※この作品はR-18です。

無能と蔑まれたTS転生者、実は男女比1対100の世界を終わらせる力の持ち主でした   作:さっきゅんx

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今回も色々展開が進むので後書きで整理します。


第九話 隣人は万里の彼方

『おめでとうございます!

 マスターは新たな能力、能力譲渡(バックアップ)を手に入れました』

 バックアップ?

 

『はい、これはマスターが手持ちの能力を、他の方にも分け与える事が出来ると言うものです』

 と言う事は……も、譲渡出来るって事?

 

『当然です、世界を変える力の一端ですから』

 そうと決まれば!

 ごめんタケリ、ちょっと急用出来たから出かけてくる!

 

「ええっ、また急だな!

 じゃあ帰ってきたらイチャイチャの続きなー!」

 と言うタケリの言葉に見送られ、ボクは村の中を移動する。

 

「あれ?カナタさん」

「今頃タケリさんと仲良くしてる真っ最中では?」

 ボクの姿を見て、ムスビとユイが驚いたようにそう言う。

 旅の同行者たちも不安そうな顔をしてるので、ああこれはタケリと上手くいかなかったと思われてるな?

 

 ええい、そっちの説明は後!それより優先すべき事が。

 ……ムスビさん、ユイさん、もし夫役をやるとしたらどっちがいい?

 

 と用事も済んだのでタケリの元に戻って、色々あって翌朝。

 

「何と言うか……新鮮な体験でした」

「そうそう、まさかムスビがあんなに獣のように求めてくるとは……」

 待った待った!それ以上は言わなくていいから。

 

 あの後、ボクはムスビに男性化(時間制限あり)の能力を譲渡した。

 つまり子供を作れる体質にした事で、血筋が絶えてしまうのを回避したと言うことだ。

 これで村のほとんどの問題も解消したし、あとは魔獣さえいなくなってくれたら御の字なんだけどなあ。

 と思っていると。

 

 ——パパパパパーン!

 

 この世界はおろか、おそらく前世でも耳にする事のほぼない、銃声が村の外から聞こえて来た。

 

 だが、それをどう他の人に説明するかで悩む。

 この世界に本来ないものをボクが知ってるなら、転生者である事もバラす必要がある。

 

 それとも神のお告げとか、そんな感じでボカす?くそっ、この皆がいる状況だとトークに相談も出来ないからなあ……と思っていると。

 

「カナタさん、最近良く聞こえるんですよあの音」

 とムスビ。

「うちの村では小さな雷って呼んでますが」

 

 カミナリ……言い得て妙な表現だ。雷より狙って対象に風穴を開けられる点でタチが悪いけど。

 

「あの小さな雷が、村の入り口に居座ってる魔獣を倒してくれたら嬉しいんですけどねえ」

 とユイ。

 

「その願い、叶えてやったぞ」

 不意にそんな声がして振り向くと、村の入り口に女性が三名ほど立っていた。

 

 手にしているのは、間違いなく火縄銃——のようなもの。木と金属を組み合わせた、この世界にはまだ早すぎる代物だ。

 思わずボクは身構えるが、警戒しているのはボクだけだ。だってこの世界の人間は銃の怖さを知らない。

 

「バンリ様!」

 そう声をあげるムスビ。え、知り合い?

 

「ええ、隣村ジューサンリの発明王です」

 

 発明王……ボクは改めてバンリと呼ばれた女性を観察する。まず目につくのが顔の片眼鏡(モノクル)。手にした銃も含め、この世界にそぐわない技術の持ち主である事が分かる。

 何より黒髪のほとんどなこの世界の住民において、さらさらの金髪であるのも異質なのだ。あれは地毛なのか「発明」とやらで染めたのかも気になった。

 

「と言うかバンリ様。さっき願いを叶えたって……」

「ああ、あの厄介な魔獣を片付けてきたぞ。このテッポウでな」

「信じられない!そんな細い棒のような道具で?!」

「嘘は言ってないぞ?気になるなら見に行ってみるがいい」

「おい、誰か確かめに行ってくれ!」

 ムスビは村の者に指示を出す。

 

「さて、と。あんたら見ない顔だな」

 その視線がボクらに向く。値踏みするような、でも敵意はない目つきで。

 

「ただの旅の者です」

 当たり障りなく答えるボク。今の状況で下手な情報は出したくない。

 

「いいえ、この村に数々の奇跡をもたらした神の申し子です」

 いやちょっと待って、ユイさん!?

 

 前世のボクの日本人気質が、目立ったら負けって警告してるんだけど?

 こちとら波風立てたくないんだよ、空気読んで!

 って、ボク日本人だったのか?

 正直その記憶も曖昧で……日本人、なんだよな……多分。

 

「神の申し子ねえ……イチリ様が気にいるかもな」

 独り言のようにバンリがつぶやく。

 

「ムスビ様!確かにバンリさんの言う通り、魔獣は体から血を流して絶命しております」

 村の入り口に様子を見に行った女性が戻って来て、そう報告してきた。

 

「本当にありがとうございます!あの脅威が去ったとは、なんと感謝して良いやら!」

「ありがとうございます」

 ムスビとユイがそう言い、深く頭を下げる。

 

「テッポウの実験も兼ねてだからな、いい肩慣らしになった。気にするな……と言いたい所だが」

 含みのある言い方で、バンリが言う。

 

「いずれ周辺の村の長を集めた大きな集会を開く予定だ。

 感謝の代わりといっちゃ何だが、そっちに顔を出してくれると嬉しいんだが」

「ええ、その際はぜひお声がけください」

 発明王の言葉に嬉々として返答するムスビ。

 

 それは脅しじゃなく、むしろ善意からの勧誘だと思うんだけど。

 

「どうしたの、カナタ。そんな恐い顔して」

 ハルカからそう声をかけられる。ああ、表情に出ちゃってるかあ。

 

「カナタ、多分わたしくしも貴女と同じ気持ちよ」

 ツムグもボクの隣でそう言い、周囲に聞こえないくらいの小声でこう続ける。

 

「なんかあの子危ういと言うか、胡散臭いのよねえ」

 

——

 そして、その日の夜。

 えーっとまさかこの世界に勝負下着とネグリジェの文化があるとは思いませんでした。

 部屋に戻ったボクの前に現れたのは、扇動的な衣装に身を包んだハルカとタケリ。

 

「カナタが欲しいのはわたし?」

「そ、それともアタイ……かな」

 ノリノリのハルカに対して、タケリは少し照れた様子でぎこちない。

 

「もー何やらせんだよハルカ!」

「いやカナタが、こう言うの好きかなーと思って」

 

 ……本当に何やらせてんのハルカ!

 いや、大好きですが何か?

 

「うふふ、気に入ってくれて何より」

「で、どっちを先にするんだ?

 あ、アタイは別にハルカの後でも……」

 

 ふっ愚問だな。

 両方同時に決まってんだろ!

 

「「あーれー」」

 




⬜️カナタの獲得能力
男性化(時間制限)
グレードアップ
能力譲渡(バックアップ)←new

⬜️新キャラ
バンリ……ジューサンリ村の発明王、モノクルに金髪

勝負下着にネグリジェ……この世界は基本下着をつけない文化で女性は男王にされるがままなので本来必要ないが、そこは女性ばかりの村なのでオシャレの一環として、ね?
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