「まっ…くぅぅ…!」
声にならない声が喉から漏れた。
戸惑いを隠せない俺を余所に、式は手際よく俺のズボンのベルトを外し、ボタンを外し、下着ごと一気に引き下ろした。
さっと夜気が股間を撫でる。
一瞬のうちに俺は全裸にされてしまった。
「ちょっ…式!?」
慌てて制止しようと身を起こしかけた俺の動きはしかし、次の瞬間凍りついた。
式がそのまま勢いよく俺の股間へと顔を埋めたからだ。
長い髪が俺の太腿に散らばり、ふわりと女性特有の甘い香りが鼻孔をくすぐる。
「んちゅ…れるっ…んっ…ちゅちゅ…れろぉ…」
即座に亀頭へと濡れた柔らかい感触が押し当てられ、撫で回される。
式の舌だ。
ぬるりとした生き物のようなそれがゆっくりと亀頭を這い回っていく感覚に俺は言葉を呑み全身を震わせていた。
「あっ…うぅ…!」
先程までの冷淡な雰囲気とはまるで違う色っぽい表情を浮かべて式は俺の肉棒を舐め回している。
左右非対称な前髪の隙間から覗く宝石のような瞳が上目遣いでこちらを見上げていた。その眼光だけが鋭く俺を射抜いている。
右手で優しく玉袋へ触れたかと思えば舐めるのに合わせて同時に指先で転がすように愛撫してきた。
「んっ…ちゅぱ…れろっ…」
じゅるりと唾液を絡めながら亀頭の裏側の筋を舌先でなぞり上げる。
敏感な部分に硬い舌先が押し当てられるたびに腰がビクビクと跳ねた。
「はぁ…すごいな…」
式が一瞬口を離し恍惚とした表情で俺のペニスを見つめた。
「鉄のように硬いのに…皮膚はこんなにも熱い。これが生命力の塊か」
彼女は頬ずりをした。白く滑らかな頬が俺のペニスに擦れ熱い体温が直接伝わってくる。
「式…あのっ…」
「黙れ」
短く告げると彼女は再び顔を埋めた。
今度は竿の方へと舌を這わせる。亀頭から根元へゆっくりとなぞり下り今度は逆に根元から亀頭へと登っていく。
れろっれろっれろっ。
まるで飴玉でも舐めるような無邪気さと執着心が同居した舌使い。
玉袋の方も決して忘れず左手で優しく揉みしだきながら時折口に含んでちゅうちゅうと吸い上げる。
「くっ…うぅ…!」
頭がおかしくなりそうだった。
この浮世離れした大和撫子が俺の股間に顔を埋めて一心不乱に阴茎をしゃぶっているのだ。
状況の異常さと口内の快感のギャップに思考が追いつかない。
式は口を大きく開けると俺の肉棒を一気に奥まで咥え込んだ。
「んぐっ…んふぅ…!」
じゅぶじゅぶという卑猥な水音が小屋の中に響き渡る。
喉奥まで侵入した異物にむせそうになりながらも式は必死に飲み込もうとしていた。
咽喉の奥がきゅうきゅうと締め付ける感触。頭の先が痺れるような快楽が背骨を駆け上がってくる。
「あぁ…式…それ…すご…」
俺は無意識に式の頭に手を伸ばしていた。
短い髪に指を差し込み優しく撫でる。
すると式は一瞬動きを止めたかと思うとさらに深く俺を受け入れようと喉を開いた。
「おぇっ…ぐちゅ…んぢゅぅ…!」
えずきながらも奉仕を止めないその姿は痛々しいほど淫靡だった。
目尻に涙を浮かべながらも宝石のような瞳は相変わらず俺を見据えている。
その瞳に宿る光は情欲かそれとも獲物を狙う捕食者のそれか。
分からないまま俺はただ快楽の波に身を委ねるしかなかった。
生命回帰が体の中で激しく循環し始める。
式の体に触れることで彼女の中に宿る微かな死の気配を感じ取っているのかもしれない。
死と生。相反する二つの力が交差する場所で俺の体はより一層熱を帯びていった。
「んっ…ちゅぱっ…じゅるるっ…!」
式は口から俺の肉棒を解放すると今度は先端にキスをした。
ちゅっちゅっちゅっ。
鈴口に幾度も唇を押し当て口内に溜まった唾液を塗りつけていく。
そして舌先で小さな穴をちろちろと突ついた。
「ひぁっ!?」
電流が走ったような刺激。鈴口から尿道へと舌が侵入してくる感覚。
「あぁ…だめ…そこは…!」
俺の抗議など聞くはずもなく式はさらに舌を深くねじ込んだ。
尿道の中を掻き回される背徳的な快感。腰が浮きそうになるのを必死で堪える。
(これ以上は…)
(理性が飛ぶ…!)
玉袋がぎゅっと引き絞られる感覚。限界が近かった。
だが式は止まらない。
再び俺の肉棒を深く咥え込むと今度は激しく頭を上下させた。
ぶちゅっぶちゅっぶちゅっ!
容赦ないピストン運動。口内粘膜と阴茎が激しく摩擦し合う。
「んぐっ!んふぅっ!じゅぶっ!」
口から溢れ出した唾液が俺の太腿を伝いシーツに染みを作っていく。
彼女の喉奥が収縮し俺を搾り取ろうとするたびに脳髄が蕩けるような快感が襲ってきた。
「式…もう…限界…!」
俺は声を絞り出した。
だが式は止まるどころかさらに激しく吸い上げた。
まるで俺の精液そのもの生命力そのものを搾り取ろうとしているかのように。
(だめだ…出る…!)
俺は反射的に式の頭を掴み腰を突き上げた。
どくっ!どくどくどくっ!
「んぐぐぅぅぅっ!!」
喉奥に白濁液が叩きつけられた瞬間式の体がビクンッと跳ねた。
しかし彼女は決して口を離そうとはしなかった。
むしろさらに強く吸い付き喉を鳴らして飲み込もうとする。
びゅるるるるっ!!
止めどなく溢れ出す精液。生命回帰によって増幅されたそれは通常の比ではなかった。
「んっ…ぐっ…んぐぅぅ…!!」
飲みきれなかった白濁液が口の端から溢れ出し顎を伝い首筋へと垂れていく。
それでも射精は続いた。ビクビクと脈打つ阴茎から次々と白濁液が吐き出される。
式は苦しげに眉を寄せながらも最後まで俺を受け止めようとしていた。
やがて長い射精が終わり俺は力なくシーツに沈んだ。
ぜぇぜぇと荒い呼吸をする俺の股間からようやく式が顔を離した。
「はぁ…はぁ……」
彼女の顔は白く染まっていた。
額や頬や瞼や鼻梁。そして口元から顎にかけてベットリと精液がへばりついている。
濡れた睫毛の先から滴る白濁液。宝石のような瞳だけがその白濁の中で異様な輝きを放っていた。
「……すごいな」
式は自分の顔に付着した精液を指で拭いそれを見つめた。
粘り気のある白濁液が指の間で糸を引く。
「これがあんたの生命力か。死人には縁遠すぎるほどだ」
彼女は指についた精液をペロリと舐め取った。
「んっ……」
喉を鳴らして飲み込むその仕草は妙に色っぽく見えた。
「苦くて濃い。生きている味だ」
式は妖艶な笑みを浮かべたまま俺を見下ろした。
白濁液にまみれた顔で笑うその姿は凄惨でありながらどこか神々しさすら感じさせた。
「久世生真。お前という男は…本当に面白い」
彼女はそう言うと指先で自分の顔に残る精液をさらに拭い取り再び口へと運んだ。