片田舎の食堂…1
俺は片田舎で食堂を切り盛りしている料理人の堂島だ。別に名店なんかじゃないが、最近では、ジビエを求めてくる客やフレンズのおかげで繁盛させて貰っている。
今日も昼時や夕方には多くの客がやってくる、早朝のうちに野菜や獲物の下ごしらえをしなきゃな。
今日も奴らが当たり前にいるだろうと仮定して、捕獲網を持ち、
家の裏手にあるうちの食堂の「名物ジビエ」を獲るための空き部屋に入った。
家アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz
家アライしゃん1「そんにゃにおやさいたべれにゃいのだ…」zzz
家アライしゃん2「ぴぃ…ぴぃ…」zzz
家アライちゃん1「すぴぃーすぴぃー」zzz
家アライちゃん2「のりゃぁ…のりゃぁ…」zzz
家アライちゃん3「きゅるぅ~すぴぃー」zzz
家アライちゃん4「じびぃーじびぃー」zzz
体長30cmほどのアライさんと15cmぐらいの子供が2匹、5cmほどの子供が4匹いるな。
昨日部屋に置いていた廃棄の野菜をたらふく食べたのか、全員密集して熟睡してやがる。
野生動物なら俺が部屋に入る段階で気づけよ…
この機を逃すまい、俺は咄嗟に捕獲網を奴らに投げ、被せて拘束した。
家アライさん「のだ⁉一体何が起こったのだ?」ガバッ
家アライしゃん1「あらいしゃんがねてるのに、おこすとはなにさまなのだ!」フンスッ
家アライしゃん2「あらいしゃんのきぶんをがいしたのだ!」フンスッ
家アライちゃん1「…?…もういっかいねるのりゃ…」zzz
家アライちゃん2「のりゃぁ…のりゃぁ…」zzz
家アライちゃん3「…まだあさじゃないのりゃ」zzz
家アライちゃん4「じびぃーじびぃー」zzz
親と姉(推定)が喚いているのに、暢気だな。
家アライさん「おい人間!ここはアライさんたちのおうちなのだ!」ユビサシ
家アライしゃん1「そうなのだ!はやくでていくのだ!」フンスッ
家アライしゃん2「このあみあみもとるのだ!」フンスッ
昨日の夜侵入したこの部屋を自分たちの土地だと言いたいらしい。
この状況で自分たちが有利に立てると思っているあたり、流石はアライさんだな。
ただ、こいつらのお喋りに付き合ってやるほど暇じゃない。
捕獲網を纏めて、捕獲用の寸胴にアライさんたちを入れる。
成獣でも30cmしかないから、この高さの寸胴から自力で出ることは不可能だ。
家アライさん「何するのだ!」バタッ
家アライしゃん1「あたまうったのだぁ!いたいのだあ!」ビェエエエエ!
家アライしゃん2「あしくじいたのだあ!」ビイェエエエ!
家アライちゃん1「ぐべぇ!」ビタッ
家アライちゃん2「のりゃ!」ビタッ
家アライちゃん3「じびぃ!」ビタッ
家アライちゃん4「びぃ!?…」バタバタドッスンガタガタ
寸胴に落ちた衝撃があったのか猛抗議をしてる、一番小さいアライちゃんは誰かに踏まれて死んだみたいだな。
死んじまうと血抜きが出来ないから処理が面倒何だがな…
家アライちゃん1「いちゃいのりゃああ!」グスグス
家アライちゃん2「ありゃいしゃんのききなのりゃあ!」ビクビク
家アライちゃん3「あんよがいちゃいのりゃああ!」ズキズキ
3匹のアライちゃんたちが一斉に鳴き始める。
このまま暴れられては処理できない、俺は寸胴に「プラズム凝固剤」を噴射し、蓋を閉めた。
家アライさん「なんだ…?急に眠くなってきたの…だ?」ウツラウツラ
家アライしゃん1「いたぁい…うう…」zzz
家アライしゃん2「あらいしゃんは…なにもわりゅいこと…」zzz
家アライちゃん1「すぴぃ…すぴぃ…」zzz
家アライちゃん2「のりゃ…のりゃあ…」zzz
家アライちゃん3「じびぃ…じびぃ…」zzz
どったんばったん大騒ぎしてたアライさんたちは次第に静かになった。
この薬はアライさんの体内の「けものプラズム」を凝固させることで、眠らせる効果がある。
眠らせるだけで死なないが、けものプラズムを固めているだけで殺アラ剤ではないから、
俺みたいに調理する場合は非常にありがたい。
こいつら目を覚ます前に、さっさと下ごしらえを済ませよう…