プリキュアが生まれる街~彼女達と過ごす愛しき日々~ 作:天野蒼夜
どこかの惑星。周囲には半壊した建物と兵器と思われる残骸。そして傷ついた兵士達で埋め尽くされていた。
この地獄絵図を描いたのはエクリプス海賊団。財宝の補給を目的にこの星に攻め込んできたのだ。
「あ〜あ、全然手応えないッスねぇ。これじゃ鈍っちまうっすよ。ふぁ〜あ」
退屈そうに欠伸をするバテテモーダ。この兵士達も相当な訓練をしたようだが、エクリプス海賊団はその努力が無駄とでも言うかのように壊滅させたのだ。
それに船長のエクリプスはおろか、幹部であるバテテモーダ達の力は使われていない。そう、この星の軍隊は一般戦闘員であるクルー達だけで壊滅させられたのだ。
「我等が相手するまでもなかったか。残念なことだ」
「僕が手塩にかけて育てたクルー達だ。そう簡単にやられるわけないだろう?」
エクリプス海賊団に所属しているクルー達はエクリプスによる指導の元、個人の強化から集団戦を想定した実践訓練が行われている。プリキュア達と戦闘で連携が取れているのはその訓練の賜物なのだ。
「せんちょーこれでしばらく財宝には困らないんじゃないッスか?」
「キミが言いたいことは分かっているよ。彼のことだろう?」
「なら、いいんスね!?」
「ああ。行って彼の強さを確かめるといい」
「いよっしゃあ!」
エクリプスから許可が下りると、バテテモーダは跳ね上がる。
「じゃあ、早速行ってくるッス!」
そう言うと、バテテモーダは軽やかなステップで去っていった。
「軽いヤツだ。アレで戦い好きとは」
「それはキミもだろう?なんなら彼と一緒に行ってもいいんだよ?」
「ヤツと組むなどごめんだ」
即答するミノトンにエクリプスは“そうかい”と言って肩をすくめる。
「私達も、地球に行く」
「エクレールの件でかい?」
「それもあるけど、目的はもう1つある」
「ほう、それは何かな?」
「そろそろ新作のアイスが出る」
そう言って、るるかもマシュタンと共に去っていった。
「船長殿、加入の際に彼女が言っていたことを覚えているか?」
「エクレールを倒さないと未来はない、だろ?」
「うむ。その意味、分かったか?」
「さあね。ただ、それが人類ーーーはては地球の滅亡に繋がるとしたら取り除かないといけない。そうだろ?」
地球は自分達が手に入れ、人類はクルーに仕立て上げる。その目的がある以上、危険因子となるものは存在してはいけない。そういう利害の一致もあり、エクリプスはるるかとマシュタンをエクリプス海賊団に迎え入れたのだ。
「襲来者から出た言葉とは思えんな……」
「いつもやっている制圧だって星やそこに住む者がいなければできないだろう?つまりはそういうことさ」
エクリプスの返しにミノトンは片眉を上げた。
ーーーーー
ところ変わってオルスタ市。宙夢はショッピングモールに向かっていた。今日はそこでショッピングする約束をしていたためだ。
「あ、来た!宙夢〜!こっちこっち〜!」
宙夢に気づくと、キュアマリンこと来海えりかが手を大きく振って存在を示す。
「早めに来たつもりなんだが、もう皆来てたのか」
集合場所にはえりかの他にもキュアプリンセスこと白雪ひめ、キュアスパークルこと平光ひなた、キュアコーラルこと涼村さんご、キュアスパイシーこと芙羽ここねもいた。
「そりゃ早くも来るでしょ!今日は宙夢の服をコーディネートするんだから!」
「ずっと前からやりたいと思ってたのよね〜!宙夢のコーディネート!」
どうやら以前からその話はしていたらしく、今日実行することになったのだ。
「俺はこういうの詳しくないからさ、皆のセンスに任せるよ」
「任してヒロぽん!カッコよくコーディネートをすれば、明日からヒロぽんも大人気モテモテメンズの仲間入りだよ!」
プリキュア限定ではあるものの、既にモテているだろうとえりか達は思ったが、空気を読んで言わないでおいた。
「ここで話すのもナンだし、中に入らない?暑いし」
「それもそっか。よ〜し!それじゃあ、ショッピングモールにレッツラゴー!」
(古い!!)
ここねの心の中でツッコむ一方、宙夢達はショッピングモールへ。そこには多くの店と人々で賑わっていた。
(宙夢からもらった機会を無駄にしないためにも、ここで皆と友達に……!)
ここねには既にゆい達デリプリメンバーがいるが、ここねはそれ以外のメンバーとも友達になりたいと以前から思っていた。だから宙夢から誘われた時、チャンスだと思ったのだ。
「(幸い今回のメンツには共通の話題がある。まずはそこからコミュニケーションを!)ねぇ、さ……さんご」
意を決して、隣を歩いているさんごに話しかける。
「どうしたの?ここねちゃん」
「!?」
名前呼びをされた瞬間、ここねは心の中で大喜び。“ここねちゃん”というワードが彼女の心の中に染み渡っていく。
「ここねちゃん?」
「あ、え、えっと……」
名前で呼ばれた嬉しさに遮られてしまったが、ここで詰まるわけにはいかない。そう思うことで自身を鼓舞させたここねは話題を振った。
「さ、さんごは……宙夢とはどうやって知り合ったの……?」
お得意のファッションの話題でも良かったが、それはこれから存分に上がるので、避けたのだ。
「宙夢君とはトロピカル部で活動してる時に知り合ったの。ほら、宙夢君って帰宅部でしょ?だからたまにウチの活動を手伝ってもらってるの」
“体を動かすこともよくあるしね”と付け足して、さんごは柔らかくほほ笑む。
「ここねちゃんはどうやって知り合ったの?」
「私は……ゆいーーー友達の紹介だった、かな……?」
「そっか。あと気になったんだけど、ここねちゃんって……人と話すの苦手だったりする?」
「!?」
“なんでわかったの!?”と言わんばかりにここねは目を見開く。しかし、これは誰が見ても分かることだ。
「図星、なんだね」
「……私、昔からそういうの得意じゃなくて、でも……宙夢がせっかくくれた機会だから、その……」
「そっか」
ここまで聞けばもう察することができた。ここねはコミュ症の身であったとしても、それを“しかたない”と諦めず、勇気の一歩を踏み出している。それは、誰でもできることではない。
「ここねちゃん」
「何……?」
「私の家、コスメ店なんだけど……今度遊びに来ない?」
「コスメ店って、もしかして……あの……?」
「うん、Pretty Holicってお店だよ」
Pretty Holicは世界中に店舗を構えるほど有名なコスメ店で、さんごの家はその一号店なのだ。
「私、コスメ好きだから……行きたい……かな?」
「うん!楽しみにしてる!」
「なんだ2人とも、早速仲良くなったのか?」
密かに会話を聞いていた宙夢が会話に割って入ってきた。
「あ、宙夢……」
「悪い、タイミングを図ったつもりなんだが……邪魔したか?」
「そんなことないよ。宙夢君、ここねちゃんを誘ってくれてありがとう。ここねちゃんとはこれからも仲良くやっていけそうだよ」
「それは良かった。ここねのほうはどうだ?」
「私も、大丈夫そう……」
若干まだ固い感じは否めないが、最初はこんなものだろうと宙夢はそれ以上の言及はせず、“なら良かった”と言って会話を打ち切った。
「なになにー?3人で何の話してるのー?」
というところで、他の3人も入ってきた。宙夢同様、タイミングを図っていたのだろう。
「今度さんごの家に遊びに行く話をしてたんだよ」
「さんごの家ってたしかコスメ店だったよね?いいじゃん!私も行きたい!」
「じゃあ、今度皆で遊びに来てよ。皆にぴったりのコスメを用意しておくから」
「ありがとう!神様仏様さんご様!!」
崇める勢いのえりかにさんごは苦笑しながら“大袈裟だよ”と言って両手をひらひらさせる。
「いいじゃないか。これで次の予定は決まったな」
「何他人事みたいに言ってんのヒロぽん?ヒロぽんも来るんだよ?」
「え、俺も?」
「うん、宙夢君も来て欲しい……な……」
上目遣いで言われてしまっては断るなどできるはずなく、宙夢は“わかったよ”と苦笑する。
「でもコスメって女の人が使うイメージあるけど、男用のコスメってあるのか?」
「あるよ。ウチでもメンズ用のコスメ取り扱ってるし」
「流石Pretty Holic一号店!品揃えが豊富!」
「じゃあ、次はさんごの家で宙夢に合うコスメ探しで決まり!」
そんな他愛のない日常話をしながら、宙夢達は洋服店に向かうのだった。
ーーーーー
ショッピングモールの屋上。バテテモーダはそこから歩く人々を見下ろしていた。
「あ〜人もこんなに多いと見つけるの面倒ッスね……。なんか見つけるいい方法とかないッスかね……」
腕を組みながら座禅を組んで考える。それが続いた後、バテテモーダの頭上に光が灯った電球が浮かぶ。
「そうだ!真面目にこっちから探す必要なんてなかったわ!このほうが手っ取り早いし!」
そう言うと、バテテモーダはナノビョーゲンを取り出す。
「進化ベイベー、ナノビョーゲン!」
バテテモーダの放ったナノビョーゲンが空に浮かぶバルーンもとい空気のエレメントに取り憑く。それによって、バルーンはみるみる内にメガビョーゲンへと姿を変えた。
「さあ、メガビョーゲンちゃん!暴れまくってプリキュアをおびき出しちゃって!」
「メガビョーゲン!」
咆哮と共にメガビョーゲンは暴れはじめた。
ーーーーー
【屋上にモンスターが現れました!屋内にいる方は急いで近くのシェルターに避難してください!】
屋内アナウンスと共に人々が逃げ惑う。洋服店で軽いファッションショーを開催していた宙夢達だったが、これでは中止せざるを得ない。
「もう!せっかく盛り上がってたのに!」
「屋上に現れたって言ってたな。行こう!」
事態に対応すべく、宙夢達は屋上へ。そこでは暴れ回るメガビョーゲンを眺めるバテテモーダの姿があった。
「おーやっと来たッスか!待ってたッスよ!」
宙夢達に気付くと、バテテモーダが陽気な声を上げながら手を振ってくる。
「はあっ!?何であいつがいるわけ!?」
バテテモーダを見たひなたが信じられないと言った顔で声を上げる。
「ひなた、あいつのこと知ってるのか?」
「バテテモーダ、ビョーゲンズって組織にいた悪いヤツだよ。でも、あいつはアースに倒されて……」
ひなたの言う通り、バテテモーダはたしかにキュアアースに倒された。だから彼女からしたらバテテモーダが現れるなんてありえないのだ。
「まさか、幽霊!?それとも生き返ったの!?」
「へー、こっちの世界の自分はそうなってるんスね。プリキュアにやられるなんて、よっぽどザコだったんスね。こっちの世界の自分って」
「こっちの世界……?まさか、並行世界から来たとか言うんじゃないだろうな?」
「ザッツライ!察しのいいヤツは助かるッス」
今目の前にいる彼はキュアアースを倒した世界線から来たバテテモーダなのだ。
「あなたもエクリプスの仲間なの?」
「一応は。まあ、いずれはせんちょーぶっ殺して自分が海賊団を乗っ取る予定ッスけど」
「ころ、す……?」
宙夢達に動揺が走る。いくら敵とはいえ、信じられないことを平然と口走ったからだ。
「船長ってエクリプスのことよね!?あんたとエクリプスって仲間なんでしょ!?その仲間を殺すとか本気で言ってるの!?」
「本気も本気、大
「問題あるかって……」
“そんなのわざわざ言わなくても分かるでしょ……”とえりかは思ったが、バテテモーダは本当に分かっていない様子だった。
「……そういうとこはこっちと変わらないんだね」
「何スか?褒めてもビョーゲンしか出ないッスよ?」
「褒めてないから!!」
「それより早く変身してくんないッスか?こっちはずっと待ってるんスけど?」
「……自分から騒ぎ起こしておいて随分な言い草ね」
「全くだ」
言いながら、宙夢達はそれぞれの変身アイテムを取り出す。
「皆、行くぞ!」
『うん!』
宙夢の掛け声でそれぞれ変身の体制に入る。
「プリキュア!オープンマイハート!」
「プリキュア!くるりんミラーチェンジ!」
「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」
「プリキュア!オペレーション!」
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「プリキュア!デリシャスタンバイ!パーティゴー!」
それぞれの掛け声で、宙夢達はプリキュアに変身した。
「海風に揺れる一輪の花!キュアマリン!」
「天空に舞う蒼き風!キュアプリンセス!」
「夜空を翔ける青色の流れ星!キュアメテオ!」
「溶け合う2つの光!キュアスパークル!」
「煌めく宝石!キュアコーラル!」
「ふわふわサンドで心にスパイス!キュアスパイシー!」
プリキュアに変身し終えると、バテテモーダは口元を吊り上げる。目的の人物が見つかったからだ。
「そんじゃバテテモーダオンステージ、開幕!」
バテテモーダが飛び上がり、飛び蹴りを繰り出す。ずっしりと来る重い一撃。それをキュアメテオはクロスさせた腕で受け止めた。
「くっ……!」
「あんたに会いたかったんスよ。さあ、自分と手合わせしてもらうッスよ!」
一旦距離を取った後、再びメテオに近づいてパンチのラッシュ。その軌道を読み、メテオは避けていく。
「やっぱ自分から戦いに来た!」
「見てるだけじゃつまんないっしょ?やっぱ自分から盛り上げていかないと!」
「こいつは俺が引き受ける!皆はメガビョーゲンを!」
「分かった!」
どういうわけかバテテモーダの目的は自分だと察したメテオはスパークル達にそう指示して、メガビョーゲンの元に向かわせた。
「男ッスね。タイマンしてくれるんスか?」
「お前の目的は俺みたいだからな。何でエクリプス海賊団にいる?」
「そんなの戦うのが好きだからに決まってるからじゃないッスか。あっちにいれば戦いには困らないッスし!」
バテテモーダにパンチを入れられ、メテオは地面を滑る。
「そんじゃタイマン張ってもらうッスよ。キュアメテオ!」
地面を蹴り、こちらに向かってきたバテテモーダが高速に等しい打撃の連打を繰り出す。メテオはそれらの軌道を読んでかわした後、拳を両手で受け止めた。
その際に発生した衝撃波が周囲にあったものを吹き飛ばす。
「やるじゃないッスか。流石せんちょーが言うだけはあるッスね」
「お前こそ。まだ本気じゃないんだろ?」
「さあ、それはどうッスかね!」
「くっ……!」
反応が一瞬遅れたことで、バテテモーダの蹴りがメテオの側頭部をかすめる。髪の毛が数本舞い散らせながら、メテオは気づいた。バテテモーダの動きが先ほどよりも速くなっていると。
「まだまだ行くッスよ!」
踏み込みからの膝蹴り。メテオは両腕でガードするが、その衝撃で体が宙に浮く。すかさずバテテモーダが回し蹴りを放ち、メテオは吹き飛ばされた。
「メテオ!」
遠くで戦っているスパークルの声が聞こえる。メテオは空中で体勢を立て直し、着地と同時に地面を蹴って反撃に出た。
「はあぁああっ!」
青い光をまとった拳がバテテモーダに迫る。バテテモーダはにやりと笑うと、その拳を真正面から受けた。
「ぐっ……!?」
「効くッスねえ……でも自分、この程度で倒れるタマじゃないんスよね!」
バテテモーダはメテオの拳を掴んだまま、そのまま地面に叩きつけた。コンクリートが砕け、砂埃が舞う。
メテオはすぐさま起き上がり、今度は蹴りを放つ。バテテモーダはそれをバックステップでかわし、間合いを取った。
「甘いッスよ!そんな遠距離じゃ倒せないッス!」
一気に間合いを詰めたバテテモーダが強烈なアッパーを放つ。メテオは体を反らしてかわすが、バテテモーダの追撃が止まらない。
「どうしたッスか!?避けてばかりじゃ勝てないッスよ!」
連続で繰り出される拳と蹴り。メテオは防御と回避に専念しながら、反撃のタイミングを窺う。
(こいつの攻撃は速い。でも、パターンは読める……!)
バテテモーダの右ストレートが来る。メテオはそれを紙一重でかわし、懐に飛び込んだ。
「もらった!」
「させるねぇッスよ!」
しかし、バテテモーダは体を捻りながら後ろ回し蹴りを放つ。メテオはとっさに腕でガードするが、勢いを殺しきれず数メートル後退した。
『はああぁああっ!』
2つの拳が交差し、周囲に広がった衝撃波が屋上の床に亀裂が走る。そして互いの拳が相手の頬を捉え、2人は同時に吹き飛んだ。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……」
互いに立ち上がり、息を整える。決着はつかない。それでも、2人の目はまだ戦いを求めていた。
「まだやれるッスよね?」
「……当たり前だ」
再び構える2人。しかし、その時、遠くからスパークルの声が響いた。
「メテオ!こっちは片付いたよ!あとはそいつだけ!」
スパークルたちがメガビョーゲンを浄化し終えたのだ。バテテモーダはそれを見て、肩をすくめる。
「あ〜あ、メガビョーゲンちゃんやられちゃったッスか。ま、今日はこのくらいで勘弁してやるッス」
「ちょっと!逃げる気!?」
「今日はキュアメテオの実力が知れただけで十分ッスから。それに、ここで無理して勝ってもつまらないッスからね」
バテテモーダは軽やかに後方へ跳び、屋上の縁に立つ。
「次はもっと本気で戦うッスよ。それまでに、もっと強くなっててほしいッスね」
そう言い残すと、バテテモーダは真上に出現させたワープホールの中に吸い込まれていった。
「……行ったか」
メテオは変身を解き、その場に座り込む。全身が痛む。倒すなんて考えられなかった。戦っている最中はやられないようにするのが精一杯だったからだ。
「宙夢、大丈夫!?」
駆け寄ってくる仲間たちに、宙夢は“何とか”と言って笑ってみせた。
「バテテモーダの言ってたから察すると、どうやらエクリプスには並行世界を行き来できる技術があるみたいだな」
「それってつまり、どういうこと?」
「バテテモーダみたいなヤツをいくらでも引き入れられるってことだ。たとえこっちの世界で倒してたとしても、並行世界から来たならそんなこと関係ないからな」
「はあっ!?何それ!?ズルくない!?」
ひめがそう言うのも当然だ。過去に倒した幹部は基本悪辣なヤツばかりなので、頭が痛くなることこの上ない。
「それにあのバテテモーダ……体感的にこっちのバテテモーダより強かった気がする」
エクリプス海賊団は常に戦火に飛び込んでいる集団。そんな生活を送っていれば実力が伸びるのは必然だ。
「また戦わないといけない上にこっちの世界よりも強いなんて……冗談キツいって……」
心底嫌そうな顔をしながらひなたが呟く。しばらくご無沙汰だった味方がパワーアップして帰ってくる展開は歓迎ものだが、敵がそれをやるのは勘弁願いたい。
「今日のところは帰ろう。皆今日はもう洋服選びって気分じゃないだろ?」
「だね……出鼻挫かれたって感じだよ……」
ということで宙夢の洋服選びは中止となり、今日は解散となるのだった。