冒険者になったけど仲間がいないので元S級でムチムチ爆乳の友ママにパーティ組んでもらった。 作:ユリイカ
戸口に立ち尽くすリュートは、黒髪の美女と視線を合わせていた。手にしていた聖典を落としてしまった事にも気付かず、二人は緊張感のある静寂のなかで見つめ合う。
「え、と……。お邪魔しました」
「待ってください」
青年が選んだのは平穏。すべてを無かったことにして、そそくさと踵を返す。だが相手がそれを許さない。
しっとりと汗ばんだ手がリュートの腕を掴み、強引に部屋の中へと引き込む。扉が閉じられると再び防音の法陣が動き出し、外部へ音が漏れることはない。
「大丈夫です! 大丈夫ですから!」
「落ち着いて。冷静に話し合いましょう。説明をさせてください」
逃れようと青年が身を捩るほど、乳白色の柔らかな肉体がひしと抱きしめる。黒髪の淑やかな聖女は、落ち着いた声色であやすように語りかける。
「ミルラさんのこと、誰にも言いませんから!」
――ただし、彼女は全ての聖衣を脱ぎ去り、局部を隠す簡素な
不用意に扉を開けたリュートの目に飛び込んできたのは、自分よりも年上の成人女性が赤ん坊のような格好でひとり泣きながらおしゃぶりをチュパチュパと吸う、現実とは思えない光景だった。
「違うのです。これは」
黒い瞳に理知的な光を宿した神官が毅然として首を振る。一糸纏わぬ柔らかな肉体が、ぶるんと揺れた。成熟を超えて完熟と言えるほどの美体を晒しながら、彼女は赤ん坊の格好であった。
「……ストレスが、溜まるのです」
強引に引き留めたリュートを少し湿ったベッドの縁に座らせて、ミルラは訥々と語り始める。せめて服は着て欲しいと青年は切実に願ったが、言い出せる雰囲気ではなかった。
ミルラは〈紅の翼〉の神官としてS級冒険者になり、解散後は大都市ラスレオの孤児院で働いているという話だった。
「孤児院は人もお金も足りず、多忙を極めます。子供達との日々は楽しくもありますが、心身ともに疲弊はどうしても……。そんなある日、深夜に泣き叫んで眠ってくれない赤ちゃんをあやしながら思ったのです」
ぷっくりと分厚い唇が濡れていた。
「私も赤ちゃんになりたい、と」
飛び出したのは、脈絡のない願いだった。
リュートは思わず気の抜けた生返事を返してしまう。そんな感情を抱いたことがなかった。しかしミルラは真剣だった。赤子のように泣き叫び、思い切り理性を溶かしてしまえばどれほど爽快か。そんなことを考えるようになり、子供達の世話をしている間にも欲望は膨らんでいった。
「安心してください。私は理性のある大人です。このようなことは防音ができる場所でしかやっていません」
「初めてではないんだ……」
聞けば孤児院ではやっていないという。夜に子が体調を崩して緊急の対応を取ることもある以上、音を遮って引きこもるわけにもいかない。そのため、たまの休暇で教会の個室を借りて、発散しているのだと。
ベッドには唾で濡れたおしゃぶりが転がり、音のなる玩具が握られている。おしめは自分で着けたのだろうか。普段から本当の赤ちゃんにも着けているから手慣れているのかもしれない。
「ずっと、他の人には明かせなかった秘密です。……ですがリュートさん、あなたに見られてしまった」
「今晩のことは忘れます。俺はドアの前に聖典を置いて、そのまま宿に戻ったことにしますから」
お互いこのことはさっぱり忘れようと提案するも、聖女は首を横に振る。その瞳の奥に、リュートは妙な光を見た。
「リュートさん、お願いがあるのです」
居住まいを改めて、ミルラはリュートを見据える。おしめ以外、一糸纏わぬ美女に熱い視線を向けられて、青年は妙な気持ちが湧き上がってくる。
「私のパパになってください」
次の瞬間、彼の心は冷え込んだ。
「……はい?」
「リュートさんの逞しい体付きや、セリアとローザの厄介者たちとも上手く付き合う世話上手な姿を見て確信しました。あなたは理想のパパなのです」
「いや、えっと。色々違うと思うんですが」
「いいえ。あなたこそが理想のパパ。私を甘やかして、さらなる解放へと導いてくれる存在なのです」
「うぎゅうっ!?」
破綻したレールを強引に突き進む暴走機関車のように捲し立てたミルラは、そのままリュートの胸元へと飛び込む。豊満な肉体に抱きつかれて、青年は目を白黒させながら飛び上がった。
「お、お金なら払います。どうせほとんど使い道もなく、溜め込んだものがあるのです」
青年の反応が鈍いと見るや、神官は床に転がっていた荷物を引き寄せ中からずっしりと重たい財布を取り出してみせる。元S級冒険者であり、現在は清貧の孤児院長であるミルラは、ローザほどではないにせよかなりの蓄えがあった。
しかし財布を片手に年下の青年に迫る女の姿は、あまりにも浅ましい大人であった。
「お願いです。一晩だけでもいいのです。私を助けると思って」
「ちょ、ミルラさん!?」
ついには土下座までし始める。額を擦り付けながら咽び泣く姿は哀れであった。孤児院を営むなかで色々と苦労もあるのだろう。それにしても、である。
「……もし、私のパパになってくれないというのなら」
どうやって断ればよいかと頭を悩ませるリュートの足元で、低い声が呻くように響く。
「セリアに全ての真実を伝えます」
「す、全ての真実って……」
「ローザとも、お楽しみのようでしたよね。それなのに、私とは……無理ですか?」
さっと血の気が引いたのはリュートだった。ミルラは全てを知っている。それをセリアに伝えられてしまえば……。
「ひ、一晩だけ」
もはや青年に道は残されていない。陥落した彼が声を絞り出すと、温かな乳白色の爆乳が押し付けられた。
「ありがとうございます。――よろしくね、パパ♡」
優しく冷静な仮面が剥がれ、無邪気な赤子の笑みが浮かぶ。不釣り合いなほど肉付きのよい成熟した艶肉を押し付けながら、ミルラは若い父親の頬にキスをした。