デカパイ高級アンドロイドテスター企画inショタ 作:すばみずる
街中に響く喧しい油蝉の声は、いつの間にかツクツクボウシの少し物悲しい鳴き声へと取って代わられていた。猛威を振るっていた八月の日差しも、夕暮れ時になればほんのわずかに秋の気配を混じらせるようになっている。
小学生にとって一年で最も自由で甘美な長期休暇が、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
しかし、今年のケンタには、夏休みの最終日になって泣きながら大量のプリントと格闘するという惨めな恒例行事は無縁のものとなっていた。
リビングテーブルに積み上げられていた算数の計算ドリルや漢字の書き取り帳、そして頭を悩ませていた読書感想文に至るまで、すべての課題が今日、ついに完了したのだ。
向かいの席に静かに腰を下ろしていたプラティアは最後のページに目を通し終えると、パタンと音を立ててドリルを閉じた。
「お疲れ様でした、ご主人様。ドリルは正答率が基準値以上。自由研究のまとめも、小学生の課題としては申し分のない論理性と構成力を備えております。これで学校から課された夏休みの宿題はすべて網羅し、不備なく完了したことを確認いたしました」
いつもの冷静な表情のままプラティアは立ち上がり、テーブルを回り込んでケンタのすぐ隣へとやってきた。慣れた手つきでケンタを引き寄せると、手のひらをケンタの頭に乗せ優しく、愛おしそうに撫でさすり始める。
「計画通りにしっかりと課題をこなされて、本当に偉いですよ。ご主人様」
褒め言葉に少しむず痒そうに口元を緩めるケンタ。彼女のスケジュール管理と家庭教師顔負けの指導のおかげでスムーズに終わったようなものだが、それでもこうして真っ直ぐに褒められると達成感で満たされる。
「プラティアがいろいろ教えてくれたから、今年は全然苦労しなかったよ」
「私は手伝いこそしましたが、答えを出し書いていったのはご主人様です。ご謙遜を」
ケンタが照れ隠しに笑うと、プラティアは撫でていた手を頬へと滑らせ優しく包み込んだ。
「頑張ったご主人様には、私から何か特別なご褒美などいかがでしょうか」
急に出てきた言葉に、ケンタは思わず姿勢を正した。
「ご褒美?」
聞き返したケンタに対し、プラティアは豊かな胸元にケンタを寄りかからせて、彼の顔のすぐ近くまで自らの顔を寄せた。
「はい。このプラティアにできることなら、何なりとお申し付けくださいませ」
至近距離で囁かれる、吐息交じりの声。
「例えば……今夜はご主人様が食べたいものを何でもリクエストしていただくのもよろしいですし、一日中、ベッドでご主人様を抱きしめてずっとキスをし続けるというものでも構いません」
「それは、プラティアがしたいことじゃ?」
プラティアがキス好きなのはケンタは薄々気が付いていたが、本人に指摘するといつも情報収集やテストの為とはぐらかす。今日もまた、プラティアはさっと目を逸らして無視した。
逸れたプラティアの視線が、ケンタの唇から下腹部へとゆっくりと滑り落ちる。
「あるいは……最近ご主人様がしきりに興味を持たれて、よく目で追っていらっしゃる……私のお尻とのえっちの練習でも、何でも構いませんよ」
自分の欲望を囁かれ、ケンタの顔が一瞬にして沸騰したように熱くなった。
確かに最近のケンタは、プラティアが前かがみになって掃除をしている時や、キッチンで料理をしている時など、その極端にくびれたウエストから広がる豊満なヒップラインに釘付けになることが多かった。あの巨大な胸と同じか、それ以上に圧倒的な質量を誇る丸みを帯びた柔肉。何度か抱きついているが、あの柔らかい臀部を思うと下腹部が勝手に熱を帯びてしまうのだ。
それをご褒美として今すぐ提供してもいいと、このえっちなアンドロイドは誘惑してきている。
ケンタの本能は即座にお尻を要求していた。あの豊かな肉の間に挟まれてみたい。情欲がケンタのズボンの下で未熟な分身をすでに硬く脈打たせ始めていた。
しかしケンタはきつく目を閉じ、頭を振ってその甘すぎる誘惑をなんとか振り払った。
ここで流されてしまえば自分はまた快楽の海に溺れ、一日中ベッドの上で欲情を持て余すだけの子供に戻ってしまう。夏休みの最後くらい、もう少しだけ有意義な、そして特別な時間を彼女と過ごしてみたかったのだ。
「じゃあ……プラティアと一緒にお出かけしたい」
少しの沈黙の後、ケンタは絞り出すようにそう告げた。
予想外の答えだったのか、プラティアの完璧な造形の顔に、ほんのわずかな驚きの色が浮かんだ。目が丸く見開かれ、ケンタの顔をじっと見つめる。
「お出かけ、でございますか?」
「うん。……考えてみればさ、僕たち、まだ一緒に外に出たことないじゃないか」
ケンタの言う通り、プラティアがこの家にやってきてからというもの、彼女は家事の合間に日用品や食料品の買い出しに出かけることはあったが、その間ケンタは夏期講習や家で留守番をしながら勉強や遊びに励んでいた。
家の中はプラティアのおかげで快適な空間となっていたし、えっちな奉仕に夢中になっていたこともあって、外に出る必要性をまったく感じていなかったのだ。
「夏休みが終わっちゃったら、学校が始まるから、プラティアと長い時間一緒にいられるのは土日だけになっちゃうでしょ。だから、今のうちにどこか行っておきたいんだ」
それはただの子供のわがままではなく、大切な同居人との思い出を作りたいという願いてもあった。
これほど美しく、自分を全身で愛してくれる女性を連れて、外の景色を見てみたかった。隣を歩いて、誰かに自慢したいという小さな見栄もあったかもしれない。
ケンタの真っ直ぐな瞳と言葉を受け止めたプラティアは、やがてその冷静な顔を緩め、今日一番の柔らかな微笑みを浮かべた。
「なるほど……ご主人様は、私との外での思い出をご所望なのですね」
プラティアは少しだけ考える素振りを見せた後、胸元からデバイスを取り出した。
「それでしたら、ちょうど良いご案内が届いておりましたわ」
プラティアがデバイスの表面を指先でなぞると、空中にホログラムスクリーンが展開された。
そこに映し出されたのは、緑豊かな木々に囲まれた、ガラス張りの高級ホテルのような美しい建物の外観だった。空中に浮かぶチラシのようなその画像には、優雅なフォントで『リフレリリース』という施設名が刻まれている。
「これは……ホテル? ……プール?」
ケンタが首を傾げると、プラティアはホログラムを指し示しながら説明を始めた。
「単なる行楽地のように見えますが、こちらは私を開発したブロッサム・インダストリィが経営する総合リラクゼーション施設なのです。人間向けのスパ施設であると同時に、私たちアンドロイドのメンテナンス施設としての機能も兼ね備えております」
流れるような解説を聞きながら、ケンタは空中の画像を眺めた。確かに文章を読むとあちこちアンドロイドがどうとかと文言は記載されている。
「ここがどうかしたの?」
「実は、当機が稼働を開始してから一定の期間が経過いたしましたので、初期不良の確認とシステムの最適化を目的とした定期診断の時期が近づいていたのです。この施設であれば私が専門のラボで診断を受けている間も、ご主人様は併設されたスパエリアでゆったりとお寛ぎいただけますし……」
プラティアはそこで言葉を区切り、ケンタの耳元へと顔を寄せた。
「メニューによっては、中で一緒にマッサージを受けることができるコースもございます。共に楽しめることは多いかと」
マッサージと聞いた瞬間、ケンタの脳裏に以前ベッドの上で透明なビニールシートを敷いて行われた、あの過激すぎるオイルマッサージの記憶が鮮明にフラッシュバックした。
マイクロビキニ姿のプラティアの太ももに挟まれるあの快感。それを外の施設で、プラティアと共に受けることができるというのか。一体どのような形になるというのか。
「そして何より……」
プラティアはさらに声を潜め、寝所でケンタを甘やかす時の誘惑するトーンで囁いた。
「ご主人様のようなモニターの参加者には、本来であればVIP専用である特別個室が割り当てられるそうですわ」
VIP専用の特別個室。言葉の響きが持つ非日常の響きに、ケンタの心臓が大きく跳ねた。
プラティアの手が、いつの間にかケンタのTシャツの裾から内側へと滑り込んでいた。
ひんやりとした指先がケンタの腹部をなぞり、ゆっくりと上へと這い上がっていく。そして薄い胸板にある小さな突起を、親指と人差し指でそっと摘み上げた。
「ひあっ……」
「私がこの家で整える、ご主人様との日常的な逢瀬はもちろん快適で素晴らしいものですが……」
プラティアの指先が、ケンタの乳首をねっとりと愛撫し始める。コリコリとした硬い感触を引き出し、爪の先で軽く弾いた。
度重なるプラティアの奉仕によって開発されつつあるケンタの身体は、ただ胸の先を弄られただけで痺れるような快感を覚えるようになってきていた。
「非日常の空間、誰も入ってこない隔離された特別なお部屋でのらぶらぶえっちも……きっと、とてつもなく素敵なものになりますよ♡」
耳元で鼓膜を舐め回すような湿った声。そして、胸元で続く絶え間ない快感の波。
お出かけという単なる誘いが、いつのまにか性的な期待によって見事にコーティングされてしまった。
共に思い出を作りたいという気持ちと、まだ見ぬ場所でのプラティアとのえっちな行為への渇望。その両方がケンタを突き動かす。下半身の熱はもはや隠しようもないほどに膨れ上がり、ズボンの生地をテントのように押し上げている。
「い、行くっ♡ そのスパ施設、絶対行くっ♡」
ケンタは顔を真っ赤にして、プラティアにしがみつきながら力強く頷いた。
その決断にプラティアは満足げに微笑み、ケンタの乳首を愛撫していた手をゆっくりと引き抜いた。
「かしこまりました。それでは早速、リフレリリースへのVIP予約を手配させていただきますね」
ホログラムスクリーンが消去され、プラティアはケンタの頭を再び撫でた。
「ご主人様との初めてのお出かけ……私も、心から楽しみにしております」
ケンタはそのまま手続きを始めるプラティアの脇腹に、ズボンの下で疼く情欲を押し付け腰を振り始めていた。