄奘三蔵)の姿があった。

 

「あら。もう起きちゃったんですか?」

 

チンイはマスクを少しずらし、妖艶な、そして底知れない魔術科学者の格をぎらつかせながら、白濁に染まった特製のヒトヅマ服をはだけさせて言った。

 

「さっすが、聖杯大戦を生き抜いて完全受肉した元英霊の生命力ですね。でも、本当に良かった……。術後にしっかりと目覚めてく、れ、て♡」

 

「じゅ、術後……!? 何を言ってるの、ボクに一体何をしたんだよぉっ!」

 

「ウチの『シャカティック』な最新魔術科学の技巧をフル稼働させてね、あなたをこの街にふさわしい、より良い『素晴らしい姿』へと、遺伝子回路ごと書き換えて変えてあげたのよ。──沙悟浄、拘束を外して差し上げて」

 

「御意にございます、お母様」

 

チンイの冷徹な号令がかかると、部屋の陰から、夕飯の後にアストルフォと一緒に無邪気に遊んであげた「3人の子供」の一人である沙悟浄(ちっちゃいチビスケ)がぬうっと現れ、大人顔負けの魔力の手際でガチガチの拘束具をパチンと外した。しかし、自由になったアストルフォにとって、そんな奇妙な子供の正体など、もはやどうでもよかった。拘束が解けた瞬間に全身を駆け巡った、【胸元と、あるいは股ぐらの圧倒的な、不条理極まりない不快感と違和感】に比べれば──!!

 

「な……ッ!? ない、ないっ!!! ボクの、ボクの、大事な、ちんこが、どこにもないよぉぉぉーーーーッッッ!!!!」

 

アストルフォが涙目で自らの股ぐらへと手を伸ばすと、そこにあったはずの、かつて男の娘であることの証明だった可憐なイチモツが、文字通り綺麗さっぱり、跡形もなく消滅していた。それどころか、焦って指先が触れたその場所からは──

 

ヌチュッ……

 

と、新造されたばかりで誰の手にも触れられていない、キュッと狭く固く閉じきった未知の『女の子の未熟な割れ目(秘部)』の肉襞の感触が、脳髄へとダイレクトに濡れた電気信号を伝えてきたのだ。当然、女性にされてからはまだ一度もヤッていないため、そこは生まれたての生娘そのものの初々しい狭さで、きつく閉ざされていた。

 

「ひゃぅあッ!?な、何これ、ボクの股が狭い未知の割れ目になって……ッ!?」

 

さらに、アストルフォは自らの上半身を見下ろし、さらなる驚愕の現実に絶叫した。今朝まで平坦で、細身の美少年のそれだったはずの胸元が、どういうわけか、ランジェリーのカップが必要なほどにふっくらと、柔らかな大ぶりのメスの乳房へと、ぷるぷるに形を変えて膨らみ上がっていたのである。

 

「あ、あ、ア……あわわわ、あああああああーーーーッッッ!!!!♡♡♡」

 

かくして、シャルルマーニュ十二勇士が一人が、伝説の「女装・理性蒸発騎士」改め、肉体そのものを魔術科学のメスでドロドロに改造された【女性・理性蒸発騎士】となってしまったのである。「うふふ、素晴らしい出来栄えですねえ♡」狂乱する新生アストルフォの前に、チンイは肉じゃがの甘い香りと、刹那の濃厚な種の匂いを漂わせながら、じわじわと妖しく這い寄ってくるのだった──。

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