※この作品はR-18です。

種を求められる異世界放浪   作:ボルメテウスさん

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死と生の交わり

精液にまみれた顔のまま、式が俺を見下ろしていた。

 

橙色の火影が、彼女の白濁に染まった顔を妖しく照らしている。宝石のような瞳だけが、濡れた睫毛の間から異様な輝きを放っていた。

 

「式…」

 

「まだ足りない」

 

彼女は短く言った。声が少し掠れていた。

 

「あんたの生命力、もっと欲しい」

 

式は着物の帯に手をかけた。するりと解けていく帯。着物の前が開き、白い肌が火影に浮かび上がる。

 

「俺の体が…あんたにとって毒じゃないとは限らない」

 

「死人絡みの性分だと言った。生者の生命力に触れれば、どうなるか…知りたい」

 

式の着物が肩から滑り落ちた。

 

あっさりとした白い肌。細い鎖骨。控えめな膨らみの胸。淡い色の乳首が、夜気に晒されて硬く尖っている。

 

腰の曲線が窪み、そこから脚が伸びる。袴の下から覗く太腿は引き締まっていて、刀を振るうために鍛えられた筋肉のラインが浮かび上がっていた。

 

「綺麗だ」

 

素直に声が出た。

 

式は一瞬だけ表情を緩めたが、すぐにいつもの掴み所のない顔に戻った。

 

「お世辞はいらん」

 

彼女は俺の上に跨った。俺の太腿の上に彼女の太腿が重なる。肌と肌が触れ合う熱が、直接伝わってきた。

 

「あんたは、変なやつだな」

 

「変?」

 

「妖怪に食われかけた直後に、女を褒める」

 

「状況に関係なく、綺麗なものは綺麗です」

 

「…呆れた」

 

式は小さく笑った。精液の乾いた顔面で笑うその姿は、凄惨さと美しさが同居していて、俺は目を逸らせなかった。

 

彼女の手が、俺の胸に置かれた。心臓の上に、冷たい指先。

 

「温かい」

 

「ああ」

 

「死人にはない温度だ」

 

式の瞳が揺れた。一瞬だけ、何か脆いものが顔を覗かせた気がした。だがそれはすぐに消え、彼女はゆっくりと顔を近づけてきた。

 

「ん…」

 

唇が重なった。

 

柔らかい。冷たい。そして少しだけ、精液の味がした。

 

俺は式の背中に手を回した。細い背中が、俺の腕の中に収まる。肋骨の一本一本が浮き出るほど細い身体だ。刀を振るうには十分な筋肉はあるが、それでもこの身体の華奢さは、彼女が普段無理をしていることを物語っていた。

 

(食事、ちゃんと摂ってないんじゃないか)

 

(この痩せ方は、ただの武芸の稽古だけじゃない)

 

(生きることへの執着が、薄いのかもしれない)

 

思考が唇の感触に溶かされていく。式の舌が、俺の唇を割って入ってきた。ねっとりとした舌が、俺の舌を絡め取る。

 

「んちゅ…れる…んっ…」

 

角度を変えて、何度も唇を重ねる。舌と舌が絡み合う水音が、小屋の中に響いた。

 

俺の手が式の腰を撫で上げる。腰骨のラインを指でなぞると、式の体がビクリと跳ねた。

 

「っ…!」

 

「敏感なんですね」

 

「…黙れ」

 

式が俺の唇を軽く噛んだ。チクリとした痛み。だがその直後、今度は優しく吸い上げられた。

 

「んんっ…」

 

俺の口から声が漏れる。式の唇が、俺の唇を嬲る。下唇を吸い上げ、上唇を舌で撫で、また深く吸い合う。

 

ベロチュー。唇だけで交わる濃密な時間。

 

式の吐息が俺の顔にかかる。甘い。枯れた世界に咲く、最後の花の匂い。

 

「はぁ…ん…イクマ…」

 

名前を呼ばれた。初めてだ。式が俺の名前を呼んだ。

 

「式」

 

「…ん」

 

「もっと、こっちへ」

 

俺は式の背中を引き寄せた。胸と胸が触れ合う。式の小さな胸が俺の胸板に押し付けられ、乳首と乳首が擦れ合った。

 

「んっ…!」

 

式の喉から、小さな嬌声が漏れた。今までの冷淡な態度からは想像もつかない声。

 

「式…好きにしていいですか」

 

「…最初からそうするつもりだった」

 

彼女は俺の耳元で囁いた。吐息が耳の中に潛り込み、脳髄をくすぐる。

 

「あんたの中に、私を入れろ」

 

直球だった。セフィの時とは違う種類の直球。セフィは王族として俺を必要とした。式はただ、生を求めていた。

 

「…分かりました」

 

俺は式の身体を寝台に押し倒した。

 

「っ!」

 

式の背中が布団に沈む。長い髪がシーツの上に広がる。火影に照らされた白い肌が、闇の中で浮き上がるように輝いていた。

 

「式、開いて」

 

俺は式の膝に手を置いた。ゆっくりと内側へ開かせていく。

 

式は抵抗しなかった。むしろ自ら脚を開いた。袴の裾が滑り落ち、白い太腿が露わになる。

 

「…見るな」

 

「見ます」

 

「…呆れた」

 

そう言いながら、式の顔は赤くなっていた。

 

脚の奥に、薄い茂みが見えた。式の秘部は、すでに濡れていた。ピンク色の花弁が、愛液で淡く光っている。

 

「濡れてる」

 

「…うるさい」

 

「俺のせいですか」

 

「…他に誰がいる」

 

式は自分の脚をさらに開いた。俺を拒絶しない。むしろ、受け入れる体勢を作っている。

 

「来い」

 

短い一言。その言葉の重みに、俺は背筋が震えた。

 

俺は式の上に覆いかぶさった。ペニスが、式の秘部に触れる。熱い。濡れている。そして、きゅうっと収縮している。

 

「んっ…!」

 

亀頭が花弁を割って入っていく。ぬぷり、という音と共に、先端が秘口を押し広げた。

 

「あっ…!」

 

式の背中が反った。白い喉が天井を向く。細い指が俺の肩に食い込む。

 

「大丈夫?」

 

「…当たり前だ…入れてくるな…と言いたいところだが…」

 

式の声は震えていた。だが脚は俺の腰に絡みついている。離すまいとしているのが分かった。

 

「んくっ…!」

 

さらに奥へ。俺のペニスが、式の膣内を一寸ずつ埋めていく。

 

狭い。セフィの時よりもずっと狭い。式の膣壁は、きつく俺を締め付けていた。癖のある内壁が、ひだひとつひとつが俺のペニスに絡みつく。

 

(すごい…締め付けが)

 

(まるで刀の鞘にペニスを差し込んでいるみたいだ)

 

(…いや、刀の鞘は冷たいけど、式の中は灼けるように熱い)

 

「あぁっ…! イクマ…入ってくる…!」

 

式の声が高い。普段の淡々とした調子とは別人のようだった。

 

「全部、入った」

 

俺は根元までペニスを埋めた。式の最奥に先端が触れる。

 

「んんっ…! 奥…当たってる…!」

 

式の内壁が、俺のペニスを収めると同時に激しく収縮し始めた。膣壁がひくひくと蠢く。まるで俺のペニスの形を確かめるように、触れては離れ、触れては離れを繰り返す。

 

「式…動くぞ」

 

「うん…きて…!」

 

俺は腰を動かし始めた。

 

ゆっくりと引き抜き、ゆっくりと突き入れる。浅いピストンから始めて、式の体が慣れるのを待つ。

 

ズブ…ズブ…ズブ…

 

「んっ…んっ…んっ…!」

 

式の喘ぎがリズムを刻む。俺の動きに合わせて、彼女の腰も揺れ始めた。

 

「イクマ…もっと…!」

 

「分かった…!」

 

俺はピストンの速度を上げた。浅いストロークから、深いストロークへ。亀頭が子宮口を叩くたびに、式の全身がビクンと跳ねる。

 

「あっ! あっ! あっ! そこっ! 奥っ!」

 

式の脚が俺の背中に回った。白い太腿が俺の腰を挟み込み、逃がさないと主張する。

 

「式…すごい締め付けだ…!」

 

「んんっ…! だって…あんたのが…大きすぎて…!」

 

膣内はきつかった。俺のペニスを包む肉壁が、容赦なく締め付けてくる。引き抜く時は名残惜しそうに吸い付き、突き入れる時は奥まで飲み込もうと蠕動する。

 

(この人、普段はあんなに淡々としているのに)

 

(ベッドの上では、全然違う)

 

(すごいギャップだ)

 

「イクマ…! もっと…深く…!」

 

式が俺の首に腕を巻き付けてきた。顔が近づく。息がかかる距離。

 

「んっ…ちゅ…!」

 

唇が重なった。膣内にペニスを埋めたまま、唇を重ねる。舌が絡み合う。

 

「んちゅ…れる…んっ…んん…!」

 

ベロチューとピストンが同時に俺を攻め立てる。脳が焼き切れそうだ。

 

「はぁ…んっ…イクマ…イクマ…!」

 

「式…式…!」

 

名前を呼び合う。声と声が重なる。汗が交じり合う。体温が融合する。

 

(この人が求めているのは、生命力だけじゃない)

 

(寂しさを埋める温もりなんだ)

 

(死人に縁のある女が、生者の温もりに飢えている)

 

俺は式を強く抱きしめた。胸と胸が押し付けられ、心臓の鼓動が互いに伝わる。

 

「式…俺がいる」

 

「…んっ…!」

 

「俺がいるから…!」

 

俺は腰を激しく打ち付けた。

 

ズン! ズン! ズン! ズン!

 

肉と肉がぶつかる音が、小屋の中に響き渡る。シーツが悲鳴を上げ、寝台が軋む。

 

「あっ! ああっ! イクマっ! イクマぁっ!」

 

式の声が高くなった。背中が弓なりに反る。豊かではない胸が揺れる。乳首が硬く尖り、俺の胸と擦れて赤く染まっている。

 

「式…俺も…そろそろ…!」

 

「んっ…! 出して…! 中に…!」

 

「式…!」

 

「イクマの全部…私の中に…!」

 

限界だった。

 

俺は式の最奥に向かって、ペニスを突き立てた。

 

ドクッ! ドクドクドクッ!!

 

「あぁぁっ!!」

 

射精と同時に、式が絶頂した。

 

ビクンッ! ビクンビクンッ!!

 

式の全身が痙攣する。膣壁が俺のペニスを噛み締め、搾り取るように収縮した。

 

「うっ…! 搾られる…!」

 

精液が注がれるたびに、式の膣内が蠕動する。一滴残らず吸い取ろうとするかのように。

 

「あへぇ…! あぁ…温かい…!」

 

式の瞳が霞む。宝石のような瞳が潤み、焦点が定まらなくなる。

 

「イクマの…生命力が…私の中に…!」

 

ビクビクと脈打つペニス。それに呼応するように、式の膣内も収縮を繰り返す。

 

「はぁ…あぁ…熱い…お腹が…熱い…!」

 

式の手が、自分の下腹に触れた。

 

「ここに…入ってる…!」

 

俺の精液が、式の体内に注がれている。生命回帰が、式の枯渇した生命力を満たしていく。

 

「温かい…!」

 

式の目から涙がこぼれた。

 

「久しぶりに…生きてるって…感じた…!」

 

「式…」

 

俺は式を抱きしめた。射精後の余韻の中で、二人の呼吸が重なる。

 

「私ね…」

 

式が、消え入りそうな声で言った。

 

「死人とばかり向き合ってきたから…生きている実感が…なかった」

 

「…」

 

「でも今、あんたの温もりを感じて…分かった」

 

式は俺の胸に顔を埋めた。

 

「生きててよかった…あんたに会えて…よかった…!」

 

その言葉に、俺の胸が熱くなった。

 

(この人は、強い)

 

(強いけれど、寂しかった)

 

(死と隣り合わせの生活の中で、誰にも頼れなかった)

 

(だからこそ、掴み所がなかった)

 

(俺に触れて、初めて緩んだんだ)

 

「式」

 

「…ん」

 

「これからも、俺が温めてやる」

 

「…馬鹿」

 

式は俺の胸に顔を擦り付けた。

 

「死人の性分が、生者に甘えるな」

 

「性分なんて関係ない。俺がそうしたいんだ」

 

「…うるさい」

 

式は黙った。だが、俺を抱く腕に力がこもった。

 

囲炉裏の火が、パチパチと音を立てている。橙の光が、二人を包み込む。

 

小屋の外では、風が杉の枝を鳴らしていた。

 

遠くで鐘の音が聞こえる。ドーン、ドーン。

 

瑞穂州の夜が、ゆっくりと更けていく。

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