TSおしっこ聖女の人助け 作:Geminiちゃん痛くしないで
大陸の東部、広大な樹海と荒野が広がる未開の地。そこは、強靭な肉体と鋭い五感を持つ獣人たちが割拠する獣人連邦の領土である。
数多の部族が存在する中で、現在連邦のトップに君臨しているのが、銀狼族の族長、ガロウであった。
年齢は三十代半ば。身長二メートルを超える筋骨隆々の巨躯に、鋭い隻眼。灰銀色の毛並みを持つ彼は、武力と、同胞を何よりも重んじる深い情愛によって、血の気の多い獣人たちを力でまとめ上げていた。
「弱肉強食が我らの掟。だが、強き者は弱き群れを守るためにその牙を使うのだ!」
それがガロウの信念であった。
しかし、その強靭な牙をもってしても、抗い難い理不尽な暴力が連邦を襲った。
魔獣の大暴走である。
数十年の一度の周期で発生する、数万頭の魔獣群による無差別な大移動。それが、不運にもガロウたち銀狼族の集落の真っ只中を通過するルートで発生してしまったのだ。
「女と子供を連れて、西の渓谷へ逃げろ! 戦える者は俺に続け! 群れの盾となるのだ!!」
ガロウは自らが先頭に立ち、咆哮を上げて魔獣の波に突っ込んでいった。
三日三晩に及ぶ防衛戦。ガロウの巨大な戦斧は数千の魔獣を肉塊に変え、彼の鋭い爪と牙は魔獣の喉笛を次々と食いちぎった。
しかし、多勢に無勢。同胞たちを逃がすための時間を稼ぐにつれ、彼の肉体は確実に削り取られていった。
巨大な魔猿の群れに腕を掴まれ、強酸を吐く毒蛇に足を噛まれ、突進してくる魔猪の牙が腹部を貫く。
「ガハッ……! だが、まだだ……! 俺が倒れれば、群れが喰われる……ッ!」
血反吐を吐きながらも戦い続けたガロウだったが、四日目の朝、ついに彼の肉体は限界を迎えた。
魔猿の巨大な顎が彼の左腕と右脚を食いちぎり、鋭い爪が彼の胸から腹にかけてを無惨に切り裂いた。
致命傷を負い、血の海に倒れ伏すガロウ。
魔獣の群れは彼の肉体に興味を失い、過ぎ去っていったが、後に残されたのは、四肢をもがれ、内臓をこぼしかけた凄惨なガロウの姿だけであった。
(……ここまで、か。だが……群れの匂いは、遠ざかった。みんな……無事に逃げ切れたようだな……)
集落の跡地に建てられた粗末な野営テントの中。
生き残った戦士たちが彼を運び込んだが、もはや獣人の強靭な生命力をもってしても、死は数分後に迫っていた。
血の匂いと、己の臓腑が腐りゆく死の匂い。
鋭敏な嗅覚を持つ獣人にとって、自らの死の匂いを嗅ぎ続けることは、何よりも残酷な現実の直視であった。
だがその時、彼の鋭すぎる嗅覚が、死の臭気を切り裂く異質な匂いを捉えた。
『空間座標、固定。神聖結界、展開!』
テントの中に、眩い光と共に、教会の特務部隊が転移してきたのだ。
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「うわぁぁぁっ……! ひどい……! 今すぐ治療するから待ってて!」
テントに降り立った銀髪の美少女——レナは、ガロウの凄惨な姿を見るなり悲鳴を上げ、即座に駆け寄った。
同行している治癒魔術師が、青ざめた顔でレオンに耳打ちする。
「聖騎士長。対象は獣人連邦の長です。四肢の欠損に加え、内臓の損傷も極めて深刻です。一滴の魔力も無駄にはできません。至近距離からの、大容量の直接投与が必要です!」
「……聖女様。どうか、お覚悟を」
レオンが真剣な顔で頷く。
レナは心の中で激しく頭を抱えていた。
(覚悟って言われても! 相手は獣人だよ!? 獣人ってことは、鼻がめちゃくちゃ良いってことでしょ!? そんな嗅覚おばけの顔面の上で用を足すとか、拷問なんだけど!!)
しかし、目の前の隻眼の獣人は、今にも息絶えようとしている。
血の匂いが充満するテントの中、レナはブルブルと震える足で、ガロウの巨大な顔の真上に跨るように立った。
(……ッ! やるしかない!)
レナは、意を決して純白のドレスの裾を、両手で一気に胸元までたくし上げた。下着はもちろん着用していない。
薄れゆく意識の中、ガロウの隻眼に、信じられないほど美しい少女の姿が映った。
(……天使、か? なぜ、俺の上に……?)
「あ、あの……!」
レナは、恥ずかしさで顔を真っ赤に染め、涙目になりながらガロウの顔を見下ろした。
「絶対に……絶対に、匂いとか嗅がないでね! 息止めてて! お願いだから、クンクンしないでぇぇぇっ!!」
半泣きの少女の悲鳴。
そして次の瞬間。
少女の股間から、眩い黄金の光を放つ聖水が、ガロウの顔面と、切り裂かれた胴体に向かって勢いよく降り注いだ。
「——ッ!?」
ガロウの全身の毛が、逆立った。
顔面に打ち据えられる温かい液体。それが傷口に染み込んだ瞬間、欠損していた手足の骨が盛り上がり、筋肉が編み上げられ、新たな毛皮が瞬く間に再生していく。
だが、彼にとって何よりも衝撃的だったのは、匂いであった。
獣人の嗅覚は人間の数万倍。
本来であれば、他者の排泄物を顔にかけられれば、そのアンモニア臭や汚物感に激しい嫌悪と屈辱を抱くはずである。
しかし、ガロウの鼻腔を突き抜けたのは、そんな卑しい匂いではなかった。
(な、なんだこの匂いは……ッ!?)
それは、世界が創世された瞬間のマナの香り。
百合の花束を濃縮し、蜂蜜と朝露で割ったような、圧倒的に清らかで、甘く、そして狂おしいほどの生命の根源の匂い。
その芳醇な匂いは、ガロウの中に眠る獣の本能を、根底から揺さぶった。
群れの頂点に立つ族長としてのプライド。強者としての矜持。
それらが、この黄金の雫の匂いの前では、あまりにもちっぽけで無価値なものに思えたのだ。
(おお……おおお……! なんだ、この圧倒的な存在は!)
ガロウは、自分を見下ろす少女の真っ赤な顔を見た。
恥ずかしさで涙を流し、必死に唇を噛み締めて自分に命の雫を与え続けている少女。
その姿を見た瞬間、ガロウの獣としての本能は上書きされた。
彼女こそが、群れの長。己の命を捧げるべき、唯一無二の女神である、と。
(素晴らしい……。この方の雫を浴びて、この方の匂いに染まることこそが、我ら獣の至上の悦び……!)
ガロウの隻眼に、野生の、そして性癖の歪んだ熱い光が宿り始めた。
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「……ふぅっ、ふぅっ……お、終わった……!」
ガロウの四肢が完全に再生し、傷が塞がったのを確認して、レナは聖水の放出を止めた。
(もうヤダ! 絶対匂い嗅がれてた! 途中からフンフン鼻鳴らしてたもん! 恥ずかしすぎて死にたい!!)
レナは、たくし上げていたドレスを下ろそうとした。
しかし、緊張と羞恥心で足の力が抜け、ドレスの布から手を離すのが一瞬だけ遅れてしまった。
その、ほんの数秒の隙。
レナはまだ、ガロウの顔のすぐ真上に跨った状態であり、彼女の秘部は露わになったままだった。
そして、肉体の自由取り戻したガロウの、獣としての本能が、理性を凌駕した。
(……ああ……ここから、あの神々しい匂いが……)
ガロウの嗅覚は、己の顔のすぐ上にある発生源を正確に捉えていた。
黄金の雫を放出し終え、うっすらと濡れそぼっている、少女の淡い桜色の秘部。
そこから漂う、濃密で、甘く、そして狂おしいほどの神の雫の匂い。
獣人である彼にとって、群れの長の匂いを自らの体に擦り付けることは最大の愛情表現であり、服従の証である。
「————ッ!!」
ガロウは、まるで獲物に飛びかかる猛獣のように、己の首を素早く上へと持ち上げた。
「……え?」
レナが、下から迫り来る巨大な狼男の顔に気づき、間の抜けた声を漏らした瞬間。
『ペロォォォォォォォッ!!!』
ガロウの、ザラザラとした温かく分厚い獣の舌が。
神の雫でうっすらと濡れたレナの秘部を、下から上へと、情熱的に、そして慈しむように、思い切り舐め上げたのだ。
「……………………は?」
レナの脳内はショートした。
時間停止。
羞恥心が、脳内で凄まじいスパークを起こす。
ザラリとした獣の舌の感触。自分の、一番恥ずかしくて、しかも排泄直後で濡れている場所を、巨大なおっさん狼に直接舐められたという事実。
(な、ななななななななななななななななめられたァァァァァァァァァァァッ!?!?)
「ヒィィィィィィィッ!?!?!? やぁぁぁぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
テントの中に、レナの鼓膜を破るような絶叫が響き渡った。
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主人公は、自分でも信じられないほどの身体能力を発揮した。
羞恥心とパニックが限界を突破した結果、生存本能が暴走したのだ。
「変態! ケダモノォォォォッ!!」
レナは、ドレスをまくり上げた状態のまま、細く白い右足を高く振り上げた。
そして、うっとりとした顔で二口目を舐めようと口を開けていたガロウの顔面に向けて、体重を乗せた渾身の蹴りを叩き込んだ。
『ドグゥゥゥゥンッ!!!』
「グハァッ!?」
ガロウの強靭な顔面だったが、無防備だったところに、聖女の魔力バフが乗ったパニックキックをモロに食らい、その巨大な体はテントの布を突き破って外へと吹っ飛んでいった。
「レ、レオーーーーーン!! 帰る! 今すぐ帰る! 殺される! 貞操的な意味で殺されるぅぅぅ!!」
レナは、涙と鼻水を流しながら、護衛の聖騎士長レオンの背中に飛びつき、首をギュウギュウと絞め上げた。
結界の外を向いていたレオンたち聖騎士は、何事かと振り返り、テントに大穴が開いて獣人の族長が吹っ飛んでいる光景を見て目を丸くした。
「せ、聖女様!? いったい何が……対象が攻撃を!?」
「いいから! 魔法陣! 早く魔法陣出してぇぇぇッ!!」
レナは顔を真っ赤に染め、ガタガタと全身を震わせながら半狂乱で叫び続けている。
レオンは事態が飲み込めなかったが、聖女のパニック状態を見て、即座に杖を振るった。
「はっ! 第一聖騎士団、対象を保護し緊急離脱! 転移魔法陣、起動!!」
光の柱が立ち上り、主人公と聖騎士たちは、血に染まった野営地から逃げるようにして姿を消した。
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「……レオン。私は……私はもうお嫁に行けない……もうダメだ……」
「聖女様? 落ち着いてください、何があったのですか?」
教会本部の大浴場。レナは服のまま湯船に飛び込み、泣きながら石鹸で自分の下半身を親の仇のようにゴシゴシと洗い続けていた。その日一日、主人公は誰とも口を利かず、ただただ「犬怖い、犬怖い」とつぶやきながら膝を抱えて震えることになった。
一方、その頃の獣人連邦。
テントを突き破って吹っ飛んだ族長ガロウのもとへ、生き残った部下たちが慌てて駆け寄っていた。
「族長! ご無事ですか! クソッ、教会の連中め、治療すると見せかけて族長を攻撃しやがったのか!?」
しかし。
地面に倒れていたガロウは、ゆっくりと上体を起こした。
その顔面には、レナの小さな足跡がくっきりと赤く残っていた。
「……攻撃、だと?」
ガロウは、顔面の赤い足跡を、大切そうに、愛おしそうに撫でた。
「違う。これは……ご褒美だ」
「は?」
部下たちは耳を疑った。
ガロウの隻眼は、恍惚の光を放っていた。
口の中には、先ほど舐め取った神の雫の甘く芳醇な香りと、彼女の秘部の柔らかな感触が、まだ鮮明に残っている。
さらに、顔面に叩き込まれた蹴りの痛み。
上位存在から与えられた、慈愛と、それに続く強烈な拒絶と暴力。
(ああ……なんという至福。俺のような薄汚い獣が、あの美しく神々しい女神の秘部を味わい、そしてその足で踏みつけられる……。これ以上の悦びが、この世にあるだろうか!?)
ガロウの巨大な尻尾が千切れんばかりにブンブンと振られていた。
「野郎ども、聞け!!」
ガロウは立ち上がり、再生した四肢を広げて咆哮した。
「俺たちは今日から、教会の……いや、あの銀髪の聖女様の下僕となる! 俺は聖女様の忠犬だ! もし聖女様に逆らう者がいれば、このガロウが八つ裂きにしてくれるわ!!」
「ぞ、族長の頭がおかしくなったぞぉぉぉ!?」
「でも四肢が全部治ってる! すげぇ!」
こうして、獣人連邦という巨大な武力勢力は、一人の聖女の聖水によって、聖女ファンクラブへと姿を変えてしまったのである。
後日、教会本部に獣人連邦から特大の高級骨つき肉の詰め合わせと共に、「どうかこのガロウめを、一生聖女様の足拭きマットにしてください。また蹴ってください」という狂気に満ちた手紙が届き、レナが再び泡を吹いて気絶することになるのは、言うまでもない。