※この作品はR-18です。

陸仁王物語―異伝―   作:fire-cat

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第9話

 それは、酷く静かな朝だった。

 宮内省によるあの苛烈極まる純潔検査という屈辱が去ってから、数日。自室のベッドに横たわり、天井の一点を凝視していた六条誓子は、ふと自身の衣服を汚す微かな熱量に気づき、そっと手を這わせた。

 引き出された指先を染めていたのは、一月近く遅れて訪れた、赤黒い生理の血だった。

 

「あ……」

 

 声にならなかった。誓子はシーツの端を白くなるほど強く握りしめ、溢れ出す涙を止めることもできずに、ただ声を殺して泣いた。

 宿していない。あの暴風雨の夜、陸仁によって蹂躙され、自らの胎内に子を宿すという最悪の破滅だけは免れたのだ。生まれて初めて、彼女は神という存在に心からの安堵と感謝を捧げていた。

 翌日、医師から下された診断は、その遅れが極めて心因的なものであることを裏付けていた。

 

「過酷な精神的衝撃──すなわち、暴風雨に伴う極烈な恐慌状態がもたらした、一時的なホルモンバランスの乱れに相違ありません。懐妊の懸念が完全に拭えた以上、あとは心身の静養に専念されるのが肝要かと存じます」

 

 最も恐れられていた皇室の醜聞──その決定的な証拠が消え去ったことで、宮邸の女官たちの間には、目に見えない安堵と「哀れな被害者」への同情が急速に広がっていく。同時に、彼女たちの目には、身を挺して誓子の尊厳を護り、その潔白さえも証明してみせた陸仁の姿が、非の打ち所のない「聖者」として映っていた。

 彼女たちの向ける眼差しは、どこまでも純粋で、優しい善意に満ちていた。そしてその善意こそが、誓子の喉元まで出かかる真実──自分を無惨に蹂躙したのは、他ならぬあの若宮様であるという叫び──を永遠に封殺する、最も冷酷な壁となった。誰もが陸仁を聖者と信じて疑わない世界の中で、誓子は息もできないほどの孤独の深淵へと、さらに深く圧殺されていくのだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 時を同じくして、防災国際会議に出席していた京極宮家の当主・慶仁とその妃・澄子、そして宮家の家令を務める六条雅武が緊迫の面持ちで帰国した。

 

 宮邸へ戻った雅武を待っていたのは、留守中に愛娘が宮内省によって辱められたというおそるべき事実と、それを「自らの身体を張って守り抜き、公式の潔白まで証明してくださった」という、陸仁への宮廷を挙げた熱狂的な称賛の声であった。

 

「若宮様」

 

 雅武は旅装を解く間も惜しんで陸仁の居室へと足を運び、深々と礼をした。

 陸仁の右手──あの夜、誓子が狂乱の中で噛みついたとされる痛々しい負傷痕を見つめる雅武。

 

「我が娘の不調法により、若宮様の御身に傷を負わせるという、あってはならぬ不敬を犯しましたこと……恐懼の至りに存じます。また、留守中のあの苛烈なる検査において、娘の公式の潔白を引き出していただいたこと、この雅武、生涯を懸けても報いきれぬほどの御恩にございます」

 

 娘を傷つけられた親としての慟哭と、主君への忠誠。二十一歳の陸仁は淡々と、しかし慈悲深い主君そのものの笑みを浮かべて雅武の肩に手を置いた。

 

「気にするな。誓子は寛代子の姉妹同然であり、我が身内も同然だ。彼女の尊厳を守るためなら、私の右手の傷など安いものだ」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 すべてが陸仁の思惑通りに収束するかに見えたその夜、想定外の追及が待ち受けていた。

 

 京極宮当主である慶仁と、その妃である澄子は、冷徹な宮家当主としての目を曇らせてはいなかったのである。

 

 護衛たちから提出された当夜の報告書を精査し、二人は決定的な違和感を抱いていた。

 

「あの極めて理性的で、芯のしっかりした誓子が、いくら錯乱したからとて、母親に甘えるような声を上げて泣き叫ぶなど到底考えられぬ。どこかおかしい」

「ええ。問いただす必要があります。もし陸仁の側に表沙汰にできぬ不心得があったならば、場合によっては皇族裁判にかけ、あの子を一代華族に落とすことも辞さぬ覚悟です」

 

 

 その夜、宮邸の奥書院。

 重苦しい沈黙が満ちる部屋に、陸仁が呼び出された。正面には慶仁と澄子、そして傍らには冷徹な官僚の顔に戻った雅武が控えている。

 机の上には、宮内省による純潔検査の結論が記された報告書が置かれ、そこには『六条誓子に顕著な異性に対するパニック障害が見られる』と書き込まれていた。

 

「陸仁、正直に申せ」

 

 慶仁の低い声が、静まり返った室内を射抜いた。

 

「護衛の報告書もすべて精査した。だが、どうしても腑に落ちぬ。あの理性的で、幼き頃より芯の強かった誓子が、遭難したとはいえ、母親に甘えるような声を上げて泣き叫び、錯乱するなどということが果たしてあるのか。山小屋で、一体何があった」

 

 父親からの容赦のない追及を受け、陸仁は深く、重いため息を吐いた。そして、いかにも観念したかのように、神妙な面持ちで深く頭を下げた。

 

「──申し訳ありません。あの暴風雨の夜、護衛たちに話した『誓子が錯乱した』という件は、半分嘘でございます。すべて正直な事実を告白いたします」

 

 陸仁はゆっくりと顔を上げた。その端正な容貌には、苦渋と悔恨の表情が精緻に作り上げられていた。

 

「事実は──あの夜、様子を見に行った私に、激しい雷鳴に目を覚まし暗闇と雷雨に怯えきった誓子が、取り乱して抱き着いて来たのです。寝ぼけて抱きつかれたわけではございませぬ。幼き頃より共に過ごした誓子には、私としても特別な情がございました。無下に引き離すこともないと、かつて幼い頃にそうしたように、彼女の背を撫でて慰めておりました」

 

 そこまで言うと、陸仁は痛切に視線を落とした。

 

「しかし、私はうかつにも、彼女がもう昔の幼子ではないということを忘れておりました。……誓子が、女性として心身共に非常に魅力的なことは認めます。抱きつかれ、慰めてはいたものの、普段の装いからは想像もつかない、あまりにも無防備な彼女の姿とその身体の柔らかさ、香りに、私は男として理性の限界を感じてしまったのです。六条の娘である誓子の名誉と尊厳を絶対に汚してはならないと、引きずり込まれそうになる己を保つために、私は心を鬼にして彼女を拒絶するしかなかったのです」

 

 陸仁は一度言葉を切り、自らの右手の傷に視線を落とす。

 

「私は彼女を正気に戻すため、そして自らを律するために、誓子を強く突き放し叱りつけました。その際、私が突如態度を一変したことに驚いた誓子が錯乱し、なお縋ろうと激しく抵抗したため、彼女の両手首を、強く掴んで押し留めたのです。彼女の手首に残された微細な痕は、私が理性を保とうと必死に制したその時の名残にございます。私は……誓子の名誉を守るために、結果として彼女の心に消えない傷を負わせてしまったのです」

「では、なぜ山を下りて数日経ってから、急激にこれほどのパニックを起こすようになったのですか」

 

 地質学の権威として地層の微細な崩壊を見逃さない澄子が、冷ややかに問い詰める。陸仁はその問いすらも計算の内にあった。宮邸の書庫で夜を徹して読み漁った精神医学の知識が、彼の唇から極めて自然に滑り出す。

 

「それこそが、遅発性の精神的解離の特異性にございます。誓子はあの夜の恐怖と、何より信じていた私に乱暴に拒絶されたという精神的衝撃を、内面に必死に抑え込んで普通を装っていたのです。ですが、数日間の潜伏期を経て、限界を迎えた糸が完全に切れてしまった。あの凄惨な異性恐怖の症状は、あの暴風雨の夜の拒絶のトラウマが直接の引き金となり、時間差で発症したものに他なりません」

 

 淀みのない因果関係の証明だった。

 

「どこでそれを学んだ」

 

 慶仁のその一言は、陸仁の淀みない弁明の熱を、一瞬にして凍りつかせるような鋭さを持っていた。

 慶仁は背もたれに深く体を預けたまま、底の知れない双眸で陸仁をじっと見据えた。

 

「医学的に『遅発性の解離』、か。陸仁、其方はいつからそれほど精神医学に造詣が深くなったのだ。学校で教わる範疇を優に超えていると思うが」

 

 その問いは、陸仁の「完璧すぎる説明」に対する、本質的な不信の表れだった。あまりにも専門的で、あまりにも都合が良く、まるであらかじめ周到に準備されていたかのような言い回し。

 陸仁は、ほんの一瞬の沈黙すらも「傷つき、自責の念にかられる当事者」の演技に昇華させた。

 ゆっくりと伏せられた長い睫毛が、微かに震える。

 

「……学んだ、わけではございません。誓子が心を病んで立てこもってから、私は己の愚行を悔いるあまり、夜も眠れず宮邸の書庫にこもっておりました」

 

 陸仁は、右手の包帯をそっとなでるようにして視線を落とした。

 

「無知なる我が手荒な振る舞いが、妹同然の誓子をここまで追い詰めてしまった……。その傲慢さを悔いるあまり、夜も眠れず専門書を貪り読むほかなかったのです。なぜ、あの時もう少し優しく諭してやれなかったのか。なぜ、数日間普通に過ごしているように見えた彼女の、心のひび割れに気づいてやれなかったのか。……そればかりを自問自答し、宮邸にある精神医学や臨床心理の専門書を貪るように読み漁ったのです。そうしてようやく見つけたのが、その記述でした。私は、彼女をそこまで追い詰めた己の無知と傲慢さが、ただ恐ろしかったのです」

 

 それは、ただの知識のひけらかしではなく、「傷ついた妹分を心配するがあまり、必死に本を読んで理由を探していた、不器用で必死な兄」という、完璧な免罪符へのすり替えだった。

 

「……そうか」

 

 慶仁は短くそう呟くと、それ以上は追及しなかった。

 だが、その視線の温度は、陸仁の涙ぐましい弁明を真に受けた父親のものでは到底なかった。

 

「……なるほど。では三つ目だ。現在、誓子は宮邸の奥で隔離状態にあるが、当然、医師には診せたのであろうな? その医師は何と申しておった」

「はい。宮廷に複数の医師を密かに呼び、何度も検診をさせております」

 

 陸仁は淀みなく答えた。

 

「医師たちの診断も、私の見立てと同じでございました。『急性外傷後ストレス障害、および重度の自責念慮による精神的解離』。あの暴風雨の夜の恐怖が引き金となり、その結果、防衛本能として心を閉ざしてしまったとのこと。そして宮内省からの検査の圧力がその悪化を招いたと」

「ならば四つ目です、陸仁」

 

 澄子がさらに畳みかける。

 

「医師の治療、その指示に従っているのであれば、なぜ未だに回復の兆しが見えないのです」

「そうだな。隔離を続け、ただ部屋に閉じ込めておくだけでは、何ら解決にならぬのではないか」

 

 陸仁は悲痛な面持ちのまま、しかし確固たる論理で二人を見つめ返した。

 

「父上、母上、侍医の指示は『徹底的な絶対安静と、刺激の遮断』にございます。現在の誓子にとって最大の『刺激』、すなわち発狂の引き金となるのは何だと思われますか。……それは、他ならぬ、この私の存在そのものです。誓子の歪んだ記憶の中では、私が理性を保つために彼女を拒絶し、激しく突き放したあの瞬間が、恐ろしい『男の暴力』として固定されてしまっているのです。私が彼女を救おうと近づけば近づくほど、彼女はあの夜の恐怖を思い出し、過呼吸を起こして自傷行為に走ろうとします。医師からも、私の気配や、それに連なる『男の影』を完全に排除した環境を作らねば、脳の興奮は収まらないと強く進言されております。ですから私は、心を鬼にして彼女を隔離し女官たちだけに身の回りの世話を任せ、私自身は一切彼女の前に姿を現さないようにしているのです。それが、今彼女の心を回復させるための、唯一の治療なのです……」

 

 陸仁は躊躇うように僅かな間を置き、最後に絞り出すような声で、決定的な泥を自らに塗った。

 

「『捨てないで』とか、『置いていかないで』とか、あの夜、彼女は泣き叫んで申しておりました。私が、あれほど冷酷に拒絶せねば良かったのです。せめて優しく声をかけておれば……。この親指の傷は誓子が錯乱し舌を噛みそうになったため、私が咄嗟に嚙ませ生じたもの。わが過ちの戒めとしてできうる限り残しておきたいと思っております。あのように無慈悲に押し除けなければ、彼女の心をここまで壊すことはなかったものを……。いっそのこと誓子を……。いえ、すべては、私の未熟さが招いた罪にございます」

 

 しばらくの重苦しい沈黙の後、慶仁は厳しく、しかし息子への理解を込めたように一喝した。

 

「馬鹿者。そなたが誓子の身を剥がさなかったら、其方と誓子は一線を越えていたのであろう? ならば互いの為にも、その時は拒絶するしかあるまい」

 

 慶仁はそう言いながらも、乳兄弟の令嬢の心を廃人同様にしてしまった事実に、深く気に病む素振りを見せた。

 陸仁は、それ以上言葉を重ねることなく、もう一度深く頭を垂れて退出した。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 扉が静かに閉まり、廊下を遠ざかる足音が完全に消え去るまで、奥書院の誰もが呼吸を止めていた。

 やがて、慶仁が深く、重い息を吐き出し、傍らに控える家令へと視線を向けた。

 

「行ったぞ」

 

 床に伏していた六条雅武が、微塵の感情も交えない冷酷な実務者の顔で昂然と顔を上げた。

 

「……自らの賢さを過信し、饒舌に語りましたな、若宮様は」

 

 雅武の冷徹な声に、澄子が深く頷く。

 

「ええ。完璧なアリバイと隔離の正当性を担保するため、都合のいい知識を並べ立てて、自ら退路を断ちました。あの子は昔から、自分が一番賢いと思っている。宮内省の純潔検査や、もっともらしい医学知識を盾に取れば、私たちが騙されるとでも思ったのでしょう。ですが、あの子が誓子さんを追い詰めた張本人であることは、もはや疑う余地もありません。言い訳を重ねれば重ねるほど、自ら退路を断っていることに、あの若さではまだ気づけないのですね」

 

 京極宮妃である澄子の張り巡らせた奥向きの網の目は、陸仁が「刺激の遮断」を大義名分に掲げながら、その実、夜陰に乗じて誓子の部屋へ密かに通い詰めているという不穏な動静を、既に捉えつつあった。

 

「……恐らく、躊躇いなしに手を出しおったな」 

 

 慶仁の口から、重く、そして確信に満ちた言葉が漏れた。その顔には暗く沈痛な影が落ちている。我が子の底知れぬ闇を確信した父親の響きだった。 

 

「今にして思えば、ここ最近、あれの誓子に向ける眼差しはいささか危うい物があった。……兄が妹分に向けるような親愛の情などでは到底なかった。……だがあれの目は単純に欲望に流されているだけの目でもない。……あ奴は何を望むのか」

 

 彼らほどの鋭利な実務者であっても、陸仁がその奥で何を渇望しているのか、その異常な執着の全容までは見通せていない。

 もし陸仁の行為が単なる若さの暴発の範疇であったら話は単純であった。

 見えないからこそ、測りきれないからこそ、彼らは我が子の底知れぬ闇を、深く警戒していた。

 

「雅武、済まぬ。彼奴にはいずれ責任を取らせ誓子を娶らせる。それで許してもらえるとは思わぬ。其方に対し何がしかの埋め合わせも必ず行う」

 

 宮家の当主として、そして一人の父親としての、あまりにも誠実で重い謝罪だった。

 

「……ああなる前は、誓子も若宮様を慕っておった様です」

 

 雅武は微かに声を震わせながら、しかし主君の意図を完璧に汲み、受け入れるように静かに目を伏せた。

 

「ああなっては、もはや嫁には行けぬでしょう。責任をとっていただけますならそれで構いませぬ。それに……誓子にも、殿下を惑わせるような隙があったのやも知れませぬ。すべては我が家の不徳の致すところ」

「いや。未婚の令嬢、しかも幼き頃より傍にいた誓子をあのようにした責任は陸仁にある。陸仁が責任を取らぬ様であれば、その時は──」

 

 慶仁の言葉には、皇族としての、そして人の親としての絶対の厳格さが宿っていた。もし息子が、乳兄弟の令嬢の純潔を奪い、その心を廃人同様に追い込んでおきながら知らぬ存ぜぬを突き通すような卑劣漢であれば、その時こそ皇族裁判にかけ、一代華族への降格と刑事処罰という破滅を以て責任を負わせる。その不退転の覚悟が、慶仁の双眸にはっきりと表れていた。

 

「ただ、誓子さんを娶るには六条家の家格が……」

 

 傍らで沈黙を守っていた澄子が現実的な障壁を口にした。

 六条家が京極宮家の乳兄弟という特別な絆があるとはいえ、公的には一介の男爵家。次期当主たる若宮の妃として迎えるには、宮内省や他の皇族が黙ってはいない。誓子を陸仁に娶らせるためには、六条家の家格を引き上げるか、あるいは相応の政治的根回しが不可欠となる。

 

「はい」

 

 雅武は深く頭を垂れた。家格の壁の厚さは、宮家を支える家令として誰よりも理解している。

 慶仁はその唇の端を微かに歪めた。

 

「暫くは、息子に騙される愚鈍な父親として振る舞うか。その間に娶らせる方策を考える」

 

 乳兄弟の愛娘を傷つけた獣を最も確実な方法で仕留めるための冷酷な決意。

 慶仁は冷たい光を放つ瞳で雅武を見据えた。

 

「証拠は固めよ、言い逃れできぬ様にな」

 

 陸仁が「完璧に大人たちを欺いた」と確信して浮かべたあの傲慢な微笑みの裏で、宮家の真の支配者たちは、彼を逃がさぬ檻の鍵を着実に、静かに回し始めてた。

 この瞬間、京極宮家の最奥で「六条誓子を陸仁の妻として迎える」という絶対的な決定が下された。

 だが、それは誓子にとって救済などでは到底なかった。それは慶仁と澄子が考えた責任の取らせ方によって、誓子が陸仁の合法的な妻として、永遠に出口のない漆黒の檻へと、囚われることが確定した瞬間であった。

 

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