※この作品はR-18です。

アスナ編   作:タフスレ民

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8話

八ヶ月目の朝

朝霧立ち込める森の中、二人の影が交錯した

まるで長年連れ添った熟練パーティのように

お互いの動きを読み合い、補完し合っていく

「終わりや!」

最後のモンスターを倒すと、“あなた”は大きく息を吐いた

「やっぱお前と組むのが一番やな」

「私もそう思います」

少し汗ばんだ顔でにっこり笑ってそう答える

彼女にはもう“あなた”以外のパートナーは考えられなかった

 

 

戦利品を集めた後、二人は森の泉の傍で昼食を作り始めた

「今日は何を作るんや?」

「野菜炒めと……昨日釣った魚を焼きますね」

手際よく火を起こすアスナの横で、“あなた”は魚に枝を刺していく

鍋に火が通り、野菜が投入された

街で買ってきた調味料も合わせ

ソースが焦げた香ばしい匂いが食欲をそそる

「美味そうやな」

「まだまだですよ。団長の好みに合うといいんですけど」

そう言いながらアスナは鍋をかき混ぜる

“あなた”のために、好みの味付けを探求するのが日課になっていた

「お前が作ったもんなら何でも最高や」

「もう……」

照れくさそうに顔を伏せるアスナ

こんな些細なやり取りが、今の彼女にとって最大の幸せだった

 

 

数日後、買い出しで表通りを歩いていると

他のプレイヤーに声をかけられた

「君、すごい美人だね!うちのギルドに入らない?」

にこやかな笑顔

下心だけではない純粋な好意も伝わってくる

しかし——

「結構です」

氷のように冷たい声がアスナの口から零れた

自分でも驚くほどの強い拒絶感

「えっ……いや、そんなこと言わずにさ……」

なおも食い下がる男を突き放すように歩みを速める

(もうダメ……あの人以外は嫌)

ここに来たばかりであれば間違いなく応じていたであろう誘い

だが今はただ不快でしかなかった

 

 

その足で防具屋に入り、使えそうなものをいくつか購入する

深く被れるフード、顔を覆う仮面、全身を包むマント

「丁度いいのが売ってた」

路地裏で装備を整え、フードを深くかぶる

これで他人を気にせず歩ける

(あの人以外に見られたくない……)

自身の想いをはっきり自覚した

もう、完全にそうなってしまったのだ

 

 

地下室に戻ると、いつものように“あなた”がいた

「おかえり!…なんやその格好は」

「似合いますか?」

仮面を少しずらし、上目遣いに尋ねるアスナ

「ま、まぁええんちゃうか?なんや怖いけどな」

その言葉に、アスナはハッとした

あの男に向けた拒絶感を“あなた”にまで向けてしまった気がした

「い、今、脱ぎます!」

そう言うとアスナは慌ててフードを脱ぎ、仮面を外した

二人きりの空間ではこんなものは必要なかった

 

 

夜も更けてきた頃

「さ、レイプの時間やで」

いつもの冗談めいた言い方で迫る“あなた”

いつもなら押し倒され乱れて喘ぎ声を上げるだけのアスナだが

今夜は普段とは全く違う反応を返してきた

うつむいて肩を震わせながら“あなた”に歩み寄ってくる

「……いやです」

「ん?」

「もう……レイプは嫌です」

アスナの目に涙が滲む

震える手で“あなた”の服を掴みながら続けた

「恋人みたいな……優しい本当のセックスが……したいです……」

 

“あなた”の顔に驚きの色が浮かぶ

「お前は奴隷やぞ?」

「はい……でも……」

アスナは自ら“あなた”の首に腕を回し、そっと唇を重ねた

「奴隷として……そして恋人として……あなたに愛されたいんです」

その言葉に、“あなた”の表情が和らいだ

「お前……ほんまに変わったな」

「ええ……あなたのおかげで」

アスナは微笑みながら、ゆっくりと服を脱ぎ始めた

もう隠すものはない

すべてを彼に委ねようという覚悟が胸に満ちていた

 

ベッドでの二人はまさに恋人同士のようだった

優しい口づけ、互いの体を確かめ合うような愛撫

「……団長……」

「なんや」

「幸せです……」

繋がりながら囁くアスナの言葉に、“あなた”は強く抱きしめ返した

「わいもや」

互いの体温を感じながら、二人はゆっくりと高みへと昇っていく

「あっ……イキそうです……」

「一緒に行くで」

最後の瞬間、アスナは微笑んだ

その表情はまるで世界全てに祝福されたかのようだった

 

 

今のアスナにあるものは“あなた”への思慕と依存だけだった

「団長……明日も一緒にいていいですか?」

「あほやな。お前はわいのもんやろ?」

その答えに、アスナは満足げに微笑んだ

もうどこにも逃げる必要はない、ただここにいればいいのだ

「はい……ずっと一緒です」

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