一、 惨劇の海浜
潮騒の音が、まるで遠い世界の狂気のように耳朶を打ち鳴らしていた。
人気のない、切り立った岩場の陰。陽光を遮る黒々とした岩肌の影で、香織、歌乃、貴美、霧葉、里緒の五人は、足腰の自由を完全に奪われ、冷たい砂浜の上に崩れ伏していた。
「あ……あ……っ、そんな……っ」
香織の唇から、情けないほどの掠れ声が漏れ出る。前作の終わり際、あの13歳の少年が冷ややかな笑みをたたえて告げた「次の海が楽しみだね」という不敵な予告。それが単なる幼子の悪戯言などではなく、確信に満ちた絶対的な予言であったことを、彼女たちは今、全身を苛む激しい熱気と疲労感をもって思い知らされていた。
13歳——世間一般であれば、まだ中等部に通うあどけなさを残した少年であるはずだった。しかし、目の前に立つ京極宮法仁の身体に宿っているのは、あまりにも圧倒的なスタミナと、一度捕らえた獲物を決して逃さない執拗な執着心である。それはまさしく「大人の猛獣」そのものであった。
「どうしたの、みんな。もう終わり? まだ昼前だよ」
少年独特の高めの声で、法仁は無邪気そうに首を傾げる。だが、その瞳の奥に宿る冷徹な嗜虐の光に、五人は総毛立つ思いだった。
彼女たちの意識は、かつて存在した別世界(色々開発された世界)での記憶を鮮明に残している。そこでは法仁は18歳で同い年であり、照仁は23歳であった。その世界で徹底的に肉体を開発され、刻み込まれた拒絶不能の服従の記憶。それが今、17歳の肉体のまま、13歳の法仁という実体をもって再現されているのだ。
「嫌……っ、もう、許して……っ!」
貴美が涙を浮かべて懇願するが、法仁の容赦ない愛撫と支配の手が緩むことはなかった。誰の目も届かない暗い岩陰で、彼女たちは一人また一人と、抗いようのない快楽の網の目に叩き落とされ、足腰が立たなくなるまで徹底的に可愛がられていくのだった。
二、 深奥の檻
同じ頃、外界の喧騒から完全に切り離された京極宮邸の奥深くに、六条寛奈の姿があった。
17歳となった寛奈は現在、19歳となった照仁の厳格な管理下に置かれていた。世間の高校に通うことは許されず、宮邸通信教育課程を受講するという名目のもと、彼女の行動のすべては照仁の監視と支配のもとに置かれている。
「寛奈、集中が切れているようだが」
低い声とともに、照仁の長躯が寛奈の背後に滑り込む。19歳となり、威厳と冷徹さを増した照仁の存在感に、寛奈の身体はそれだけで小さく震えた。
「照仁様……あの、机に向かって、まだ課題が……」
「課題なら後で良い。今のそなたの仕事は、私の手元で正しく愛されることだ」
冷ややかな指先が寛奈の首筋をなぞり、そのまま抗う術を奪うように服の隙間へと滑り込んでいく。世間や周囲の目を完全に遮断し、自らの手元だけで教育し、管理し続ける照仁の執念。
照仁の冷徹な手つきによって拒絶する思考そのものが甘美な快楽によって麻痺させられ、寛奈は静かに、外界から完全に遮断された京極宮の深奥へと深く引き込まれていった。
三、 逃れられぬ陶酔
海辺の岩陰で横たわる五人の少女たちは、潮風に身を晒しながら、全身に刻まれた無数の痕跡を見つめていた。
夢オチなどではない。最初から自分たちは、「京極宮の猛獣たち」が周到に張り巡らせた蜘蛛の巣の中に捕らわれていたのだ。13歳の法仁、19歳の照仁。年齢という仮初めの数字に惑わされていた自分たちの愚かさを、身体に刻まれた灼熱のような熱気が証明している。
「私たち……もう、戻れないのね……」
歌乃が半ば諦めたような、どこか虚ろな笑みを浮かべる。絶望的な現実を前にしながらも、心身の奥底では、与えられた甘美な服従の快感に抗えない陶酔を感じていた。
逃げ場のない現実を受け入れ、彼女たちの心身は完全に「京極宮の情人」として書き換えられていく。ただ潮騒だけが、惨劇の終わりと新たな支配の始まりを告げるように、静かに響き続けていた。