ミトが監禁されてから二週間が過ぎた
「深澄、今日も楽しいことしようね」
朝食を運びながらアスナが微笑む
その甘く優しい声が、拷問開始の合図だった
「いや……もうやめてよ……」
鎖に繋がれた手足を震わせ、ミトは壁際に縮こまった
アスナは気にせずに近づく
「大丈夫だよ。私が教えてあげるから」
この二週間、ミトの肉体と精神はアスナによって徹底的に"治療"されていた
睡眠時間も食事も完全に管理され、アスナの思うままに開発されていく
(こんなの……狂ってる……)
「ほら、力を抜いて?」
上目遣いに微笑みながら、舌先を下半身に這わせる
「そこは汚いから……」
「汚いって何?深澄の身体に汚いところなんてないよ」
これまで誰にも触れられたことのない秘所を、親友の舌が蹂躙していく
恐怖と恥辱にミトは啜り泣いた
「やめて……お願いだから……」
「やめないよ。だって深澄を素直にしてあげたいんだもん」
アスナの目は真剣だった
彼女は本気で親友を救おうとしていた
まるで気持ちいい所が分かっているように
的確にミトの感じる場所を探り当てていく
「ほら、ここが気持ちいいんでしょう?」
囁かれ、ミトはいやいやをするように激しく首を振った
しかしアスナは舌と指でミトの弱い部分を追い詰めていく
「ん……!」
思わず漏れた喘ぎに、ミトはアスナから顔をそむけた
「出ちゃったね?深澄の本当の声」
親友の反応を引き出せて嬉しそうなアスナの笑顔
「あなたは拒絶しながらも、本当は求めているの」
「違う……そんなわけ……」
「じゃあ、これは何?」
アスナの指先が見せつけるように広げられ、糸を引く液体が垂れた
最も恐ろしいのは、アスナに悪意が全くない事だ
「こうすれば団長が悦ぶの。覚えようね」
優しい家庭教師のように丁寧に教えるアスナ
その性技は恐ろしいほど洗練されていた
“あなた”に仕込まれたものを優等生らしく復習し吸収して
今度はそれを親友に教えようとしているのだ
「今日はキスのやり方だよ」
「ふふっ、深澄は私なんかよりずっと優秀だもん、すぐ出来るようになるよ」
唇が強引に押し付けられ、舌が侵入してくる
抵抗しようとしたら頬を優しく撫でられた
「力を抜いて?大丈夫、怖くないよ」
まるで幼児に言い聞かせるような口調だが
やっていることはただの蹂躙だ
(やめてよ…明日奈……どうしちゃったの……)
午後になると、別の部屋に連れて行かれた
床には妖しげな器具や玩具が散乱している
「さあ、始めましょうか」
アスナは楽しそうに言った。その目には狂気が宿っていた
「これは深澄を素直にしてくれる素敵なものなの、今から教えてあげるね」
様々な道具を使われ
身体の限界を超える快楽と苦痛が交互に押し寄せる
異常な感覚の奔流に押し流されて
もう訳がわからなくなってミトは泣き叫ぶ
それでもアスナは優しい微笑みを崩さない
全ては自責の念に囚われた親友を救い出す為なのだ
「まだ頑張れるよ?ほら、もう一度イッちゃおうね」
嬌声と悲鳴が入り混じった声が地下室に響く
「いや……やめ……!」
「違うよ、『もっとして』でしょ?」
「そ、そうか…なかなか順調やな…」
顔をほころばせて報告するアスナを見て
“あなた”は顔を引き攣らせてドン引きしていた
(こいつがこんなやばい奴やったとは)
親友にここまでえげつない事をするのか
しかもその行動の根底にあるのが純粋な好意
こんな怪物は止めようがなかった
お前は自分に犯罪者の表示が付いている事に気付いているのか
これから街の買い物はどないすんねん
わいの惣菜パンが……
「団長はどう思いましたか?」
キラキラと目を輝かせて訊くアスナに
“あなた”はとりあえず頭を撫でてやった
「ま、まぁ…この調子で続けたらええんちゃう…」
「はい!」
嬉しそうに返事をするアスナ
“あなた”は内心ミトに同情していた
深夜、疲れ切ったミトが失神するように眠りにつくと
アスナはその髪を優しく梳いてやった
「今日も頑張ったね、ゆっくり休んでね」
寝顔を見つめるその瞳には、深い愛が宿っていた
(深澄、必ず幸せにしてあげるからね)
アスナの微笑みは慈母のようであり、狂人のようでもあった