種無しの男が、超ハイスペックな後輩に妻の種付けをお願いする話 作:minnie_remon
精子提供の日取りは女性が最も妊娠しやすいとされる日…すなわち亜美の排卵日の2日前に設定された。
提供が決まってから、亜美は毎朝の基礎体温測定と排卵検査薬、そしてアプリによる生理周期の管理を徹底して行ってきた。そしてついに、待ち望んだ排卵予測日の3日前、つまり精子提供前日を迎えたのだった。
リビングの灯りの下、亜美は温かいハーブティーのカップを両手で包み込みながら俯いていた。その指先はかすかに震えており、整った顔立ちには隠しきれない緊張と不安の影が落とされていた。
「達也さん…」
静かな部屋に、亜美の小さく掠れた声が響く。
「いよいよ、明日なんだよね…」
隣に座る達也は、愛おしそうに妻の肩を引き寄せた。達也もまた、胸の奥では言葉にできない複雑な感情が渦巻いていた。自分が種無しであるが故に、明日、妻を別の男の待つホテルの部屋へと送り出さなければならない。その苦しさに押し潰されそうになりながらも、達也は夫として必死で気丈に振舞った。
「大丈夫だよ、亜美。悠斗は本当に信頼できる男だ。昔から真面目で、約束は絶対に守る。何も心配いらないよ」
「うん…分かってる。でも、やっぱり怖いというか…達也さん以外の男の人と、そんなことをするなんて…私、ちゃんと耐えられるかな…」
不安に震える亜美を達也は優しく抱きしめて。
「亜美が頑張ってくれるおかげで、俺たちは子どもを授かることができるんだ。俺たちの未来のために、明日1日だけ勇気を出してくれ。同じ部屋にはいられないけど、俺も気持ちはずっと亜美と同じ所にいるから」
「達也さん…ありがとう。私、頑張るね」
達也の温かい言葉に支えられ、亜美は決意を固める。愛する夫に子どもを抱かせてあげたい、母親になりたいという強い想いが、押し寄せる不安を少しずつ押し流していった。
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同じ頃、港区の高級フィットネスクラブ。
深いプールを、一筋の影が凄まじいスピードと美しさで切り裂いていた。
精子提供の日取りが決まってからの数週間、悠斗はただでさえ常人離れした自らの生命力と精子力をさらに完璧な状態へと引き上げるために、日々のトレーニングの強度を一段階引き上げていた。睡眠時間の管理、徹底した食事管理、そして全身の細胞を極限まで活性化させるための負荷運動。完璧主義者の彼には妥協など一切存在しなかった。
悠斗がプールサイドへ上がると、周囲にいた他の会員の視線が一斉に彼へと注がれる。
水滴を弾く彫刻のように研ぎ澄まされた肉体。引き締まったウエストから広がる逆三角形の背筋、しなやかでありながら爆発的なパワーを秘めた大胸筋と腹筋のライン。187センチの長身に黒の水着一枚を身にまとったその姿は、まるで古代ギリシャの神話に登場する英雄のようだ。
「すごいな…あの人、アスリートか何かか?」
「モデルかなと思ったけど、それにしては体つきが本格的すぎる…」
周囲から漏れ出る感嘆と溜息の声を悠斗は気にも留めず、タオルの生地で静かに身体を拭う。そして鏡に映る自らの肉体を見つめながら、静かにコンディションを確認する。
水泳のタイム自体は、本格的に取り組んでいた頃には当然及ばない。しかし肉体そのものは確実に成長し、パワーアップしている。奇しくも精子提供という重大なミッションを引き受けたことで、己の肉体は人生最高の状態に達することができた…そんな自信を感じられる、最高の仕上がりだった。
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その夜、都心のタワーマンションの寝室にて。
シャワーを浴び終えて上質なシルクのガウンを羽織った悠斗がベッドに入ると、隣で出演中のドラマの台本を確認していた美桜が、静かにそれを伏せた。
2年連続CM出演女王としての輝かしいオーラを纏う彼女だったが、今夜の表情にはどこか複雑な影が混ざっていた。美桜は悠斗のたくましい腕にそっとすがりつくと、胸元に顔を寄せた。
「ねえ、悠斗…」
「どうした、美桜?」
悠斗が優しく髪を撫でると、美桜は少し甘えるような、けれど確かな嫉妬を含んだ声で囁いた。
「私ね、最終的には契約書も作らせて、確かに精子提供に賛成したよ。理由も分かってる。でもやっぱり内心は、悠斗が私以外の女の人を抱くなんて嫌で嫌でたまらないの」
「美桜…」
「だからね」
美桜は悠斗の顎に手を添え、その整った顔をまっすぐに見つめて。
「絶対に、一発で決めてきてね。2回目とか、ダラダラやり直すなんて嫌だから。それに悠斗の凄い精子なら、一回で十分でしょ?」
その思いを聞いた悠斗は、美桜の額に優しくキスを落とすと、自信に満ちた笑みを浮かべて。
「勿論、一発で決めるつもりだよ。美桜に2回も我慢はさせるようはことはしない。1回で十分さ」
「ふふ、頼もしいね。頑張ってきて。私の完璧な悠斗」
美桜の抱擁を受け止めながら、悠斗は暗闇の中で、自身の体内に蓄えられた圧倒的な生命の蠢きを意識していた。
…明日の準備は、すべて整った。
自分の体は、狂暴なまでの生命力を秘めている。明日はそれを余すことなく解き放ち、完璧に任務を遂行してみせる――
静まり返った夜の空気の中、明日ついに訪れる禁断の儀式に向け、悠斗の精神と肉体は静かに研ぎ澄まされていた。