※この作品はR-18です。

読み切り漫画家・綴木想真は連載したい   作:ボルメテウスさん

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アンソロジーが開かれる時

目覚めた時、俺はまだ生きているのか疑った。

全身が鉛のように重く、関節の一つ一つが錆びついた機械のように軋む。枕元の時計が示す時間は、午後の三時。約半日、文字通り泥のように眠っていたらしい。

 

「…起きた、か」

 

咽喉が渇いてひりつく。重い頭を起こし、水を一杯飲み込んで、ようやく現実感が脳に浸透してきた。

 

テーブルの上には、透明のビニールに包まれた一冊の雑誌が置かれていた。

『ジャンプBLACK』の見本誌だ。

手に取ると、ずしりとした重みが掌に乗る。表紙を飾っているのは、魔防隊七番組組長・羽前京香だ。

 

「うわ…」

 

思わず声が漏れた。

原作のタカヒロ氏の構想を、作画の竹村洋平氏がどう料理したか。京香の纏う軍服の質感、鋭い眼光、そしてその裡に秘めた主の矜持。原作の空気を損なうことなく、竹村氏の艶やかな描線で再構築されている。これは脅威だ。プロの、トップランナーの仕事だ。このアンソロジーのハードルが、これ以上ないほど視覚的に示されている。

 

俺は震える指でビニールを破り、ページをめくった。

まずは目次だ。

そこには、今回のアンソロジーに参加した作家たちの名と、それぞれが選んだキャラクターが記されている。

 

 

そして——

 

綴木想真:『東風舞希』

 

自分の名前が、鉛字になってそこにある。

白紙の原稿用紙と格闘していたあの夜が、鮮やかに蘇る。舞希さんの苦悶、そして主人公が踏み越えた一線。それら全てが、この一冊の中に閉じ込められている。

 

俺は深く息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。

心臓の鼓動が、トクン、トクンと静かに、だが確かに速くなっていく。

 

自分の作品が、この列に並んで恥ずかしくないものになっているだろうか。

久我山の毒気、新人之介の静謐、そして竹村氏の圧倒的な画力。その中にあって、俺の『東風舞希』は、ただのエロティックな人妻ものに埋没していないか。舞希さんの「聖母」としての顔と、「女」としての渇望。そのギャップを、読者はどう受け取るのか。

 

見本誌を閉じる。表紙の京香が、試すように俺を見下ろしているように見えた。

 

結果が出るまでは、もう少し時間がある。

だが、戦いはもう始まっている。

俺はソファに深く沈み込み、天井を見上げた。緊張が、布のように体に絡みついてくる。

 

果たして、俺はどこまで行けるのか。

その答えを知るまで、俺の心臓はずっと、この音を刻み続けることになるだろう。

俺はソファから身を起こし、再び見本誌を手に取った。

指先が冷たい。ページをめくる音が、静かな部屋の中でやけに大きく響く。

 

自分の作品を読み返すというのは、常に拷問に近い。

描いている最中は没頭しているからこそ客観性が失われ、完成して冷静になると、粗が目につきすぎて胃が痛くなる。だが、他者と競う場においては、この自己分析こそが生死を分ける。

ジャンプBLACKのアンソロジーになる作品は?

  • HUNTER×HUNTER
  • NARUTO
  • ONE PIECE
  • 鬼滅の刃
  • ダイの大冒険
  • チェンソーマン
  • ドラゴンボール
  • 魔都精兵のスレイブ
  • 僕のヒーローアカデミア
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