現実世界に戻って一か月
窓から差し込む月明かりの中
明日奈はベッドの上で自らを慰めていた
(〇〇さん……)
脳裏に浮かぶのは、あの仮想世界での記憶
荒々しい接吻、獰猛な愛撫、そして圧倒的な支配
全てが鮮明に焼き付いていた
白魚のような指が豊かな乳房とまだ男を知らない秘裂に滑り込む
(もっと激しく……もっと奥まで……)
あの大きな手に犯されることを想像しながら
指の動きが加速する
シーツが乱れ、呼吸が荒くなる
(ダメ……こんなのじゃ足りない……)
虚しさが募る
どれだけ自慰に耽ろうとあの感触には届かない
「んっ……〇〇さん……〇〇さん……イッくうう!」
鋭い快感が脳を貫き、足先がピンと伸び硬直する
だが、それは刹那の幻影に過ぎなかった
脱力した明日奈は、またすぐに目を開ける
(まだ足りない……)
再び指を動かし始める
彼女の魂は“あなた”を求め続けていた
何度果てようと満たされることはない
翌朝
明日奈の目は充血し、髪はボサボサだった
昨夜も結局一睡もできなかったのだ
「お母さん、ちょっと散歩に行ってくるね」
母親に告げる声も掠れている
服に袖を通しながら鏡を見れば
そこに映るのはゾンビのような自分の姿だった
行きつけのカフェの窓際席
二人の少女が向き合ってコーヒーを飲んでいる
「明日奈……目の下のクマ、酷いよ」
深澄が心配そうに声をかける
そう言う彼女も同じ状態だった
「深澄こそ……」
互いに苦笑いを交わす
「何日寝てない?」
「三日……」
「私も」
二人とも限界を超えていた
「ねぇ、明日奈。もう我慢できないよ……」
深澄が搾り出すような声で呟く
「あたし、ほんの少しだけ眠れた時、夢を見てるの。〇〇さんが優しく抱いてくれる夢……でも目が覚めると……」
涙が頬を伝う
「辛いよ……」
明日奈も同感だった。あの温もりが恋しくてたまらない
「会いたいよ……〇〇さんに」
「うん……」
二人は言葉もなくコーヒーカップを握りしめていた
「……ねえ、そろそろいいんじゃないかな…」
「私たち充分待ったよね?」
「うん…もういいかもね」
二人の目がギラリと危険な光を帯び始めた
「名前も家も、もう全部分かっちゃってるしね」
「今から行く?」
その時だった、カフェのドアが開く音が響く
二人が同時に顔を上げた
入ってきたのは、一人の醜悪な中年男性
おしゃれなカフェにまるで似つかわしくない
でっぷり太ったすだれハゲの小汚いおっさん
何故かサングラスをかけてドヤ顔でクールな漢を気取っている
不潔で臭そうなおっさんの御来店に店員も客も迷惑そうに顔をしかめている
明日奈と深澄の細胞が一斉に沸騰した
(やっと来た!)
(うん!)
心臓が壊れそうな程高鳴る
あの世界で慣れ親しんだ臭い、動き方、そして小物くささ
全てが完全に一致していた
………というか、外見がゲーム世界で見た汚いおっさんまんまだった
恐るべきはネトゲの写真取り込み機能
「○○さん!」
二人は同時に叫び、椅子を蹴って立ち上がった
周囲の客たちが驚いて振り返るが、二人は構わず駆け寄る
“あなた”は自分が立てたクールな逃亡計画(クソしょうもない稚拙な高飛び計画)の
想定外の行動を取る二人に焦ってガマのように汗を流しながら
青筋を立てて小声で注意する
(アッ、アホッ!目立つってレベルちゃうからやめろや!)
(目撃者増やしたいんか!お前ら殺すぞ!)
キョドりながら小声でキレ散らかす“あなた”に
明日奈と深澄は涙を流しながら抱きついた
「待ってました……ずっと……」
「私たち、いい子にしてました……だから……」
周りの目も憚らず、二人は“あなた”に縋りつく
(やめろ!わい出ていくからお前ら時間置いて出てこい、話しかけんな!)
「いいんです!」
明日奈が叫ぶ
「もう我慢できません!」
深澄も続ける
二人の瞳には狂気が宿っていた
自分たちだけの世界で過ごした時間で生まれた絶対的愛情と依存
それらは現実世界でも健在だった
「知らん!わいお前らなんか知らん!」
二人から逃げるようにカフェを出ていく“あなた”
腰に二人が抱き着いたままであるが…
深澄が“あなた”を見上げてニヤリと笑った
「〇〇さんって変な事気にするんだね」
「そうだね……」
明日奈も微笑む
現実世界の家族や社会など、彼女らにはもはや関係なかった
喫茶店の駐車場。一台のバンが停まっている
「乗れや」
疲れきった表情で“あなた”が促すと
二人は飛び乗るように後部座席に座った
エンジンがかかり、車が走り出す
バックミラー越しに、深澄が小さく手を振った
「バイバイ」
助手席に乗り込んだ明日奈が応える
「これからは〇〇さんと深澄との三人の世界……」
車はスピードを上げ、市街地を抜けていく
長時間の運転で最終的に到着したのは
山奥にある古い廃屋だった
玄関扉を開けると、埃っぽい臭いが鼻をつく
しかし二人にとっては新しい希望の匂いだった
リビングの中央には大きなベッドが置かれていた
まるであの三人だけの生活を再現したかのように
「ここで待っとけや」
“あなた”が言い残して部屋を出ていく
数分後、彼は大きな袋を持って戻ってきた
「お前らの新しい服や」
中から取り出されたのは、顔が隠れる深いフードにコート
「あ、これ懐かしい!」
明日奈が歓声を上げる
「私にもお願いします!」
深澄も飛びつく
二人は競うように衣服に着替えた
顔を隠す深いフード付きのコートは
彼女らをこの世界から遮断する鎧となった
「これでなんぼかマシやろ」
“あなた”の言葉に、二人は満面の笑みを浮かべた
「はい!」
「ありがとう、〇〇さん!」
夜。
山奥の廃屋は時間の流れから切り離されたように静寂に包まれていた
木々の葉擦れの音だけが、外界との唯一の繋がりを示している
この場所は、かつて猟師小屋として使われていたらしい
朽ちかけた板壁、蜘蛛の巣が張った天井
そして中央に置かれた大きなベッドが唯一の家具だ
「やっと……本当に会えたんですね」
明日奈が囁く。その瞳には涙が滲んでいた
「長かったね……」
深澄も続く。二人の声には狂おしいほどの切実さが込められている
彼女らにとって、この一ヶ月は千年にも等しい地獄だった
「さ、するで」
“あなた”の指示で二人はゆっくりと服を脱ぎ始めた
白い肌が露わになるたび
明日奈と深澄は恥じらいと興奮を同時に感じていた
「〇〇さん……見ててくれますか?」
明日奈が振り返りながら尋ねる
その顔は羞恥と陶酔に染まっている
「当然や」
“あなた”は獣のような眼光で二人の裸をガン見した
現実の肉体はゲーム世界とは違って非常に生々しい
明日奈の豊かな乳房、深澄の引き締まった肢体
そして生き物としての少女たちが放つ甘い体臭と汗の臭い
ゲームとは違って、明日奈の股間には豊かな茂みが生えていた
“あなた”の視線に気づくと、悲しそうに明日香が目を伏せる
「動物みたいですよね、こんなの…」
「みんなでお風呂に入っても、こうなってるの私だけなんです」
「私の体の大嫌いな所……でも大好きな人には隠せません…」
悲しそうなアスナを見て、深澄も涙がこぼれそうになる
「ん?わいは明日奈のここ魅力的やと思うで?」
“あなた”が不思議そうに言う
「ほれ、明日奈の見てたらわいのこんなになってきたで」
「こんなにしっかり生えてるのにまんこはピンク色で少女そのものや」
「コントラストがキレイやで」
自分の一番のコンプレックスの部分を
“あなた”に全面肯定されて嬉しくて泣き出す明日奈
「うっ…ぐすっ…あなたでよかった…」
「当たり前やけど、深澄も同じくらい魅力的やからな」
「控えめに生えてるのが深澄によう似合うとるで」
「えっ…ホント…?えへへ…うれしい…」
二人の全てが“あなた”の欲望を掻き立てる。
「綺麗やで……二人とも」
「〇〇さん……お願いします……」
明日奈が懇願する
その目は淫靡な輝きを湛えていた
「あたしも……」
深澄も続く
「もう我慢できない……」
二人は四つん這いになり、臀部を“あなた”に向けて突き出した
白い果実のような尻が左右に揺れる
「欲しいです……中に……」
「早く……」
“あなた”は無言で二人に覆いかぶさった
最初は明日奈からだった
逞しい男根が挿入される瞬間
彼女の口から恍惚の叫びが漏れる
「ああっ!これ……これが……」
長く待ち焦がれていた想いが遂に報われる瞬間
もう絶対に逃がさないとばかりに明日奈の中が
抱きしめるように強く締め付けてくる
粘っこい異常な量の愛液が分泌され、狭いのにスムースに男根が出入りする
腰を打ち付けるペースが速くなり、それに合わせて明日奈も激しく腰を振る
現実でするのはこれが初めてなのに熟年夫婦のように息のぴったりあった動き
気付けば、あの世界でのセックスと全く同じ動きをしていた
「出るでっ」
“あなた”の射精と同時に明日奈は全身を震わせ、愛液を滴らせた
「イきます……イっちゃいます!」
初めての経験にも関わらず、明日奈は激しく昇天した
しかし“あなた”は動きを止めない
「まだまだや……」
激しいピストン運動が続き、明日奈は幾度も絶頂を迎える
その度に彼女の体は痙攣し、愛液が迸った
「次は深澄や」
幸せそうに脱力する明日奈を一旦解放すると、深澄に向き直る
「お願い……優しく……」
震える声で懇願する深澄。しかし“あなた”は容赦しない
「これが欲しいんやろ?」
勢いよく貫かれた深澄の体が弓なりに反る
「ひゃっ……激しい……」
痛覚と快感が混ざり合い、深澄は涙を流した
だがその目にはやっと繋がれた喜悦が浮かんでいる
深澄の中はとても熱かった
クールでやや恥ずかしがり屋なその性格とは反して
体温と共に“あなた”の男根に熱い想いを届けてくる
明日奈とは違って初めての現実でのセックスにぎごちなかった深澄にも
だんだんと余裕が出てきたので
あえてペースをゆっくりにしてやると
気持ちよさそうな声を出して、自分も腰を使い始めた
恋人のようなペースで最後まで昇りつめる
「あっ…もうイク…イキます…」
深澄の限界を知って、強く腰を打ち付け
根本まで深く繋がるように射精してやると
「んんんー!」
体を痙攣させて、くたりと脱力した
顔をこちらに向け、一緒にイケた事に幸せな表情を見せていた
「もっと……もっと強く……」
二人の少女は交互に、あるいは同時に陵辱されていった
淫らな喘ぎと粘膜の摩擦音が廃屋に響き渡る
夜通しの饗宴が明けた頃
フルマラソンを走り切ったかのように
二人は全身を汗と愛液でぐっしょり濡らし
もう一歩も動けない状態で満足げな表情を浮かべていた
両側から“あなた”の腕を抱いて眠る二人の少女
ずっと眠れてなかったのだろう、目の下に隈が見える
安心しきった表情ですぅすぅと可愛らしい寝息を立てていた
しばらくその可愛い寝顔を見ていたが
“あなた”も目を閉じて一緒に眠る事にした
早朝
尿意で目が覚めた“あなた”
両脇を見ると昨夜と全く同じ状態で二人は眠っている
よほど深い眠りなのか微動だにしていないようだった
(よう寝とるな、とりあえずおしっこ行きたい)
そっと二人から腕を引き抜こうとした
すると少女たちは少し眉をひそめて腕を抱く力を強めてきた
(思ったよりしっかり抱き着いとるな)
少し間をおいて少女たちの力が緩んだのを確認して
今度はそろそろと弱い力で少しずつ引き抜こうとした
(これならいけるやろ…)
だがその動きも敏感に察知してまた強く腕を抱きしめてくる
そういった事を何度か繰り返す内に、少女たちの柳眉が逆立ち
天使のような寝顔だったのが、だんだん悪鬼のような形相になってきた
がばっ
突然二人が同時に動いて両側から
“あなた”の胴体に密着して手足をガッチリ絡ませてきた
まるで強力な磁石同士に挟まれたかのように引き剥がせない
「おい、ええかげんにせえや!わいはトイレ行きたいんや!」
大声を出しながら絡めとられた腕で少女たちの背中を精一杯叩くが
とたんにあどけない寝顔に戻り、すぅすぅと寝息を立て始めた
「なんやこいつら…ガチで寝てるんかこれ」
二人を抱えて起き上がれるほど“あなた”の身体能力は高くない
というか不摂生な生活をしているせいで一般人男性よりかなり低い
解決策が見つからないまま時間が過ぎる
膀胱は破裂しそうになっていた
悶絶しながらジタバタと寝返りを打って抜け出そうとするが
全く体勢を変える事はできなかった
そしてついにその時は訪れた
「あっ…あっ…」
おっさんの汚い小便がベッドに染みを広げていく
ひどい悪臭と感触が少女たちにも伝わっているはずなのに
何故か満足そうにニンマリと口元を緩める
まるでゲーム世界で受けた陵辱の意趣返しに成功したかのように
この現実世界では少女たちの方が明らかに格上で強者だった
おもらししたおっさんのすすり泣きが
鳥の鳴き声と共にさわやかな朝を彩っていた