闘う巨乳なレジスタンス娘は失うものが何もない 作:かめのこたろう
「はぁっ! はぁっ! はぁっ! はぁっ! あぁっ♥」
くいっくいっと、リズミカルに腰を前後に動かすたびに、ブルンブルンと重い胸が揺れて邪魔だと思う。
視界に入っているのは、いつも着慣れた白いタンクトップを上にずらされて露出された自分の肉体の一部。
慣性に従って形を変えながら、身体全体を意図せぬ方向へと押し流そうとする。
ましてや、動きに従ってぐにゅぅぐにゅぅと胎内奥深くまで絶え間なく変形されて、耐えがたい感覚に襲われていたら。
「うっ! うっ! ううんっ! くっぅぅぅっ!」
生殖器官から生まれた、切なく狂おしいものが全身に行きわたり、力が抜けそうになる。
崩れ落ちて楽になってしまいたい誘惑に負けそうになるけど、何とか気力を振り絞って言うことを聞かない身体を支配しようとした。
じゃないと終わらないから。
ある程度主導権を握って、相手の反応を効率よく引き出さないと意味がない。
私がこの“交渉事”をやりこなすために学んだ有益な事態打開方法の一つ。
男という存在を相手取る際の実践的攻略法みたいなもの。
そう、流されまいと懸命に肉体の試練に没頭していたその時。
私の淫らな踊りを見上げるように、下からずっと堪能していたらしい男が言う。
「……いいのか?」
「んっ! んっ! んっ! な、何が……?」
突然の、意味不明な内容に聞き返す。
最初は何か、ふざけて揶揄っているのかとでも思った。
でも、続く言葉で、すぐに事態を理解する。
「アイツ、見てるぜ?」
「っ!」
白く眩く迸った何かを無視しながら、グルんっと首と身体を捻って、背中の向こうを見た。
我ながら、即座で瞬時の、野生動物めいた本能的な動きだった。
そして絡み合う視線。
ありえぬ邂逅。
「はぁ……、はぁ……、悪いけど。閉めてくれる?」
「す、すまないっ」
細く開いたドアと壁の隙間から覗いていた存在が応えた。
どこか懐かしい、哀しい光を湛えた瞳。
つい先だって、一緒に組織活動を始めたばかりの彼の顔。
かちゃりと僅かな音を立てて、漏れ見えていた向こう側の光景と共に消え失せた。
完全に空間が遮断されたことを確認して、私は溜息をつきながら再び交わっている最中の男へと身体を向き直した。
ぐにゅぅぅぅ……っ。
「あ……っ♥」
途端、意識していなかったはずの内部の感覚が鮮烈に蘇ってくる。
「へへ、随分と反応良かったみたいだぜ?」
「……」
彼と視線が交わった瞬間に自分の身体に巻き起こったこと。
限りなく正解に近い、その揶揄めいた洞察に私はなぜか酷く苛立った。
別にみられたからってどうってこともないはずなのに。
彼も私も、何らの拘りも葛藤も持つ理由もない。
かつて同じ故郷を持っていた幼馴染。
そして今は一時的な戦友という以上でも以下でもありえない関係。
だから私が、金で自分の身体を一時的に好きにしている男の、下種な勘繰りにいちいち心を波立たせる意味も理由も何もないはず……だったのだけど。
「ふぅぅぅっ!」
「うぉっ!? す、すげえな……っ!」
「んっ! んっ! んんっ! んんっ!」
何時になくムカついて腹立たしい衝動のままに、勢いよく腰を上下にたたきつけ始めた。
相手を黙らせるにも、肉体が生み出すものに一時身を任せて自分を誤魔化すためにも、どちらの意味でも中々悪くないやり方みたいだった。