※この作品はR-18です。

リリカルセクシャル短編集   作:コミュニ爺

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フェイトそんのえっちな話

♡

 

「ああんっ……はあっ、んっ……」

 

 フェイト・T・ハラオウン。時空管理局の執務官で、勇名轟くSランク魔導師だ。その彼女が、普段見せる姿とは似ても似つかぬ痴態を晒していた。

 薄暗い自室で、自分をひたすらに慰める。既に彼女の秘所は蕩けきっており、濃厚な性のニオイが漂っていた。空いた左手で右の乳房をしきりに揉みしだく。ピンと張った乳首が、全開にしたワイシャツを突き破らんと自己主張していた。

 下着も着けずに自慰行為に耽る彼女の脳裏には、彼の姿だけが浮かんでいた。スカリエッティのアジトから助け出した彼。身体中がぬめりのある体液で満たされ、白濁に溺れていた彼。むせ返るような性のニオイに包まれ、ひどく衰弱していた彼。その全てが、彼女の劣情を刺激していた。

 

「はうっ……んっ、あうっ……ああっ……!」

 

 一月もの間、たった一人で熱い夜を過ごした彼女は、己の昂る欲求を止める術を知らなかった。今晩も、こうして更けてゆく。彼と繋がりたいという欲望が、彼女の胸を満たしていった。それは熱く、苦く、甘く……。ヘドロのように、彼女の心の奥に堆積していくことになる。

 

 

♡♡

 

「あっ……ギンガ、さん……」

「……っ!」

 

 彼がスカリエッティ一味に拉致されて、一月が過ぎようとしていた。望まぬ性行為を強いられ、ひどく傷つけられていた心も快復の兆しを見せている。

 それだけに、最愛の人であるギンガ・ナカジマから避けられているという事実は、彼の心に大きく影を落とした。

 彼女と顔を合わせれば、泣き出しそうな表情を浮かべ、脱兎の如く去っていく。彼はひどく自分を責めた。不本意とはいえ、何人もの女性と肌を重ね、汚れてしまった自分を嫌いになったのだろうと。きっと、軽蔑されているのだろうと。

 自らの悲しみに蓋をして、去りゆくギンガを見送る。泣き出しそうになるのをグッと堪え、彼は歩を進めた。ギンガとは反対方向に進み、曲がり角へ差し掛かる。人影が見えたことで立ち止まると、そこには金の髪の彼女が潜んでいた。

 

「あっ、ちょっといいかな……」

 

 近頃、彼女と―――ハラオウン執務官と会話をする機会が増えた。彼の頭の中にぼんやりと、そんな言葉が浮かんできた。幽閉されていた自分を助け出してくれた彼女には感謝しているし、ギンガとの距離感を測りそこねていることへの相談にも乗ってくれている。そんな彼女からの誘いを、二つ返事で了承した。

 局の食堂へと足を運びながら、近況の報告と、他愛ない雑談を交わす。この一月で幾分治まったとはいえ、女性に対する激しい恐怖心が刻まれてしまった彼にとっては、ささやかな癒しの時間だと言えた。そんな最中、フェイトは唐突に話を切り出す。

 

 ―――今晩、私の家に来て欲しい、と。大事な話がある、と。

 

 流石に気が引ける、と断ろうとした彼だったが、彼女の切なげな瞳と声にあっさりと陥落した。了承の意を受けた彼女は、一瞬呆けた後、向日葵のように可憐な笑顔を浮かべる。

 彼は、その笑顔が自身の胸に深く刻まれていく感覚に襲われた。己が胸の内を大きく占めるギンガへの思いを上書きするように、フェイト・T・ハラオウンの存在が刻まれていくようだった。

 

 

♡♡♡

 

 彼女の社宅を訪れ、インターホンを鳴らす。弾んだ声が返ってきて、程なくフェイトが扉を開けた。初めて見る私服の彼女にときめくが、気のせいだと言い聞かせる。そして彼女に招かれるまま、ダイニングのチェアーに腰掛けた。

 

「それでね、話っていうのは……」

 

 照れを交えながら言葉を紡ぐ彼女とは対照的に、彼は愕然とした。当然だ。なにせ―――

 

 ―――ギンガと別れて欲しい、などと言われたのだから。

 

 ……最近、ギンガから避けられていることは、嫌というほど知っている。だが、今までに築き上げてきた気持ちを捨て去ることなど、容易なものではなかった。

 言葉に詰まる彼を見て、当然だろうと頷くフェイト。それでも彼女の表情に翳りは見られない。彼がギンガではなく自分を選ぶことへの自信が感じられた。微笑を浮かべ、彼女が口を開く。彼には受け入れ難い事実が明らかとなった。

 

 ―――ギンガから相談を受けた、君のことが嫌いになった、と。他の女性とまぐわった君のことなど、見たくもない、と。

 

 心が、砕かれるようだった。思わずチェアーからくずおれる。避けられていると思ってはいた。嫌われているかもしれないと思ってもいたが、明言されるとここまでショックだとは。小さく返事を返すと、彼の頬を一筋の涙が伝った。

 

「辛かったよね……苦しかったよね……だから、これからは私が癒してあげる。全部、受け止めてあげるから……」

 

 彼を抱きしめ、耳元で優しく呟く。フェイトの慈愛に満ちた声が、彼の砕けかけた心へと穏やかに降り注いだ。思わず抱き返す彼を満足げに見つめながら、フェイトは彼の唇に軽く触れるようなキスを落とす。互いの温もりが感じられたことで、彼女は一層強く、穏やかに微笑んだ。

 

「さて……それじゃ、シちゃおうか」

 

 虚ろな目を浮かべ、自らに縋り付いてくる彼の頭を一撫でし、フェイトは上半身を脱ぎ始めた。シャツを脱ぎ、ブラを外す。いわゆるトップレスの状態である。整ったプロポーションと、グラマラスに揺れる双丘、薄らとした桃色を浮かべる乳房。女性的な魅力の溢れる彼女の肢体と、母性的な笑みを称える彼女の姿に、彼の理性はいとも容易く決壊した。

 

「んちゅっ……んまっ……んむぅ、っ……」

 

 思考すらせずに、フェイトの乳房へと吸い付く。彼も男だ。たわわに実った魅惑の果実へと吸い寄せられるのも、仕方のないことであろう。

 砕けかかった彼の心は、己の記憶にすら残っていない幼い頃をなぞっていた。母の温もりと母乳を求め、乳房に吸い付く。かつて体験したものよりも若々しく、ハリのあるそれに、彼の陰茎は強く反応を示した。大きく隆起し、硬く、雄々しくなっていく。

 その様子を視界に収めたフェイトは、興奮に顔を綻ばせた。脳裏に焼き付き、求めてやまなかった彼の逸物が、少し手を伸ばせば届く場所にあるのだ。当然の帰結だろう。思わず力の入る彼女の股下を、熱い雫が伝っていった。

 

「んぅっ、んぇっ……ああっ……んんっ……。……おいしい」

 

 歯を立てず、唇と舌を用いて、フェイトの乳房を味わい尽くす。理性が置き去りにされたように思えた彼だったが、彼女に苦痛を与えるかもしれないという配慮を無意識に行っていた。そんな彼の優しさを慈しむように、フェイトは穏やかな微笑みを浮かべた。

 

「んんっ……ふぅ、んんっ……。よちよち、上手でちゅね〜」

 

 幼児退行を起こし、自らの肢体に縋り付く彼を見て、フェイトは満足気に微笑んだ。自身の乳房を滑らか且つ繊細に舐め回す彼をあやすように言葉を紡ぐ。

 フェイトは、子どもが生まれた時の予行演習のつもりで、彼を優しく抱きしめていた。自らよりも背の高い彼を赤子のように扱える優越感と、乳房を舐られる性的快感から、隠しきれない嬌声が漏れ出してもいたが。

 ……彼がしばらくフェイトの乳房を吸い続けた後、肉欲が昂ぶった二人は、示し合わせるように互いの陰部を曝け出した。そこから先に進むのに、もう言葉は必要なかった。

 

「フェイトさん……フェイトさん……!」

「あんっ、いいよっ……!もっと……もっと来て……っ!」

 

 フェイトの蜜壺が、彼の肉棒を咥え込む。言い表せないほどの快感に包まれた二人は、よがる身体の逃げ場を探すように、互いの身を強く抱き合った。

 涙を流しながら、激しく腰を打ち付ける彼。そんな彼を抱きしめ、絶対に離すものかと足を絡めるフェイト。薄ら冷たいはずのフローリングは、彼らの体温で温く変わっていった。

 

「……今度は、俺が下になるよ……」

「んっ……ありがと……。―――いっぱい、気持ちよくしてね?」

「あぁ、頑張るよ……」

 

 羽根が触れるように柔らかなキスを交わし、潤んだ彼女の赤を見つめる。情欲と愛欲に濡れた瞳に、彼は強い興奮を覚えた。

 床を背にし続けた彼女を労り、攻守を交代する。仰向けに伏せた彼に跨り、フェイトは激しく腰を振った。彼の心に残るギンガの影を振り払うように。自らを、彼に刻みつけるように。

 

「好きっ……好きっ……!私を、見て……私だけを、見て……っ!」

「フェイトさん……フェイトさん……っ」

 

 激しく交わる内に、彼の中でギンガへの思いが薄れていった。いや、薄れたというよりも、蓋をした、というべきだろうか。今でも彼女のことを好きだという気持ちに変わりはない。だが、彼女のためにも、もう自らが関わらないことを決めたのだ。

 これからは、眼の前の彼女の……フェイトのために生きよう。快楽に沈みゆく意識の中で、確かな決意が芽生えた。

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