※この作品はR-18です。

読み切り漫画家・綴木想真は連載したい   作:ボルメテウスさん

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大きな差は

悔しさを胸に抱えたまま、俺は次の読み切りへ向けて頭を切り替えようとしていた。

机の上には白い原稿用紙。いや、今はまだ真っ白な「画面」だ。タブレットにペンを走らせようとしては、すぐに手が止まる。ネームの入り口で迷子になる感覚。アイデアが足りないわけじゃない。ただ、頭のどこかであの「二位」という数字がぐるぐると回っていて、思考のブレーキを踏まれているみたいだった。

 

「くそっ、しつこいな……」

 

誰に言うでもなく呟いた。

ペンを置いて背もたれに深く寄りかかる。天井を見ると、夜遅くまで点けっぱなしの蛍光灯がジジッと点滅していた。

 

その時、スマホが振動した。

画面には「ジャンプBLACK編集部」とある。羽良嶋さんからの着信だった。指でタップする。

 

「もしもし、綴木です」

 

『遅くにごめんなさいね。全然大丈夫だった?』

 

羽良嶋さんの声は、相変わらず落ち着いていて、それでいて電話越しだとほんの少しだけ柔らかい。

「ええ、まあ。ネームが……まだ、うまく形にならなくて」

 

『そう。だから連絡したのだけど、相談があるのよ』

 

彼女は一拍置いてから続けた。

 

『次の読み切り、別の担当に話を通してみない?』

 

「……別の担当、ですか?」

 

『編集長の提案なの。あなたの作品は今、読者アンケートで上位に入るくらいまで来てる。でも、編集部評価ではどうしても「羽良嶋の視点に寄りすぎている」って声が出てる。だから次は、別の編集者に客観的な意見をもらってから、もう一度羽良嶋が最後に詰める。そういう二段構えを試してみたいんですって』

 

俺は息を呑んだ。

羽良嶋さんの視点に寄りすぎている、か。

言われてみれば確かに、ここ最近のネームは「羽良嶋さんにどう思われるか」を無意識に気にしていたかもしれない。彼女が求める「欲望の深さ」や「ハッピーエンドへの到達」に、俺の描きたいものをすり寄らせていた気がする。

 

「それで、相手の編集者は……?」

 

『まだ決まってないわ。だから明日、編集部に来てほしい』

 

「分かりました。行きます」

 

返事をして通話を終えた。

心臓が少しだけ高鳴っている。新しい視点。自分にはない考え方に出会えるかもしれない。

「別の担当……か」

 

俺は再びペンを手に取った。頭の中にぼんやりと、次の物語の影がよぎる。まだ輪郭を結ばないけれど、今度こそ、二位の悔しさをぶつけられる気がした。

 

「だからこそ、これまでの方法とは違う視点が必要かもしれない」

 

一位と二位の壁。

その差は大きく、だからこそ。

 

「絶対に覆してみせる」

ジャンプBLACKのアンソロジーになる作品は?

  • HUNTER×HUNTER
  • NARUTO
  • ONE PIECE
  • 鬼滅の刃
  • ダイの大冒険
  • チェンソーマン
  • ドラゴンボール
  • 魔都精兵のスレイブ
  • 僕のヒーローアカデミア
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