7
その翌日。
男たちを引き連れて現れた白浪は、てきぱきと二人に立ち位置の指示を出す。
「そう、その位置に座るんだ」
「……」
今日は、背もたれのない低い台の上に座るよう求められた。
台の幅は肩幅より狭い。平均台やシーソー程度の幅の台の左右の端に座るよう要求された二人は、台を跨ぐようにして向き合って腰掛ける。
向き合う玲と美沙希は、握手くらいなら出来る距離。しかし二人とも後ろ手に手錠をかけられており、何も出来ないままモジモジと腰を揺らしていた。
「ンだよ、もうケツ穴で感じてんのか?」
そんな二人の様子に白浪が言えば、部屋にいる男たちはクスクスと笑う。
「っ……!」
玲と美沙希の頬が染まり、菊座への意識が強くなってしまう。
(こんなことで……)
二人のアヌスには、すでにバイブが挿入っていた。
白浪はこの部屋を訪れるなり、二人にアナルバイブの挿入を求めたのだ。拒もうにもまたナイフをちらつかされ、先に玲が、続いて美沙希が自らの裏穴にバイブを埋め込むことになってしまった。
バイブには遠隔スイッチが備わっていて、白浪は二人分のリモコンを握っている。
いつバイブが作動するか分からない状態で冷や冷やしっぱなしの二人をよそに、男たちはガヤガヤと準備を進めている。
「よし、チェーン着けるか」
一人の男が玲に近づく。
男の手の中には、ネックレスチェーンのような細い鎖が二本ある。両端についた金具のうち片方が開いて、玲の胸に近づく。
「……っ!」
身構える玲の胸元、リング状のピアスに金具が取り付けられる。
チェーンのもう一端は美沙希のピアスに。もう一本の鎖も同じく玲と美沙希の乳首ピアスに取り付けられ、二人は恥辱のピアスによって繋がれる。
「これで良し、あとは――」
男が振り向けば、すかさず白浪は彼にニードルを差し出す。
「あ……!」
その鋭利な輝きを見るのは昨日ぶりのこと。
乳首を穿たれた痛みは今も生々しく残っている。男と白浪が持つニードルを前にして二人は青ざめ、ガタガタと震えだすが、男たちはそんなことには構わず二人の股間に手を伸ばす。
「ひっ……」
男に割れ目を広げられ、怯懦の声を漏らす美沙希。
玲も白浪から同じ目に遭っていた。淫裂を指で開かれ、ピンク色の複雑な襞が暴かれる。白浪がさらに襞を広げると、引っ張られた包皮の内側にあるクリトリスまで姿を見せる。
「同時にいくぞ」
「うす。合図お願いします」
頷きあう男二人の持つニードルは、それぞれの淫核を指していた。
「え……」
「う、うそ……嘘、ですよね……?」
恐怖のあまり表情が失せる玲に、涙目で問いかける美沙希。
しかし二人は返事をせず、ニードルの切っ先がクリトリスから逸れることはない。逃げ出そうにも目の前には鋭利な先端があり、手錠のせいで身体の自由もない――無力な二人を前に、白浪はニードルを振りかぶる。
「せーのっ!」
掛け声とともに、玲と美沙希のクリトリスがニードルに穿たれる。
「う゛ぁ……!」
「ぐ……ッ!!」
あまりの衝撃に悲鳴すら出ない。
振りかぶられたニードルの衝撃に合わせて二人は前屈みに。美沙希の長い髪が玲の目の前で揺れ、霞んだ視界の中で美沙希の睫毛が震えた。
上から下へ突き入れられたニードルは二人が座る木製の台に突き刺さった。白浪たちが手を離してもニードルは台に刺さったまま自立し、二人は背を丸めた姿勢のまま今度こそ動けなくなる。
「ッは……ぁ……」
「うぐ……ぅ、うう……!」
最大の性感帯を貫かれ、過剰な刺激が二人を襲う。
攻撃を受けたのはクリトリスの一点だけなのに、全身の神経を引っ掻き回されたような衝撃があった。
衝撃のほとんどは激痛だが、忌々しいことに若干の快楽も含んでいる。凌辱漬けの身体はこんな行為にすら悦びを見出して、台に密着した秘所がジットリと蜜を分泌しだす。
「ぁ――う、っく……」
「準備できたな。始めるぜ」
二人の息も整わぬうちに、白浪はリモコンのスイッチをオンに。
「――っひいぃいい……!?」
突如として動きだしたアナルバイブに、美沙希のすっとんきょうな悲鳴が響く。
「ぐ、う……ッ!! う――ふ、うう……ッ!!」
玲もまた、肛肉をこね回されて息を乱す。
無機質なアナルバイブの振動は、昨日の彼らのレイプよりずっと優しい。昨日のことでほぐれた菊肉全体に行き渡る刺激は奇妙なほど甘やかに感じられて、二人の呻きには熱が籠もってしまう。
「アナルでヨガってんな」
「玲の方、かなり気持ち良くなってねえか?」
裸身を悶えさせる二人を見る男たちは、ギラついた目を玲に向ける。
「――っく……ふ、……ぅ……っ!」
玲はしきりに腰を左右に動かし、熱っぽい溜息を漏らしている。
短く切りそろえた髪越しに覗く顔は真っ赤に火照り、下腹部が疼いているのか腹筋が動いているのが見て取れる。明らかに快感を覚えている玲の様子はエロティックで、見られている事実が玲をますます滾らせる。
(こんなことで――感じたくないのに……!)
感じる姿を見られるのは、レイプされるのと同じくらい口惜しい。
性奴隷として過ごした日々のせいで、玲のアヌスは性感帯として育ちきっていた。膣穴と同じくらい敏感な肛内をバイブにえぐられるだけで抑えきれない疼きがこみ上げて、淫核を杭打たれているにも関わらず腰が跳ねてしまう。
「う……ぁ、っふ――あぁッ……!」
「ケツ穴だけでイけるんじゃねえか、こいつ」
「良いぜ、イけよ」
白浪は愉快そうに言って、更にリモコンを操作。
すると、短い振動が玲の腸内を連打しだす。ヴッヴッヴッと低いモーター音が菊肉全体に広がれば玲はたまらず、丸めた背中に肩甲骨を浮き上がらせて。
「あ――ぁ、あッ――ああッ……!!」
連撃の中で、バネ仕掛けのように上体を跳ね上げる。
「――っはぁああぁあッ……!!」
髄喜の叫びとともに達する玲は、杭打たれているにも関わらず飛び上がる。
玲が背を反らしたとたん、乳首のチェーンで繋がった美沙希の身体も浮いてしまう。
「――!?」
浮いた高さも時間もごく僅かだが、クリトリスに突き立てたニードルが台からすっぽ抜けるには充分。
弾けるように美沙希のクリトリスからニードルが抜け、床を滑る――その瞬間の激痛に、今度は美沙希が自ら飛び上がって。
「ぎぁ゛――!!」
「あッ、ひ――ひぁあああッ……!!」
二人を繋ぐ乳首のチェーンが騒音を奏でた直後、玲のクリトリスからもニードルが抜けてしまう。
「――ぃ゛……!!」
絶頂のさなかに走る激痛に目を白黒させる玲。
「ぁ゛う……! ぐ、――ぁ゛……!!」
「ぅうう……ッ!!」
カラン、と床にニードルが落ちて、二人は天井を仰いでわななく。
貫かれたばかりのクリトリスから溢れた血が台を濡らす。熱い血を互いの肌に感じながら、玲はいまだ逐情に囚われて腰を跳ねさせている。
「――ぅっ、ふ……っ、ふ……うう……!」
「血が出てるのに気持ち良いってか。とんだ変態だな」
「うう……っ……!」
白浪のからかいも、秘所に迫るカメラも目に入らない。
目の前にいる美沙希の身体が痙攣する。快楽よりも痛みが勝った美沙希はウェーブヘアを大きく揺らしながら悶え続け、クリトリスから大量の血を吹き出している。
「ぅ……あ……ああ……っ」
「っく……うう……」
快楽と苦しみの呻きが交わる。
足元では、玲と美沙希の血が混ざり合っていた。