五ヶ月目の朝を迎えた
ベッドで横たわるアスナの表情は、安らぎに満ちていた
“あなた”の腕枕で目覚め、胸板に額を擦り付ける
「おはようございます……」
甘えるような声で挨拶する彼女の姿に、“あなた”は満足げに微笑んだ
「今日も可愛いのぉ」
頭を撫でると、目を細めて猫のように身を寄せてきた
この五ヶ月で、彼女はすっかり従順になった
どんな責めをしても、どんな奉仕を命じても喜んで応える
調教はもう十分成功しているように見える
しかし、“あなた”はアスナをさらなる底に堕とそうとしていた
「なぁ、アスナ」
昼下がり、二人でくつろいでいるときに“あなた”が切り出した
「お前、この生活楽しいか?」
「はい」
彼女はためらいなく答えた。嘘ではない
今ではこの檻の中でこそ安らぎを感じていた
「そろそろ頃合いやな」
“あなた”は意味深に笑うと、巻物を取り出しアスナに開いて見せた
最初の部分には魔法陣が描かれ、周囲には恐ろしい紋章が並んでいる
それ以降は全て空白だった
「わいが作ったギルドの名簿や。名前は『奈落の蜜壺』」
「ギルド……?」
アスナは眉をひそめた。聞いたことのないギルド名だ
「団長のわいに絶対服従する雌奴隷専用のギルドや。団員は全員わいの所有物、二十四時間三百六十五日、わいの命令に従う義務がある」
“あなた”は紋章の隣の空白部分を指さした
「ここに団員が署名するんや」
「お前が最初の団員や。サインすれば、もう逃げられへん。永遠にわいの奴隷や」
「永遠に……」
心臓が早鐘を打ち始めた。今のアスナには魅力的な提案に思えた
しかし同時に、そちらに行ってはいけないという誰かの声も聞こえる
現実世界の家族やこの世界で離れ離れになったミトの顔も浮かんできた
「どう思う?」
“あなた”の問いかけに、アスナはしばし逡巡した後、静かに首を振った
「……すみません。まだ決められません」
素直になってから初めて“あなた”の提案を拒否したのだ
「ほう?」
“あなた”は一瞬驚いたような表情を見せたが
すぐに獲物を見つけた獣のような笑みを浮かべた
「面白いのぉ。なら、納得するまで考えてもらおか」
その夜、アスナにとって拷問のような時間が始まった
寝室のベッドに横たえられ、四肢を緩やかに拘束されたアスナ
その身体を“あなた”が優しく、執拗に撫で始めた
「まずは胸やなぁ」
両胸の膨らみを包み込むように揉まれると、アスナの身体が微かに震えた
「あっ……」
「もう感じるんか?相変わらず敏感やなぁ」
指先が乳輪をかするだけで、甘い疼きが走る
しかし“あなた”は核心には触れようとしない
あくまで胸全体を愛撫するだけだ
次は太ももの内側を撫でる
そこはもっと敏感な部位に近く
直接触れられなくても十分な快感を得られる場所だった
「んっ……ふぅ……」
「ここも気持ちええやろ?でも肝心なとこはまだやで」
焦らすような言葉と共に、舌を使って膝裏から脚の付け根へと舐め上げていく
唾液の跡が残るほど丁寧に
そしてついに秘部へと指が伸びる
しかし、陰唇の周りをなぞるだけで、内部には触れてくれない
クリトリスも同様だ
アスナが最も感じるポイントを、微妙に外し続ける
「いやっ……ちゃんと……触って……」
懇願の声が漏れる
五ヶ月の間に植え付けられた甘い疼きが、身体中を焼き尽くしていた
「ん?ちゃんと触ってるがな?」
“あなた”は意地悪く笑い、指先で入口だけを擦る
クチュクチュという湿った音が部屋に響くが、それ以上進展はない
「お願いします……イカせてください……」
「ダメや。ギルドに入る言うまで絶対イカさんからな」
一時間、二時間と時間は過ぎていく
アスナの身体は完全に準備ができているのに、決して爆発することはない
何度も味わった高みに行けそうでいけないもどかしさが、彼女の思考を奪っていった
「入れて……お願い……レイプしてください……!」
「なら誓いを立てろ。一生わいのもんになるって」
「それは……」
もう明確な否定の言葉が出てこなくなってきていた
どうせ私が降参するまでいつまでもこの人は続けるのだ
それならもういつものように素直になった方が…
「わかりました……ギルドに入ります……だから……」
涙声で訴えるアスナ。しかし“あなた”は冷酷だった
「嘘はあかんで。本気で誓わん限り、いつまでもこのままや」
「本当です!本気で誓います!一生、あなたのものです!」
「ほんまかぁ?じゃあ証拠見せてくれんとな」
そう言うと“あなた”は、名簿を取り出した
「お前の汁で署名せぇや」
「え……?」
「ほれ、ここからインクが溢れとるやんけ」
アスナの指を持って女性器に擦り付けると垂れ落ちるほどの愛液がこぼれる
意味を悟った少女は震える指先で名簿に自分の名前を書く
「奈落の蜜壺へようこそ、アスナ」
署名が完了すると、“あなた”は満足げに微笑んだ
しかし、解放されると思いきや、まだ終わりではなかった
「最後にもう一個仕上げが必要や」
名前の横に、不自然なスペースがあった
“あなた”はその空白部分をアスナに見せると、冷酷に言い放った
「マンコで捺印しろや」
「な、なんですって……?」
「わかるやろ?どうすればええか」
アスナの性器に名簿を近づける
触れそうな所でぴたりと動きを止めた
「ほれ、お前の意志で、誓約するんや」
アスナは諦めたように目を閉じると、腰を突き出した
ぶちゅう…
キスのような水音がして薄い紙に、濡れた性器の模様がくっきりと刻まれた
少女らしい、まだ未成熟な形だった
「これで契約成立や。ようこそ奈落の蜜壺へ」
“あなた”は羊皮紙を高く掲げると、恭しく口付けした
アスナの唇からはもはや抵抗の言葉は出ず
ただ受容と諦めだけが漂っていた
「ありがとう……ございます」
小さく呟くアスナ
その言葉には、もはや自由への希望など一片も残されていなかった
「さて、ようやく本格的に仲間入りやな」
“あなた”は拘束を解くと、アスナを自分の膝の上に跨らせた
そして一気に最奥まで貫く
「ひゃうん!」
突然の衝撃に悲鳴を上げるアスナ。だがそれは苦痛の声ではない
待ち望んでいた快楽への歓喜の叫びだった
「イケ!レイプで好きなだけイッてしまえ!わいの奴隷としてな!」
激しい抽送が始まり、アスナは狂ったように髪を振り乱す
「ああっ!イク!イクゥ!!」
自ら激しく腰を振ってやっと許された快楽を貪る
遠慮も何も無い本能のままのセックスに酔いしれるアスナ
「ほら見てみぃ。お前の名前と印があるで」
“あなた”は名簿を見せつけた
そこに自分の卑猥な姿を重ねながら、アスナは絶頂の階段を登り詰めた
「私……奴隷になってしまいましたぁっ!!」
絶叫とともに盛大に潮吹きしながら、アスナは完全に自我を捨てた
ギルド入りの代償として与えられた、至福の一瞬だった
翌朝、目覚めたアスナの首には赤いチョーカーが付けられていた
それをなぞりながら、彼女は少し悲しそうに微笑む
「もう、本物の奴隷ですね」
その声音には悲しみだけではなく、受け入れた晴れやかさも感じられた
取返しがつかない所まで堕ちてしまった事が逆に
弱り傷つききった彼女の心を軽くしていた
実際のところは、この団員名簿はただの紙で何の魔法的拘束力もなかったが
生真面目な彼女を縛るには十分すぎる効力を発揮していた
「せや。けど、ただの奴隷やないで」
“あなた”はアスナの顎を持ち上げ、キスをする
「お前は特別や。わいの一番のお気に入りなんや」
「嬉しいです……」
本当に嬉しいと思った
もう迷う必要はない…従属することの安心感が少し湧いてきている
「今日からは団員一号として、しっかり働くんやで」
「はい、団長」
アスナは忠誠を誓うように、“あなた”の足元に跪いた
同時刻、地上ではミトがついに手がかりを得ていた
太った男を第三層で見かけたという話を聞きだす事ができたのだ
「アスナは……ここに居るのね……」
震える手でマップを広げるミト
第三層はそれなりに入り組んだマップだが、自分ならきっと見つけられる
「待っててね、アスナ!」
一方、地下深くでは「奈落の蜜壺」初の正式団員として
アスナが“あなた”のために身を捧げる日々が始まっていた
従属と快楽が混ざり合う、異質な安息の日々が──