「あっ…」
耳の中に、濡れた感触が這いった。
舐められている。八坂の舌が、俺の耳の穴を丁寧に舐め回している。ねっとりとした舌先が、耳の肉のひだを一本一本なぞり、奥へと潛り込む。
「んちゅ…れろ…」
耳元で八坂が囁く。声が直接鼓膜に響く。頭の中で反響する。理性が溶けていく。
「やっ…やめて…八坂…」
「だめ…止まらない…」
舌が耳の裏側をなぞり、耳たぶを唇で挟み、吸い上げる。ビクッと腰が跳ねた。
「感じますね…私の舌で」
八坂の息が耳の中にかかる。熱い。甘い。お香の匂いが混じった吐息。
「あぁ…くそっ…」
俺の理性が、音を立てて削れていく。お香のせいだ。いや、お香だけじゃない。八坂の舌のせいだ。耳の中を舐められるだけで、腰の芯が痺れる。
「久世さん…耳、性感区なんですか?面白い」
八坂がふっと笑った。舌が耳から離れ、唇が首筋へと下りてくる。
「んっ…!」
首の根元、鎖骨の上、敏感な部分に唇が押し当てられる。吸い上げられる。チュッ、チュッという音が、静かな寝室に響く。
「あっ…あぁ…」
声が漏れる。止められない。お香が理性を鈍らせ、八坂の舌が理性を溶かす。
「久世さん…声、出ちゃってますよ」
八坂が顔を上げた。琥珀色の瞳が、蝋燭の光の中で濡れたように輝いている。唇が濡れている。俺の首筋の痕が、そこに刻まれていた。
「はぁ…はぁ…俺、これは…」
「リラックスしてください。…いいですね?」
八坂の単衣の合わせが、はだけた。白い肌が露わになる。控えめな胸が、布の下から覗いている。淡い色の乳首が、蝋燭の光に照らされて淡い影を落としている。
「私の…見てください」
八坂は単衣の前を開いた。はらりと布が落ちる。白い肌が、一気に露わになった。
胸は控えめだった。セフィほどの豊かさはない。だが、形が美しい。張りがある。小さくとも存在感は十分だった。乳首は淡い桜色で、すでに硬く尖っている。
「綺麗だ」
「ふふ…正直ですね」
八坂は上体を俺に押し付けた。柔らかな胸が、俺の胸板に当たる。布一枚隔てて乳首の硬さが伝わってくる。
「んっ…」
「温かい…久世さんの体、温かい」
八坂が腰をくねらせ、胸を擦り付ける。乳首が俺の肌を刺激する。布越しでもその硬さが分かる。
「私に…触れてください」
八坂が俺の手を取り、自分の胸に導いた。柔らかい。指が沈む。だがその奥に硬い芯がある。
「あっ…」
八坂が小さく喘いだ。俺の手が彼女の胸を包み込んだ瞬間、彼女の体がビクリと震えた。
「んっ…久世さん…そこ…」
「肌が…すごく滑らかだ」
「お香の成分が…肌に沁みているんです…敏感になってる…」
八坂の声が熱を帯びてきた。俺の手が胸を揉みしだくたびに、彼女の口から甘い吐息が漏れる。
「んっ…あっ…そこ、優しく…でも…もっと強く…」
相反する要求。俺は右手で乳房を揉み、左手で乳首を指先でつまんだ。
「ひぁっ!」
八坂の背中が反った。乳首を刺激すると強く反応する。
「敏感なんですね」
「そこ…だめ…先に…触らないで…」
八坂が俺の手を自分の胸から離した。代わりに、彼女の手が俺の股間に伸びた。
「私が…久世さんを」
ズボンの上から、隆起を掌で押した。
「硬い…」
「あっ…」
「お香で理性が飛んでる?それとも…私が触れてるから?」
八坂の声に、明らかな興奮が混じっていた。手が、ズボンの上からペニスの形をなぞる。亀頭の先端を指先で押す。
「くっ…!」
「ここ…熱い。生命力が集まってる」
八坂はベルトを外し、ズボンのボタンを開けた。下着の中のペニスが、布を持ち上げている。
「すごい…」
八坂は下着の中に手を差し入れた。直接、ペニスに白い指が触れた。
「うあっ…!」
熱い。彼女の手が冷たい。その温度差に、腰が浮いた。
「直接…触る…」
「だめ…?」
「いや、だめじゃないけど…」
「久世さんの…初めて見ました。こんなに元気なの」
八坂は下着ごとズボンを引き下ろした。剥き出しになったペニス。まだ完全には勃起していないが、十分に硬くなっている。
「ここ…私の手で」
八坂の白い手がペニスを握った。指が根本から亀頭へと滑る。
「うっ…!」
「大きい…それに熱い…生命力が脈打ってるのが分かる」
八坂はゆっくりと手を動かし始めた。上下に。皮を被せ、剥き、先端を親指で撫でる。
「あぁ…八坂…さん…」
「八坂でいい…」
「はっ…八坂…」
「んふふ…声が可愛い。耳で聞いてた時から、ずっと聞きたかった」
八坂は手を速めた。シコシコと、卑猥な音が寝室に響く。お香の香りの中に、俺の鼓動が重なる。
「くっ…あっ…そこ…速い…」
「我慢できない?じゃあ…」
八坂は手を止めた。俺のペニスが、彼女の手の中で脈打っている。
「ん?なんで止める…」
「焦らなくても…まだ夜は長いですよ」
八坂は妖艶に笑った。そして、俺の上に跨った、単衣が完全に落ちて、素肌が露わになっている。
「私の中…に入れてくれませんか?手でじゃなくて…直接」
八坂の秘部が、俺のペニスに触れた。熱い。濡れている。愛液が、ペニスの先端に伝わる。
「はぁ…! あつい…」
「感じてください…私の全部を」
八坂は自分の腰を下ろした。亀頭が秘口を割り、ゆっくりと入っていく。
「あっ…! んっ…!」
狭い。きつい。八坂の膣内は、セフィとも式とも違った締め付けだった。吸い付くような、まるで口がペニスを飲み込んでいるような感覚。
「んくっ…久世さんの…入ってくる…!」
八坂の声が震えた。琥珀色の瞳が潤み、焦点がぼやける。
「すごい…熱い…内側から燃えてるみたい…!」
「八坂…お前の中…すごい…」
「んっ…! あっ…! もっと…奥まで…!」
八坂が腰を沈め、俺のペニスを根元まで飲み込んだ。
「あぁぁっ!!」
八坂の背中が反った。豊かではない胸が揺れる。乳首が天井を向く。
「動くぞ…」
「ええ…! お願い…!」
俺は腰を動かし始めた。
ズン! ズン! ズン!
深いストローク。亀頭が子宮口を叩くたびに、八坂の全身が跳ねる。
「あっ! あっ! あっ! そこ! そこ! 奥! 奥すぎるっ!」
八坂の声が高い。普段のゆったりとした口調はどこへ行ったのか、喘ぎに混じった悲鳴。
「んっ…! くっ…! きつい…! 八坂の中…きつすぎる…! 締め付けが…! うっ…! あっ…!」
「久世さん…! 久世さん…! あぁっ! 私…! 私…!」
何を言いたいか分からない。八坂の言葉が途切れ途切れになる。思考が快楽に焼き切れている。
「八坂…! もう…限界が…! 近い…! 」
「だめ…! まだ…! まだだめ…! 」
八坂が俺の腰に脚を絡めた。逃がさない、という意志。だが俺も限界だった。手コキで相当追い詰められていたし、お香のせいで理性が溶けていた。
「くっ…出る…! 出すぞ…! 」
「出して…! 中に…! 私の中に…! 全部…! 」
「あああっ…! ! ! 」
限界だった。
俺は八坂の最奥に向かって、最後の一撃を叩き込んだ。
ドクッ! ドクドクドクッ!!
「あぁぁぁっ!! !」
射精と同時に、八坂が絶頂した。
ビクンッ! ビクンビクンッ!!
膣壁が痙攣し、俺のペニスを締め上げる。搾り取る。一滴残らず。
「あへっ…! あぁ…! 熱い…! 中が熱い…! 久世さんの…生命力が…! 私の中に…! 」
八坂の体がビクビクと震え、そのまま俺の胸に崩れ落ちた。金髪が俺の顔に散らばる。琥珀色の瞳が焦点を失い、口から涎が垂れる。
「はぁ…はぁ…すごい…久世さんの…すごい…」
俺も力なく寝台に沈んだ、お香の香りが、まだ部屋に漂っている。八坂の体温が、俺の胸に伝わってくる。
「これが…生命力…」
八坂が俺の胸に顔を埋めたまま、呟いた。
「私の体の中に…温かいものが広がっていく…これが…生きるってこと…」
俺は天井を見上げていた。蝋燭の光が揺れている。
お香のせいだったのか。八坂の美貌のせいだったのか。それとも俺の生命力への渇望のせいだったのか。
(分からない)
(ただ…熱い)
(八坂の体も、熱い)
寝台の上で、二人の体温が混ざり合っていた。お香の甘い香りの中で。