無能と蔑まれたTS転生者、実は男女比1対100の世界を終わらせる力の持ち主でした 作:さっきゅんx
「ようムジカ!久しぶりだな」
「ワタシをその名前で呼ぶな、タケリ」
次の目的地を目指すボクら一行の前に立ちはだかったのは、馬に乗った女性の集団だった。
「ワタシはツムジカゼ。クダク王の名により、君達の身柄を確保しに来た」
騎馬集団の長らしき女性が礼儀正しく、自らの名と目的を告げた。
「ちっ!あいつ抜け目ないな。
ふん、戦友のよしみで恨みはないが、立ちはだかると言うなら突破するまで……」
そう言ってタケリが、背中に抱えた石斧を手に持ち替える。と、
「待ちなさい、タケリ。何でも力技で解決しようとするのは貴女の悪い癖よ」
そう言って1人の女性が、二人の間に割って入る。
「カナタさんハルカさん、はじめまして。
わたくしはツムグ。ツムジカゼ陣営の、参謀と言った所かしらね」
細身で黒服の女性はどこか、サイハテ村の伝言役を連想させる。
「手荒な真似をするつもりはないの。ただ、わたくし達に一時的に身柄を預けて欲しい」
「一時的に、だと?
捕まえてあの欲ボケに引き渡すんじゃないのか?」
「ええ。確かにそう依頼されているんだけど、実際に引き渡すかは貴女達次第ね」
そう言ってツムグは、静かに笑うのだった。
ツムジカゼが言う通り、ボク達は捕虜のように縛られ拘留されるのではなく、客人のようにテントの部屋を用意されて過ごす事になった。
まるで逃げるなら好きにしなさい、と言わんがばかりに。
「そもそも逃げられないよ。“みんな”が見張っているもの」
ボクの心情を察したのか、部屋に入ってきた一人の少女がそう声をかける。ええと、君は?
「カヤ。あなたたちがここにいる間の世話役を頼まれた」
みんなが見張ってる、という言葉が気になったのでちょっと尋ねてみることにした。人力的に大勢で見張ってるのか、何かの能力が関係してるのか。
それは多分彼女の肩の、葉っぱの刺青が関係しているんだろう。
「すごいね、きみ」
カヤが感心したように言う。
「カヤの能力は、植物と会話ができるんだ。
周囲の木々や草花が、周囲を見張ってる」
いや、普通に人置くよりそっちの方が凄くない?
「あ、信じるんだ……バカにして信じない人の方が多いのに」
ああボクは元無能力者だからね、どんな能力でも持ってるだけ凄いよ。それを使いこなすのも。
……って、何でそこでハルカとタケリが笑ってるんだよ?
「だって、そう言うとこカナタらしいというか、ねえタケリ?」
「ああ同感だな、ハルカ」
なんかそこで意味分からず意気投合するのやめて貰えます?
『流石は鈍感ヒーロー』
トークも悪口なのか褒め言葉なのか分からない命名やめい。
「カヤは凄くないよ。凄いのは、使える能力にしてくれたツムグさん」
「……あまり人質に内情を話すのは感心しないわ、カヤ」
カヤの言葉に呼応するように、ツムグ本人が姿を見せる。
「!! ごめんなさいツムグさん!」
「まあ、わたくしが説明する手間が省けたけども」
けれど謝るカヤに、渡りに船といった反応をする。
「実際のところね、それは貴女たちを無理にあの王に引き渡すつもりがない理由にも繋がるの」
「どういう、ことですか?」
ツムグの言葉に疑問を投げるハルカ。
「話せば長くなるけど、我々は訳あり集団なのよ。
能力がなかったり村で評価されなかったり、あるいは問題を起こしたなど様々な理由から村にいられなくなった者が寄り集まって出来てる」
そんな事情があったのか。
「一方で、我々は探してるの」
「探してるって……何をだよツムグ?」
今度はタケリが口を挟む。
「この世界を根本から変えてくれる救世主を、よ」
——
そして、その日の夜。
タケリはツムジカゼに用があるとかで、ボクとハルカの二人だけになったのを良いことにイチャイチャを決め込むことにした。そして。
「きっとカナタなら救世主になれるよ」
藪から棒に、ハルカがそんな事を言い出す。
『気が合いますねハルカ、私も同感です』
トークまでそんな事を言い出す。いやいや、ボクはそんな柄じゃないって。
「カナタは本当に自分の事は鈍感なんだね」
『そうですとも、マスターの能力がもっと進化したら、きっと世界そのものをひっくり返す力になります』
そう言うもんかね。
「ねえカナタ、もし他に奥さんが欲しくなったら我慢しなくて良いんだよ」
『そうですね英雄色を好むと言います。嫁の4、5人持たないで何が救世主ですか』
おいおい何を言い出すのかな、この二人は。ってかハルカは本当にそれで良いの?
「私を正妻として、世界で一番に愛してくれるなら」
だめだこの世界の価値観にボクがまだついていけてない。
でもまあ、ハルカを愛してるのは確かだよ。世界中の誰よりも。
「だったら証明して」
と唇を突き出してくるハルカ。
まずはキスをせよと?本当にキスが気に入ったんだね。
ボクは彼女を抱き寄せ、唇を重ねた。
と言うかハルカも最初に比べたら随分キスが上手くなったと言うか自然になったよなあ。
と思っていると。
「あっ!」
ハルカが足を滑らせて転びそうになったので、それを庇うように体を入れ替えると、ちょうどボクが下になる体勢で倒れ込んだ。
「ごめんカナタ、大丈夫?」
うん受身は取れたしちょうど柔らかい寝床の上だったから平気……って!
ボクの無事を確認出来るや否や、再び体を密着してキスをしてくるハルカ。この子はもう……ああ、そうだ。
なあハルカ、折角だからこのままシちゃおう。
「えっ、どう言う事?」
要するにボクは彼女が上になる騎乗位を要求しようとしたのだが、説明して理解してもらうのがまず一苦労。
おまけに。
「でもそれだと、くっついて出来ないよね」
あくまで密着にこだわるハルカを説得するのに、更に時間がかかった。
「でもカナタが、どうしてもって言うなら……」
最終的にハルカが折れて、ワンピースの毛皮を脱いで裸の状態でボクにまたがった。
おお、これよこれ!
下から見上げるこの胸の膨らみは男のロマン。
「何かカナタ嬉しそう……じゃあ入れる、ねっ」
そう言って彼女は腰を沈めていく。キスだけで気持ちが高まっていたのか、処女喪失時よりそれはスムーズに収まった。
そして前回もそうだったが陰核の刺激を欲しがる彼女は、上下より前後の腰の動きを好む。
ハルカがそれを望むなら、もちろん受け入れたい所ではあるが。
「……ひゃいん!」
適度に下から乳首をいじってあげると、中が締まってボクの方にも快感がくる。
これぐらいの楽しみはあってもいいよな?
「あんっ、ちょっとカナタぁ」
と甘い非難の声をあげつつも嫌がってなさそうだし。
「もう、そっちがその気なら……」
ハルカはそう言うと上半身をこちらに倒してきて、またキスをせがむ気かな、と思っていると。
……ひゃんっ。
ハルカはボクの男性の体の乳首を舐めてきた。
「やっぱ男の体でもここ、感じるんだ」
か、カンジテナイデスヨ?
「うっそだぁ……れろれろっ」
いやん、やっぱ感じるわ。ちょっとやめてもろて!
「うふふ、ここ舐めると、わたしの中でもぴくぴく反応しておもしろーい」
……ハルカ?
「え、どうしたのカナタ。そんな怖い顔して」
そっちがその気なら、ボクも本気出す。
「あ、怒った?ごめん調子に乗りすぎた……えっ、いやっ何これ!?」
前回の行為で、彼女の感じる箇所は把握済み。
ねちっこくそこを集中的に攻める。
「ダメダメ待って待って……やっ、それ、おか、おかしくなるぅぅ」
ハルカは軽く甘イキを繰り返してる状態になっていて、その体も、そしてボクのアレを包んでいる中もピクピクとけいれんを繰り返す。
「わたしだけ先にイッちゃうのヤダぁ……一緒に、一緒にい」
まるで懇願するようにハルカが言う。
ちょっと意地悪しすぎたかな。うん、ボクも一緒にイきたいのでラストスパートをかける。
「カナタのっ、また中でっ、大っきくなってる!いいよ、出して。わたしに出して……あああああんっ!」
ハルカが絶頂を迎えると同時に、ボクは彼女の中に性を放ったのだった。
——
『おめでとうございます。
ハルカとの絆が深まったためマスターの能力が進化しました。「グレードアップ」が使用可能です』
ハルカとの行為の後、トークがそんな報告をしてくる。
グレードアップ?
『はい、深い関係になった相手の能力を更に向上させた力を使う事が可能です。
具体的に言うとハルカの「鷹の目」を進化させた「鷹の目プラス」が使用可能です』
鷹の目プラス?試しに使ってみると……なるほど視覚だけでなく聴覚もパワーアップするのか。どれどれ
「な、何という破廉恥な事をしているのだ、あの二人は」
これはツムジカゼの声だな。
「でも興味深々って表情だぞ?」
こっちはタケリか。っていうか二人してボクらの行為を覗き見かよ……何してんの。
「そ、そもそもタケリこそ、どうなのだ?もし求められたら、してしまうのか?」
「まあ向こうにその気はないだろうけど、アタイ的には全然アリだけどな」
「本気か!?」
うん……聞かなかった事にしよう。
⬜️ツムジカゼ騎馬団
作中にもある通り訳ありの女性が集まった、傭兵稼業で生計を立てる集団。馬に乗って移動するため機動力は折り紙付き。
クダク王の依頼でカナタ達の身柄を確保するが……
ツヌジカゼ……団長。傭兵なのに性格は騎士っぽい。ムジカという愛称で呼ぶと嫌がる。ムッツリスケベ。
ツムグ……騎馬団の参謀役。めっちゃ策士。
カヤ……カナタ達が騎馬団に保護されてる間のお世話係。植物と会話が出来る。