セメギャル-僕の彼女は金髪黒ギャルの玲香さん- 作:もすまっく
お風呂から上がった後、僕と玲香さんは部屋で話している内に結局我慢出来なくなりそのまま二回戦を始め最後まで致してしまった。
お互いの気持ちと体を堪能した僕達は裸のままベッドの上で横になり、啄むようなキスを繰り返しながら余韻に浸っていた。
すると空気を読んで落ち着くのを待っていたらしい母さんが部屋のドアをノックし、朝食が出来ていると言い残してそのまますぐに下に降りて行ってしまった。
「……行きますか」
「……うん、行こっか」
何とも言えない空気のまま僕達はいそいそと服を着ると、二人で一緒に母さんのいる一階のリビングへと降りて行った。
「「「……」」」
元々母さんは口数が少ない人だったので普段であれば気にならなかったけれど、今回に限ってはその沈黙がとても気まずかった。
遅めの朝食を終えた僕達はまた部屋に戻って少し寛いだ後、玲香さんの家に向かう為に荷物をまとめ始める。
「見て見てたっくん」
「どうしたんですか?」
「ほらもうこれとかぐっちゃぐちゃ」
ビニール袋に入れられていたのは玲香さんが着ていた下着。僕との行為によって色んなものが染み付いてしまっている使用済みの下着だ。
「なんでちょっと唾を飲み込んだのたっくん?」
「え?き、気のせいですよ?」
「ふぅん?」
「な、何ですか?」
「たっくんは使用済み下着に興味あり、と」
「違いますからっ!何かちょっとえっちだなって思っただけですからっ!」
そんなやり取りをしながらも順調に荷物をまとめ終わった僕達は、そのまま玄関へと向かう。二階から降りて来る音で気が付いた母さんも僕達を見送る為に玄関へとやって来た。
「準備は終わった?」
「うん終わったよ母さん。玲香さんも忘れ物は無いですよね?」
「うん大丈夫」
「それじゃ母さん、玲香さんを家まで送って来るよ」
「気を付けて。玲香ちゃんも」
「はいっ!泊めてくれてありがとうございました彩音さんっ!」
「玲香ちゃん」
「はい?」
「この家を出る時は行ってきます、でもいいからね?」
「―――え?」
「昨日も言ったけれど、私にとって玲香ちゃんはもう娘みたいなものだから。だからいつでも帰っておいで?」
母さんの言葉に目を瞠った僕は思わず隣にいる玲香さんに視線を送る。玲香さんは言葉が出ない様子で母さんを見つめている。
「勿論、玲香ちゃんが望まないのであれば無理にとは言わないけれど―――」
「そっ!そんなことないですっ!すっごい嬉しいですっ!」
目を潤ませた玲香さんが勢いよく母さんに抱き着いた。その勢いに少しだけ驚いた様子の母さんだったけれど、すぐに玲香さんの背中へ手を回して優しく撫でる。
「本当に嬉しいです……彩音さん……」
「拓斗をよろしくね玲香ちゃん」
「―――っ!!」
抱き着いていた体を離し、玲香さんは母さんの手を両手で握る。
「はいっ!任せてくださいっ!」
「もし拓斗に何か不安な気持ちを抱いたら、すぐに押し倒してその気持ちを吐き出してしまうんだよ?」
「母さん?」
「あはっ、了解しましたっ!」
「玲香さん?」
ビシッと母さんに敬礼をする玲香さん。僕の目の前でなんて会話をしているんだと愕然として見ていると、何かを思い出したのか玲香さんの顔が少しだけ曇る。
「あの、彩音さん」
「うん?」
「えと、もしよかったらなんですけど……」
「うん」
「彩音さんを、ママって呼んでもいいですか?」
それを聞いた母さんは珍しく目をパチパチとして面食らっていた様子だったけれど、すぐにいつものクールな表情へ戻し玲香さんに向かってしっかりと頷いた。
「うん、いいよ」
「―――っ!!やったっ!彩音ママありがとっ!」
玲香さんはまるで花が咲いたかのような笑顔で母さんにもう一度強く抱き着いた。
翌日、いつも通りの時間に学校に着いた僕は教室の自分の席で静かにスマホを使ってローションについて調べていた。学校で一体何をしているんだという気もしなくもないけれど、気になったのだから仕方がない。
(玲香さんが家から持って来てたけど、結局使わないままだったなぁ)
どうやらローションといっても色々と種類があり、成分によって流して捨ててもいいものからキッチンペーパーなどで拭き取ってゴミとして捨てるものなどいくつかあるらしい。
そんな感じでローションについての知識を深めていると、いつの間にか教室は騒がしくなっており、その中に僕の大好きな彼女の声が混じっている事に気が付いた。
「はよー」
「あれ?玲香今日早いじゃん」
「んー?いつもこんなじゃないっけ?」
「なんかもうちょい遅くなかった?」
「もうちょいってあんま変わんないじゃんそれ」
「確かに」
「あっ玲香おっはー」
「おはよー」
僕はチラリと玲香さんの方へ視線を送る。そこではいつも仲良くしているギャル友(僕が勝手にそう呼んでいる)と挨拶を交わして話している玲香さんの姿があった。
今日も綺麗で可愛いなと思いながらこっそり見ていると、玲香さんの胸をじっと見つめていたギャル友の一人が口を開く。
「ねー玲香さー?」
「んー?なに?」
「何か前よりそれデカくなってね?」
ギャル友の一人が玲香さんの素晴らしいボリュームの胸を指さしそう言った。指摘された玲香さんの胸を見た別のギャル友が話に乗ってくる。
「言われてみると確かにデカくなってね?」
「ちょっ、こんなとこで言うなし」
「その大きさでまだ成長するとか玲香ヤバすぎ」
「いいなぁー私にも分けてよ玲香ぁー」
「いや分けるとか無理だし。ってか声デカイから」
「玲香の胸の方がデカイじゃんっ」
「アハハッ、確かにっ」
「アンタらさぁ……!」
そんな会話を聞いてしまった僕は、思わず教室にいる人達の顔を盗み見る。すると当然の事ながらチラチラと見る人もいれば、その会話の空気に乗じて堂々とガン見している人もいた。
それを認識した瞬間から燃え滾るような衝動が体の内から溢れて来るのを僕は必死に抑えつけた。
そうしている内に更に悪い方向へと状況が動いてしまう。玲香さんやギャル友と比較的よく話す男子グループの一人が悪ノリして会話に入って来てしまったのだ。
「マジ?花宮まだデカくなってんの?」
「は?アンタに関係ないから入ってくんなし」
本気でイラついたような声で一蹴する玲香さんに、その男子はニヤついた顔で話を続ける。
「やっぱ揉んでるからそんなに育ってるとか?俺で良かったらもっと大きくするの手伝うけど?」
「マジでキモイ。話しかけんな」
「アンタに玲香が揉ませるワケないじゃん?いくらなんでも夢見過ぎ」
「お前に聞いてねぇから貧乳」
「はぁ?マジでキモっ!これでもDなんですケド!?」
「花宮と比べたら無いのと一緒だろ」
「うわマジでキモイこいつ」
そんな下品な会話をしている二人の中に、同じ男子グループの別の一人が更に追加で参加してしまう。
「つうか花宮がお前に揉ませるわけないじゃん?揉ませてって言って揉ませてくれるなら俺だって言うわ」
「いやいや、花宮だったらもしかしたらいいよって言ってくれるかもしんないじゃん?」
そんなふざけた会話を教室の中で堂々としている二人。。
「ちょっとアンタらいい加減にしてくんない?」
「いやいやマジになんなって花宮?な?冗談だから冗談。つうかお前らがデカくなっただの言い出したのが悪いだろ」
「はぁ?人のせいにすんなし」
「お前らがデカくなった?とか言うからさ?そりゃこっちとしては見ちゃうだろ」
「まぁ確かに見るよな、花宮マジでデカイし。ってか学校で一番デカイだろ?」
そんな会話が続いている中、一つの椅子が音を立てずに動いていく。
「ねぇアンタらさ?人の体で何勝手に盛り上がってんの?ホントにキモイしやめてくんない?」
しかし教室の中にいる人間には、その椅子が動いた事に気が付いた者は一人もおらず。
「いやでもマジな話、俺でいいならいくらでも手伝うし付き合うよ?」
空気というものはとても恐ろしい。普通であれば言えない事や出来ない事をこうして悪気も無く平然と言ってしまうのだから。
「―――だからさぁっ!!」
だけど、空気は空気でしかない。
たった一人の言葉があれば、それはいとも簡単に崩れて消えてしまう。
「やめてもらえせんか?」
誰にも気付かれる事無くその空気の中心へ近づいていた水崎拓斗はこの日、初めてクラスメイトにその怒りを露わにした。