「さて、綴木先生。次の掲載テーマが決まりました」
羽良嶋さんが、俺の前に一枚の企画書を滑らせた。その瞬間、打ち合わせスペースの空気が、心なしかピリリと引き締まるのを感じた。
「えっと…『魔都精兵のスレイブ』?」
「ええ。大人気連載の、公式アンソロジー企画です」
俺は思わず、受け取った企画書をまじまじと見つめ直した。魔都精兵のスレイブ。名前はもちろん知っている。週刊少年ジャンプの看板バトル漫画の一つだ。異空間「魔都」と、そこから現れる怪物「醜鬼」。特殊能力を得た女性だけの武装組織「魔防隊」と、彼女たちの指揮下で戦う男「スレイブ」の物語。
アンソロジーってことは、本編とは別に、色んな作家がこの世界観を使って思い思いの漫画を描く、ってことだ。
「これはまた…デカい企画にぶち込んでくれましたね」
「BLACKが、単なる性描写だけの雑誌ではないという証明にもなります。それに、あなたの強みを活かせるテーマでもある」
羽良嶋さんは、いつもの冷静な口調で言ったが、その目は期待に光っているように見えた。俺は企画書をもう一度見返す。そこには「作品解説」と題されたページがあった。彼女が、スッと横から指を差す。
羽良嶋さんの声が、少しだけ熱を帯びる。資料を読み込んだのか、それとも元々のオタク気質が出ているのか。
「主人公の和倉優希は、魔防隊七番組の組長、羽前京香の能力で『スレイブ』、すなわち奴隷となります。この主従と信頼の関係。そして、京香を始めとした魔防隊の女性たちが、己の欲望やトラウマと向き合いながら戦う姿。ただの能力バトルじゃない、人間賛歌であり、欲望の肯定でもあるんです」
「なるほど…女性キャラそれぞれが、何かしらのコンプレックスを能力に変えて戦ってるってことか」
「そうです。そこがポイントです」
羽良嶋さんは、ピンっと指を鳴らした。
「このアンソロジーで求められているのは、単なるスピンオフじゃない。『魔都精兵のスレイブ』という作品が持つ、様々な側面を、各作家がどう料理するか、なんです。ある作家はバトルを、ある作家は恋愛を、ある作家はコメディを、切り取るでしょう」
彼女は俺の目をじっと見据えた。
「綴木先生。あなたはこの作品の、どの『欲望』を切り取りますか? 京香の支配欲? 優希の献身? それとも、他の組員の飢え?」
俺は企画書の表紙、羽前京香の勝ち気なイラストを見つめながら、ペンを回した。
アンソロジー。他の作家も同じ原作から飛び立つなら、俺はどう差別化するか。
「まずは、キャラクターから決めないとな」
ジャンプBLACKのアンソロジーになる作品は?
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HUNTER×HUNTER
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NARUTO
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ONE PIECE
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鬼滅の刃
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ダイの大冒険
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チェンソーマン
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ドラゴンボール
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魔都精兵のスレイブ
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僕のヒーローアカデミア