セメギャル-僕の彼女は金髪黒ギャルの玲香さん- 作:もすまっく
何かが僕に触れているような感じがする。最初は玲香さんの胸の感触かとも思ったけれど、何か細い物でつつかれているような感じなのできっと玲香さんではないと思う。でも玲香さんでないとしたらこれは一体何なんだろう。
「ふふ、可愛いわね。玲香ったらいつの間にこんな子を見つけて来たのかしら?」
心地のいい感覚に包まれながら微睡んでいた僕の耳に、玲香さんとは違う女性の声聞こえた僕は眠気が全て吹き飛び、瞑っていた目を大きく開く。
玲香さんに抱き着きながら寝ている状態の僕は声のした方へ視線向ける。するとそこには黒髪に変わり大人になったような見た目の玲香さんがこちらを覗き込んでいるのが見えた。
「あら?起こしちゃった?ごめんなさいね?」
眉尻を下げ可愛らしく謝った玲香さんに似た女性。当然今もこうして玲香さんと裸で抱き合いながら寝ている僕の頭の中はパニックになっている。
「しー。大丈夫だから落ち着いて?玄関に知らない靴があったから少し様子を見に来ただけなの。だから今はまだゆっくり寝ていてね?」
彼女はそう言って僕の頭を優しく撫でると、静かにこの部屋を後にした。
完全に目が覚めてしまった僕は玲香さんの胸に顔を埋める。その柔らかさと温かさで現実逃避をしなければ落ち着く事が出来なかったからだ。
しばらくそうして心を落ち着かせていると玲香さんが目を覚ましたので、起きた事を全て玲香さんに打ち明けた。するとそれを聞いた玲香さんの口からはたった一言だけ帰って来た。
「あーそれママだよ」
自分の母親にも彼女である玲香さんの母親にも、普通では無い状況で僕達の関係を認識されてしまった瞬間だった。
◇◇◇
「ちょっとママ!たっくんに抱き着かないでよ!」
「イヤよ。だって私の息子になるんでしょう?こんな可愛い息子が出来るなんて夢みたいだわ」
うっとりとした表情で抱き締めている僕を見つめて来るのは、玲香さんの母親である花宮
服を着た僕達がリビングに辿り着くと、僕の姿を見た華凛さんが花が開いたかのような笑顔で抱き締めて来たのだ。
「だからってくっ付かないでよ!アタシのたっくんなんだから離れて!」
「もうそんなに大きな声を出して玲香ったら。ごめんなさいねたっくん?うるさくしちゃって?」
「い、いえ」
「あー今たっくんって言った!たっくんって呼んでいいのはアタシだけなのママ!」
ぐいぐいと僕と華凛さんの隙間に手を捩じ込んで引き離そうとする玲香さん。
「はいはい分かったわよ玲香。離れるから静かにして頂戴。私にはいつでも甘えてくれていいからねたっくん?」
「あーーまた言った!もーーー!」
「お、お気持ちだけで結構です!ほ、本当に大丈夫なので!お気遣いありがとうございます!」
解放された僕をすぐさま抱き寄せた玲香さんは、我が子を守る母親のような警戒心を持って華凛さんを睨みつける。
「たっくんを甘やかしていいのはアタシだけなんだからママっ」
「えー?私にだってたっくんを甘やかす権利くらいあるわよ?」
「そんな権利ないし!てかママにはパパがいるんだからいつもみたいにパパを甘やかせばいいじゃん!」
「それはそれ、これはこれよ?」
何か美味しいとこ取りみたいな事を言い出した華凛さん。二人のやり取りを聞いている中、華凛さんに甘えた時の事を想像した僕は嬉しさよりもどちらかと言えば少しだけ嫌悪感に近い感情を抱いてしまった。
別に華凛さんが悪い訳じゃない。僕がまだ華凛さんの事を良く知らないというのもある。
だけど別れ話をした時や教室での玲香さんを思い浮かべればどうしたってそうなってしまう。僕が玲香さんを誰よりも大切に想っているように、玲香さんもまた僕の事を誰よりも大切に想ってくれていると知っているから。
「それにしても玲香?私も帰ってきたら驚いたのよ?知らない靴が玄関にあるし、名前を呼んでも返事が無いからもしかしたら大変な事が起きているんじゃないかって」
「それはだって、たっくんといっぱいシたかったし」
「それならちゃんと連れ込むって私に連絡して頂戴?」
ん?と僕はそこで首を捻った。
「……ごめん。でもどうしても我慢出来なくてさ」
「その気持ちは私にも良く分かるけれど、もし貴女が見知らぬ誰かに襲われていたらって不安になる私の気持ちも考えてね?」
「……うん、ホントにごめん」
何かちょっと感動的なシーンに見えるけれど、僕はあまりにも気になってしまったのでつい二人の会話に口を挟んでしまう。
「いやあの、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「どしたのたっくん?」
「どうかしたの?」
「どうしても気になった事があったので華凛さんに聞きたいんですけど……」
「何かしら?」
「華凛さんはその、僕と玲香さんが性的な行為をする事に反対しないんですか?」
「しないわよ?」
華凛さんのあまりの回答の早さに僕は啞然としてしまう。
「だって玲香?たっくんは貴女が選んだ男の子なんでしょ?」
「うん、そだよ」
「なら好きにしてもらって結構よ?」
「えっと、本当にいいんですか?」
「いいわよ?私も早く孫の顔が見たいもの」
「だってさー?良かったねたっくん?これからもいっぱいシようね?」
抱き締めている僕にとても嬉しそうな声で言いながら頬を擦りつける玲香さん。
どうして僕の母さんも華凛さんもこんなに僕と玲香さんがヤる事を当たり前のように推奨してくるんだろうと、僕は頭を悩ませる事になった。
しかしその理由を僕が知るのはしばらく後の事になる。