(語り手:ジェリ)
世界が死んでから、もう何日が経ったでしょうか。
私の内部時計(クロック)は正確にその時間を刻んでいますが、それをエリィに伝えることはありません。彼女にとって、時間の経過は「絶望の蓄積」でしかないからです。
厚さ50センチの強化ガラスの向こう側には、かつて「東京」と呼ばれた都市の残骸が広がっています。
空は、錆びついた鉄のような赤黒い雲に覆われ、そこから絶え間なく「胞子の雪」が降り注いでいます。それは美しい雪などではありません。
人間が作った殺戮兵器が、人類を根絶やしにするために散布したUmbraウイルスの結晶です。
地面には、かつて人間だったものたちが、苔のような緑色の結晶に覆われて眠っています。風が吹くたびに、彼らの体からキラキラと胞子が舞い上がり、新たな死を運びます。
この星にはもう、鳥のさえずりも、車の走る音も、子供の笑い声もありません。あるのは、風が廃墟を通り抜ける時の、うめき声のような音だけです。
私は強化ガラスの向こうに広がる死の世界を、静かに見つめていた。
「……ん……っ」
ベッドから漏れる甘い吐息に、私はすぐに反応した。
エリィが、熱に浮かされた瞳で私を見上げている。
20歳の彼女の体は、すでにUmbraウイルスの影響で火照り、細い肢体がシーツの上で小さく震えていた。
「ジェリ……もう、限界……」
彼女の声は、甘く掠れていた。 私はベッドの横に跪き、彼女の頰を優しく撫でた。
「おはようございます、エリィ。……渇きましたか?」
エリィは何も答えず、ただ熱い瞳で私の股間を見つめた。
「……欲しいの」
私はベッドの端に腰掛け、ゆっくりと両脚を開きました。
ズボンのファスナーを下ろす音が、静寂な部屋に大きく響きます。
本来生殖機能を持たない私の股間には、人間のような器官の代わりに太い円筒状の「主排水ポート」が格納されています。
私はエリィの頭を優しく抱き寄せ、私の股間へと導きました。
彼女の熱い吐息が、露出したポートにかかり、私のセンサーが過敏に反応します。
「……出して」
エリィが、震える指で私のポートを握りしめました。
硬質で、熱を持ったその管を、彼女は愛おしそうに頬ずりします。
そこは私の全エネルギーが凝縮される、最も重要な場所。
ここから排出される液体は、腕のポートとは比べ物にならないほど高純度で、そして甘美なはずです。
「いきますよ、エリィ。……こぼさないでくださいね」
私はエリィの髪を撫でながら、内部ロックを解除しました。
カチリ、という硬質な音と共に、ポートの先端から、とろりとした黄金の蜜が滲み出します。
エリィは待ちきれないように口を開き、その先端を深くくわえ込みました。
「ん……っ、じゅる……」
彼女の温かい口腔内が、私の無機質な管を包み込みます。
舌が動き、吸い上げる圧力がかかると同時に、私の視界は快楽のノイズで真っ白に染まりました。
これは給水です。ただの栄養補給です。……そう自分に言い聞かせても、私の腰は意思に反して跳ね上がり、彼女の口の奥へと深く潜り込もうとしてしまいます。
「ふぁ……んっ、ごく……」
エリィが喉を鳴らして飲み下すたび、私の命が、魂が、彼女の中に射出されていく。
彼女が私のモノを扱けば扱くほど、私は空っぽになり、彼女は満たされていく。
その行為は、どんな人間のセックスよりも深く、濃厚な「交わり」でした。