何でも許しちゃう近所のおっとり人妻に強引に迫ったら 作:東雲(しののめ)
「――いらっしゃい」
夜の一一時頃すぎ。
僕は桂花さんの家の玄関前に訪れていた。
チャイムは鳴らさず、スマホからメッセージを送ると、扉がゆっくり開く。
そして挨拶と共に、上着を羽織ったネグリジェ姿の彼女が姿を現した。
「旦那さんは……」
「話した通り、お酒飲んでもう寝ちゃってるわ」
実は一時間ほど前に、桂花さんから突然連絡がきた。
少し前に連絡先は交換先していたが、スマホでやり取りするのは初めてで、正直だいぶ焦ったものだ。
状況は聞いていた通り、旦那さんはもう就寝していて――
「メッセージでも伝えたけど、夫は翌日の仕事がお休みになったみたいでね。そしたら『明日の夜、久しぶりにしよう』って言われたの」
僕がこれから行おうとしていることは、今まで以上にリスクが高いことだ。
しかも非人道的とも言える。
これまで桂花さんと散々身体を重ね、なんとか
「妙にやる気満々だったし、女の勘だけど中に出されると思う」
「中、に……」
「ええ。年齢的に低い確率だけど、できちゃう可能性もゼロじゃない」
「………………」
「そして偶然だけど、あなたと夫は同じ血液型。私の言いたいこと――分かるわよね?」
もし僕が今日孕ませても、それがどちらの子かは分からない。
目の前の女性は、言外でそう言っているのだ。
――なんて恐ろしい考えだ。
学校帰り、明るい時間に会うこの人は、優しくて穏やかで……。
そんな彼女がどうして、笑顔でこんなことを言えるのか不思議でならない。
それでもスマホ越しに『どうする?』と妖しく尋ねられ、僕は衝動的にここに来てしまった。
「大丈夫よ。何が起きても全部私のせい。あなたは悪くないし責任を負う必要もない」
「……………………」
「どうしても後ろめたくてできないのなら断ってくれて構わないわ。でも――こんな機会、今後もう二度と来ないかもしれいけれどね」
理性なんて利かなかった。
本能に従って……いや、本能に負けて面を上げる。
「……桂花さんと、生でセックスさせて、欲しい、です」
倫理に大きく逸脱しても、僕はどうしてもやりたかった。
両拳を握り締め、絞り出した声でお願いをする。
「…………ふふ。上がって」
桂花さんはどこか満足そうな表情で、僕を家にあげた。
しかしリビングに通されると思いきや、そのまま二階へと手を引かれてしまって。
「ここって……桂花さんと旦那さんの、寝室、ですよね?」
僅かに開いた扉の隙間から、いびきをかく旦那さんの姿を確認できる。
「子作りするなら寝室で、でしょ?」
「で、でも、旦那さんがいる横で……」
「安心して。
不安な僕を見て、桂花さんが手を握ってくる。
そして耳元に寄って甘く囁く。
「ゴムもつけず、ピルも飲まず、夫の横で思いっきり種付け生交尾……とっても気持ち良いわよ?」
「う……」
「今日だけは中出しし放題。こんな大チャンスそうないわ。本当にしなくていいの?」
もしかしたら遊びで済まない結果をもたらすかもしれない。
それなのに男根は一層隆起してしまう。
ガチガチになった一物を見て、桂花さんはニコニコと笑う。
「私とここで本気交尾、したいのよね?」
「…………は、はい」
ついに完全に頷いてしまった。
なおも萎縮する僕に、聖母のように優しく声をかけてくれる。
「なら、自分の口からちゃんとお願いして」
「桂花さんに、種付けしたい……です」
僕は小さく、しかしハッキリと口にした。
「はい。分かりました」
桂花さんは微笑んだ。
一度タガが外れてしまえば、後はずるずると行くだけ。
途端に、押さえ込んでいた欲望が爆発的に増加して、荒くなる呼吸の中で確認をする。
「僕、たぶん始まったら我慢できないです。ほ、本当に妊娠させるつもりで、やりますけど……」
「うふふ。年齢的にはギリギリ間に合うかどうかよね……正直難しいとは思うけど、頑張って私の卵子捕まえてね」
僕の手を引くと、一緒に夫婦の寝室に入る。
それから桂花さんは服も下着も全て脱ぎ去った。
僕もそれにならって丸裸になる。
静かにベッドへと近づくと、熟睡する旦那さんの姿が。
ぽっかりと空いている片側のスペースが、いつも桂花さんが寝ている場所なのだろう。
「再三だけど安心して。一度寝たら朝まで起きない人だから」
お酒を飲むと滅多なことでは起きないという。
「桂花さん……」
僕はベッドに座ると、すぐに彼女の口をついばんだ。
寝息を立てる旦那さんの隣で、ぴちゃぴちゃと唾液の混じる音がする。
舌を交わしながら、桂花さんの秘裂を愛撫。
少しするとじんわりと奥の方から濡れてきた。
「あなたは精力あるし、さっそく始めましょうか」
桂花さんはベッドにうつむけになり、枕に顔を埋める。
僕は彼女の臀部に馬乗りになり、いわゆる寝バックと呼ばれる体位で、その狭い膣へと挿入をした。
「気にせず動いて」
言われたとおり、僕は好きに動いた。
桂花さんの肉体を使い、思う存分腰を振り続けたのだ。
「上手。気持ちいいわよ」
もうすぐ限界が来ると感じると、桂花さんに重なるように身体をうつ伏せに倒す。
完全密着体勢。僕の全身が彼女の全身を支配した。
「桂花、さん」
「いいわよ、中で出して」
「くっ。妊娠して――くださいっ」
コツンと子宮にあたった瞬間。
僕は一気に精子を注ぎ込んだ。
これまで出したことがないくらい、大量のザーメンが出ているのを感じる。
未だ勃起状態である男根を、射精しながらも小刻みに振り続けた。
中はいつもよりほんのり温かいような気がして。
僕を受け止めてくれるのだという満足感を得ていた。
「桂花……?」
その時、隣で僕以外の男の声がした。
意識がふと現実に戻る。
もしもこの場を目撃されたら――今になって急に焦りが生じる。
「……寝言よ」
しかし桂花さんの声で安心する。
よく見ると旦那さんは寝返りをうっただけのようだ。
「……よかった」
「まだ勃起してるよね?」
「あ、はい」
「なにかして欲しい体位ある?」
体位……。
「き、騎乗位」
「騎乗位ね」
すくりと上半身を起こすと、僕と位置を入れ替わる。
今度は僕が仰向けになり、枕に頭を置いた。
「挿れるわよ」
血管が浮かび上がるほど隆起したそれを、桂花さんは自分の手で膣に挿入する。
精液やカウパーでぐちゃぐちゃになった肉壺に、卑猥な音を立てながら吸い込まれた。
「はい、奥まですーっぽり」
桂花さんは、ゆったりと腰と臀部をグラインドさせる。
「優しく動くわね」
その動きはまさに百戦錬磨というべきもので、あまりの上手さに過去の男たちの幻影が見えたような気さえした。
そのせいなのか、僕は優しくしてくれる桂花さんに、挑戦のようなお願いをした。
「全力で、搾って、欲しいです」
手加減なんてないものを味わいたかった。
「……そうね。子作りセックスだものね」
桂花さんは本腰を入れるために、膝を少しだけ上げた。
「まずは中をきゅーっと締めるの」
「あ、あっ」
「竿全体をしっかり掴んだら、下半身を使って、こうやってパンパンて大きな音を立てながら――」
臀部と僕の腰がぶつかる炸裂音が寝室に響く。
桂花さんは旦那さんがいることなんて気にせずに、リズミカルに腰振りをする。
「ときどきはピストンを停めて、密着させたままぐりぐり~って腰だけ前後に動かすの。夫はこれが大好きでね」
「っ――」
「あら、イっちゃったの? まだ三〇秒ぐらいよ?」
どくんどくんと精子が零れていく。
「続けて、ください」
「いいの?」
「まだまだ、元気なので」
「うふふ、確かにそうね」
桂花さんは再びグラインドを始めた。
これからまた天国とも地獄とも言えるような、快感の連鎖が何時間も続くことになるだろう。
それまで自分の体力や気力は持つのだろうか。
「あなたがやめたくなったら、いつでもやめていいからね」
離れる選択肢をチラつかされ、思わず強く抱きつく。
桂花さんはそんな僕を抱きしめ、慈愛に満ちた微笑みを浮かべるのだった。
*****
「――あら」
空がオレンジ色の染まる頃。
学校から帰ると、隣家から声をかけてくる女性がいた。
それは桂花さんだった。
しかし出会った当初と異なり、そのお腹は僅かに膨らんでいる。
家と家の間にしかれた細い道路、僕と彼女を隔てる境界線。
以前まではそれを越えることに一喜一憂していたが。
しかし、今は躊躇なくそれを乗り越えてしまう。
「おかえりえなさい」
そして彼女は、いつものようにニコニコと笑うのだった。