茜色の夕光が、宮邸南園の深く茂る緑の葉陰を黄金色に透かしていく。
静寂に包まれた庭園の奥、しっとりと打ち水が施された飛石の先に佇む茶室は、まるで下界の喧騒から切り離された別世界のようであった。
草庵の露地に踏み入り、つくばいで手を清める香織の胸は、早鐘のように高鳴っていた。
22歳を迎え、公爵家令嬢としての気品と大人の淑やかさを身につけたはずの身でありながら、今日ばかりは着物の帯の下で鼓動が乱れるのを抑えきれない。
「未来の歳上の義妹と親睦を深めたい」
という恵梨子の招きでこの夕去の茶事に応じたが、脳裏をよぎるのは、恵梨子の「心身ともに、ね」と言う言葉と、それとともに笑みを浮かべて発した「大丈夫、着物が襦袢まで乱れても私が直せるから。法仁も近づけないから安心なさい」という言葉だった。
(いつもの戯れよね)
そう思いつつ、メッセージとともに送られてきた不安を抱かせたのは
――乱れ髪 襦袢の奥に 月隠れ 酔いのまどろみ 夢か現か――
サロンで親友たちと大騒ぎしたあのあまりにも妖艶な一首であった。
(ここまで来たからには腹をくくるしかないわね)
香織が大きく深呼吸し、にじり口から茶室へ足を踏み入れると、そこにはすでに夕闇の気配が優しく満ち始めていた。
「お越しいただきありがとうございます、香織さん」
室内の奥、床の間を背にして座す恵梨子の姿があった。
立ち昇る名香の煙の向こう、短檠の小さな灯火に照らし出された彼女の微笑みは、息をのむほどに美しく、そしてどこか人を狂わせるような密やかな魔力を秘めている。
「お招きいただき、ありがとうございます……恵梨子様」
香織は丁寧に深くお辞儀をし、正座した。
庭の緑が夕暮れの紫紺へと溶けていくにつれ、茶室内はほの暗い灯火だけが頼りとなっていく。竹の樋から落ちる水の音と、釜から立ち上る「松風」の音だけが静かに響く密室。法仁の姿はどこにもなく、本当に二人きりの空間であった。
恵梨子が優雅な手つきで茶道具を扱い始める。その無駄のない洗練された所作は、見る者の理性を静かに撫で上げるかのようだ。
「ふふ、そんなに身を固くなさらないで。今日の主客は貴女一人よ。少しばかり長くなった日暮れの刻を、二人だけで楽しもうと思ってね」
恵梨子は柄杓から湯を汲みながら、ふと伏し目がちに香織を見つめた。その視線が、香織のしなやかな首筋から、帯の上に豊かに収まる胸元──83cmのやわらかな果実──へとゆっくり注がれる。
「……あの子ったら、私がこのお茶会を告げたら、本当に『砂かぶりで見たい』なんて目を輝かせるものですから……庭の南園に入る手前で、固く鍵をかけさせておいたわ。だから安心してちょうだい。ここには、私と貴女の二人しかいないの」
「え、恵梨子様……っ」
香織の頬が、一瞬でぽっと朱に染まる。
「あの子も罪な子ね。10歳の頃はあんな風に無邪気に『僕のアイスは?』なんて甘えて私の胸を舐めていたかと思えば……18歳になった今は、貴女という最高の桃を目の前にして、どれほど理性をすり減らしていることか。……耳掃除の件、上手くいったのでしょう?」
「は、はい……っ。恵梨子様に教えていただいた通りに……丁寧に温タオルでほぐして、耳掃除をして差し上げたら……とても穏やかなお顔で、そのまま静かに眠ってくださいました……」
「あら、偉いわね。香織は本当によく出来た年上の妻だわ」
恵梨子はお茶を点て、それを香織の前へと差し出した。
差し出された茶碗を受け取る際、すっと恵梨子の細い指先が香織の指に触れる。ほんの少しの皮膚の接触だというのに、香織の背筋を甘い痺れが駆け抜けた。
「……でもね、香織」
恵梨子はふっと灯籠の灯りを背に受け、影を落としながら身を乗り出してきた。
「法仁の本当の恐ろしさは、あの無意識の『神の舌』だけではないのよ。あの子が本当に覚醒したとき、貴女のその豊かな胸元も、細い首筋も、あの子の器用な指と舌で余すことなく味わい尽くされることになるわ。……朝のトーストに、隙間なくジャムを広げるようにね」
「――――っ! 恵、恵梨子様、そのお話は……っ!」
トラウマを思い出され、香織は息を呑んでうつむいた。その拍子に、きっちりと結われていた髪の毛先がふわりと解け、乱れ髪となって真っ赤な頬に落ちかかる。
「ふふ、ほら……少し動揺しただけで、そんなに可憐な乱れ髪になってしまう。……本当に、月のように綺麗よ、香織」
恵梨子がそっと手を伸ばし、香織の乱れた髪を耳へと掛け直す。その指先が、首筋から着物の衿元へと滑り、ほんの少しだけ帯の上の布地を押し寛げた。
「乱れ髪 襦袢の奥に 月隠れ……」
恵梨子の甘い囁きが、耳元で吐息とともに響く。
本当に着物が解かれてしまいそうな妖艶な気配に、香織は「ひゃんっ……」とか細い悲鳴を漏らし、思わず胸元をキュッと手で押さえて身を縮めた。
「あらあら、可愛いこと。大丈夫よ、本当に脱がしたりはしないわ。……でもね、あの子のもとへ嫁ぐということは、いつかこれ以上の『甘い暴走』を受け止めるということ。今日のお茶会は、そのためのほんの予行演習よ」
恵梨子は満足そうに微笑むと、すっと身を引いてお点前の姿勢に戻った。
「さあ、お茶が冷めてしまうわ。召し上がれ、私の可愛い義妹(いもうと)」
手燭の揺らめく光の中、真っ赤な顔で胸元を押さえたまま、お茶碗を両手で包み込む香織。
庭園の暗闇の向こうでは、きっと18歳の法仁が、締め出された南園の門の前でそわそわと姉と婚約者の無事を祈っていることだろう。
夜の静寂が深まる茶室内で、香織の甘い受難と、義姉との濃密な心身の親睦は、緩やかに、そしてどこまでも妖艶に続いていくのだった。
庭園の木々を濡らす夜露が、暗闇の中でしっとりと静寂を深めていた。
茶室の格子戸からは、南園の門を固く鎖す重厚な施錠音が、遠く微かに一度だけ響いていた。どれほど法仁がこの密室の戯れを覗きたがろうとも、そして最前列で息をのもうと画策しようとも、恵梨子の完璧な言いつけにより、この庭園に足を踏み入れることすら叶わない。もし彼がこの境界を越えて近づく気配でも見せようものなら、恵梨子は迷わず茶道具を収め、この艶やかな宴をその場で締め括って立ち去るだろう。その絶対的な不可侵のルールが敷かれているからこそ、この薄暗い空間には、二人きりであるという濃密な緊張感が支配していた。
短檠の短くなった芯が小さく爆ぜ、畳の上に落とす影が揺れる。
お茶を飲み干し、まだ上気した顔を伏せている香織の前で、恵梨子は優雅に膝を崩し、柄杓を置き戻した。その動作一つをとっても、一切の無駄がなく、流れるような艶やかさを帯びている。
「ふふ……本当に、愛らしい顔をするのね、香織」
恵梨子の声は、夜の湿り気を帯びて低く、滑らかに響いた。彼女はそっと身を乗り出し、畳に両手をついて香織の顔を覗き込む。
「法仁の『あのアイスキャンディーの夜』の話、少し刺激が強すぎたかしら? でもね……あの子の無意識の凶暴さを誰よりも知っているのは、私なの。そして、それをこれから全身で受け止めることになるのは、他でもない貴女なのよ」
「恵、恵梨子様……っ」
香織は思わず胸元をかき抱くようにして身を引こうとしたが、背後は茶室の壁であった。逃げ場のない密室の中で、恵梨子の細く美しい指先が、香織の紅潮した頬から、そっと白く滑らかな首筋へと滑り落ちる。
「法仁を完全に締め出したこの空間で、こうして貴女と二人きりで向かい合っていると……ふと試してみたくなるのよ。あの子が夢中でしゃぶりつき、今では喉から手が出るほど欲しがっているその『桃』が、どれほど甘く、どれほど柔らかいのかをね」
「――――っ! お、お戯れを……っ! 恵梨子様、私、私は……っ!」
香織の口から漏れたのは、抗拒の声というよりも、甘く震える吐息であった。恵梨子の指先が、着物の衿元をなぞり、帯の上の柔らかな膨らみ──B83の豊かな実りへと、ほんのわずかに圧をかける。
「戯れ、かしら? 貴女のその乱れた衿元も、火のように熱い肌も、すべて私だけのものよ。今夜、この庭園には誰も入れない。あの子の気配すら、ここには届かないの。……なら、私が少しだけ、あの子の代わりに貴女を愛でて差し上げても、誰にも咎められないのではないかしら?」
恵梨子の瞳が、揺らめく灯火を映して妖しく光る。彼女は香織の耳元へと顔を近づけ、吐息が直接肌を撫でるほどの距離で、密やかに囁いた。
「乱れ髪を解き、襦袢の奥の月を暴くのは……あの子ではなく、私かもしれないわよ? 香織」
「んっ……ぁ……っ!」
香織は耳元を襲う甘い痺れに思わず背筋をそらせ、目を強く閉じた。
法仁という「猛獣」を庭園の外に完全にシャットアウトしたはずのこの茶室で、真に恐ろしいのは、その猛獣を軽々と手玉に取り、目の前の可憐な獲物を優雅に解体してみせる、この美しき義姉・恵梨子その人であった。
夜の深まりとともに、密室の熱気はどこまでも濃密に、そして甘やかに二人を包み込んでいくのだった。
薄暗い茶室の空気は、熱を帯びた夜露の湿り気とともに重たく沈殿していた。
短檠(たんけい)の灯火がかすかに揺れ、土壁に落ちた二人の影を妖しく揺らめかせる。法仁を遠く南園の門外へ完全に追い払い、世界から切り離されたこの畳数畳の密室で、恵梨子の優雅な指先は香織の着物の衿元へとゆっくりと滑り込んでいた。
「……んっ……あ……っ」
香織の口から、堪えきれない可憐な吐息が漏れる。
恵梨子の細く冷ややかな指先が、重ねられた白襦袢の合わせ目をすっと押し開いた。露わになるのは、熱を帯びて上気した白磁の肌と、帯の上に豊かに波打つ胸元のやわらかな傾斜──22歳を迎え、成熟のピークを迎えた香織のDカップ83cmの艶やかな肉体であった。
「まあ……本当に、桃のように瑞々しくて綺麗……。あの子が貪りつきたくなった気持ちも、分からなくはないわね」
恵梨子は恍惚とした眼差しでその柔らかな胸元を見つめると、細い指先でそっとその頂の近くを撫で上げた。
「ひやああっ……!? だめ、恵梨子様……っ、あ……っ!」
香織の背筋を、激しい甘い痺れが駆け抜ける。
指先が描く円運動は、どこか法仁の「神の舌」が見せた巧みな動きを髴とさせ、香織の理性を内側からジワジワと溶かしていく。義理の姉である恵梨子に、このような破廉恥な姿で胸元を暴かれ、直接愛撫されているという背徳感。しかし、その手つきの優しさと圧倒的な美しさに、身体が拒絶の声を上げられない。
「ふふ、そんなに身を震わせて……。法仁の無意識の暴走に怯えていたのに、私にこうして触れられると、そんなに可愛い声を出すのね。……ねえ、香織? あの子の耳掃除をしてあげているとき、貴女はこんな風に胸を躍らせていたの?」
「ん……っ……ち、違……っ、違います……っ! 法仁様には……ただ、おとなしく寝ていただくために……あふっ……!」
恵梨子の指先が、白襦袢の奥深く、乳房の頂の尖りを衣類越しに優しくキュッとつまみ上げた。
「ひうっ……! んぁ……っ、あっ……!」
香織は思わず両手で恵梨子の手首を掴んだが、それを振り払う力など入らない。畳の上に崩れた着物の裾から覗く太ももが、無意識のうちにキュッと締め合わされ、帯の下の湿り気が密やかに熱を増していく。
「あの子を遠ざけて正解だったわ。もし法仁がこの光景を見ていたら、間違いなく理性を吹き飛ばして、この茶室の扉を叩き壊して乱入してきたでしょうね。そして、この乱れた襦袢の奥に顔をうずめて、貴女を骨の髄まで味わい尽くしたはずよ」
恵梨子は耳元で囁きながら、もう一方の手で香織の帯締めをすっと緩めた。解けた帯がかすかな絹擦れの音を立てて畳に落ち、香織の着物は完全に前がはだけて、乱れた襦袢の隙間から「豊潤なふたつの桃」が白く艶やかに露わとなる。
「あっ……や、やだ……恵梨子様……見ないで……っ! 恥ずかし……っ!」
「隠さなくていいのよ、月のように美しいわ。……大丈夫、この乱れた着物は、後で私が元通り綺麗に着せて差し上げるわ。……法仁に気づかれないようにね」
恵梨子はそう微笑むと、うつむき涙目になって震える香織の顎を細い指ですっと持ち上げ、その熟した桃の果実にゆっくりと顔を近づけていった──。
夜の深まりとともに、南園の茶室内は、艶やかな悲鳴と甘い吐息、そして濃密な肌の触れ合う音に支配されていく。
「……んぁっ! 恵梨子様、ダメ……っ! そこはっ……あぁんっ……!」
短檠(たんけい)の仄暗い灯火の下、はだけた白襦袢の隙間から露わになった豊潤な果実──香織の胸元へ、恵梨子はその美しく細い首を傾けてゆっくりと顔をうずめた。
チュプ、と甘く湿度を帯びた水音が、静寂に包まれた茶室内に生々しく響き渡る。
恵梨子の温かくしなやかな舌先が、白磁の肌をすべるように滑り、その頂の尖りを密やかに捉えて優しく舐め上げる。さくらんぼのヘタを一重に結んでのけるという器用で繊細な舌遣い。実弟・法仁のそれと地続きの、しかしより熟練された甘美な愛撫が、容赦なく香織の理性を溶かしていく。
「ひぁっ……!? ん……あぁっ! 舌っ……ダメ、そんなっ……んむっ……!」
香織は背筋を激しい痺れにそらせ、畳に落とした帯の端をぎゅっと握りしめた。
かつてサロンで高らかに宣言した『流されないわよっ!!』という力強い強がりは、直接胸元を穿たれる強烈な快感の波によって瞬時に打ち砕かれ、艶やかな悲鳴となって夜の茶室へ溶けていく。
恵梨子は舌先でやわらかな膨らみを慈しむように転がしながら、ふと顔を上げ、涙目で上気した香織の顔を、濡れた唇で微笑みながら見つめた。
「ふふ……まあ、なんて可憐なお声……。『流されないわよ』なんてあんなに威勢よくサロンで仰っていたのに、私の舌ひとつでこんなに全身を甘く痺れさせて、お声を漏らしてしまうのね……? 本当にかわいい義妹(いもうと)ね」
「ぁ……っ、恵梨子様……お戯れは、もう……っ!」
「戯れ? いいえ、本気よ。ねえ香織……? 私を『くすぐり地獄の刑にしてやる』なんて意気込んでいらしたけれど、今の貴女にそんな力が残っているのかしら?」
恵梨子はさらに意地悪く目を細めると、香織の顎を指先ですっと持ち上げ、その熱く濡れた胸元の頂へと、追撃するように再びゆっくりと舌を這わせた。
「ほら……私をくすぐり倒して懲らしめてごらんなさい? 乱れた襦袢をさらに肌けさせられて、私にこうして胸を舐めまわされながら……貴女が私を捕まえられるかしら? ふふ、腕にまるで力が入っていないわよ……?」
「ひあぁっ……! んんっ……あぅ……っ! やっ、くすっ……くすぐり、なんて……無理……っ、あぁっ!」
香織の手首は力なく畳の上に落ち、恵梨子の肩を押しのけることすら叶わない。
『流されない』という誓いも、『くすぐり地獄』の反撃も、すべてはこの密室で繰り広げられる義姉の優雅で官能的な支配の前に、甘く儚く霧散していくのだった。
南園の門外に締め出された法仁の気配すらない完全な密室で、香織の甘い屈服と、恵梨子の小悪魔な愉悦は、夜の深まりとともにどこまでも濃密に溶け合っていく。
「……あ……あぁ……っ、恵梨子様……もう……おやめになって……っ!」
快感と背徳感の波に翻弄され、香織は乱れた髪を畳に散らしたまま、浅い息を繰り返すことしかできない。はだけた白襦袢からは、熱を帯びた豊潤な胸元が露わとなり、先ほどまで恵梨子の舌先で慈しまれていた頂が、薄暗い灯火の下で甘く濡れて光っていた。
そんな香織の涙目を見つめながら、恵梨子は妖しく細められた瞳に小さな愉悦の色を浮かべた。
「ふふ、本当に可憐だこと……。でも、これで終わりだと思っているのかしら?」
恵梨子は細くしなやかな指先を滑らせると、香織の肩にわずかに残っていた白襦袢の布地をすっと押し下げ、そのまま二の腕を通してからりと畳の上へ滑り落とさせた。香織の上半身を包むものは完全に失われ、夜の茶室の密やかな空気の中に、白磁の肌と豊かな双丘がそのまま露わになる。
「ひあっ……!? や、やだ……恵梨子様、本当に脱がしてしまうなんて……っ!」
驚きと羞恥で胸元を隠そうと腕を交差させる香織。しかし、恵梨子はそれを制することなく、自らの着物の帯へと手をかけた。
さらり、と絹が擦れ合う音が静寂に響く。
恵梨子は迷いのない手つきで自らの帯を解き、羽織っていた着物と白襦袢を滑らかに肩から脱ぎ捨てる。灯火の揺らめきの中に現れたのは、香織のそれとはまた異なる、しなやかで整った恵梨子の艶やかな上半身であった。
肌と肌を隔てる布地が完全に失われた空間。
恵梨子は滑らかな自分の肌を露わにしたまま、ゆっくりと香織の上へと覆いかぶさり、豊かな胸元同士が触れ合うほどの距離で密着した。
「ほら……これで、私と貴女を隔てるものは何もなくなったわ」
恵梨子は濡れた唇を香織の耳元へ近づけ、密やかで悪戯っぽい吐息を吹きかける。
「これなら……遠慮なく私を『くすぐり地獄の刑』にできるでしょう? 貴女のその手で、私を捕まえてご覧なさいな。身体を重ね合わせたこの状態で……本当に私を懲らしめられるかしら?」
「――っ!? 恵、恵梨子様……っ!!」
挑発するように微笑む恵梨子の素肌の温もりが香織の胸元や肌へ伝わってくる。自らも裸身を晒してまで退路を断ち、挑んでくる義姉の徹底的な小悪魔ぶりに、香織は顔から火が出るほどの熱さを感じ、言葉を失って固まるしかなかった。
「さあ、どうしたの香織? 反撃してこないなら……今度は私から、もっと甘くて激しい『くすぐり』を、その果実に教えて差し上げるけれど……ふふっ」
南園の完全な密室で、素肌を重ね合わせた二人の令嬢の濃密な対峙は、さらなる深みへと溶け込んでいった。
素肌を露わにしたまま重なり合った二人の間には、もはや一切の遮蔽物は存在しなかった。香織の豊かな果実と恵梨子の柔らかな胸元が直接触れ合い、体温と動悸が肌を通じて伝わっていく。
「さあ、どうしたの香織? 反撃してこないなら……」
耳元で囁く恵梨子の吐息に、香織が恥痛と戸惑いで身をすくませた瞬間だった。
恵梨子は優しく、そして容赦なく香織の顎をすくい上げると自らの舌で、その口腔を歯の裏から舌の付け根に至るまで舐る様に蹂躙した。
「むぐぅ」
拒む術もなく上を向かされた香織は、両拳を強く握りしめたまま身を硬直させた。
恵梨子の繊細でありながら強烈な熱を帯びた獰猛な舌と法仁への申し訳なさと、義姉に好きなように犯され、弄ばれているという背徳感が、舌を舐り回される生の感触とともに喉の奥へと押し込まれていく。
さくらんぼの軸を結び分けるほどの高度で密やかな舌の技術が、容赦なく口内の粘膜を舐め回し、香織の甘い抵抗の声をことごとく飲み込んでいく。ただされるがままに粘膜を貪られ、零れそうになる虚ろな吐息と涙を必死に押し殺しながら、香織は溢れた瞳を固く閉じて、この屈辱の刻が過ぎ去るのを耐え忍ぶことしかできなかった。
やがてその口内を蹂躙し尽くした恵梨子が口を離した。
「あら、私と香織の間に見事な銀の橋がかかりましたね。これからの未来を祝福するかの様ですわ」
そう言って笑みを浮かべる恵梨子。
二人の唇の間に引かれた細く艶やかな唾液の糸が、短檠のほのかな灯火を拾ってキラリと光を返していた。
「あ……っ……ふぅ……っ……え、恵梨子様……っ」
解放された香織は、呼吸を乱しながら力なく畳の上に倒れ込み、胸元を隠すことすら忘れて荒い息を吐き出した。口内に残る義姉の甘い体温と熱い感触、そして濡れた唇からこぼれる吐息のすべてが、自分が完全に屈服させられたという事実を容赦なく突きつけてくる。
「ふふ、これで私たちの親睦も……心身ともにすっかり深まりましたわね」
恵梨子は満足そうに目を細めると、乱れた自らの白襦袢を優雅な手つきで肩へと引き上げ、素早く帯を締め直した。そして、涙目で横たわる香織の傍らに寄り添い、優しくその身体を起こすと、脱ぎ捨てられていた白襦袢と着物を寸分の狂いもなく丁寧に羽織らせ、元通りの美しい姿へと着せ直していく。
「約束通り、綺麗に直して差し上げましたわ。……これなら法仁にも茶室の中で何が起きたのか一切悟られないでしょう?」
「っ……!」
香織は真っ赤になった顔を伏せ、直されたばかりの衿元を震える手でギュッと握りしめた。法仁への罪悪感と、恵梨子に与えられた強烈な背徳の記憶が、熱となって胸の奥で渦巻き続けている。
締め切られた茶室の外では、夜の深まりとともに南園の木々が静かに風に揺れていた。密室で繰り広げられた甘い蹂躙劇は、香織の心に消えることのない深い爪痕を残したまま、静かに幕を下ろすのだった。
丁寧に整えられた帯を結び終えると、恵梨子は自分の指先を懐紙で優しく拭い、満足そうに香織の姿を眺めた。
寸分の乱れもなく整えられた着物と、完璧に結い直された髪。今の自分がどこからどう見ても、いつもの品格ある公爵家令嬢へと戻されたことがわかる。けれど、衣飾の下に隠された肌は今なお熱く火照り、口腔に残る甘い湿度と触感が、口内を弄ばれた生々しい記憶を絶え間なく主張していた。
「さあ、立ち上がりなさいな。南園の門を開けて差し上げますわ」
恵梨子は優雅な所作で身を起こすと、短檠(たんけい)の短くなった灯火をそっと吹き消した。
茶室内に差し込むのは、格子戸越しに見える夜の南園の柔らかな月光のみ。法仁が入れぬよう鎖されていた庭園の気配が、静かに夜気の中に溶け込んでいく。
香織は震える脚に力を込め、畳の上にようやく立ち上がったものの、羞恥と戸惑いで恵梨子と直視することができない。胸元に手を当てれば、着物の下で脈打つ鼓動が、与えられた背徳の深さを物語っていた。
にじり口へと向かい、細く開いた扉から外の夜露を吸い込んだ恵梨子は、ゆっくりと振り返った。
暗闇に揺れる月明かりを受け、その美しい輪郭に浮かび上がるのは、すべてを慈しみ、そして優雅に手玉に取る小悪魔のような微笑み。
恵梨子は、熱の冷めやらぬ顔でたたずむ香織をじっと見つめると、密やかに、けれどどこまでも甘く可憐な声で言葉を紡いだ。
「これからも時々楽しみましょうね、私より一歳年上の可愛い義妹さん」