目覚めた時、俺はまだ生きているのか疑った。
全身が鉛のように重く、関節の一つ一つが錆びついた機械のように軋む。枕元の時計が示す時間は、午後の三時。約半日、文字通り泥のように眠っていたらしい。
「…起きた、か」
咽喉が渇いてひりつく。重い頭を起こし、水を一杯飲み込んで、ようやく現実感が脳に浸透してきた。
テーブルの上には、透明のビニールに包まれた一冊の雑誌が置かれていた。
『ジャンプBLACK』の見本誌だ。
手に取ると、ずしりとした重みが掌に乗る。表紙を飾っているのは、魔防隊七番組組長・羽前京香だ。
「うわ…」
思わず声が漏れた。
原作のタカヒロ氏の構想を、作画の竹村洋平氏がどう料理したか。京香の纏う軍服の質感、鋭い眼光、そしてその裡に秘めた主の矜持。原作の空気を損なうことなく、竹村氏の艶やかな描線で再構築されている。これは脅威だ。プロの、トップランナーの仕事だ。このアンソロジーのハードルが、これ以上ないほど視覚的に示されている。
俺は震える指でビニールを破り、ページをめくった。
まずは目次だ。
そこには、今回のアンソロジーに参加した作家たちの名と、それぞれが選んだキャラクターが記されている。
そして——
綴木想真:『東風舞希』
自分の名前が、鉛字になってそこにある。
白紙の原稿用紙と格闘していたあの夜が、鮮やかに蘇る。舞希さんの苦悶、そして主人公が踏み越えた一線。それら全てが、この一冊の中に閉じ込められている。
俺は深く息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。
心臓の鼓動が、トクン、トクンと静かに、だが確かに速くなっていく。
自分の作品が、この列に並んで恥ずかしくないものになっているだろうか。
久我山の毒気、新人之介の静謐、そして竹村氏の圧倒的な画力。その中にあって、俺の『東風舞希』は、ただのエロティックな人妻ものに埋没していないか。舞希さんの「聖母」としての顔と、「女」としての渇望。そのギャップを、読者はどう受け取るのか。
見本誌を閉じる。表紙の京香が、試すように俺を見下ろしているように見えた。
結果が出るまでは、もう少し時間がある。
だが、戦いはもう始まっている。
俺はソファに深く沈み込み、天井を見上げた。緊張が、布のように体に絡みついてくる。
果たして、俺はどこまで行けるのか。
その答えを知るまで、俺の心臓はずっと、この音を刻み続けることになるだろう。
俺はソファから身を起こし、再び見本誌を手に取った。
指先が冷たい。ページをめくる音が、静かな部屋の中でやけに大きく響く。
自分の作品を読み返すというのは、常に拷問に近い。
描いている最中は没頭しているからこそ客観性が失われ、完成して冷静になると、粗が目につきすぎて胃が痛くなる。だが、他者と競う場においては、この自己分析こそが生死を分ける。
ジャンプBLACKのアンソロジーになる作品は?
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HUNTER×HUNTER
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NARUTO
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ONE PIECE
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鬼滅の刃
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ダイの大冒険
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チェンソーマン
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ドラゴンボール
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魔都精兵のスレイブ
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僕のヒーローアカデミア