陸仁の子の世代。
名前はそのうち作成予定。
20260826作成した。
京極宮家
照仁(18):長兄
身長180㎝
恵梨子(15):長姉
身長:162 cm
体重:48 kg
BMI:18.29
トップバスト:81cm(63~65cm/Cカップ)
ウエスト:56cm
ヒップ:85cm
法仁(12):次兄
普仁(9):三兄
※本話には登場しない
紀美子(6):次女
※本話には登場しない
六条家(子爵家)
雅彰(18):長男
※本話には登場しない
寛奈(16):長女
【挿絵表示】
(お澄ましバージョン)
身長:157 cm
体重: 47 kg
BMI:19.07
トップバスト:84cm(65~68cm/Dカップ)
ウエスト:57cm
ヒップ:85 cm
水着初期案
【挿絵表示】
ウエストが57には見えなかったのだよ……。
外伝 第1話(挿絵付)
静寂に包まれた東園へ続く回廊を、照仁はどこか退屈そうに歩いていた。
夏の日差しが強くなったこの日、照仁は父である陸仁から「そなたの叔父上の頼みだ。朝は寛奈の和歌の出来栄えを見てやりなさい」と指導役を言いつけられていたのである。
しかし、当の照仁は気分が乗らぬと教導を早々に切り上げると、「用は済んだ」とばかりに立ち去ろうとした。
「お待ち下さい」
その少し後ろを寛奈が、眉間に皺を寄せて必死に歩調を合わせている。
「お待ちください、若宮様。……。ねぇ、待ってってば」
照仁が意図的に歩幅を緩めず、背後の彼女を一切顧みようとしない態度が、彼女の自尊心をじわじわと逆撫でしていた。
「そのように婦女子を置き去りにされるところが、若宮様の品のなさを表しておりますわ!」
我慢の限界に達した寛奈が声を荒らげ、照仁の脇を抜け出ると、その進行方向を遮るようにくるりと正面へ立ち塞がった。
「あ。また始まった、犬も食べないやつ」
偶々二人の後ろを離れて歩いていた法仁が、半目になって小さく息を吐いた。
外出から戻ってきた所で居合わせた恵梨子も呆れたように肩をすくめている。
「あっちに遊びに行こうと思っていたんだけど……。また、やり始めたのね。暫く離れましょう」
「そうだね、馬に蹴られるのはごめんだし」
早々に距離を取った二人をよそに、寛奈の詰め寄る声と照仁のにべもない返しは、なおも続いていた。
「何が品だ。そなたこそ、その言葉遣い。親戚故、言葉を改めるなとは言ったが、身内しかいないと些か気を緩めすぎではないか?」
照仁は正面に立ち塞がった寛奈と視線を合わせようともせず、冷淡な声で応じた。
「ああ、それとだ。其方、言葉遣いだけでなく、詠む和歌の情念にも未熟さが表れていたぞ。無理に背伸びをせず、年相応の和歌を詠め。今のままでは指導するに値せぬ」
寛奈は美しい眉を深くひそめると、何の前触れもなく無造作に右足を跳ね上げた。膝下丈のプリーツスカートの裾が風を孕んで激しく翻り、迷いのない綺麗な一蹴りが照仁の無防備な脇腹を狙って襲いかかる。
だが、照仁は視線すらろくに合わせぬまま、最小限の動作でその細い足首を片手で軽々と受け止め、掴んだまま離さない。
「なっ……!」
「スカート姿で蹴りなぞ出しおって。少しは慎みというものを持て。素直に謝れば良し。さもなくば……このままこの足を上げるぞ。そうなればどうなるか、わかるな?」
「どうせそんな真似できないでしょう、品行方正な若・宮・様は」
挑発的に唇を吊り上げる寛奈の瞳には、相手を試すような揺るぎない強がりが宿っていた。
「……別にいいもの、貴方になら見られても」
続いて囁くような小声でつぶやかれた寛奈の言葉は照仁には届かなかった。
「……そうか、そこまで言うか。後悔するな」
照仁は一切の躊躇なく、掴んだ足首をそのまま上方へ勢いよく持ち上げた。
「ち、ちょっと、ホントに持ち上げないで! 見えちゃう、見えちゃうってば! 駄目ぇ~」
持ち上げられた足につられ、上質な布地のスカートが下がり、白皙の太腿が露わになる。そして──。
「……黒のレース地に紐だと? ……十六の其方にそれはまだ早かろう。和歌と同じだ、年相応のものをな」
寛奈の顔が、一瞬で朱に染まった。
「……あなたに子供扱いされたくなかっただけよ!」
その言葉に照仁が一瞬言葉を詰まらせる。
「ば、ばかぁ!」
真っ赤になった寛奈は、足首を掴まれたまま力任せに体を捻ると、空いている反対の足で鋭い飛び蹴りを仕掛けた。
しかし、照仁はその意図を完全に見透かしていた。
飛び蹴りの瞬間、照仁は掴んでいた足をスッと離す。空中で支えを失い、蹴りの反動で体勢を大きく崩した寛奈の身体が、そのまま後ろの芝生へと倒れかかった。
「きゃっ……!」
「おっと」
照仁が倒れかける寛奈の片腕を間髪入れずに掴み、力強く引き寄せ正面から受け止めると、勢い余った寛奈の身体が照仁の厚い胸板へと正面からすっぽりと収まる格好となった。
倒れるのを防がれた安堵も束の間、照仁の両腕がそのまま彼女の細い腰と背中に回され、寛奈は逃げ場を奪うように力強く抱きすくめられた。
「ほう……少し前までは真っ平だったと思っていたが、いつのまにかだいぶ成長したようだな」
「──―っっっ!!! 何年も前の話をしているんじゃないわよ!!」
密着した胸元から伝わる柔らかい凹凸を確かめるように、照仁は冷徹な眼差しのまま、その体温と感触を惜しみなく堪能していた。
「それで、サイズはどの程度になった?」
腕の中で抱きすくめたまま、照仁は何の躊躇もなく、まるで本日の天気を尋ねるかのような平然とした声で問いかける。
抱き寄せられた胸元の感触だけでも心音が早鐘のように鳴り響いていたところへ、あまりに無遠慮で理不尽な質問。寛奈は一瞬で頭の先まで血が上り、顔どころか耳や白皙の首筋まで真っ赤に染め上げる。
「な、ななな、なにを、何をバカなこと聞いて……っ!」
「別にバカなことではあるまい。其方から服をねだられた際の参考にしようと思ったまでだ。……ふむ、胸のふくらみはパットを入れていなければ八十……三か四と言ったところか。カップは難しいが、おそらくCあたりか」
「なっ……! なっ……!」
(違うわ! Dよ……! 言えないけど……)
「で、腰は六十には届いていまい。下は……」
「黙れ変態!!! 触るな!!!」
──パァンッ!!
静寂に包まれた庭園に、乾いた衝撃音が鋭く響き渡った。至近距離から繰り出された全力の平手打ちが、照仁の端正な頬を打ち抜く。
だが照仁は、赤く腫れ始めた頬を気に留める風もなく、ただ淡々と「暴力は感心せんな」と冷ややかに見下ろすのであった。
それから数時間後──。
太陽が真上から西に傾いた頃、宮邸のプライベートプールには水しぶきと子供たちの声が弾けていた。
「さっきあんなに叩かれたのに、よく平気な顔でまた側にいられるわね」
浮き輪に揺られる恵梨子が、プールサイドのビーチチェア付近を見つめながら呆れたように呟く。
照仁がデッキチェアに腰掛け、グラスの麦茶を口に含んでいると、プールから上がってきたばかりの寛奈が、全身から水滴を滴らせながら歩み寄ってきた。
彼女が着ているのは、デザインこそクラシカルだが、水に入ると身体のラインがはっきりと浮き出ると評判の水着であり、その評判通り、寛奈の隠されていた、トップバスト84㎝、アンダーバスト65cmのDカップというサイズを露わにしていた。
「おい、その水着は少々背伸びしていないか?」
デッキチェアの背もたれからゆっくりと上体を起こし、照仁がサングラスを少しずらして氷のように冷ややかな眼差しで寛奈を見上げた。
「なによ。母上と一緒に選んだんだから問題ないわよ。……それとも、若宮様のお眼鏡には適わなかったでしょうか?」
腰に手を当て、自信満々に胸を張る寛奈。他人の前では「清楚で慎ましいお嬢様」で通っている彼女だが、照仁の前では水着姿だろうとお構いなしに距離を詰めてくる。
照仁の視線が寛奈の全身を細部まで網膜に焼き付けるように足元から静かに這い上がり、頭頂部に届くと再び下がり、胸元で止まる。
「……Dだったか。カップ数を読み違えたとは不覚」
「──っっ!?? どこ見てんのよ、この変態!!」
寛奈が苛立ちのままに片足を振り上げ、蹴りを繰り出そうとした──が、濡れた芝生の上で軸足がわずかに滑った。
「あ……っ」
支えを失った身体がぐらりと傾く。照仁は咄嗟に手を伸ばして寛奈の腰を引き寄せると同時に、自らもデッキチェアの背もたれへと勢いよく体重を預けて衝突の衝撃を逃がした。
大きな水飛沫が弾けて照仁の顔面と胸元を濡らし、二人の重みを一気に受け止めた張りのあるキャンバス地が音を立てて大きく沈み込む。
「不用意に蹴りを出すな。足元が濡れているのだから、こうして転倒することもあるのだぞ。怪我でもしたらどうする」
「離しなさいよ! あなたがあんなことを口にするからでしょう!」
すり鉢状に深く沈み込んだシート。寛奈は照仁の上に正面から覆いかぶさるような体勢で固定されていた。背中に回された照仁の腕が転倒を防ぐ頑丈な檻となり、狭いアームレストに二人の身体が挟まれているせいで左右に身をよじることすら叶わない。
「離しなさいって言ってるでしょ……っ!」
「……大人しくしろ、暴れるとまた滑るぞ」
真っ赤になった寛奈が、逃げ出したい一心で照仁の胸元を力任せに突き放した。
怪我をさせまいと抱え込んでいた照仁が、その勢いに押されてとっさに腕の力を緩めた──瞬間、拘束を失った寛奈の上体が弾かれたように跳ね起きる。
だが、それが裏目に出た。
上体を起こそうと突っ張った反動と、斜めに傾いたシートの重力が一気に下半身へと押し寄せる。濡れた肌と水着の間の水膜が抵抗を完全に奪い去り、制動の効かなくなった彼女の腰は、逃げるどころかズルりと照仁の腹部を滑り落ちた。
──薄い布地同士が勢いよく衝突する鈍い音が響く。
跳ね起きた上体とは裏腹に、滑り落ちた寛奈の下腹部と太腿の付け根が、吸い込まれるように照仁の股間の最深部へと正面から深く激しく突き当たった。
「ぐっ……!? 馬鹿、動くなと言っている……っ!」
「なっ……何よ、離しなさいって……んっ!?」
離れようともがいて身をよじる動きが、そのまま滑らかな摩擦となって照仁の最深部を正面から力強く押しつぶし、擦り上げる格好となる。
密着した薄い水着越しに、急速に熱を帯びて硬度を増していく「それ」の存在感が、誤魔化しようのない質量となって寛奈の下腹部にハッキリと突き当たっていた。
「あ……」
当たるはずのない「それ」の存在と硬さを直に感触として受け取った寛奈は、動きをピタリと止め、硬直した。
顔の赤みが一瞬で首筋から胸元まで爆発的に広がる。
「……これっ」
それが何を意味しているのかを理解した瞬間、顔に血が上り、心臓が耳元でうるさく跳ねた。
「……こうなるから、動くなと言ったのだ」
照仁の声から、先ほどまでの冷徹な余裕が綺麗に消え失せていた。
(な……なにこれ……っ、嘘でしょ……!?)
暴れれば暴れるほど、互いの薄い布地を介してその生々しい硬質さが擦れてしまう。振り払いたいのに、これ以上動けばさらに刺激を与えてしまうという恐怖と恥ずかしさで、寛奈は金縛りに遭ったように身を固くするしかなかった。
その様子を、プールの中で浮き輪に乗った恵梨子と法仁が見つめていた。
「ねえ……兄様ってば絶対に顔に出さないようにしてるけど、結構焦ってるわよね? というか、寛奈姉の位置、危険すぎるんだけど……」
「うん。兄上のあの焦り方だと、多分手遅れかな。兄上が身体をずらそうとしても、動けば寛奈姉が全力で暴れるから動けないだろうし。兄上は蛇の生殺しだね」
「そろそろ助け船出してあげる?」
「そうだね。寛奈姉が動けばいいだけの話だけど、たぶん、寛奈姉もアレが何を意味しているのか解って固まっているから自分で離れられそうにないし」
恵梨子と法仁がプールサイドへ上がろうとしたその時──
「──この変態!!!」
寛奈が限界を迎えた悲鳴とともに、全重量をかけて照仁の胸を強く突き飛ばした。
照仁の上体が勢いよくデッキチェアの背もたれへと深く押し倒され、その強固な拘束が一瞬緩む。寛奈はその反動を逃さず、照仁の膝を蹴り台にして勢いよくプールへ向けてダイブした。
激しい水しぶきが上がる中、デッキチェアの上で、照仁はゆっくりと上体を起こし、全身濡れた服のまま深く深呼吸を繰り返し、水滴の滴る前髪を無造作にかき上げながら、プールへと逃げ込んでいった寛奈の背中を、無言のまま見送った。
激しい水しぶきを上げてプールへと飛び込んだ寛奈は、ぬるい水中に全身を沈めたまま、水底の青いタイルを固く閉じた瞼の裏に焼き付けていた。
潜り込んだ水の中は、真夏の太陽で生温くなっているはずなのに、今の彼女にとっては氷水のように冷たく感じられた。
水の中の静寂が、激しく打ち鳴らされる心臓の鼓動をどこまでも小さく響かせる。
(……なんなのよ、なんなのよ、あの人……!)
寛奈は水底に沈んだまま、胸を激しく上下させていた。
膝を抱えるように丸くなった身体の、特に太腿の付け根あたりには、まだ「あの感触」が焼き付いて離れない。
薄い水着越しに押し当てられた、男特有の容赦ない熱さと硬さ。
普段は冷徹で、何を考えているか分からない完璧な若宮様。自分を子供扱いし、意地悪な言葉で冷酷にあしらってくる照仁の、男としての生々しい部分を直に突きつけられてしまったのだ。隠しきれずに放っていた生の男の匂い。
箱入りとして育てられ、世間の酸いも甘いも知らぬ彼女ではあったが、あれが男の……それも、幼い頃から冷徹で完璧な「若宮様」として見上げてきた照仁の、剥き出しの欲望の証であったことくらいは分かった。
(本当に……硬くなってた……。私のせいで……? 嘘でしょ……本気で固くなってたの……? あの、いつでも冷血で【鉄面皮な若宮様】が……っ)
胸の奥が締め付けられるように甘く疼く。
自分を冷たく突き放すくせに、抱き留める腕は驚くほど力強く、そして股間にはあんな凶悪な熱を宿していた。恐ろしさと、それ以上に全身の血が湧き立つような甘い狂おしさが全身を駆け巡る。
自分を女性として意識していたという事実。
(あんなの……ズルいわよ……)
太腿の付け根に直接押し付けられた、布地越しとは思えない強烈な熱と圧倒的な硬度。その感触が、いまも皮膚に直接焼き付いているかのように痺れていた。
今まで「いじわるな従兄」であり「完璧な若宮様」でしかなかった男の、隠しきれなかった生の肉体と「男」としての欲望。それらを直に受け止めてしまった恐怖と、胸の奥から湧き上がる名前のつけられない甘い戦慄に、寛奈は水中で膝をギュッと抱え込み、真っ赤になった顔を水面に埋めた。
(……私を背伸びしているとか言っておいて……あんなに固くさせてた。……あんなの、私を意識してなきゃ、あんな風になるわけないじゃない……っ!)
他人の前では清楚な華族令嬢として振る舞いつつ、照仁に対してはありのままの姿を見せられていた。
今朝の回廊での出来事も「あなたになら見られてもいい」なんて強がりを言ってみせたものの、いざとなれば胸の奥が引きちぎれるほど甘く痺れていた。
乙女心など見向きもせず、二歳しか違わない自分を子ども扱いして冷たくあしらう照仁に、一瞬でもいいから自分を「一人の女」として意識させたい──そう思って仕掛けた数々の策と抵抗。
単なる意地の張り合いのつもりだった。彼を少しでも慌てさせ、自分の魅力を見せつけてやりたかっただけなのに──いざ生々しい男の欲望を突きつけられると、全身の血が逆流するほどの羞恥と激しい動悸に押し潰されそうになる。
気力だけで水底に留まろうとしたが、限界を迎えた肺の苦しさに抗えず、勢いよく水面へと顔を跳ね上げた。ぷはっと息を吐き出し、プールサイドの壁に両手をかけた。
(私……とんでもない猛獣の檻の鍵を、自分で開けようとしてるんじゃないの……?)
引き当ててしまったのは冷たい仮面の裏に隠されていた、彼女の拙い想像を遥かに凌駕するほど凶暴で、底知れない毒気を孕んでいた生々しく禍々しい男の本能そのものだった。
「……バカ。変態。……なんであんな風になるのよ……」
水面から浮き出た自身の胸元を見下ろす。濡れて張り付いた水着の下で、脈打つ胸の高鳴り。心臓が肋骨を内側から突き破らんばかりに打ち鳴らされている。
自分の身体が「女」として彼に強烈に意識されたのだという自覚が、屈辱を遥かに通り越して、胸の底から恐ろしいほどの歓喜と甘い背徳感を芽生えさせていた。
(……「Dだったか」なんて……知ったような顔して……! 私だって、私だって……)
水に潜り、顔を覆う。身体を開拓される予感が全身の肌を泡立たせ、逃げ出したいような、それでいて心の底から恐怖と歓喜が入り混じるような、恐ろしい自覚が寛奈の胸を支配していた。太腿をぎゅっと擦り合わせ、溢れ出そうになる熱を誤魔化すように、寛奈はプールの中で激しく身体を躍らせた。
一方、プールサイドのデッキチェア。
照仁は仰向けの姿勢のまま、濡れた顔に張り付いた髪をゆっくりと手ぐしで上げ、サングラスをかけ直すと深く重い息を吐き出していた。
京極宮家の若宮としての優雅で揺るぎない立ち振る舞いで何事もなかったかのようにグラスへ手を伸ばし麦茶を喉に流し込む──だが、その内情は冷や汗が出るほど切迫していた。
麦茶の冷たさは喉元を過ぎるだけで、下腹部に渦巻く猛烈な熱を鎮めるには到底足りない。濡れたシャツが肌に張り付き、ズボンの内側では、寛奈の滑らかな太腿の肉圧によって目覚めさせられた剛直が、容赦ない硬度で生地を突き押し上げている。
(……不覚)
表情だけは氷のように冷たく保っているものの、脳裏には先ほどの感触が焼き付いて離れない。彼女の柔らかな太腿の感触、水着越しに伝わってきた瑞々しい肉圧、濡れた肌の滑らかさ。水着から押し出された柔らかな双丘の弾力、そして太腿の付け根を滑り落ちていった際のあの滑らかな摩擦。何より、自分にしがみつき、真っ赤な顔で喘ぎを漏らした寛奈の幼くも艶やかな姿。
(動くわけにはいかん……今、立ち上がればすべてが破綻する……)
京極宮家の照仁としての尊厳と理性を総動員し、必死に下腹部の熱を鎮めようと試みる。だが、一筋縄ではいかない寛奈のあの強気な瞳と、水に濡れて露わになったDカップの曲線が残像となって脳裏に焼き付き、一向に熱が引く気配を見せない。動けば膨らみが露呈し、立つのもままならないという生殺しの状態に、照仁は密かに歯を食いしばった。
そんな二人の泥沼の意地張り合いを、プールサイドに上がった恵梨子と法仁は、心底呆れた顔で見下ろしていた。
「ねえ、いつまであの茶番に付き合わされるのかしら。……兄様、サングラスで目元隠してるけど、完全に腰から下が動かせなくなってるわね。あの体勢から一歩も動けないのはそういうことでしょ」
恵梨子がタオルで髪を拭きながら、照仁のデッキチェアと、水中で顔だけを出している寛奈を交互に見やる。
「兄上、必死で『何事もありませんでした』って顔してるけど、太腿の置き方が完全に何かを隠す角度だよね。プライドが高いから余裕のふりをしてるけど、あんなの生殺しもいいところだよ」
法仁が苦笑いを浮かべながら、炭酸水のボトルを開けた。
「まったく、二人とも子供なんだから。……兄様も兄様よ。『長兄たる品位』とか普段言ってるわりに自爆攻撃にあっさり理性を奪われちゃってさ」
「まあ、あんな水着と体勢で直撃されたら、幾ら兄上でも一発で轟沈でしょ」
「あんなに分かりやすく膨らませて、どうするつもりなのかしら」
「さっさと自分の部屋に帰って自力で処理してくればいいのにね。変にプライドが高いから、あのまま『涼しい顔で寛ぐ若宮様』を演じ続けなきゃいけないんだよ。自業自得だね」
法仁がヤレヤレと首を振る。
「さて、あそこであの二人の甘ったるい気に当てられてるのもバカバカしいし……ほら、私たちはさっさと着替えて冷たいお茶でも飲みに行きましょう」
「そうだね。蛇の生殺し状態の兄上をこれ以上生温かい目で見つめるのも酷だし、兄上はあと四半刻はあそこから動けないだろうしね」
「……あっちは……素直にならないのに助け船を出してあげるのも馬鹿らしいわね。放置しましょう。……ほら、行くわよ」
二人は横目で照仁に向けて「お先」と視線を投げかけ、プールの中で顔を真っ赤にして水しぶきを上げている寛奈と照仁を交互に見やりながら、くすくすと笑い声を漏らして回廊の奥へと姿を消していった。
静まり返ったプライベートプール。
真夏の強い日差しの中、プールの中で火照った身体を持て余す寛奈と、デッキチェアの上で引き切らない剛直と格闘し続ける照仁の間に、逃げ場のない熱い沈黙だけがどこまでも広がっていた。
<後書き代わりの座談会>
里緒(りお)
……んんーーーっっ!!!(頭を抱えてジタバタする)
ちょっと待って、情報量が多すぎる!! スカート捲り上げからの『黒のレース地に紐』って何!? 寛奈ちゃん16歳でしょ!? どこでそんなの覚えてきたのよ!!
歌乃(うたの)
きゃ―――っ! 待って待って、ヤバい、ヤバいって!! 『Dだったか。カップ数を読み違えたとは不覚』って、照仁様プールサイドで何ミリ単位の測定してんの!? 普段冷酷な顔してるのに、頭の中の計算機が変態方向にフル回転してて爆笑するんだけど!
香織(かおり)
ふふ……でも、お互いに一歩も引かないあたりが、本当にこの二人らしいですわね。寛奈ちゃんも『見られてもいい』なんて強がりを言っておきながら、いざ照仁様の手が伸びてくるとパニックになって……。素直になれないお嬢様の可愛らしさが全開ですわ
霧葉(きりは)
……可愛いのは確かだけど、寛奈ちゃんの物理攻撃が容赦なさすぎるわね。無造作なハイキックに水着での飛び蹴り……。でも、一番容赦ないのは恵梨子ちゃん達ね。『太腿の置き方が完全に何かを隠す角度』とか『あと四半刻はあそこから動けない』とか、実の兄の惨状を冷静に実況して放置して去るあたり、身内ならではの容赦のなさだわ
貴美(きみ)
あらあら……(扇子で口元を隠してクスクス笑う)。
若宮様も災難ね。『長兄たる品位』を保つために、猛暑のプールサイドで剛直を隠しながら涼しい顔をし続けなきゃいけないなんて……まさに『蛇の生殺し』。プライドが邪魔をして身動きが取れなくなる若宮様、少し同情してしまうわ
里緒(りお)
同情してる場合じゃないよ貴美ちゃん!! 最後の寛奈ちゃんの心理描写読んだ!?
『凶暴で、底知れない毒気を孕んでいた生々しく禍々しい男の本能』……って、寛奈ちゃん完全に『男としての照仁様』を自覚しちゃって、水の中で太腿擦り合わせて悶えてるじゃない!! これもう次会うときどんな顔すればいいの!?(笑)
歌乃(うたの)
あはは! 寛奈ちゃん、自分から猛獣の檻に入っていって勝手に恐怖と背徳感でキュンキュンしてるの、最高に『自爆のプロ』すぎる?! 『私を意識してなきゃ、あんな風になるわけないじゃない……っ!』って勝利宣言してるけど、結局自分も真っ赤になって逃げてプールに潜ってるのが甘酸っぱくて悶絶するわ!
香織(かおり)
ええ。挑発したつもりが、相手の本気(物理的な意味でも)を引き出してしまって自分が一番ダメージを受けているという……。それにしても、法仁様と恵梨子ちゃんの『また始まった、犬も食べないやつ』という慣れきった対応もリアリティがありますわね
霧葉(きりは)
完全に日常の風物詩扱いね。……でも、照仁様が『服をねだられた際の参考にしようと思ったまでだ』ってしれっと言い訳してたけど、あの方、寛奈ちゃんに服を買い与える気満々なのが透けて見えててちょっと怖いわ。外堀どころか、クローゼットまで支配する気かしら
貴美(きみ)
ふふ、冷徹な仮面を被りながら、しっかり『Dカップ』の感触を脳裏に焼き付けて離せない若宮様……。恵梨子ちゃん、お兄様の『冷酷な若宮』という表の顔と、裏に隠された一人の男としての余裕のなさを描くのが本当にお見事ね。……ねえ、これ続きはないのかしら? このあと沈黙が破られた二人がどうなったのか、すごく気になってしまうわ
香織
ねえみんな! 恵梨子ちゃんから預かってきた記念すべき第一話のテキスト読んだかしら!? もう、最初からエンジン全開のポンコツ自爆劇で笑いが止まらなかったわよ!
里緒
読んだ読んだ! 夏の東園の回廊で、照仁様に和歌の指導を早々に切り上げられて置き去りにされそうになった寛奈が、『婦女子を置き去りにされるのが品がない』って激怒して進行方向に立ち塞がるところから始まるやつでしょ!?」
歌乃
そうそう! その後ろで法仁様と恵梨子ちゃんが『あ。また始まった、犬も食べないやつ』『馬に蹴られるのはごめんだし』って早々に距離を取って冷ややかに見守ってるのがリアルすぎて爆笑したわ! 二人ともあのカップル(仮)の泥沼の意地張り合いに慣れすぎてるのよ!
貴美
でも本当の見せ場はそこからよ! 照仁様から『詠む和歌の情念にも未熟さが表れていた』なんて冷淡に言われた寛奈が、いきなりプリーツスカート姿でハイキックを放つじゃない!? 16歳の華族令嬢が繰り出す手じゃないわよ!
霧葉
ふふっ、しかも照仁様に片手で細い足首を軽々と掴まれて『スカート姿で蹴りなぞ出しおって』って言われても全く懲りないのよね。寛奈ってば《別にいいもの、貴方になら見られても》なんて小声で呟いて強がってみせるから、照仁様が一切の躊躇なく足を上方へ持ち上げて……
香織
『黒のレース地に紐だと? 十六の其方にそれはまだ早かろう』って見事に暴露されちゃって顔面朱染めよ! 『あなたに子供扱いされたくなかっただけよ!』って叫んで飛び蹴りで反撃しようとして体勢崩すし、本当に寛奈の自爆スタイルは初回から完璧だわ!
里緒
倒れかけたところを照仁様に力強く抱きすくめられたのも甘かったわね~。密着した胸元から伝わる柔らかい感触に、照仁様が冷徹な顔のまま『サイズはどの程度になった?』『パットを入れていなければ八十三か四……カップはおそらくCあたりか』なんて平然と推測し始めるんだもの! 激怒した寛奈から強烈な平手打ちを食らうのも自業自得よ!
歌乃
あはは! 寛奈も心の中で(違うわ! Dよ……! 言えないけど……)って抗議してるのが最高にキュートだったけどね! で、その数時間後のプライベートプールのシーンよ! 評判通りのクラシカルだけど体のラインが浮き出る水着を着て、トップバスト84cmアンダー65cmのDカップを誇らしげに披露しにいく寛奈の意地らしさといったら!
貴美
照仁様もサングラスをずらして全身を視認した挙句、『……Dだったか。カップ数を読み違えたとは不覚』なんて氷のように冷ややかな顔でつぶやくんですもの! 怒った寛奈がまた濡れた芝生の上で足を振り上げて滑って転んで、デッキチェアの上で二人が正面から深く重なり合うことになるのよね
霧葉
ええ。上体を起こそうともがいた寛奈の腰が滑り落ちて、寛奈の下腹部が照仁様の股間の最深部へ正面から激しく衝突してしまった……。薄い水着越しに伝わる男特有の容赦ない熱さと硬さ。いつでも冷血で鉄面皮な『若宮様』が、自分のせいで完全に剛直を硬化させてしまったという生の欲望を直に突きつけられた寛奈の固まりっぷり、思わず固唾を呑んで読んじゃったわ
香織
プールの中に飛び込んで逃げ出した寛奈の心理描写がまた甘酸っぱくて悶絶モノだったわよね! 水底で膝を抱えながら『凶暴で、底知れない毒気を孕んでいた生々しく禍々しい男の本能』を引き当ててしまった恐怖と、『私を意識してなきゃ、あんな風になるわけないじゃない』っていう胸の奥からの歓喜と甘い背徳感に身を悶えさせて……! 完全に恋に落ちた乙女の顔になってるじゃないの!
里緒
一方の照仁様も必死だったのがおかしいわよね! デッキチェアの上でサングラスをかけ直し、冷徹な表情を装いながらも、脳裏には寛奈の柔らかな太腿やDカップの曲線が焼き付いて離れず、下腹部の熱に耐えながら『動くわけにはいかん……今、立ち上がればすべてが破綻する』って心の中で悲鳴を上げていたんだから!
歌乃
法仁様と恵梨子ちゃんが『太腿の置き方が完全に何かを隠す角度だよね』『あと四半刻はあそこから動けないだろうしね』って生温かい目で見下ろして去っていくのも容赦なさすぎて最高だったわ! 蛇の生殺し状態の照仁様、プライドが高すぎて自滅してるのが本当に愛おしいわね!
貴美
ふふっ、そしてこの第一話についていた『後書き代わりの座談会』! 私たちの名前(里緒・歌乃・香織・霧葉・貴美)が出張してきて、寛奈ちゃんの16歳での黒レース紐ショーツや照仁様の変態計算機ぶりにキャーキャー騒いでいるのが可笑しくてたまらなかったわ!
霧葉
後書きの中で貴美が『猛暑のプールサイドで剛直を隠しながら涼しい顔をし続けなきゃいけないなんて……まさに「蛇の生殺し」』ってクスクス笑っていたけれど、まさに言い得て妙だったわね。冷たい仮面の裏で頭の中の計算機をフル回転させている照仁様と、自分から猛獣の檻の鍵を開けて勝手に自爆してキュンキュンしている寛奈……この二人の不器用すぎる攻防戦は、最初から最高に甘くて狂おしいわ
香織
第一話の段階でここまでお互いの理性を爆破し合っているんだから、このあとの展開に繋がっていくのも当然の流れね! 寛奈ちゃんにはこれからもしっかり自爆してもらいましょう!
全員(ティーカップを鳴らしてニッコリ)
第一話からごちそうさまでした! 寛奈ちゃん、照仁様、末永くお幸せにね~っ!