俺はキャラクターの全身ラフを見つめた。
黒い修道服。フードで顔以外を隠すデザイン。おばあちゃん口調とショート金髪のギャップ。ここまで決まった。
「で、問題はここからですね」
羽良嶋さんがラフの胸元を指差した。平坦な服のライン。問題はまさにそこだ。
「修道服の下はどうするんですか?」
羽良嶋さんの声が低くなった。核心を突かれた。
修道服は身体の曲線を殺す。胸も尻も包み隠す。BLACKの読者が求めるエロティシズムは、肌の露出か、布の裂け目か。どちらにしても修道服には似合わない。
「布地を変えたりするのもいいんですけど…それだとこの清楚なイメージが崩れるんですよね」
俺はラフの胸元を指先でなぞった。黒い線が上下左右にぴったりと張り付いている。
「そもそも…」
ふと思い当たった。
「修道服って、体型を誤魔化してるんじゃないんですよ。逆だ」
「どういう意味ですか?」
羽良嶋さんが眉を寄せた。
「布地が厚くてタイトな分、むしろ身体の一部は隠せないんじゃないかと思って」
俺はラフを回転させ、正面から胸部に焦点を当てた。
「例えば…この豊かな胸」
ペン先で丸みを描く。平坦な服のラインにぽっこりと膨らみが出た。
「修道服で身体の大半は覆えるけど、胸の膨らみだけはどうしようもない。布地が引っ張られて張り詰める。その輪郭が浮かび上がる」
俺の指がペン先で円を描く。
「布地を重ねて押さえつけても、押し返してくる質量。この布一枚の下に潜む肉感」
羽良嶋さんの目が細くなった。
「…物理的な抵抗が生まれるんですね」
「そう。服が信仰心の厚さを示す一方で、胸の膨らみは人体の引力を主張する。その相反する力がぶつかって生まれる緊張感。布一枚隔てた質量感」
俺はペンを置き、キャラクターの手に手袋を描き足した。その手が無意識に胸元を押さえる仕草。
「シスターは手袋をした手で胸元を押さえたりする。それが無防備でないからこそ、却って意識してしまう。布地の下に隠されているはずのものが、布地そのものを変形させて主張しているんだから」
羽良嶋さんがゆっくりと頷いた。
「神聖な布地による異論。黒い布地と白い肉体の境界線が、ただの倫理を超えてしまっている」
「これが最大の武器ですね。このキャラクターのエロティシズムは、布を脱ぐことじゃなくて、布が身体の線を写し取ってしまうこと。その不可抗力から生まれるものだ」
俺は自分のラフを見下ろした。平坦な修道服の上に描いた丸い膨らみ。そこには衣服と肌の境目を超えた表現が宿っている。
「この修道服越しの豊満さを最大限に生かしましょう。直接見せるのではなく、見てはいけない部分を敢えて見せる構造にする。それが『神聖なもの』と『禁忌』のバランスになります」
ジャンプBLACKのアンソロジーになる作品は?
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HUNTER×HUNTER
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NARUTO
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ONE PIECE
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鬼滅の刃
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ダイの大冒険
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チェンソーマン
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ドラゴンボール
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魔都精兵のスレイブ
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僕のヒーローアカデミア