異世界で、好き勝手して、生きていく 作:瑜伽
――コンコンコン。……クルスさん、朝ですよ。起きてますか?
「…………」
――コンコンコン。……クルスさーん?今日は職業斡旋所に行くんですよね?
「…………」
――まだおやすみになっているようなので、失礼しますね。……ガチャ。
「…………」
――やっぱりまだ寝てますね。
「…………」
――それじゃあ昨夜頼まれた通りにやりますか。
「…………」
――えっと、まずはズボンとパンツを脱がせて……それから……。
「…………」
――こうやって……………………しこ、しこ…………しこ、しこ…………
「…………」
――しこ、しこ…………しこ、しこ…………。
「…………」
――うーん……これで良いんでしょうか……。しこ、しこ…………。
*
「…………っ!?」
俺は下半身への刺激と快感によって目が覚めた。
「……あっ!クルスさん。お目覚めになりましたか?」
そこにはベッドで横になっている俺のすぐ傍に腰かけ、こちらのペニスを手で上下に扱いているリディアがいた。
既に身支度は整えており、仕事着である黒のエプロンと白のブラウス、そして紺色のロングスカートという見慣れた格好だ。
俺が完全に目を覚ましたことに気が付いたのだろう、さらに声をかけて来た。
「おはようございます。今日は手で扱いて起こしてくれ、との事でしたので、お部屋に失礼してそのようにさせていただきました」
その言葉によって、俺は昨夜彼女に頼んだ事を思い出した。
冒険者ギルドで受けたミラの強烈な手コキが脳裏によぎり、せっかくならリディアにもやってもらおうと考えたのだ。
昨日は十分満足していたし、今日は午前から予定があったのでちょうど良いと手コキで起こすように頼んでいたというわけだ。
「リディア、おはよう。目は覚めたが一発出しておきたいからそのまま頼む」
彼女に挨拶を返し、手コキを続行させる。
技術的にはまだまだ拙いが、サラサラとした白金の髪、輝くようなスカイブルーの瞳、整った目鼻立ち、まるで芸術品のような美しさを持ったリディア。
そんな彼女から当たり前のように性奉仕を受けているというだけで、興奮が跳ね上がってくる。
ましてや彼女には恋人兼婚約者がいる。
俺の中の力が無ければ絶対にありえなかっただろう。
「はい、お任せください。クルスさんにご満足いただけるようにがんばります」
ペニスを握った手を動かしながら、こちらに微笑みかけてくるリディア。
性的な事をしている自覚は無いが、性奉仕と言えば何でもしてくれる彼女。
俺に目を付けられなければ、時間はかかったかもしれないが、愛する人と歩む、清らかで幸せな未来があったに違いない。
その身体を結婚相手以外に許すことはなく、パートナーと手を取り合い、共に助け合って生きていく穏やかな一生になったはずだ。
「…………っ、いいよ、リディアっ……」
しかし、俺がこの力を得て、リディアに出会った事で、その未来は叶わなくなった。
認識を歪め、貞操観念はそのままに、彼女の常識を捻じ曲げた。
性奉仕を仕込み、身体を隅々まで味わい、その純潔を奪った。
「気持ちいいですか?少しずつ速度をあげていきますね♥」
そんな彼女を見ていると、俺の中にある黒い欲望が満たされ、さらに大きくなるのを感じる。
何者にもなれなかったかつての自身ではなく、別の何かになっているという実感。
ペニスに直接与えられる刺激に、朝の生理現象も相まって、快感が高まってきた。
「……はぁ…………っ…………ふぅ…………はぁっ……………」
俺の反応に手ごたえを感じているのか、リディアはどんどんペースを上げる。
「……ふふ♥…………どうですか?…………私、上手くできてますか?♥」
こちらを見ながら問いかけてくる彼女。
自身の性奉仕によって相手が気持ちよくなっている、という実感を得られているのかもしれない。
リディアはこれまで自分の技術に自信がなかったはずだ。
それが少しずつ成長している事を確かめられて喜んでいるように見えた。
「…………っ…………はぁっ…………うっ…………はぁっ…………っ…………」
それが愛する男ただ一人に向けられているものなら良いだろう。
清純とは言えないかもしれないが、貞淑ではある。
しかし、彼女の性奉仕のための技術は、パートナーである男性以外に振舞うために磨かれている。
これから喫茶店へ来る客、夫となる相手の知り合い、それから全ての原因である俺に。
彼女自身は何の自覚もなく、ただ想い人との幸せな未来をいち早く掴むために。
それがどれだけ不貞と背徳に塗れた道程かも知らずに。
「…………♥イきそうですか?……お好きなときに出してください、クルスさん♥」
こちらの反応に限界を悟ったのだろう、手指を上下する勢いとは裏腹に、リディアはスカイブルーの綺麗な瞳を細め、優しく声をかけて来る。
そんな彼女を見ていると、俺も我慢が利かなくなってきた。
「っ…………うっ…………ふっ…………はぁっ…………リディアッ…………イクっ…………手でっ……君の手でっ……受け止めてくれっ…………はぁ…………ふっ…………」
せっかくだし今回はミラの時のように、彼女の手に出させてもらう事にする。
そして安心してくれリディア、君とルシオ君の幸せな結婚生活は俺が与えてあげよう。
俺に出会わなかった本来のリディアよりも、前倒しで式をさせてあげるし、喫茶店も今よりもっと繁盛する、さらには想い人との子供も授かれる。
愛する人と結ばれるんだから、これ以上ない程の幸福だろう。
俺はその幸せをほんの少し、おすそ分けしてもらうだけさ。
「手、ですか?わかりました♥私の手でクルスさんの精液をしっかり受け止めます♥」
俺の言葉を聞いた彼女は、少しだけ体勢を整えた。
竿を扱いている方とは別の手を使い、ペニスの先端を塞ぐように覆いかぶせて来たのだ。
彼女の細い指がペニスの先端に少しだけ触れ、痺れるような、こそばゆい刺激が与えられた。
それによってさらに性感が高められ、こちらも我慢の限界だ。
「…………ふっ…………っ…………はぁっ…………はぁっ…………うっ…………出すぞっ……………………リディアッ…………っ…………はぁっ…………イクっ…………」
俺の射精宣言を受け、彼女は嬉しそうに返して来た。
「はい♥私の手に好きなだけ出してください♥クルスさんにご満足いただけて嬉しいです♥」
心からのモノだと分かるような、満面の笑みだった。
俺を射精に導けたからだろう、彼女の頬は喜びにより赤く染まっていた。
これまで俺は彼女の身体を使い、射精していたといってもいい。
性奉仕として自分が主体になって男性をイかせるのは、彼女にとって初めてなのだ。
「……っ…………はぁっ…………はぁっ…………うおおっ!…………イクっ!…………イクっ!!…………ううっ!!!」
俺の欲望が決壊した。
ドピュッッ♥ドピピュッ♥ドピュピュッ~♥ドピュー♥ドピュ~♥
「っ♥……あっ♥でたっ♥すごい♥あったかい♥…………」
自分の手の中に射精されたリディアが、驚きと共に素直な感想を漏らす。
「…………っ……………………はぁ…………はぁ…………はぁ………………………ふぅ…………」
俺はその感想を聞きながら、射精後の余韻に浸っていた。
全身を襲う疲労感に身を任せ、このままもうひと眠りしたくなる。
少しだけ寝てしまおうかと瞼を下ろした瞬間、リディアからの鋭い声が飛んだ。
「……あっ、ちょっとっ、クルスさん!寝ちゃダメですよ!」
先ほどの嬉しそうな表情はどこへやら、不機嫌そうな眼差しだ。
こちらの二度寝を許してはくれないらしい。
両手を俺の精液で汚しながら、彼女は続けた。
「今日は職業斡旋所へ行くんでしょう、午前中に済ませたいんですから、早く起きて準備してください」
俺は彼女に対する反論の言葉を持たず、肩を落としながら頷きを返した。
*
その後、俺たちはリディアの作ってくれた朝食を一緒に食べ、職業斡旋所へ向かう事にした。
彼女は仕事着だったが、施設内には他にも何人か仕事着の人がいたので、浮いているという事もなかった。
職員に書類を渡され、必要事項を記入してから返して、料金を払ってそれで終わり。
住民票を持っているのがリディアということで、彼女が主体となって手続きを進めていた。
俺はその横で見ているだけだったので、正直いらなかったかもしれない。
これで募集要項を見て働きたい者が現れれば、直接店の方に来てくれるらしい。
その場で面接して合否を伝える、という流れだ。
恐らく俺が面接を担当する事になるだろう。
リディアはお客さんの対応で忙しいし、うっかり変な相手を雇ってしまうのも困る。
「思っていたよりすぐに終わりましたね」
職業斡旋所から出た後、リディアが声をかけて来た。
彼女としても拍子抜けだったようだ。
「そうだな、だいぶ時間があまったけど、どうする?」
俺はそんな彼女に対して、これからの予定を確認した。
「うーん……今は買い出しの必要もないですし、午後からの営業に備えて、早めにお店の準備をすませてしまう位でしょうか。クルスさんはどこか寄りたい所はありますか?」
リディアが指を顎に当てながら思案するが、結局これといった用件はないらしい。
俺の希望を確認してきた。
「気になる所は昨日回ってしまったからな、特に思いつかないよ」
彼女からの問いかけにはこちらとしても少し困ってしまう。
朝食を食べたばかりだし、お腹はすいていない。
パっと思いつくのは魔道具屋か冒険者ギルドだが、前者はお金が無くて冷やかしにしかならず、後者については昨日の今日だ、いくらなんでも状況に変化はないだろう。
「そうですか……では、お店に戻りましょうか」
俺の返事を受けて帰宅する事に決めたのだろう、頷いたリディア。
その綺麗な顔を見て、一つ思いついた事があった。
「そうだ、リディア。店に戻るんならこういうのはどうだろう?――」