次世代VRゲーム世界でリアルの女ども食い散らかしてハーレムなのに一生気づかない人生終わってる系おじさん 作:萍水
結城
ダンス部?に入っているらしい。(小学校の時ダンスクラブに通ってるとか聞いた気がする)
身長150cm超えたって聞いたのがいつの話だったっけ。今たぶん155……くらい?
胸、あんまり無い。(14歳ってこんな感じ?)
姪っ子の話って言っても入って来る情報が無いからこんな感じ。ほとんど他人だね!
陽平くんが妃菜ちゃんについて知れるのはお母さんソースで伝わってくる断片的情報だけだから、オムライスが1番好きとか今はオムライスは好きでも嫌いでもないとかどうでもいい重要度の低い話しか伝わってこないし、それ以上の興味を持って掘り下げるのは彼のプライドが許さないから不可能だよ。
人間どんな状態でもプライドはあるんだから不思議だよね。
ちなみに妃菜ちゃんは陽平くんが彼女のことを知っているよりは彼のことを知ってるよ。
おもにソースはママ。
断片的情報だけど的確にマイナス評価が織り込まれているので彼女自身の叔父さんへの評価は見知らぬそのへんのおじさんよりも更にグッと低いよ。
食卓はにぎやかで朗らか。
この家に孫娘を伴って娘が帰省してくるのは年に何度かしか無い一大イベントだもん。
昔は一緒に旅行とかディズニーとか気合いの入ったイベントも企画されていたけれど、思春期の女の子だからね、多分あまりそういうのは今は好きじゃなさそう。
ほどほど近い距離に住んでいるから、こうやってご飯を一緒に食べたりするお互いに気楽な関係性に落ち着いているみたい。
陽平くんにとってはお正月かお盆くらいしか姉夫婦と姪に遭遇する機会は無くて、今日みたいなイレギュラーは──多分お互いに──避けたかったけど避けられなかった。
和やかに交わされる会話と笑顔。
陽平くんにとってそれは最も苦手なものの一つ。学校でも職場でもそうだった。
彼はそれを「くだらない会話で盛り上がってるバカども」と見下すことで自分を肯定していたけど、家族相手の時だけは普通に話せてるんだから不思議だね。
でもそこに異物(って言うのかな?お姉さんと姪っ子のことを)が入り込むと急に話せなくなる。
小さい音量でつきっぱなしのTVのニュースに向き合いながら食事することでうまいこと誤魔化しているんだよ。
「なに。彼氏ができたの?」
お父さんの、抑えてはいるけど剣呑な声に耳は一気にそっちの会話に引っ張られた。
「彼氏っていうか、ボーイフレンドみたいなものよ」
すぐに答えたのはお姉さん。彼氏とボーイフレンドって何が違うの?
チラッと見てみたら妃菜ちゃんはちょっと気まずそうな、でもちょっと得意げにも見える変な顔をしていた。
「いいじゃないの。今の人は男の子も女の子もそうやって仲良く遊ぶのよ」
うっかり口を滑らせたのはお母さんのくせに。多分お姉さん経由で聞いてたんだろうね。
お父さんは一旦前のめりで入ってしまったから、腕組みしてうーむみたいな顔で「ワシはそんな不純な関係は認めんぞい!」(そんな喋り方しないけど)的なポーズ。
「ただ一緒に出かけたり一緒に勉強したりするだけよ、ね」
「まあ、一応彼氏っていうだけだから、今だけかもしれないし」
お姉さん(ママ)に促されて軽く火消しに走る妃菜ちゃん。
その顔がちょっと困っているように見えたのがいけなかった。
「いいんじゃん?別に。そんなの普通っしょ」
普段あんまり喋らない人が急に喋ると妙に場の空気が静かな湖みたいになって焦ることない?
まさにそんな感じ。
で、喋り慣れてない人は焦る。
「まあというか逆に(?)そういう子達が少子化の解消に頑張ってくれた方が日本のためになるんじゃねえの?知らんけど」
言ってしまった後に食卓が変な空気になったことを感じた。
言ってしまう前に感じられたらもっと彼の人生は違った形になったのかもしれない。
「……あの、今そういう話してないから」
妃菜ちゃんが叔父さんに話しかけてくるのは本当に珍しいことだよ!
それが苦笑混じりの明らかに見下したような言い方だったのはビックリだけどね。
「ていうか何でいきなり少子化とかって話になるの?理解できないんですけど」
更に返す刀で斬り掛かってきた事には少なからずリビングルームに緊張を生んだよ。
「……あー、そういう難しい話は今の子は興味ないかぁ」
「はい?」
だから、叔父と姪のバチバチへの対応が遅れてしまった。
「別にいいんじゃね?そういう感じでも。中学2年だし」
「……」
「なんとなく気になったから言っただけなんで。なんか気に入らなかったんなら謝るよ、ハイごめんなさい」
「……あの、ね」
すうっと息を吸う姪っ子ちゃん。
さて最初にボールを投げたのが陽平くんであることは彼にも自覚があるんだけど、彼的には最初にボールを
自分の半分も生きてないガキに社会的生物として見下されたような(見下されてるんだけど)言い方をされて、滅多にキレない彼(と言うと温厚そうに聞こえるけど他人と争うのを極力避けているんだよ)も静かにキレてしまったのだった。
でも妃菜ちゃんからすればさっきから一方的にボールをぶつけられっぱなしでもうピキピキが抑えられなかったんだよね。
「言わせてもらっていいですかー?そもそも少子化問題の何が
「小学校の社会の授業でもやるよ普通に。
「てか何で急に会話に入って来て意味わかんないこと言ってるのかなー?って。気に入らなかったんじゃなく純粋に疑問だったんで」
「少子化が心配なら叔父さんが対策してくれればいいのに(笑)きっと彼女さんとかいるだろうから(笑)」
そこから先は視界がぐにゃっとして、よく覚えてないらしいよ。
他の家族もいろいろ取りなしてくれたり妃菜ちゃんの口の聞き方を叱ったりしたんじゃないかな?
一足先に帰ることになった陽平くんが玄関でそそくさと靴を履いていると、そっと妃菜ちゃんが近づいてきて。
「叔父さん、さっきは生意気な事を言ってごめんなさい」
と言ってきたんだ。
親に言われて謝りに来たのかな?でも、素直でしおらしい態度の姪っ子を前にして、昔遊んであげた(数少ない)思い出や抱っこされて嬉しそうにしてた時のちっちゃい頃の笑顔を思い出して──
興奮した……
こんな至近距離で、JC(じょしちゅうがくせい)を見れる事ないもん。
ガードのゆるい私服なんて、特に。
薄手のセーター越しに胸はまだ膨らみかけって感じ、ショートパンツから伸びる脚はまっすぐで太ももはすべすべ。
何より視線を惹きつけたのは、もじもじと体の前で組んだ指だった。
ちっちゃくて細くて「女の子の手」って感じ!
カワイイやばい姪まじでカワイイ
陽平くんのアタマの中はそれいっぱいになってしまった
「……でね、えっと」
視線を上げた姪っ子ちゃん。
おじさんの顔をまじまじと見つめてから。
「……実際、彼女っていたことあるの~?」
思いがけない言葉におじさんはばかみたいに口を開けてしまったよ。
一瞬遅れて
「ぷっ」
って吹き出した妃菜ちゃん。そっか、最後にそれを言ってやりたかったんだね。
そこからの記憶はまた無くなっちゃったよ!
正確に言うと、帰り道、電車に乗ってる時も、最寄り駅からアパート(家賃5.5万)に歩いてる途中も、ずっと姪っ子ちゃんのできるだけむごたらしい惨殺方法を考えていたんだよね。
あ、陽平くんが狂ってしまったわけではないよ。
こういう脳内運動は彼にとってこれまでにも何度もあった事なんだ。
頭の中でいろいろ考えはすれど、もちろん実行に移したことはないんだよ。社会学的に「最底辺」とされる人達は社会に経済的な損失は与えつつも、それ以上の害悪行動はしないという分析があるそうだけど、彼がそれに該当するのかはわからない。
そんなこんなで、日々彼なりにストレスを溜め込んでいる生活なんだけど、今日は特にでっかいそれを抱えたまま彼は彼の城に帰って来たんだ。
1Kアパートにではなく。