異世界で、好き勝手して、生きていく 作:瑜伽
リディアを先に帰してから、しばらく時間をつぶした後、俺は喫茶店に戻って来た。
よし、と少しだけ気合を入れて目の前のドアを開く。
*
「いらっしゃいませ」
ドアが開いた音に気が付いたのだろう、カウンター内にいたリディアがこちらに声をかけてくる。
その格好は先ほどと変わらず仕事着のままだ。
俺はその声に対し軽く会釈を返すと、店内に歩みを進めた。
「お好きな席へどうぞ」
リディアの案内に従い、俺はカウンター席の端に座る。
「そちらが当店のメニューとなっております」
目の前に置かれたメニューを確認すると、そこには喫茶店でよくある飲み物や軽食が並んでいたのだが、突然、自身の目を疑うような文字が飛び込んできた。
リディアの性奉仕、手、口、胸、まんこといったモノだ。
まぁ、俺が原因なんだが。
「すいません、このリディアの性奉仕っていうのは……?」
戸惑った表情を作りながら声をかけてみると、返って来たのは平然とした返答だった。
「そちらは従業員の身体を使って、お客様に性奉仕をするといったものになります。……申し遅れました、私、この喫茶店の店長を務めているリディアと申します」
彼女の口から出て来たのは、メニューの内容が間違いでは無い事を裏付けるような説明だった。
「例えば手をご注文でしたら私の手を使って、お客様を射精に導きます。原則として一度の注文で射精は1回までとなっております。時間を空けて2回、3回と射精したい場合は、その都度ご注文をいただきますのでご注意ください」
淡々と言葉を発する彼女に、興奮が掻き立てられる。
それを表に出さない様に気をつけながら、俺は言った。
「わかりました。他では聞いたことがないですし、せっかくだからこれを注文してみようかな」
あくまで珍しいメニューを見た、といった程度の反応で返す。
「ありがとうございます、メニューに書いてある中から、ご希望の性奉仕をお選び下さい」
これから自分自身の身体をただのお客さんに提供する、というのにその表情は笑顔のままだ。
彼女の中では紅茶やコーヒーを提供する事とまるで変わりがないのだ。
「うーん……それじゃあリディアの性奉仕、口を1つお願いします」
俺は消去法で決めた。
手は朝にやってもらったし、胸やおまんこだと仕事着を汚してしまう可能性がある。
それを防ぐために着替えをするというのも手間だろう。
本格的に風俗喫茶店が稼働すればそんな事は言ってられないが、今回はお手軽に済ませた方がいいと判断した。
「かしこまりました、リディアの性奉仕、口ですね。少々お待ちください」
リディアは笑顔で頷くと、カウンター横の小さなドアから移動し、こちらの席に歩み寄って来た。
そのまま俺の前で跪き、彼女は頭をさげる。
「お客様に感謝をこめ、私の口でご奉仕いたしますので、ご満足いただければ幸いです」
言いながらこちらのズボンとパンツに手をかけ、彼女はゆっくりと下ろしていく。
「っ……」
男性の身体に対する照れと羞恥はいまだに残っているのだろう。
リディアは飛び出した半勃起状態のペニスを見て、少しだけ息を呑んだ。
「それでは、失礼いたします……」
緊張を隠すように彼女はゆっくりとペニスに口元を近づける。
目元にかかった前髪を払う仕草が色っぽかった。
「……ちゅっ♥」
リディアが俺のペニスに口づけを落とした。
静かな喫茶店の店内に、淫靡な水音が響き渡る。
彼女にとっての口奉仕開始の合図だ。
「……ぺろっ♥…………れろっ♥…………」
舌を使い、ペニス全体を舐め清めるリディア。
俺の手ほどきにより、彼女の性技も少しずつ上達している。
このまま成長すれば熟練の娼婦並みの技術を手に入れる事もできるかもしれない。
「…………れろっ♥…………れろっ♥…………ふぅ…………」
一通り舐め終えたと判断したのか、一息ついたリディア。
喫茶店で店員に性奉仕を受けているという異常な状況も相まって、その頃には俺のペニスも完全に勃起していた。
自身の性奉仕によって勃たせられたと判断したのか、彼女は満足そうだった。
「……お客様のお好きなタイミングで出してくださいね♥…………あむっ♥……」
綺麗なスカイブルーの瞳を細めながら、彼女は俺のペニスを完全に口内に包み込んだ。
「…………」
下半身に快感が走る。
しかし、彼女の言葉を受けた俺は一つの問題点について考えていた。
その問題点とは、回転率だ。
元々はただの思い付きだったので、一度の注文で一回の射精、と適当に決めていたが、従業員の性奉仕が拙すぎたり、お客さん自体の問題で射精に時間がかかる場合、従業員が長時間拘束される割に、すぐに射精するお客さんと同じ分しか代金を得られない。
これは由々しき問題ではないかと。
「…………んっ♥…………ぴちゃっ♥…………ちゅっ♥…………じゅるっ♥…………ぴちゅ♥…………じゅるるっ♥…………ちゅっ♥…………」
リディアの口奉仕が激しさを増し、考え事をしていた俺を現実に引き戻した。
今は一人のお客さんとして、性奉仕を受けるべきだな。
「……っ、店員さん。それ、気持ちいいです…………」
客と従業員、という態度を崩さずにリディアに声をかける。
俺の言葉にリディアは嬉しそうに目を細め、さらに性奉仕に熱を入れた。
「…………♥はいっ♥…………ちゅっ♥…………じゅるっ♥…………わたしのっ……口にっ♥……だしてくださいっ♥…………」
その整った顔を前後させ、俺をイかせようとするリディア。
こんなに綺麗な女性が、喫茶店の一メニューとして身体を提供してくれる。
俺の中の力が無ければ絶対にありえなかっただろう。
「…………うっ…………あっ…………店員さんっ…………もうイきそうです…………」
寝起きに性処理をしてもらったので、もう少しなら我慢できないことも無いが、それをする意味もない。
リディアの自信にもなるだろうし、そろそろ出して終わりにしよう。
「……っ♥…………っ♥…………じゅるっ♥…………っ♥……………じゅっ♥…………」
俺の言葉を聞いて性奉仕の終わりを悟ったのか、最後の追い込みと言わんばかりにさらに激しく頭を振る彼女。
「…………はぁ…………はぁ…………あっ…………いいっ!…………店員さんっ!…………イクっ!…………イクッ!!…………あぁぁっ!………………………………うっ……………………」
ドピュッ♥ドピュピュッ♥ドピュッ♥ドピュ~♥
俺はリディアの口の中で果てた。
「~~~っ♥」
彼女は自身の性奉仕で満足させられたからだろう、上目遣いでこちらを見ながら、微笑んでいる。
「はぁ……………はぁ……………ふぅ…………はぁ…………ふぅ……………………」
俺は射精後の余韻に浸りながら考えていた。
お客さんに口内射精された場合、そのまま飲み込むのか、吐き出すのか。
そんな事も決めておかないといけない。
「……………………こくっ♥」
風俗喫茶店への改装後について考えていると、リディアの細い喉が何度かこくりと鳴った。
今回はそのまま飲み込む事に決めたようだ。
基本的にリディアの口内に出す時は飲み込んでもらっていたから、本人は出された精液は飲み込むのが当たり前だと思っているのかもしれない。
一度や二度なら良いが、一日に何度もお客さんの相手をする場合、彼女にとっては負担になりすぎるだろう。
「……この度は私の性奉仕でお射精いただき、ありがとうございました♥またのご注文をお待ちしております♥」
リディアが笑顔でこちらに頭を下げる。
それに対して、俺は喫茶店に訪れた一人の客として笑顔で答えた。
「こちらこそ気持ちよく出させてくれてありがとう、機会があったらまた注文させてもらいます」
さて、今回はこれくらいでいいだろう。
*
リディアを先に帰らせた理由は風俗喫茶店の予行演習だ。
彼女自身は裏メニューとして提供するので、少しやり方は違うのだが、これから雇う予定の従業員は普通に身体を提供してもらう。
なのでその流れを我々が知っていないと話にならないと考え、リディアを従業員役、俺が喫茶店に訪れたお客さんの役、とする事で問題の洗い出しを行ったわけだ。
実際、いくつか問題点は見つかったしな。
「――って感じかな」
今は俺が気になった点をリディアに伝え終えた所だ。
それを受けてリディアは表情に思案の色を浮かべている。
「……なるほど、そんな問題が」
解決方法を考えているのだろう、小首を傾げるたびに彼女の綺麗な髪が揺れる。
俺はその髪を見ながら明るく言った。
「まぁまだ従業員も募集したばかりだし、時間はあるさ、ゆっくり考えよう」
俺の言葉にそれもそうだと納得したのか、一つ頷いたリディアがこちらに声をかけてくる。
「そうですね。クルスさん、お客さんの役をしてくださってありがとうございました」
ぺこりと頭を下げ、お礼を伝えてくるリディア。
俺はそんな彼女に対して軽く声をかけた。
「気にしないで、午後からの営業もがんばってね」
俺の言葉にはい、と淑やかな笑顔を見せるリディア。
風俗喫茶店としてオープンする日が楽しみだと思いながら、俺は借りている部屋に戻るため、階段を上がっていった。