①里緒→普仁(この時点だと15歳だから里緒は普仁の成人を待ってね。
普仁が貴女の水着写真を見て気に入っちゃったのよ。
どこで落としたのよ、あんな第一級危険物。
ええ、
154cm / 45kg
スリーサイズ: B82(C) / W55 / H84
が書かれていたやつね。何で描いたのよぉ。
この方はどなたですかって五月蠅いといったらなかったわ。
私が逃げたら照仁兄様に突撃して、そのしつこさにさしもの照仁兄様も根をあげてバラしちゃったのよ。
とりあえず当面は普仁の専属女官となるわ。
いま部屋の手配をしているから。あ、部屋は普仁の隣になる予定よ。
ただ、カメラとか乗っ取られて遠隔操作される可能性があるから安全を考えると設置できないの。
だから夜の運動は黙認せざるを得ないのよ、監視できないから。
多分普仁が手を出してくると思うけど、出して来たら頑張って抵抗してね、本当に。
普仁の身長、178㎝だけど抵抗が無理ならせめてそっち方面が初めての普仁へ正しい男女のあり方いわゆる筆おろしってやつの手ほどきをおこなって頂けたら幸いだわ。そのまま里緒の色に染めちゃってもいいわよ、この際。
ただ、子どもを産むのだけは普仁の成年まで待って頂戴、皇族の体面があるから。
里緒は5年後でもまだ27歳だから大丈夫よね。
②貴美→六条雅彰
寛奈のお兄様よ。寛奈をお兄様と一緒に守ってきた苦労人なの。雅彰が、ぜひ貴女をと望んだことよ。因みに六条家は子爵家よ。雅彰(寛奈のお兄様)は宮家令の跡継ぎで今は京極宮家の家扶。次の家令になるけど。
③歌乃→霧葉の兄
将来を嘱望される外交官よ
④霧葉→歌乃の兄
ここに書いちゃいけない優秀な公安関係者よ。公安関係者が嫁ぎ先な理由は、脅迫者が捕まっていないから
こんな所かしら……。
まって、ふと思ったわ。
この里緒、経験無さそうだから筆おろしの指導できるのかしら? と思ったけど、よく考えれば、別世界(外伝 恵梨子のとある世界の観察日記②・③)で兄様に蹂躙されて開発されて、手練手管を叩き込まれてこの世界に戻された(外伝 恵梨子のとある世界の観察日記④)から、筆おろしやらなにやらの男女の関係は主導権握れるんじゃないかしら……?(5年経っているから感じやすい敏感さも多少は抑えられていそうだし……)
普仁が義務教育を終えた17歳の誕生日が社交界デビューなので、それまでに女性に搦め手から落とされない様に筆おろしを行い男女の睦言やら秘め事への耐性を付ける必要があるのよね。但し、義務教育課程の卒業以降になるけど。
後書き代わりの座談会
香織
ちょっとみんな聞いてちょうだい……! 恵梨子ちゃんからまた新しく届いた『恵梨子のとある世界の観察日記 8.5 【設定 他の嫁ぎ先】』っていう資料、もう読んだかしら!? 私、内容を見た瞬間に紅茶を盛大に吹きそうになったわよ……っ!
歌乃
あはははは! 読んだ読んだ! もうね、ツッコミの渋滞が起きすぎてどこから突っ込んでいいのやらって感じよね! ええと、まずは里緒ちゃんの嫁ぎ先からだっけ?
里緒
うう……私よ、私なのよ! よりによって、まだ15歳の普仁様の専属女官にされちゃった挙句、部屋は隣同士で監視カメラすら設置できないから夜の運動は黙認せざるを得ないってどういうことよっ!?
霧葉
ふふ、しかもその発端が『里緒がうっかり落とした水着写真』というのがまた何とも……。資料によると、『154cm / 45kg、スリーサイズ: B82(C) / W55 / H84』が赤裸々に書かれていた第一級危険物だったとか。
里緒
何でそんな数字までバッチリ把握されてるのよ恥ずかしい……っ! あれよ、うっかり自室の机の上に挟んであったメモ用紙を、よりによってあの皇族兄弟の誰かに拾われちゃったのよ! それで普仁様が『この方はどなたですか』って執拗に迫ったものだから、さしもの照仁様も根を上げてバラしちゃったんですって!
貴美
しかも資料の後半がさらに過激よね。『抵抗が無理ならせめてそっち方面が初めての普仁へ正しい男女のあり方、いわゆる筆おろしってやつの手ほどきを行っていただけたら幸いだわ』って……里緒、相手は15歳よ!? まだ義務教育中で、17歳の誕生日が社交界デビューなんでしょう?
里緒
そうよ! 社交界デビューまでに女性に搦め手から落とされないように、私が率先して筆おろしの指導をして『正しい男女のあり方』を叩き込んで、そのまま私色に染めちゃってもいいとか書かれているのよ……! 私、まだ17歳よ!? なんで年下の皇族の教育係兼お相手役を押し付けられなきゃいけないのよ~!
歌乃
でも里緒、資料の最後の方に『子どもを産むのだけは普仁の成年まで待って頂戴、皇族の体面があるから。里緒は5年後でもまだ27歳だから大丈夫よね』ってフォロー(?)が入ってたじゃない。27歳って、妙にリアルな将来設計になってるのが逆に怖いわよ!
香織
ちょっと待って! そこでふと思ったんだけどさ……。
霧葉
ん? どうしたの香織。
香織
この作中の里緒ちゃん、ぶっちゃけ経験無さそうじゃない? だから『本当に筆おろしの指導なんてできるのかしら?』って思っちゃったのよ。でも、よく考えたら……あの『別世界』で照仁様にめちゃくちゃに蹂躙されて開発されまくって、数々の手練手管を叩き込まれてこの世界に戻された設定だったわよね!?
貴美
あ……! 確かにそうよ! 戻された時の肉体は17~18歳の年齢相応の若いハリ艶を保っているけれど、中身は別世界で徹底的に調教され尽くした『技術の塊』だったわ……
里緒
ちょっ、ちょっとやめてよ貴美ちゃん! そんな生々しいプロファイルしないでよ! 私は現実世界の、心身ともにまっさらで健常な華族令嬢なんだからねっ!
霧葉
ふふ、でも論理的に考えれば、作中の里緒は『筆おろしやら何やらの男女の関係で完全に主導権を握れてしまう』ってことね。5年経って22歳になっているからあの『感じやすい敏感さ』は多少抑えられているとはいえ、15歳の普仁様を相手にリードするお姉様ポジションは、なかなかスリリングだわ。
香織
恐ろしすぎるわよ……! 普仁様が変な虫に狙われる前に、里緒ちゃんが手練手管で骨抜きにしちゃう未来しか見えないじゃない!
歌乃
じゃあ、他のメンバーの嫁ぎ先はどうなっているのよ? 気になるわぁ。
貴美
私よ……私の嫁ぎ先は、六条雅彰さん。寛奈のお兄様ね。
香織
あ、寛奈のお兄様! あの、寛奈をずっと照仁様と一緒に守ってきた苦労人の……!
貴美
そう。雅彰さんがぜひ私をと強く望んでくれたらしいわ。六条家は子爵家で、雅彰さんは宮家令の跡継ぎで今は京極宮家の家扶、ゆくゆくは次の家令になる人よ。……なんだか、一番まともというか、華族社会の正規ルートって感じがして少しホッとしたわ。
霧葉
貴美ならしっかりしていそうだし、苦労人同士で良いコンビになりそうね。で、私と歌乃のところは……お互いの『お兄様』が交差しているのよね?
歌乃
そう! 私の嫁ぎ先は、霧葉ちゃんのお兄様! 将来を嘱望される超エリートの外交官なんだって!
霧葉
そして私の嫁ぎ先は、歌乃のお兄様……ここに書いちゃいけないような、非常に優秀な『公安関係者』。どうして公安の人が嫁ぎ先なのかって、資料の理由がまた最高にブラックよ。『脅迫者が捕まっていないから』だって。
香織
犯人なんて最初から存在しないのに……っ! 存在しない脅迫者に備えて、公安のエリートを夫としてガチガチに配備されるなんて、国家権力の無駄遣いがすぎるわよ!
歌乃
でも、霧葉ちゃんのお兄様が外交官で、私の兄が公安ってことは、私たち、お互いにすごく手強いお兄様たちのところに嫁ぐことになるわけね……。なんだか背筋がゾッとしつつも、少し面白そうかも?
里緒
面白いって言ってる場合じゃないわよ! 恵梨子ちゃん、次回作をどう描くか本気で頭を悩ませていたみたいだし、こんな強烈な設定の数々をどうやって一つの物語にまとめるつもりなのかしら……。
霧葉
ふふ、恵梨子ちゃんのことだもの。この設定をベースにして、また盛大な『勘違いと善意の暴走劇』を書き上げるに決まっているわ。特に里緒と15歳の普仁様の同居生活なんて、爆弾しか詰まっていないようなものよ。
香織
もう……本当に、恵梨子ちゃんの想像力には毎回振り回されっぱなしだわ! でも、私たちはこうして平和なサロンで美味しいお茶を飲んでいられる、正真正銘の健常な専門学生なんだからね!
歌乃
そうよ! 作中の私たちがどれだけ絶望していようと、私たちは明日も元気に学校へ行って、美味しいスイーツを食べるんだから!
貴美
さあ、冷めないうちに紅茶をいただきましょうか。……それにしても、里緒、普仁様の筆おろし特訓頑張ってね?
里緒
誰が特訓なんかするものですかぁ――っ!!!
(サロンに笑い声と里緒の抗議の声が賑やかに響き渡った)