ダウナー系JKの妹が、平然とエッチさせてくれる話。 作:東雲(しののめ)
――楓と本気でセックスしたい。
妹と見知らぬ男の情事を目撃して。
自分の中で決意が固まる。
己の無知さ、己の臆病さ、己の器量の小ささ、それらが全て変わったわけではない。
しかし妹を愛するこの気持ちだけは本物だと気づく。
――楓と本気でセックスする。
抱えていた淡い願望が、確かな想いとなって胸に燃える。
楓が帰ってきたらすぐさまこの気持ちをぶつけよう。
抱きしめ、唇を交わし、自らの男のありったけ注ぐと決める。
「――ただいま」
まだかまだかと待ち焦がれている。
彼女が帰ってきたのは、最後の連絡があってから一時間近く経ってからからだった。
玄関が開く音、いつもの声、俺は一目散に駆けつけた。
「お、お帰り」
声が震えている。
それに対し楓は靴を脱ぎながら、こくんと頷いた。
靴の両踵を揃えて置くと、こちらの目の前に立つ。
そして俺の目を見て、それから滾った下半身、最後にまた俺の目を見た。
「我慢の限界、って感じだね」
俺が何を望んでいるか、楓にとっては一目瞭然だっただろう。
だとすれば話は早い、俺は有無を言わせず抱きついた。
胸板で彼女の丸みを帯びた双房が潰れる。
背後に回した腕が力強く巻き付き、一方の手はその臀部を鷲づかみにした。
「苦しい」
「…………」
「あと鼻息荒すぎ」
興奮の最中にいるのだから仕方がないことだった。
むしろ一般的により問題とされるのは鼻息よりも。
服の中でそり立ち、彼女の秘部へと擦り付けている愚息の方だろう。
「舌」
「ん、はい」
単語だけでも意図が伝わる。
技巧も遠慮もなにもない。
差し出されたその唇に、荒々しく貪り付く。
「ちゅ……ん……っは……」
「もっと舌、絡めて」
「ふぁーい」
股間を擦り付けながら、乱暴に楓の中をかき回す。
お互いの口周りは唾液でべたべただ。
しばらくの間行為は続き、呼吸の限界が来るとようやく離れる。
もちろん離れたのは唇だけで、こちらから抱きついたままの状態。顔と顔の距離はすぐそこだ。
「楓」
「なに」
「セックスしよう」
「いいよ」
俺の提案に迷うことなく頷いてくれる。
「あー、でも、お兄ちゃんって童貞だったよね」
ただ彼女は思い出したとばかりに間延びした声を出す。
「な、なんだよ急に……やっぱりダメとか言わないよな」
「そういうわけじゃなくて」
「?」
「いやさ、初めてが私なんかでいいのかなーって」
どういう意味だ?
楓がいいに決まってるだろう。
「俺はお前で童貞を捨てたい」
「ホントに私でいいんだね?」
「もちろん」
「……分かった」
合意は得た。
となると後は進むだけ。
今すぐに隠されたその場所へ一気に突き刺したいと、抑えていた欲望がとめどなく溢れてくる。
「ちょっと待った」
しかし臨戦態勢に移行していた俺に、言い聞かせるように淡々と静止をかける。
待った?
なぜ。もう待てないぞ。
「だって私、あの人にやられたままの状態なんだよ?」
楓の手が俺の手を掴み、自身のパンツの中に誘導をした。
中身は……ぐちゃぐちゃだった。
ヤリチン野郎の巧みな手マンを受けた秘部は、もはや破壊しつくされていたと言っても過言ではない。
唯一の救いは、そんな徹底的に崩された女の牙城に、まだ一滴の精子も注がれていないこと。
「ひどい有り様でしょ」
「…………」
「膣内の方はもっと悲惨だよ」
またも楓に誘導される形で、人差し指を膣の入口あたりへと挿入する。
「分かるかな、この完全にほぐされちゃってる感じ」
「っ」
「自分で言うのもなんだけど、いま挿れたら絶対気持ちいいとは思う」
「なら……!」
準備ができているのならいいじゃないか。
半ば暴走状態にあっただろう自分は、ヤることばかり考えてしまっていた。
「これ私のわがままなんだけどさ」
楓は少し言いづらそうに頬をかく。
彼女は昔から提案されれば大体は頷くタイプだった。
もちろん意見を口にすることもあったが、そういう時はストレートにもの申す。
このようにバツの悪そうな態度を取るのは稀である。
「わがまま?」
「このままの状態でお兄ちゃんには抱かれたくないなーって」
「それって……」
「できれば一回、綺麗にしたいかな」
楓は淡々と告げるが、その隠された真意は汲み取れる。
それは物理的に、ただ愛液にまみれた恥部を洗い流すというだけの意味ではないだろう。
過去は消えない。決してなかったことにはできない。
でも、だからこそ。
今このまま続けたら、あの男の作った
「お兄ちゃんは童貞で、これから初めてセックスするわけで」
「……あぁ」
「せっかく筆下ろしするなら、少しはちゃんとしたいかも」
いわばこれから行うのは兄と妹の最初の行為。
その場の勢いではなく。
楓は筆下ろしの大役を任された女性として、仕切り直しを要求したのだった。
「えらく、気を遣ってくれるんだな」
「普段だったらどーでもいいけどね」
「相手が、俺だと違うのか……?」
「うん」
迷い無くそう言われてしまうと、何も言い返すことはできない。
「というわけで一旦シャワー浴びさせてください」
いい?
と、楓が若干上目遣いで訊いてくる。
変に可愛い子ぶらず、いつも通りの冷めた目だが、そこに懇願のような色が混じっているのはなんとなく感じ取れた。
「できあがったマンコまでは戻せないけど、一応の身なりくらいは整えてくるよ」
「…………」
「今さらお前が貞操とか身なりなんて気にするのか、って顔してるね」
「し、してない。断じてしてないぞ」
「どうせお兄ちゃんも、私が誰にでも股を開く女だと思ってるんでしょ」
「そんなこと全然考えてない……けど、本当にそうだったりするのか?」
「やっぱり思ってるんじゃん」
兄妹にしては異端な会話なのだろう。
しかし妹の責任感が垣間見えたことで、一度頭が冷えたのも事実であった。
今すぐやりたかった自分に対し、妹はその先を見ていたことを知る。
なにより、妹を拒絶する兄などあってはならない。
俺は楓からの仕切り直しの提案に、首を縦に振った。
「……待つよ」
「ありがと」
ただ、ただな、じっと待っているだけというのもなんだ。
そこまでやましい気持ちはないのだが、たまには兄妹で水入らず、自分も一緒に浴室に入って汗を流すというのもありだろう。
「なぁ楓、久しぶりに……」
「却下」
「へ」
「準備あるから」
「準備っていうのは……」
「入りたいならお兄ちゃんが先入って良いよ」
「え、俺は、あくまで、お前と……」
「先どうぞ」
「…………はい」
さっきまで良い流れで来ていたと思ったのに。
断られただけでなく、なぜか俺まで身綺麗にすることが決定してしまった。
「お風呂から出たら私の部屋で待ってて」
「あ、ああ」
「途中でオナりたくなっても我慢しなよ?」
「……元々するつもりないぞ」
「ふぅーん」
「…………ごめん、ちょっとだけシゴこうと思ってた」
「正直だね。でも我慢した後は好きなだけ抱いてくれていいからさ」
「……分かったよ」
そうして俺は、楓とではなく、ギンギンになった息子と共にシャワーを浴びた。
髪を乾かすのは面倒なので、首から下だけを洗う。
身体を拭き、下着を履き、パンツ一枚で妹の部屋で待機をするのだった。
(母さんたちの帰りが遅くて助かったな)
以前にも語ったことだが、両親は家を空けがちだ。
今日は週末ということもあり、どちらもきっと飲んでから帰ってくるだろう。
放任しすぎなような気もするが、大人には大人の都合があるという。
まぁ、こうして楓と一緒にいられるのだから何でもいいのだが。
「――お待たせ」
一秒一秒がとても遅く感じた。
ベッドの上に座って待機していると、ついに妹は現れる。
待たせすぎだろ、と冗談交じりの文句を飛ばしてやるつもりだった。
しかしその姿を見て、言葉を失った。
「なに?」
「ば、バスタオル一枚……」
「? だから?」
当たり前でしょと言わんばかりの態度だ。
「よいしょっと」
楓が腰掛け、ベッドに並び合って座る。
彼女は絵に描いたような巨乳ではなく、年相応の少女らしい大きさをしていた。
白い布地で覆われてなお、しっかりと膨らんでいるのは確かで、やっぱりちゃんと女の子なのだと再認識する。
俺は抵抗されないと確信しているので。
手持ち無沙汰を紛らわすように、隣にいる妹の片胸を揉み始めた。
最近ようやくこういう行為が気軽にできるようになってきた、それが正常なのかは置いておくが。
「……下着は、つけないのか?」
布の上から右手をしっかり食い込ませ、柔い肉に指を沈ませたり、乳首のあたりを軽くタッチングしながら。
しかしただ揉んでいるだけの沈黙というのも気まずくてそんな話をする。
「着た方がよかった?」
揉まれるがままの妹が首を傾げる。
「タンスの中に、エロいのいっぱいあったからさ……」
「あぁ、あれ」
「お前の、趣味なのか?」
「ううん。ほとんどもらいもの」
「もら……」
「私に似合うんじゃないかって、頼んでもないのに買ってくる人たちがいるの」
楓は面倒くさそうに溜息をつく。
「捨てるに捨てられなくて、今じゃほとんどあんなのになっちゃった」
「まさか学校にも履いて行ってるのか?」
「たまにね」
楓の胸を握った手に力が籠もる。
「そんなの、見つかったら大変じゃないか」
「別に見られても気にしない」
「クラスの男子にオカズにされているかもしれないんだぞ」
「実際ズリネタになってるらしいよ私。勘違いして時々ヤラせてって言ってくる人もいるし」
「ま、まさか、ヤラせてないよな?」
「そりゃね。あんまりしつこいようなら対応考えるけど」
「…………」
「それよりも洗濯。お兄ちゃんとかお母さんに洗われる方が大変」
妹には妹なりの線引きがあるらしい。
「と、そろそろ脱ごっか」
俺の手の動きが激しくなってきたせいか。
頃合いだろうと纏っていたバスタオルの端に指を掛けた。
そして躊躇なくそれを取り払ってしまう。
「楓の……裸……」
一糸まとわぬ、生まれたままの姿。
白磁のようなきめ細かな肌に、まだ成長途中の双房、すらりとした手足。
しかし極めつけて、目を離せないのはその恥部である。
「ど、どうしたんだ、それ――」
釘点けになったのは、ぴったりと縦線に閉じた女性器……ではなく、それを覆っていた陰毛だ。
以前のお願いで、それは手入れなしの伸びっぱなし状態だった。
しかし今は違う。
まるで密林のようであったそれが――綺麗なハート型に整えられていたのである。
「どうかな」
「準備って、これのこと……」
「そ。実はさ――」
どうやら先刻、トイレであの男と一緒になった時。
少々ニッチな話題ではあるかもしれないが、彼から今まで抱いてきた女の陰毛について聞いたという。
そこで様々な形に整えられることを知り、こうして実践してしまったというわけだ。
「妹なりに努力してみました、切るのしんどかったけど」
「ハート型なのは……」
「初めてだから? 興奮してもらえたらいいなーって」
「お前……」
「あと、さすがに毛が多すぎて暑かったってのもあるけどね」
「それは、すまん……」
伸ばしっぱなしにさせて、その後のことは何も言わなかった。
ただでさえ猛暑が続いているのだ、しばらくの間は蒸れて仕方がなかっただろう。
「まずは指、挿れてみる?」
ベッドに座ったままの俺に対し、向き合うようにして直立した女体。
丁度良く手の届く場所に、ハートの添えられた性器がある。
「ろくに触ったことないよね?」
「ちゃんと触ったのは、さっきぐらいだな」
「ならまずは手慣らしから。いきなりおちんちん挿れたら爆発しちゃうだろうし」
「が、我慢できるかもしれないぞ」
「絶対爆発する」
「そんな即答しなくても……」
「個人的には、見栄を張る童貞より、正直な童貞の方が好感持てるよ」
「よし、手慣らしから始めるか」
そういえば誰かの有名な言葉で、勝敗は戦う前に決するというものがあった。
もちろん楓は自分の敵ではないけれど。
とりあえずこれから俺が挑むものが、どういうものか熟知してからでも遅くはない。
「爪……は、短くなってるね。じゃあどうぞ」
楓があからさまに腰を突き出した。
手を少し伸ばせば、魅惑の穴はすぐそこである。
彼女の言葉に誘われるままに、慎重に、恐る恐る人差し指を沈めていく。
「ぐ、ぐちゃぐちゃじゃないか」
蜜壺。
そう言い表せるほど、内部は粘度の高い汁に満ちていた。
「軽くは洗ったんだけどね」
元々スイッチが入ったままの身体である。
それだけでなくもしかしたら楓は濡れやすい体質なのかもしれない。
顔に出ないのであくまで推測だけれど。
「辺り一面ざらざら……というか、小さい突起がウネウネしてるな」
「膣の形は千差万別だけど、私のは特に凹凸が激しいみたい」
「すごい狭いし、指もちゅーちゅー吸われてる感じだ」
「いちお名器ってのらしいよ?」
本人はどうでもよさそうに言うが、そう呼ばれるのは過言ではない。
思い切って指の根本まで沈めてみたが、膣の先へ進むほど内部は狭くなり、締め付ける力も強くなっていく。
「行き止まりは……まだ先か」
「子宮のこと? 私のは指じゃ届かないよ」
「そう、なのか」
「けっこう奥にあるんだよね」
「俺ので、届くかな」
「短小の人は難しいんだけど……今のお兄ちゃんなら、まぁいけるんじゃない?」
しかし子宮までの道が長いということは、男性器を受け入れるスペースもまた広いということ。
これだけ奥行きがあれば、俺の一物は間違いなく根本まで呑み込まれる。
しばらく手慣らし、もとい手マンの真似事は続くが。
楓が喘ぐようなことは一切なく、ぬめった汁がだらだらと落ちていくだけだった。
「これで私のマンコのことは、だいたい分かってもらえたから――」
確認作業の終了を告げられ、俺は指を引き抜く。
穴から出てきた指は愛液にまみれ、ネバネバとした粘液が糸を引いていた。
「……次はフェラかな」
「本番じゃないのか?」
「挿れる前に刺激慣れさせておいた方がいいでしょ。それに……」
「それに?」
「とにかく。早く服脱いで」
なにやら含んだ言い方が気がかりだが、妹には逆らえない。
俺はベッドに腰かけたまま、下着を脱ぎ捨て、隆々とした怒張を彼女の前にさらけ出す。
「楓――?」
どういう体勢でフェラしてもらおうか。
そう思考したのも束の間、急に楓が正座をしたのだ。
まるで傅くように膝を折り、床に足の甲をつけて、背筋をピンと伸ばす。
その整った顔は、怒張のすぐ目の前にもたげられた。
「このフェラは、まぁ、ちょっとした反省的な意味がある」
「反省?」
「今回、悪口を聞かせるつもりはホントになかったからさ」
「悪口……」
あぁ、あれのことかとピンと来る。
彼女が言っているのは今日のトイレでの一件のことだろう。
あの男は終始ビデオ通話に気づかなかったが、だからこそ俺に対して好き勝手なことを言えた。
そして画面越しとはいえ、こちらは黙ってその罵詈雑言を聞かされ続けたのである。
(俺はそんなことより、楓のことを言われたのが嫌だったけど)
とかく、この妹はそれを随分気にしていたらしい。
当時も兄の悪口を止めなければ行為もしないと言ったぐらいだし。
他に気にすべきことはいくらでもある気もするが……。
「あれは気分悪かったよね。ごめん」
「お前が謝ることじゃないよ」
「そう言ってもらえるとホッとするけど、やっぱりお詫びはしないといけない」
「お詫び……」
あ。
妹がわざわざかしこまった、正座でのフェラをしようとしたのはそういうことか。
なるほどと合点がいく。
(誠意を態度で示すってことだな)
しかし何度も言うが、俺は俺の悪口などどうでもいいわけで。
あと無粋になってしまうので声にしないけれど。
フェラはこれまで何回もしてもらっているので、正直お詫びと言われてもそこまで特別感もないような……。
だったら一緒にお風呂入らせて欲しかったなぁ…………。
「お兄ちゃんは、私に訊きたいことが色々あると思う」
だがこの特別感のなさ、お詫びなのにフェラ程度か、などという兄の不満を承知していない妹ではない。
「だから今回は――」
もちろんこのままで終わらせるつもりはないとばかりに。
「私がフェラしている間、好きなだけ質問していいよ」
……。
…………。
………………質問?
身構えていた割には、なんだか反応に困る提案である。
「質問する内容は何でもいい」
「何でもって」
「本当に何でも」
「……例えば彼氏のこととかも?」
「例外はない」
勘違いしていた。
実はこれ、とてつもないご褒美タイムなのではないか?
あの面倒ぐさがりで、適当な返しが多い楓が、どんなことにも真面目に答えてくれるというのだ。
楓の過去、楓の現在、楓の将来――
改めて知りたいことが山のように浮かんでくる。
「タブーは、ないんだな」
「うん。ただハッキリとは答えられないこともある」
その代わり、沈黙だけはしない。
全部の質問に対し、何かしらの回答は必ずすると約束をされた。
「じゃ、始めるね」
楓の右手が怒張に絡まった。
細い五指が竿を這っていき、ゆるい手コキから行為は始まる。
(ど、どうする!?)
あっという間にスタートしてしまった。
質問したいことがありすぎて頭がこんがらがる。
わざわざ妹が予告してくれたのに、土壇場になって焦ってしまう自分の情けなさ。
しかし時間は刻一刻と過ぎていくわけで、とにかく、とにかく何でもいいから口にしないと――
「……週に何回オナニーする?」
なんだそれ。馬鹿なのか俺は。それが一発目で尋ねるべき質問なのか。
もう少しまともな出だしがあっただろうに。
「週三くらい。部活がきつかった日に多いかも」
「疲れているのに?」
「疲れてるからこそだよ。男の人にだって疲れマラってのがあるでしょ」
馬鹿な兄の質問に、妹は丁寧な回答をくれる。
どうやら宣言通り、真面目に対応をしてくれるようだ。
「ちなみに俺は毎日オナニーしてる」
「それはどうでもいい」
「あ、はい」
「てか私が抜いてるんだから知ってるし」
男根をしごく手つきが若干強くなる。
少しずつ快感を上げていってくれているらしい。
「じゃあ次の質問」
「うん」
「楓に彼氏はいる……のか?」
「いない」
「これまでにいたことは?」
「一度もない」
意外だ。
てっきり過去に一人二人ぐらいは存在したと思っていた。
「でも、告白された経験はあるだろ?」
「まぁね」
「どうして断るんだ?」
「付き合うってなんか面倒そうじゃん」
まさに楓らしい返答だった。
それから俺は、比較的セーフゾーンに類する事柄を尋ねていく。
訊いて、答えて、訊いて、答えて、そうやって何度かやり取りを重ねた。
「――楓は、どうしてそんなにエッチが上手なんだ?」
しかし質問は、次第と危険な領域にエスカレートしていく。
俺はグレーゾーンへと足を踏み入れ始めたのだった。
「一番は才能なんじゃない?」
亀頭をぺろぺろと舐めながら、上目遣いで平淡に答える。
「なら、二番目の理由は?」
「…………」
「教えてくれ」
「……経験、かな」
経験――
そうだ、そういえばさっき、下着の話をした時も、なんだか意味深な発言をしていた。
「同級生にヤラせてってお願いされたことあるんだよな」
「ちょくちょくね」
「あんまりしつこいと対応考えるって言ってたけど……」
結局どう対応をするのだ?
語らずとも視線だけでその問いは伝わる。
「ホントにしつこかったのは過去に一人だけだよ」
「誰、なんだ」
「クラスメイトの、冴えない、影の薄い子」
「へ、へぇ、イケイケの子じゃないのか」
「陽キャは意外と分別ある。厄介なのはその子みたいに、女子とまともに喋れなくて、童貞こじらせてちゃってるタイプ」
それって俺のことみたいだと思うが、ここでは黙って耳を傾ける。
「放課後に教室で迫られてさ」
「うん」
「いつも通り断りたかったんだけど、ちょっと身の危険を感じるぐらい興奮してて」
「うん……」
それで、どうなったんだ。
「しょうがないから手で抜いてあげた」
――――。
「二、三回しごいたらすぐ射精しちゃったけど」
刹那の決着。
しかしその少年が得た快感はすさまじいものだったろうと、容易に想像できた。
なにせクラスメイトの女子、しかも楓のような美少女に、噂通りのエッチなことをしてもらえたのだから。
「ま、まさかそれから何回もしてたりしないよな?」
「抜いてあげたのはその一回だけ」
「後で迫られなかったのか?」
「もちろん迫られたよ。フェラしてくれ、セックスさせてくれって懇願された」
だが一度、僅かにとはいえ少年は女を知ってしまった。
楓は彼に対し、もはや身の危険を感じるほどの覇気がそこにないことを察知したという。
「だから今度ははっきり断った、もう二度と近づいてこないようにね」
「なんて、言ったんだ?」
「色々と言ったんだけど、まぁ要約すると――そんな情けない弱々おチンポでよくお願いできるね、って感じ?」
それから彼は楓に近づかなくなったという。
しかし自らの性器を辱められたせいか、楓を貶めるような噂を流す動きもあったそうだが、それは適当に処理したとかなんとか……一体なにをしたんだ。
「なら誰とでもエッチするってわけじゃない、ってことでいいんだな」
「そりゃそう。ボランティアでしてるわけじゃないもん」
誰でも股を開く女なのではという疑問は、これで一応解消されたわけだ。
ならばこそ改めて訊くべきことが一つある。
ずっとずっと、確かめたかったことだ。
「お前は――処女なのか?」
彼女はこれまで他の男に対して、フェラや手コキをしたことがある。
しかし本番は、セックスまでは許しているのだろうか?
言葉の節々からして経験済みという印象はどうしたって拭えない。
「お兄ちゃんって、処女の女の子じゃなきゃ嫌なの?」
「そういうわけじゃ……ただの興味というか……」
まさに禁断の領域に踏み込んだ問いかけである。
楓のフェラが止まり、静寂が支配した。
気怠げな目がじっと俺の方を見上げる。
「…………」
やっぱり教えなくてもいい、口にでかかった逃げの言葉を呑み込む。
すさまじい緊張感に耐え、見上げてくるその瞳から視線を外さない。
数十秒ほど置いた後、楓はゆっくりと答えを口にする。
「マンコの中にザーメンを注がれたことは、ない」
楓の膣は一度として男の精を受け入れたことがない。
だがこれで全て納得できる自分ではない。
それはあくまで直接ない、というだけの話だ。
コンドーム越しなら、生挿入で外出しなら――本当はあるんじゃないのか?
ここで止めておけという自制心を無視し、追求を重ねた。
「具体的な経験人数を、教えてくれ」
「……なんで?」
「知りたい、からだ」
「…………」
「楓」
男根を握ったままの妹を見つめ続ける。
すろと彼女は観念したとばかりに呟いた。
「知らない」
「知らないって、全部に答えてくれるんじゃなかったのか」
「別にはぐらかしてるわけじゃない」
「なら……」
「ホントに知らないの」
覚えていない、楓はそう言っているのだ。
……この言葉から考えられる意味は二通りある。
一つ、男性経験が豊富すぎて正確な数が分からない。
二つ、楓は――未だにセックスをした経験がない。
(ありえるかもしれないぞ。これでもし処女だったら……だったら、なんなんだ?)
ふと思う。
確かに自分が初めての男になれたら嬉しいとも。
しかし既に経験を済ませていたとしたら。
俺は彼女を軽蔑するのだろうか、非処女はいらないと手放すのだろうか。
否。
断じて否である。
「楓」
どんな過去があっても選択は変わらない。
そうだ、忘れるな、俺は楓を自分のものにしたいのだ。
「俺のこと、好きか?」
覚悟を持って問いかけたつもりだった。
「好きか嫌いか、はっきり答えてくれ」
妹はそんな兄の気持ちを理解していたかどうなのか、しかしいつも通りの調子で淡々と答える。
「好き」
それが聞ければ、十分だ。
俺は妹の口から男根を引き抜き立ち上がった。
楓も正座を止め、追随する形で立って、俺の目の前に相対する。
そしてほぼ直立した一物を、彼女の腹に、子宮のある位置にあてがった。
「妊娠させてもいいか?」
「いいよ」
即答である。
これはもはや質問というよりは、これから行うことへの宣言のようなものであった。
楓は表情を変えずに頷き、その手を俺の下半身に添える。
「すごい勃起。ガチなんだ」
「一回孕ますだけじゃ、収まらないかもしれない」
「たくさん生むのはいいよ。けどちゃんとお金とか将来のこと考えてね」
楓は至極冷静だった。
既に妊娠するしないは眼中にないようだ。
「……学校は、どうする」
「妊婦さんになっても通いたいかな、部活は少しだけ控えるようにするけど」
「周りの目、気にならないか」
「特には」
「親には何て言おう?」
「二人で説得するしかないね。がんばろ」
頑張ろう、そう言ってもらえるだけで俺は……!
たまらくなって、ついにはもっと究極的なことを口にする。
彼女なら必ず受け入れてくれるはずだ――
「俺と、結婚してくれ」
「それは無理」
……え。
こ、断られるのか。
この流れで?
絶対に承諾してもらえると信じていたのに……どうして……。
「法律的に不可能でしょ」
……法律、法律か。
まぁ、言われてみれば、そうだな、反駁しようもない。
「するとしたら事実婚だね」
あからさまに落ち込んだ俺に、妹はさらっとそんなことを言う。
それって、つまり――……。
「い、いいんだな? そういうことなんだよな?」
「お兄ちゃんこそホントにいいの? これで人生だいぶ変わっちゃうよ?」
「覚悟はできてる」
「うん、それ聞いて安心した――じゃ、結婚しよっか」
さっきまで結婚は不可能と言ったのに。
俺を喜ばせるつもりなのか、あえて否定したさっきの勢いに乗ってくれた。
「筆下ろしのつもりが、初夜にもなっちゃったね」
楓はベッドに移動すると仰向けに横たわる。
それから両脚を立てて、股を大きく広げた。
完全なる受け入れ体勢である。
俺は誘われるように秘部の前へと赴く。
「正常位でいい?」
「ああ」
「挿れる場所は……ここね」
楓は二本の指で蜜穴を広げた。
盛り上がった肌色の土手が二つに分かれ、ねばっとした愛液の橋がかかる。
俺はのそのそと位置を修正し、亀頭を入口にあてがった。
「緊張してるね」
「そりゃそうだろ……」
「焦らないで、ゆっくりでいいから」
「あぁ……」
「一応注意して。私のマンコだいぶ狭いから」
「知ってるよ……」
そこまで心配してくれなくたっていい。
指を挿れた時にだいたいこんな感じだろうなと予想はできている。
諭すような妹の助言を適当に流しながら、まずは先端だけを穴の中に挿入した。
「う」
き、きつい……!
まだ入口なのに……なんて締め付け……!
勘違いかもしれないが、指を入れた時より狭まっている気がした。
理解していたつもりだが改めてリアルを思い知らされる。
「どうしたの? 全部入れないの?」
「う、動けない」
「は?」
「気持ちよすぎて、これ以上、進めない」
「お兄ちゃん……」
楓が小さく溜息をつく。
指での予行演習も、フェラでの刺激慣れも、幾度の忠告も、結局は無に帰したというわけだ。
「――最初だけ手伝ったげる」
静止してしまったことを見かねて、楓の両腕が俺の首あたりに回る。
「身体、前に倒すね」
細い腕にぐっと力が入り、俺の上半身を前のめりにした。
そのままどんどん倒れていき、最終的には顔の横に楓の顔があるほどで。
お互いの肌が隅々まで触れ合っている、いわば超密着体勢である。
「力、抜いて」
それから今度は両脚を俺の腰あたりに絡ませる。
この体勢は、もう、あれだ。
(だ、だいしゅきホールド……!)
妹の表情は大好き感ゼロであるけれど。
しかしこの体勢では、肝心の挿入しているシーンを見ることができない。
「じゃ、いくよー」
まるで医者が子供に注射をする時のように簡単に。
楓の足に力が入り、俺の腰を強制的に前へと推し進めた。
入口で止まっていた亀頭が、めりめりと膣の中を進んでいく。
「あ、あぁ……!」
ぐぷり、ぐぷり、ぐぷりと、肉壺に肉棒が食われていく。
起伏のある膣壁をなぞりながら奥へと進んでいった。
その強烈な快感は、もはや拷問と錯覚するほどである。
わなわなと全身が小刻みに震え、必死に耐えているせいか、菊門が無意識に締まってしまう。
「ぐぅぅ……!」
おそらく時間にして二、三秒。
だが永久とも思えるほど体感時間を経て、ついにコツンと子宮にぶつかった。
最奥に届いたのだ。
今や俺の怒張はあますことなく、すっぽりと根本まで柔肉に呑み込まれてしまっている。
(な、なんとか奥まで来た……けど、もう……)
我慢の限界だった。
そんな風に追い込まれ、兄が窮地にいるとも知らず、妹はそっと耳元で囁く。
「童貞卒業おめでとう」
へ――。
「お嫁さんマンコ、気持ちいい?」
決壊した。我慢もくそもなかった。
嵐に見舞われた如く、全てのタガが吹き飛び、内側から木っ端微塵にされてしまう。
「っ、射精るぅ――!」
瞬間、俺は楓の口に自らの口を押しつけた。
彼女の頭に両手を向かわせ、さらさらとした髪をもみくちゃにして掴む。
遊びも技も余裕もない、ただ必死なだけの脳死キスを繰り返す。
「え、もう出ちゃ――んぐっ」
それでも何か言おうとしたその口を黙らせる。
妹は観念した様子で、俺をホールドする四肢に力を込め、より一層密着してくれた。
もはや兄妹一体となり、打ち付けっぱなしの腰だけが射精に震える。
吐き出される精液の勢いはすさまじく、膣の中からでもびゅっびゅっと音が聞こえた。
ありったけ下半身を押しつけて、決壊したダムのようにドバドバとザーメンを流し込む。
「はぁ……はぁ……」
当然息も荒くなる。
流石に呼吸も限界となると、名残惜しくもキスを解いた。
「……あーあ、やっぱり爆発しちゃった」
妹は開口一番、あれだけ忠告した事態が起きてしまったことに重く息をつく。
顔の下半分を唾液まみれにしながら、やれやれといった表情を作る。
「ごめん……ごめ……んな」
「しょーがない、初めてだし」
「うぅ……」
「とりあえず最後まで出しきっちゃお」
更に搾りだそうとしているのか、膣の中がきゅーと絞られ、射精を更に促される。
「はい、ぴゅー、ぴゅー、って、そうそう」
「っ……」
「上手だよ。赤ちゃんの
しばし射精は続いた。
ようやく出し切ると、抜く時の快感に耐えながら、慎重に引き抜いていく。
「――こぼれちゃうね」
もしかしたら精液がだらーっと膣から垂れる、一度は憧れたあの光景が見れるかもしれない。
だが俺が蜜穴を視認するよりも早く。
楓はさっとティッシュで入口付近を拭き取って、ゴミ箱の中にねじ込んでしまった。
そんなに急がなくてもいい気がするのだが……。
もしかしたらベッドに精液が垂れることを嫌ったのだろうか。
でも愛液はシーツにたくさん付着しているし、なんとなく違和感を覚えつつも、今は射精したことの脱力感でいいやと思ってしまう。
「ひとまず脱童貞はできたね」
「ありがとな。でも結局すぐ射精ちゃった……」
「段々慣れていけばいいよ」
楓が身体を起こすと、俺の一物を静かに咥えた。
ちろちろと優しく舐めてくれたのも束の間。
ぐぽっ、ぐぽっ、っと腰の入った重たい吸引音がすぐに聞こえてくる。
「あ、イったばっかは……」
「お掃除したげる」
「っ……それもう、ただのフェラだろ……!」
「
「て、手コキだめだ! でる、ほんとでちゃうから!」
フェラをしながら右手は竿をしごく。
男の弱点を理解したリズミカルな動きである。
しかもただグラインドするだけでなく、親指の平を亀頭のエラにかけて圧迫してきた。
上下に動く度に、根っこから精液を押し出されているような感覚だ。
「フェラだけでもヤバいのに……っく、なんでだよ、手コキも上手すぎる……!」
今まで受けた手コキと比べても、数段巧みであると感じられた。
これでお掃除というには無理がある。
「ちゅ……ぷは、気持ちいいかな、手コキには自信あるんだけど」
「だろう、な。あの同級生以外にも……何人かは、手でしてるんじゃ、ないか」
「うん、した」
「っ――。お前、一体どれだけの男を射精させてきたんだよ」
それ以上は答えるつもりはないのか、再び喉奥まで一物を呑み込む。
強烈な浸食感を味わいながらも、正確な人数はやはり教えてくれないかと少し落ち込む。
だが下を見ると、楓が余った左手でスリーピース、つまり三本の指を立てていた。
「さ、三人にしたって意味か?」
「んーん」
「……じゃあ、三○人ってことか?」
「んーん」
すべて違うと首を横に振られてしまう。
ならその数字の意味は――
「…………まさか、それ、三桁って意味なのか?」
よく見ていなければ気づけないレベルで。
楓が、こくんと、小さく頷いたように思えた。
見間違いか。勘違いが。いや確かに頷いたはず。
だとすれば、ひゃ、百人以上に手コキをしたってことに――
「もうプロの人と一緒じゃないか……」
俺の言葉に一物を舐めながら反応をする。
「プロか。確かにこのまま風俗で働くのもいいかもね」
「だ、だめだぞ」
「でも子供できたらお金いるし」
「俺が、稼ぐ、から」
「現実的な話、私ならお兄ちゃんの数倍は稼げると思うよ」
「それでも、いやだ……」
「そ。でもお仕事きつかったら言ってね。その時は働いてくるから」
楓による愛撫と追及、それによって生じる快楽と焦燥でつい天井を見上げてしまう。
「……これぐらいでいっか」
掃除の出来に満足したのか、それとも他の何かに満足したのか。
やっと楓が解放してくれる。
照明によって照らされ、彼女の口元に架かるねばっとした糸に光沢が映えた。
丹念に舌でこそがれた一物の方もピカピカに……ではなく、文字通りべたべたにされてしまっている。
「だいぶ元気だね」
「あんな話されて、数発じゃ、済まないぞ……」
「安心して、満足するまで付き合う」
まったく萎えない兄を鑑みて、楓は俺のことをベッドに押し倒す。
「今度は騎乗位」
「ま、待ってくれ、すぐにやったら……」
「あれ、数発じゃ済まないって意気込んでたよね。だったら速く抜いてあげた方が楽でしょ」
「それは、そうなんだけ――」
「挿入れちゃうね」
どちゅん!
勢いよく楓が下半身を下ろした。
「まずは腰だけ動かしてっと」
ピストンはしない。
腰を円を描くように回し、ぐりぐりと穴の内部のみを使う。
凸凹した膣壁だけをグリグリと動かし、搾り取ろうとしているのだ。
しかしその巧みな腰遣い、耐えろというのが無理な話で……。
「ン、もしかして射精しちゃってない?」
「で、でてない……」
「でも、あったかいのがドクドクってしてるし」
「気の、せい、だろ」
「そっか。気のせいなら止めなくていいね」
楓が両膝を浮かし、和式便所に座る時みたいな姿勢になった。
安定させるためだろう両手は俺の上半身に置く。
挿入部分は丸見えで、上を向いた乳首がぷるんと揺れている。
「動くよ」
事務的に報告をすると、腰を数センチ浮かして――ドン、と沈める。
竿の半分が見えた時間は僅かで、すぐさまに妹の中へまた消えてしまった。
「釘打ちピストン、って言うんだっけ」
「ど、どこで、こんな」
「最初は優し目にやる。これなら多少耐えられるでしょ……っと」
「う、うぅ」
「ひとまず一○回を目指そっか」
そう言うとまた腰を上げて沈める。
「一回」
ピストンされる度、俺はお漏らしするみたいに、ちょろちょろと精液を鈴口から漏らしていた。
「二回――三回――よんっかい」
気持ちよすぎて地獄だった。
馬鹿になった鈴口は無駄にザーメンを流し続ける。
「ごか――」
「か、楓ぇ……」
「限界?」
「もう……」
「そっか。なら一気にやっちゃうね」
どうせ大きく射精してしまうなら、いっそ派手に動いてしまえばいい。
そう判断した楓は、優しくするという言葉を撤回し、激しいピストンを繰り出してくる。
ゆっくり抜き差ししていたさっきまでが嘘のようで、高速の腰使いで回数を重ねていく。
「七、八、九、一○――」
「で、でる!」
「このまま動いてあげるから好きなだけ射精しちゃって」
「ぐぅぅぅ……!」
一番の射精をしても楓は止まらなかった。
ひたすら釘打ちを繰り返し、徹底的に芯から搾り取っていく。
「――これで二回戦目は終了、かな?」
仰向けでへたってしまう自分。
そんな俺を見下ろす楓は、一物を引き抜きながら腰を上げた。
そのまま尻餅をつくように臀部をベッドに置くと、こちらに見えるような形で、自身の指を使い恥部をいじくり回す。
「オナニー、してるのか」
「ううん。どれぐらいザーメン溜まったかなって確認」
「どう、なんだ」
「見れば分かるよ」
頭だけ起こして、言われた通りに秘部を見る。
入口からドロッとした白濁がこぼれ落ちていた。
「奥までたっぷり仕込まれてる。これならホントに妊娠するかもね」
「…………」
「あ。また勃起した」
「……楓がエロすぎるから」
そんな姿を見せられて興奮しないわけがない。
体力も底が見えているのに、我ながら愚直な身体だと痛感する。
「エロいって、それ褒めてるの?」
「褒めてる」
そしてこんなにエロい女の子が俺の妹。
――そう、俺だけの妹なんだ。
のそのそと彼女に近づくと、軽くキスをしながら、双房を揉みしだく。
「お願いが、あるんだけどさ」
段々と彼女の背後に回り、抱きしめるような、全身を覆うような形になる。
受け入れられて所有欲のようなものが高まったのだろうか。
更なるお願いを持ち出した兄に、楓は顔半分でこちらに振り向く。
「他の男の精液をここに絶対入れないでくれ」
「つまり、お兄ちゃん専用のオマンコにしろってこと?」
そうだ。受け入れてくれるか?
「受け入れるよ。他の男にはもう一生抱かれない」
これから死ぬまで、楓が知る男は自分だけ。
この関係が未来永劫である保障はどこにもないが、妹はそれを受け入れた。
「それから……」
しかしそれで全てが安心というわけでもない。
俺は図々しく、その割には機嫌を伺うようにお願いを重ねる。
「例えゴム有りでも、外出しでも、やっぱりしてほしくないなって……」
「避妊してても他人とセックスすること自体禁止ってことね」
「そうなる……」
「浮気するつもりなんて最初からないんだけどな、心配性だねお兄ちゃんは」
「お、お前のことは信用してるんだぞ、けどな、どうしても」
「いよー了解。改めて言うけど、私のマンコはお兄ちゃんの完全所有物ってことで決まりで」
これで話は決着、一安心かと思った。
しかし楓はあっちはどうしようと、話を更に発展させる。
「口とか手はどうするの? あとアナルもあるのか」
「どうするって……」
「それもお兄ちゃん専用にする?」
できればそれも専用にしてほしいが……。
楓は少しだけ考えるようにして。
「お兄ちゃんって、他人に私が使われてると興奮するイメージ」
「そ、そんなことない」
「でもそういう時が一番勃起してたよね」
「いやあれは……」
「興奮、してたでしょ」
「…………」
否定は、できない。
嘘をついて頷くこともできるが、彼女を欺くことは許されない。
「私はどっちでもいいよ。お兄ちゃんの言う通りにする」
「俺がお願いした通りに、するのか」
他に男には抱かれないが、抱かされにいくことはまた別問題だと言う。
「しゃぶって来いって言うならしゃぶってくるし。なんならさっき話した同級生を毎日抜いてあげたっていい。トイレで悪口言った金髪ヤリチンだって相手する。セックスは禁止でもアナルでハメられてくることもできるからね」
「っ……」
「それかおじさんと援交でもいいね。プチでもそこそこお金になるし」
「………………」
楓自身にその気はない。
すべては俺が思うがままであるのは自明だった。
「ほら、もしもの話をしているだけなのにおちんちんバキバキ」
「これは……」
論より証拠とはこのことである。
楓は右手を輪っか状にして亀頭だけしごく。
残る左手は俺の乳首をカリカリと刺激する。
「想像してよ、私が他人のチンポしゃぶってる姿」
「ぐ」
「なんならそういう知り合いに頼んで輪わされるのもいいかも」
「そんなのレイプと、変わらないじゃないか」
「経験則だけど、五人ぐらいまでなら同時に相手できるよ?」
「やめてくれ……」
「もしかしたらオマンコ狙われるかもだけど、精一杯守るからさ」
「なんで、そんなこと言うんだよ……」
優しく扱かれているのに、心はどんどん沈んでいく。
快楽と不安と混じり合い、カオスな心情が内を支配する。
「私はただお兄ちゃんに気持ちよく射精してもらいただけ」
楓は後ろめたいことはないと真剣に述べる。
「――だって、旦那様を悦ばすのが妻の務めでしょ?」
そのためだったら何でもする、と。
「ま、ゆっくり考えといて」
何事もなかったようにそんな適当なことを言う。
確かに結婚しようと言ったのは俺だとも。
そして彼女は妻になることを、いや既に自分が妻であると自覚している。
だから俺のことだけを考えてそんな提案をしているのだ。
(でも、だからって、だからって――!)
不安と焦燥が頂点に達した俺は、激情に駆られ妹をベッドに押し倒す。
「楓っ!」
妹は抵抗する姿勢を見せず、そのままベッドに組み伏せられる。
「……やっぱり、不安にすると男らしくなるね」
楓がぼそっと何か呟いたが構わない。
隆起した乳首に荒々しくむさぼり付く。
まるでオナホを扱うみたいに、握りしめるように胸に指を埋め込み、歯で乳頭を強く噛む。
「そんなに噛んだら千切れちゃうんだけど」
相当痛いはずだが、弱音らしい弱音は一切吐かない。
なんなら実際に千切られても良しとする節すらある。
「マーキングのつもり? 好きにやったらいいけどさ」
口を放すと、言われたとおり、乳首周辺にはくっきりと歯形が刻まれていた。
「あーあ、おっぱいにも爪の痕残ってるし」
「楓が……煽るようなこと……言うから……」
「煽られるといつも私に夢中になっちゃうもんね」
「お前は……!」
そうだ。俺は不安にさせられると妹のことしか考えられなくなる。
まさか狙ってやっていたのか……楓はもしかして、これまでも、ずっと……。
(どうでも、いい)
今は目の前にある身体をとにかく食べつくすだけ。
余計なことは後でいくらでも考えればいい。
俺は反対の胸にも噛みつき、痛々しいほどの痕を残す。
爪は短くしてあったが、握りこんだせいで軽く内出血を起こしているようだ。
白磁の双房に赤い爪痕がいくつも刻み込まれてしまっている。
「バックで挿入れるぞ」
「はいはい」
正常位で騎乗位と来て、ここでは背後から突くことを選ぶ。
がむしゃらに叩き付けるには、妹に見つめられていないほうが楽だ。
楓は指示に従い、四つん這いになって形の良い尻をこちらに向ける。
「――……今までで一番いいとこ当たってるかも」
そういう割に声音は変わっていない。
下部を限界まで膣に挿入し、亀頭で子宮口をグリグリと動かす。
流石に何発も射精しているお陰で爆発はしない、しばらくは持ちそうだ。
「よかった。これなら私も少しは楽しめそうかな」
「お前はまた……!」
「あ、怒らせちゃった。ごめん。わざと言ったんじゃないよ。これまでエッチした強いチンポに比べたら物足りないなんて思ってなかったから」
「……絶対、忘れさせてやる」
「うん、絶対そうして」
楓の両肩を掴み、バックの体勢をより強固にする。
まともな腰使いなど知らない、体力がなくなるまでひたすらに突き出す。
肉と肉がぶつかる音、水と水が弾ける音が部屋中に響いた。
その間、楓は黙ったまま犯され続ける。
悲鳴も喘ぎ声も一切上げない。
「…………」
「楓」
「………………」
「楓」
「……あ、え、何か言った?」
楓はずっと俯いていて、あまりに静かなのでつい名前を呼んでしまった。
乱暴にするなら乱暴し続けなければいけないのに。
彼女はぼーっとした様子で、半目でこちらに振り返る。
「いや、呼んだだけ」
「……っそ、……悪いけどあんま喋れない……気持ちいいのに集中させて……」
「まさか感じてる、のか?」
「……はぁ? ……そりゃそうでしょ」
しかし表情も、声音も、雰囲気も、いつも通りダウナーなままだ。
俺のそんな疑問はすぐに察知されて、面倒くさそうに答えてくれる。
「もう何回か軽イキしてる、し」
「そうなのか……」
「そのうち分かるようになる、よ」
「…………」
「もうこの身体はお兄ちゃんのモノなんだから、私の弱いとこ早く覚えてくれると嬉しい、かも」
そうだ。妹は今後、俺にしかこの膣を使わせない。
つまり彼女を本気で満たせるのは自分しかいないのだ。
「お兄ちゃん、私の手首、掴んで」
「手首……こうか」
「そう、掴んだら、腕ごと思いっきり引っ張って――」
中途半端にやってはダメだ。
俺は言われるがまま、腕力任せで実行に移す。
妹の手首を起点に、肩が外れてしまうぐらいの勢いで、両腕を俺のいる後方へと引っ張った。
「……!」
妹が、声を、漏らした。
肘が逆向きに、腕がピンと張り、なだらかな女の背が弓なりに曲がる。
楓はあっけないほど簡単に、男根に串刺しにされたのだった。
「深ぁ……」
楓は空を見上げるような姿勢になり、外に突き出された喉から声を鳴らす。
腰を何発も打ち込むと、さらさらとした黒髪が激しく乱れた。
しかし感じているのは楓だけでない。
俺もまた段々と限界に近づいていっている。
「くそ……」
腕を引っ張り続ける余力はもうなかった。
俺がその細い両手首を放すと、楓はそのまま顔ごとベッドに倒れ込んでしまう。
いわゆる寝バック状態になってしまったがピストンは継続する。
「お兄ちゃん、やばいかも」
「な、なにが」
「もうすぐ、おっきいのきそう」
「イクって、ことか?」
「うん……」
ごく僅かにその声は震えていた。
やはり家族だからこそ気づくレベルで、きっと見知らぬ人は察知できないだろう。
軽イキしてたことは気づかないのに、こういうところは分かるのが不思議だ。
「あ――それ、いい」
俺はラストスパートだと、寝ている楓に全身を重ねる。
黒艶の髪に顔を埋めると、柔らかい女の匂いと、甘い雌の匂いがした。
この機を逃すわけにはいかない。
覆い重なるだけでなく、背後から彼女の首に両腕を回し、男なら喉仏があるだろう位置で両肘を曲げた。
呼吸できるギリギリのラインまで喉を締め上げているせいで、自然と楓の頭部が持ち上がり、ベッドに埋もれていた顔がまた日の目を浴びる。
「そろそろ……」
「私も、限界」
お互いの絶頂はすぐそこだった。
ピストンの勢いが増し、一気にそこへと駆け上がる。
「っ――射精すぞ――!」
ガツンと奥にぶつけると、子宮口が俺でも分かるぐらい大きく開いた。
楓の心だけでない、楓の身体もまた、自分を受け入れてくれたのである。
ならば遠慮はいらない。
これまで溜め込んだもの、抱いていたもの、我慢していたもの、全てをそこに注ぎ込む。
決意に満ちた怒張は、それに応じるように大量のザーメンを放出した。
「――イク」
その時、妹が静かに啼いた。
しかし簡素な態度に相反して、その四肢はぶるぶると震えていた。
細い身体が強ばり、膣がぎゅーっと収縮する。
挿入された男根を離したくない、最後の一滴まで搾り取る、そんな意志を感じるほどきつく絡みついてきたのだった。
「「…………」」
二人して長く快楽に浸っていた。
完全に出しきり、彼女の震えも止まると、拘束していた両腕を解く。
顔から崩れおちる楓。
火照った秘部から、役目を果たした男根を引き抜く。
「これは……」
楓の大切な場所は、見るも無惨な姿になり果てていた。
破壊されているどころの話ではない。
まず乱暴にかき混ぜられたせいで、泡状になった液がべったりと染みついている。
綺麗な縦線で閉じられていた土手も、歪な形に変形して、左右に開きっぱなしだ。
綺麗なハート型だった陰毛も、ところどころ千切れて原型を留めていない。
なにより一体となっていた一物が抜かれたことで、膣がひくひくと痙攣、奥からはドロドロとした精液が漏れ出してしまっている。
――きっと普通の恋人同士のセックスでは、こんなことにはならない。
「楓、大丈夫か」
「……うん」
問いかけをすると、ごろんと寝返りを打って仰向けになる。
上から見下ろす楓は、とても疲れていて、しかしどこか満足気な表情をしていた……と思う。
「お兄ちゃん、頑張ったね」
「楓のお陰だ」
「私のせいとも言えるけど、でも気持ちよかったよ」
次第に落ち着いてきたのか、妹が気怠げに上半身を起こす。
それから自身の犯された秘部を確かめる。
「あぁービラビラが、あんな風に使い込まれたら、もう元の形には戻らないかぁ」
「悪い」
「お兄ちゃんが気にしないならこれでもいい」
「ああ……それで、妊娠、したかな」
「さぁ。後は運次第。デキてなかったらまた作ろ」
女性器のことも、妊娠のことも、楓は平然と割り切ってしまう。
(そうだ、楓はいつも平然とエッチをさせてくれた)
ベッドに座り込んだ俺に、楓は背を預けてくる。
細く、しなやかで、柔らかい身体が、力を抜いて寄りかかってきた。
「疲れた」
「だな」
兄と妹、裸と裸、限りなく密着し感慨にふける。
「なぁ楓」
「んー?」
「どうして俺と、平然とエッチしてくれたんだ?」
「え、今さら?」
今さらと驚かれても、俺にはまったくもって理解できていないんだが。
こいつにとっては語らずとも分かっていたと思っていたらしい。
「自分で言うのもなんだけど、妹に欲情するような変態兄貴だぞ俺は」
実の妹にセックス、妊娠、結婚まで迫った。
しかも、まだ完全に認めていないけれど、他人に妹を抱かせて悦ぶような特殊性癖持ちかもしれない。
「何もかも平凡で、全然モテなくて、恋人ができたこともないし」
「でも昔から私の面倒よく見てくれる」
「それは母さんたち滅多に家にいないし、お前も面倒ぐさがりで何もしないから」
「だとしても、そんな私に一回も怒らなかったよね、小さい頃からずっと」
「楓が嫌がることをさせたって仕方ないだろ。その分は俺が支えればいいだけのことだ」
「……そういうとこだよ」
「え?」
「そんなに自分を卑下しなくてもいいって話」
いまいち理解しづらい物言いだが、とにかく俺がしてきたことは、わざわざ口に出して自慢するようなことじゃない。
――兄が妹を助けるのは当たり前なのだ。
「確かにお兄ちゃんは変態かもしれない」
「ぅ……」
「でもお兄ちゃんが変なら、私だって変なやつだと思う」
「そ、そうか?」
「当然、だって兄妹なんだもん」
血が繋がっているなら似ていてもおかしくない。
楓は振り返って俺の目を見つめる。
「そして、妹がお兄ちゃんを助けるのも当たり前」
家事とかは苦手だけどね、と肩を落として見せる。
だから、せめてこれぐらいはと、いつも平然とエッチしてくれたのだろうか。
しかし、そういうことだったかと自己解決する前に、楓はそれだけじゃないと首を振る。
「もっと大事な理由がある」
「え」
「言わなくても分かっていると思ってた」
察しの悪い男でごめんなと心の中で謝る。
「お兄ちゃん、私のこと好きなんだよね」
「もちろん」
「なら同じだよ」
楓は言う、淡々と、しかしとても真面目に。
「お兄ちゃんのことが嫌いな妹なんていない」
それは。
「つまりね――」
続く楓の言葉は、とても短くて、とてもありふれたものだった。
きっと他の誰かに言われても響くことはなかっただろう。
でも家族だから、血の繋がった兄妹だから、そんな陳腐な言葉も特別になる。
疑うこともせず、否定することもせず、心から信じることができた。
「――今の言葉、伝わった?」
ちゃんと、ちゃんと伝わったさ。
「……きっと今後もお兄ちゃんに頼ってばかりだと思う」
温度のない瞳、落ち着いた声音、気怠げな姿勢。
いつもと何も変わらないダウナー系の女の子。
「たくさん迷惑かけるかもだけど、それでも私のお兄ちゃんでいてくれる?」
俺は頷いた。
誰よりも大切にする。必ず幸せにする。
楓は安心したと、ほんの少しだけ微笑んだ。
「なら改めてお願いするね」
ずっと一緒に生きてきて。
そしてこれからも、彼女とずっと一緒に生きていく。
この関係は死ぬまで、いや死んでもなお続くのだ。
「私のこと、どうぞ末永くよろしくお願いします」
俺は平然とそのお願いに頷いた。
迷うことも、蔑むことも、拒絶することもなく。
全てを受け入れる、平然に、平然に。
当然なのだ。
だって。
俺はお兄ちゃんで、妹のことが大好きなのだから――
本作品はこれにて完結です。
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