プリキュアが生まれる街~彼女達と過ごす愛しき日々~ 作:天野蒼夜
【ヒーリングっど♡プリキュア】
・花寺のどか
夏休みも残り半分を切った頃、宙夢は家で夏休みの課題を終えたところだった。
「さて、これで残りの夏休みは好きなことに専念できるな」
課題は夏休みの期間が長いということもあり、それなりの量が出されたが、初日から少しずつやればそこまで苦ではない。最終日にまとめてやればいいなんて考えも人も中にはいるが、その考えは愚の骨頂だ。
やり終えた課題を通学用の鞄に入れ終えると、スマホから着信が入った。着信元はキュアッとレスキューというアプリ。オルスタ市にはエクリプス海賊団以外にも悪さを働く人は大勢いるので、警察だけじゃ手が回らない。そこで政府が宙夢達もといプリキュアから承諾をもらって開発したのがこのキュアッとレスキューで、事件が目撃されればここに市民達が書き込み、その現場にプリキュアが駆け付けて事件を解決するという仕組みだ。
グッズが作られるほどプリキュアが人気を誇っているのは誰もが知っていることだが、それはこのアプリの存在も大きいのだ。
「銀行強盗が車で逃走中。人が汗水たらして稼いだ金を持ち逃げされるわけにはいかないな」
誰もいないところに移動した後、宙夢はプリキュアに変身。続けて自身を球状の青色のエネルギーで包んで飛行し、現場へと急行した。メテオは自身の能力によって飛行することができるのだ。
「なんだアレ!?流れ星か!?」
トラックで逃走中の犯人の1人が飛行する青色の球体もといメテオを指さす。
「こんな昼間にか?飛行機か何かだろ?」
「いやでもアレ、だんだんこっちに近づいてきてね!?」
「何だって!?」
球体がトラックの前に着地すると、青色のエネルギーが霧散し、メテオが姿を現した。
「流れ星からなんか出た!?なんだあいつ!?」
「まさかアレが噂のプリキュアか!?」
「というか、そこどけ!轢いちまうぞ!」
法定速度以上のスピードで走ってくるトラック。そんなのに轢かれたらただじゃすまないが、今の宙夢はプリキュア。走ってきたトラックを正面から受け止め、停止させた。
「ウソだろ!?」
「さあ、盗んだ金を返せ。そして警察に自首するんだ」
メテオはそう言うが、素直にそれを聞くなら最初から強盗なんてやっていない。
「誰が自首なんてするか!食らえ!」
懐から取り出した銃から銃弾を放つ。一般人なら食らってお陀仏だが、宙夢は空手によって動体視力が鍛えられている。つまり、そんな彼なら銃弾を避けるくらいわけないということだ。
「こいつ、バケモンか!?」
「自首しろ。然るべきところで罪を償うんだ」
「誰が!俺達はこの金でたらふく飯を―――」
犯人が言い終わる前にメテオは彼の首に手刀を入れる。人間相手に本気で殴るわけにはいかないので、もちろん手加減はしている。
「おい」
もう1人の犯人に視線をむけると、彼は尻餅をついて恐怖の表情を浮かべていた。戦意はもうないといった感じだ。
「お前はどうする?」
「自首します!盗んだお金も全部返します!」
「本当だな?」
「はい!もちろんです!」
「なら行け」
「はいぃっ!」
地面に頭をこすりつける勢いで土下座しまくった後、犯人は気絶した相方を車に乗せ、銀行に戻っていった。メテオは彼の言ったことが本当か確かめるべく、高いところからこっそり犯人の行動を監視。犯人は銀行に着くと、先ほど言ったことをすべて実行した。これにて事件は解決だ。
【銀行強盗がさっき自首したって!】
【さっきキュアメテオが強盗を倒してるとこ見た!カッコよかったなぁ~】
【ありがとう!プリキュア~!】
キュアッとレスキューのチャット欄にはそんなメテオに対する感謝の言葉が投稿されていた。この活動はあくまでボランティアなので、給料が発生するわけじゃない。だが、あえて言うならこの感謝の言葉がプリキュアにとって最大の給料だ。
【~♪】
キュアッとレスキューを閉じると、タイミングを図ったかのように着信が鳴った。キュアグレースこと花寺のどかからの電話だ。
【こんにちは宙夢君、今いいかな……?】
「ちょうど用事が終わったところだ。どうした?」
【えっと……明日、夏祭りがあるよね……?宙夢君は誰かと、行くの……?】
オルスタ市では毎年この時期になると夏祭りが開かれる。今のところその約束はないのでそう答えると、のどかは“よかった……”と安堵したように声を漏らした。
【実は今年の夏祭り、宙夢君と行きたいと思って……どう、かな……?】
恋人との夏祭りは夏の風物詩。故に宙夢はオーケーして夏祭り当日を迎えた。待ち合わせ場所は夏休みの開催地である神社の前。そこで待つこと10分、聞き覚えの控えめな声が聞こえてきた。
「おま、たせ……」
声がしたほうに視線を向けると、浴衣姿ののどかが目に映る。
彼女が身にまとうそれは白の生地に赤色の花が描かれたデザインはさながらキュアグレースの衣装を彷彿とさせた。
「いいな、その浴衣。似合ってるよ、すごく」
「ほ、本当……?」
「ああ。お世辞なしで似合ってるよ」
心の底からの褒め言葉にのどかははにかみながら“ありがとう……”と返す。
夏の夕暮れはまだ熱を帯びていて、鳥居の朱が燃えるように空へ溶けていた。神社の石段を上がる人の波はゆるやかで、あちこちから笑い声や、金魚すくいの水音、綿菓子の甘い匂いが風に混ざって流れてくる。
「すごい人だかりだね……」
のどかが、少しだけ宙夢の袖をつまんだ。白い浴衣の袖口から伸びる指先は、ほんのり汗ばんでいて、それが妙にいじらしい。
「はぐれないようにしないとな」
宙夢がそう言うと、のどかはこくりと頷いて、そのまま彼の手を取った。小さな、でも確かな温もりが掌に重なる。
「……これなら、はぐれないから」
彼女の耳が赤いのは、夕陽のせいだけではないだろう。宙夢は何か言おうとして、結局“そうだな”とだけ返した。握り返した手に、のどかの肩がほんの少し跳ねる。
参道の両側には色とりどりの屋台が軒を連ねていた。たこ焼き、焼きそば、りんご飴、チョコバナナ、射的、輪投げ。どれもこれも、夏の夜をこれでもかと賑わせている。
「何から見る?」
「えっと……まずは、あれかな?」
のどかが指さしたのは、色鮮やかな金魚すくいの屋台だった。小さなビニールプールのなかで、赤や黒の金魚がひらりひらりと泳いでいる。水の反射が、彼女の浴衣に揺れて映った。
「やったことある?」
「小さい頃に少しだけ……でも、あんまり上手くできなかったかも……」
「俺もだ。けど、やるだけやってみよう」
2人は屋台の前にしゃがみ込み、それぞれ紙のポイを受け取った。薄い紙は水に触れただけで破れてしまいそうで、見ているだけで緊張してくる。
のどかは慎重に、水面すれすれにポイを滑らせた。金魚が1匹、彼女の手元に近づいた瞬間、そっとすくい上げる。
「あ、取れた……!」
破れずにすくい上げられた金魚が、小さな器のなかで跳ねる。のどかはまるで奇跡でも起こしたみたいな顔で、嬉しそうに笑った。
「やるな」
「えへへ……ちょっとだけ、コツ掴めたかも」
その笑顔があまりに眩しくて、宙夢は一瞬、金魚のことなんてどうでもよくなる。
その後、射的で景品のぬいぐるみを落とし、のどかに渡すと、彼女は“ありがとう、宝物にする”と胸に抱いた。彼女の腕の中では、白いクマのぬいぐるみがどこか気恥ずかしそうに見えた。
日が完全に落ちると、境内は提灯の明かりで橙色に染まる。風が吹くたび、ひらひらと揺れる光が、2人の影をゆらゆらと揺らす。
「はぁ……こんなに動いたの久しぶりかも」
神社の裏手で一息入れる。のどかは幼い頃病気でロクに外に出れずにいた。その原因はダルイゼンだったのだが、あることで消滅の危機に陥った彼はあろうことかのどかに助けを求めた。
自分がしでかしたことを棚に上げてそのようなことをするなんて身勝手この上ないことは誰から見ても明らかなのだが、のどかは悩んだ末に助けることを拒否。結果、ダルイゼンは消滅することになったが、彼がのどかを含めた多くの人を苦しめてきたことを考えれば当然の末路だ。
「まだ目玉が残ってる。花火大会っていう目玉がな」
花火大会もまた夏の風物詩。これを見ないことには夏祭りは終われないというものだ。
「あっ♡らめっ♡こんなところで、見られちゃうっ♡」
「大丈夫だって!今皆祭りに夢中だから!」
林の方から官能的な声が聞こえてきたので、視線を向ける。その奥の方では複数のカップルがセックスで盛り上がっていた。実はこの林の奥はセックスポイントとして有名なのだ。
「宙夢君……」
のどかが赤くさせながら、裾を掴んでくる。その息は荒く、興奮していることは丸分かりだった。
「そういえば最近、シてなかったよね……?」
「シたいのか?」
「言わせないでよ……恥ずかしいんだから……」
「そういう顔をするから言わせたいんだよ」
ということで、2人も林の奥でセックスすることに。まずは浴衣を半脱ぎにさせて舌を絡め合い、互いの唾液を交換し合った。
「ちゅぷ……ちゅぷ……んぅ……れろ……♡」
のどかが宙夢の舌を吸う。その癖は昔から変わっていない。きっと彼女は最初の時から、舌フェラと呼ばれるものをしたかったのだろう。
「ほら……口開けて……」
「んっ……ちゅるるっ♡」
おっぱいを揉みながら、宙夢はのどかにいわゆる口淫をさせた。初めは先だけを咥えて舌で転がすように刺激し、次に少しずつ先端までを収める。そして最後は根元まで一気に咥えこみ、喉の奥で玉を転がした。
のどかが唾液で濡れた唇を離すと、細い糸が月明かりに銀色へ光り、ふつりと切れた。彼女の瞳は潤み、浴衣は肩から滑り落ちて白い肌が提灯の光に淡く浮かび上がる。
「ん……すごい、硬くなってる……」
熱っぽい吐息が宙夢の先端に触れて、思わず腰が浮きかける。のどかは恥ずかしそうに視線を上げると、彼の反応を確かめるように舌先で裏筋をゆっくりと舐め上げた。
「のどか……」
「……もっとしてほしい?」
問いかける声は甘く掠れている。答えの代わりに宙夢は彼女の後頭部に手を添えて軽く引き寄せた。のどかはこくんと頷き、再びそれを口に含むと、今度は先端をくわえたまま顔を前後に揺らす。湿った音と荒い鼻息が夜の空気に溶けていく。
「ふっ……んぐ……ちゅぷ、れろ……♡」
「はぁ……気持ちいい……」
彼女の舌使いは回数を重ねるごとに上達していて、どこをどうすれば宙夢が感じるのかを本能的に理解しているようだった。その健気な姿に、愛おしさがこみ上げる。
「のどか、おいで」
肩を軽く叩くと、のどかは名残惜しそうに口を離す。唇と口元が透明なもので汚れている。そのまま彼女の体を抱き寄せ、浴衣の襟を左右に開くと、薄い下着に覆われた胸が露わになった。
「あっ……」
後ろ手にブラのホックを外すと、形の良いおっぱいがこぼれるように現れた。淡い桃色の頂を指の腹でゆっくり転がすと、のどかは小さく肩を震わせる。
「や……んっ……♡」
「ここ、弱かったな」
「だって……宙夢君の指……気持ちいいんだもん……♡」
甘えるような声でそう言われ、指先に自然と力がこもる。先端を摘んでこりこりと刺激すると、のどかは宙夢の首に腕を回し、必死に声を押し殺した。遠くから祭囃子の音が風に運ばれてくる。提灯の光が揺れるたび、木々の影が2人の肌の上で踊った。
「下も、濡れてる」
「言わないでぇ♡」
下着を太ももまで下ろし、指を滑り込ませると、そこはもうとろけるように濡れていた。軽く割って指を這わせると、ぬるりとした感触が指先に絡みつく。
「んぁ……あ……♡」
「ほんと、敏感になったな」
「宙夢君の……責任だよ……♡」
恥ずかしがりながらも、のどかの腰はゆっくりと宙夢の指に押しつけられていく。彼女の中を指で掻き回すように刺激しながら、クリトリスを親指で押すと、背がしなって甘い声が上がった。
「あっ、だめ、そこ……いっしょにされると……♡」
「イきそう?」
「……うん、もう……あっ、あ、いく、いっちゃーーー♡」
のどかが体を大きく震わせると、中がきゅうきゅうと指を締めつけてくる。そのまま彼女の体を横たわらせ、自分の下半身のものを取り出すと、濡れそぼった入り口に押し当てた。
「入れるよ」
「……うん、来て……♡」
腰を進めると、奥へ奥へと飲み込まれていく。熱く柔らかな壁がすべてを包み込み、のどかは目を閉じて切なそうな吐息を漏らした。
「あ……あぁ……っ、すご……♡」
「奥まで、入った……」
「ひろむくん……うごいて……?」
そのおねだりに応えてゆっくりと抽送を始める。最初は浅く、徐々に深く。腰を突くたび、結合部分から水音が聞こえ、のどかの口からはひっきりなしに甘い声が漏れた。
「んぅ……あっ、あっ、それ……だめ、奥にあたる……♡」
「ここ?」
「ああっ♡ そこ、そこいいの……!」
ぐちゅぐちゅという卑猥な音が夜の林に反響する。のどかの両脚が宙夢の腰に巻きつき、浴衣の裾が乱れた。互いの吐息が混ざり合い、汗ばんだ肌が密着する。
「のどか、可愛いよ」
「や……そんな、見ないで……♡」
「今更だろ?」
「だって、恥ずかしい……でも……嬉しい……♡」
そう言って微笑む彼女の顔は、快楽でとろけそうなほど蕩けていた。その表情に煽られ、腰の動きがさらに速くなる。下生えが濡れた肌に触れ、肉と肉がぶつかる音が周囲に響いた。
「あっ、あっ、だめ、もう……また、いきそ……♡」
「一緒にいこう」
「うん……! 一緒に……! あ、あぁ……っ♡」
のどかの体が大きく跳ねた瞬間、最奥がきゅうっと締まった。その締めつけに耐えきれず、宙夢も低く呻きながら熱を放つ。彼女の中で2人分の熱が混ざり合い、余韻がゆっくりと全身に広がっていく。
「……はぁ、はぁ……ひろむくん……」
「大丈夫か?」
「うん……ちょっと、足腰が……へなへな……」
のどかは照れ笑いを浮かべながら、乱れた浴衣を慌てて直す。髪には小さな木の葉が付いていて、それを取ってやると、彼女はくすぐったそうに目を細めた。
「花火、間に合うかな」
「今から行けば大丈夫だろ」
手を差し伸べると、のどかはその手を握り返し、立ち上がる。ふたりの頭上で、祭りの最後を告げる太鼓の音が遠く響いていた。
「よい、しょ……」
立ち上がるのどかだったが、まだ余韻が残っているせいか、少しだけ足元がふらついていた。これでは歩くのは無理だと判断した宙夢はのどかに背を向けた状態でしゃがみ込んだ。
「宙夢君?」
「乗れよ。おぶってやる」
少し迷った後、のどかは“じゃあ、お言葉に甘えて”と言って宙夢の背に乗る。宙夢が腕で彼女の体を支えながら林の中を歩いていく中、のどかから小さな笑い声が聞こえてきた。
「どうした?」
「ううん。なんか、改めて思っただけ」
そう言うと、のどかは宙夢の胸元に手を添えて、背伸びをする。月明かりに照らされた彼女の顔が近づいてきて、柔らかな唇がそっと重なった。
「ん……」
触れるだけの、短いキス。けれど、その唇はさっきまでの熱をそのまま残しているようにあたたかかった。のどかは名残惜しそうに唇を離すと、照れたように笑う。
「……好きだよ、宙夢君」
「知ってる」
「もー、そういうとこだよ?」
頬を膨らませるのどかの手を握り返し、2人はゆっくりと参道の方へ歩き出した。夜風が火照った体に心地よく、遠くから打ち上げ花火の音が響き始める。
「ほら、始まった」
「ああ。急ごう」
走り出す2人の影が、提灯の光に長く伸びて揺れるのだった。